姑獲鳥の夏

姑獲鳥の夏

古書店主・中禅寺秋彦(京極堂)が骨を巡って交錯する事件に関わり、謎解きに挑む姿を描いた作品。京極夏彦原作の小説『百鬼夜行シリーズ』のコミカライズ第3弾。(原作のシリーズでは第1弾の作品。)

正式名称
姑獲鳥の夏
ふりがな
うぶめのなつ
原作者
京極夏彦
作者
ジャンル
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

小説家・関口巽は、学生時代からの友人で古書店主の中禅寺秋彦(京極堂)を訪ね、20箇月以上妊娠しているという女性の噂について相談する。その女性は久遠寺医院の次女久遠寺梗子で、失踪しているという彼女の夫久遠寺牧朗は、関口、京極堂の学生時代の先輩だった。その後も久遠寺医院の周辺には次々に奇怪な事件が起こり、京極堂は私立探偵榎木津礼二郎や刑事の木場修太郎と共に調査に動き出す。

登場人物・キャラクター

中禅寺 秋彦 (ちゅうぜんじ あきひこ)

長い髪に目つきの鋭い男性。中野の坂の上で古書店・京極堂を営んでいる。裏手にある神社武蔵晴明社の宮司もつとめ、副業で拝み屋もしている。宗教や民族伝承等に深い知識を有している。周囲からは店の屋号に因んで「京極堂」、「京極」と呼ばれている。「この世に不思議なことなど何ひとつない」が口癖。常に和装で、事件の現場に向かう際には五芒星の紋が入った漆黒の羽織と着物を着る。 学生時代からの友人関口巽から20ヶ月以上妊娠しているという女性の話の相談を受けたことが機縁となり、久遠寺医院の事件に関わるようになる。

関口 巽 (せきぐち たつみ)

気弱そうな男性。小説家で 中禅寺秋彦(京極堂)とは学生時代からの付き合い。かつて鬱病に悩まされ、現在も時折精神的に不安定になることがある。小説だけでは食えず、カストリ雑誌に奇譚を寄稿しているが、ある日20箇月もの間子どもを身籠るという話を聞きつけ、ネタにしようと京極堂のもとに相談に訪れた。後に、この話に自らも関わっていたことを知る。

榎木津 礼二郎 (えのきづ れいじろう)

端正な顔立ちの男性。私立探偵で、神保町で薔薇十字探偵社を営んでいる。旧制高等学校では中禅寺秋彦(京極堂)、関口巽の一期先輩で、彼らから「榎さん」と呼ばれている。学生時代は何もかも優秀で眉目秀麗、また華族の家柄で皆の羨望を集めていた。警視庁の刑事木場修太郎とは幼馴染。視力は悪いが、相手の記憶を見ることができるという不思議な能力を持っている。 天衣無縫で奇妙な振る舞いが目立つ。久遠寺医院の長女・久遠寺涼子から、妹夫婦を巡る事件の相談を受ける。

木場 修太郎 (きば しゅうたろう)

いかつい身体の男性。警視庁捜査一課に所属している刑事。私立探偵の榎木津礼二郎とは幼馴染で、中尊寺秋彦(京極堂)とも旧知の仲。第二次世界大戦中、関口巽の部下だった。

久遠寺 涼子 (くおんじ りょうこ)

雑司ヶ谷にある久遠寺医院の長女。人目を惹く美しい容姿だがどこか陰のある女性で、年齢は28歳。年子の妹・久遠寺梗子が20箇月間も子を宿したままであること、梗子の夫久遠寺木牧朗が失踪していることを思い悩み、私立探偵の榎木津礼二郎のもとに相談にやってくる。

久遠寺 梗子 (くおんじ きょうこ)

中禅寺秋彦(京極堂)が関わる事件の関係者の1人。雑司ヶ谷にある久遠寺医院の次女で、久遠寺牧朗の妻。婿養子である牧朗が失踪後に妊娠したが、その後20ヶ月以上子を腹に宿したままの状態が続いている。

久遠寺 牧朗 (くおんじ まきろう)

眼鏡をかけた物静かな佇まいの男性。中禅寺秋彦(京極堂)や関口巽の旧制高校の一期先輩の男性。学生時代の渾名は「藤牧」で、久遠寺医院の娘に一目惚れした。第二次世界大戦後に医師となり、久遠寺医院の婿となったが、謎の失踪を遂げる。

内藤 赳夫 (ないとう たけお)

中禅寺秋彦(京極堂)が関わる事件の関係者の1人。荒んだ雰囲気の男性。雑司ヶ谷にある久遠寺医院に住み込む医師の見習い。国家試験に3度落ち、院長の久遠寺嘉親達から評価されず、陰険な性格になっている。失踪した久遠寺牧朗が、妻の久遠寺梗子に非人道的な人体実験をしていた、と語る。

久遠寺 嘉親 (くおんじ よしちか)

中禅寺秋彦(京極堂)が関わる事件の関係者の1人。太って頭の禿げた壮年の男性。雑司ヶ谷にある久遠寺医院の院長。久遠寺涼子・久遠寺梗子姉妹の父親。元は外科医だったが、現在は産婦人科医をしている。

久遠寺 菊乃 (くおんじ きくの)

中禅寺秋彦(京極堂)が関わる事件の関係者の1人。和服姿の婦人。雑司ヶ谷にある久遠寺医院の事務長。院長久遠寺嘉親の妻であり、久遠寺涼子・久遠寺梗子姉妹の母親。梗子の夫久遠寺牧朗が、久遠寺家を恨んで嫌がらせをするために婿入りしてきたと思い込んでいる。元は御典医の血筋である久遠寺家の歴史に通じ、誇りとしている。

里村 紘市 (さとむら こういち)

眼鏡をかけた小柄な男性。外科医で、警視庁の監察を勤めている。普段は里村外科を営んでいるが、死体が出ると喜んで駆けつける変わり者。中尊寺秋彦(京極堂)とも面識がある。

関口 雪絵 (せきぐち ゆきえ)

中禅寺秋彦(京極堂)の友人関口巽の妻。落ち着いた性格で、不安定な夫を支えている。京極堂やその妻・中禅寺千鶴子ともお互い良く知った仲。

中禅寺 敦子 (ちゅうぜんじ あつこ)

ショートヘアーの女性。中禅寺秋彦(京極堂)の妹。大手出版社・稀譚舎の看板雑誌「稀譚月報」の編集記者。関口巽とも旧知の仲。兄の京極堂とは対照的に、明るく活動的な性格。

青木 文蔵 (あおき ぶんぞう)

こけしのような顔をした男性。警視庁の刑事で、木場修太郎の部下。第二次世界大戦中は特攻隊員で、見かけによらず度胸がある。木場や中禅寺秋彦(京極堂)達と共に久遠寺医院に駆けつけた。

クレジット

原作

京極夏彦

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