完全回避ヒーラーの軌跡

第1巻

日本でふつうに生活していたヒロキ・サクライは、突然、異世界のピズナット国に召喚された。ヒロキと同時にルリ・タカナシ、レン・ワタナベも召喚され、三人はピズナット国の人間から魔王を討伐して欲しいとお願いされる。三人がそれぞれ自分のステータスを確認したところ、さらにステータスを上げられるポイントが50あることが判明。回復役(ヒーラー)のヒロキは、自分が理想とする「回避ヒーラー」となるためポイントをすべて回避に割り振ったところ、ピズナット国の人間から激怒されたうえに投獄されてしまう。翌日、ヒロキは牢屋から出ることはできたが、三人の自由行動を保障する代償としてレンが契約の腕輪を付けらされ、国王の許しなしに国から出られない身となってしまう。そこでルリは国内で、ヒロキは冒険者となって世界を旅しながら、契約の腕輪を外すか、壊す方法を探し始めるのだった。

第2巻

冒険者となったヒロキ・サクライだったが、回避を得意とする回復役は受け入れてもらえずにパーティーを組めずにいた。それでも生活費や装備品代を稼ぐ必要があるため、ヒロキは一人で薬草の採取のためにスライムだらけのダンジョンへ向かう。最初はスライムの攻撃を余裕でかわしていたヒロキだったが、スライムの数が膨大になったことで攻撃を回避できなくなった。ヒロキはなんとか次の階層へと逃げるが、今度は麻痺の状態異常を付与してくるスライムに大苦戦。動けなくなったところを偶然通りかかった知り合いのティナ、ダイア、フロイツに助けてもらう。ダンジョンから出るため、ヒロキは三人と一時的にパーティーを組み、初めてパーティーでの戦闘を体験。一段落したところでフロイツから正式にパーティーへの誘いを受け、ようやく仲間ができた。その後、ヒロキはパーティーの連携の練習をする日々を送っていたが、ある日、ルリ・タカナシから呼び出され、解呪方法がわからない強力な呪いを受けたレン・ワタナベが、このままでは死亡してしまうことを聞かされる。

小説

本作『完全回避ヒーラーの軌跡』は、ぷにちゃんの小説『完全回避ヒーラーの軌跡』を原作としている。原作小説版は、ぷにちゃんが「小説家になろう」に投稿していた同名小説に改訂や番外編を加えたもので、MFブックスから刊行された。イラストは匈歌ハトリが担当している。