将棋めし

プロ棋士の対局中の「食事時間」や「おやつ時間」に焦点を当てた将棋グルメ漫画。食事がいかに勝負に影響を与えるか、という点を深く掘り下げて描写している。2017年には、フジテレビほかで実写ドラマ化されている。

あらすじ

第1巻

プロ棋士の峠なゆたは、宝山貴善王座とのタイトル戦に臨んでいた。なゆたが、どちらかを食べようと検討していたカツ丼と天丼を、貴善が両方とも注文してしまったため、なゆたは三戦連続でカレーを食べる羽目になる。しかし、それが功を奏して、なゆたは良手を閃くのだった。(第1食)

なゆたは、先日タイトルを奪ったばかりの貴善と再び対局する事になった。そして、うな重の竹を注文する貴善に対抗して、同じく松を注文する。(第2食)

貴善や共通の友人の黒瀬時彦と寿司を食べに行ったなゆたは、寿司の玉を何手目に食べるかで、二人を交えて激論を戦わせる。(第3食)

偶然に食事の場で、実の父親であり、また一門の師匠でもある峠はじめと居合わせたなゆたは、カツ丼のカツを1枚分けてもらい、そのゲンでその日の対局に勝利を収める。(第4食)

将棋ファンの少女、七窪奏珠は将棋会館に訪れた時に、運よくファンであるなゆたと遭遇。食事を共にして、将棋への愛情をますます深めるようになり、将棋部に入門する事を決意する。(第5食)

女流棋士と共に盤面解説を務める事になったなゆたは、いっしょにうな丼を食べて交流を深める。(第6食)

第2巻

黒瀬時彦は、龍王のタイトル戦に挑戦していた。おやつの時間になり、杜谷憲司はチョコレートケーキをぺろりと平らげたが、時彦は食欲と精神的な余裕がなく、ケーキに手を伸ばせず、水だけを飲む。しかし肝心の勝負どころで今一歩力を発揮できず、タイトル挑戦は失敗するのだった。(第7食)

大河庵と対戦する事になった峠なゆたは、カツ丼を頼んだのだが、座る席を間違えた庵にそれを食べられてしまう。結局、なゆたは庵が注文した玉子丼を食べる事になったが、それが意外においしかった事で手が進み、勝利を収める。(第8食)

龍王戦トーナメントのある対戦で、なゆたは、A級棋士であり、棋帝のタイトルを持つ久米島獅郎に挑む。食が細いといわれていた獅郎が鍋焼きうどんや唐揚げ定食を食べるので、相手と同じものを食べないという普段のポリシーを崩し、獅郎に対抗して自分も唐揚げ定食を注文するなゆただったが、結局は敗れてしまう。(第9食)

七窪奏珠は将棋部の仲間達と共に、将棋の場において最適なおやつは何であるかを考える。(第10食)

時彦がA級に昇進、なゆたと宝山貴善もまた昇進まであと1勝というところに迫っていた。なゆたの前に立ちふさがるのは、C1の門番とも呼ばれる棋士。なゆたはこの日もカツ丼を食べ、勝負に挑む。(第11食)

第3巻

黒瀬時彦との対局に臨む峠なゆたは、好物の一つであるカレーライスを頼んだ。一方時彦は外食をする予定であったが、雨が降って来たうえに寿司屋が臨時休業で出前を取れなかったため蕎麦を注文する。勝負は調子を狂わされた時彦に対してなゆたが優勢かと見られたが、なゆたの手を読み切った時彦の勝利で幕を閉じた。(第12食)

なゆたは「勝負に買ったら結婚してくれ」と迫って来る逢初衛次に困らされていた。名人位である白河が仲介役を務めるなどと言い出したうえに、時彦と宝山貴善の友人二人からも「勝負に勝ったうえで断れ」とはっぱをかけられる。そして、なゆたは関西風のうな重である「まむし」を食べて勝利を収める。(第13食)

なゆたは指導対局の場において七窪奏珠と再会し、将棋の手ほどきをする事になる。(第14食)

メディアミックス

ドラマ

2017年、フジテレビ系列の動画配信サービスFOD、並びにフジテレビ地上波において、1話25分の8本立てで実写ドラマ化された。峠なゆた役は内田理央、宝山貴善役は上遠野太洸、黒瀬時彦役は稲葉友が演じた。

登場人物・キャラクター

峠 なゆた (とうげ なゆた)

将棋棋士の若い女性。C級1組在籍中で、宝山貴善から玉座位を奪ってタイトルホルダーになる。あだ名は「なゆたろう」で、将棋ファンの世界などでその名で広く知られている。食事でゲンを担ぐ事にこだわる性格であり、また対戦相手と食事メニューがかぶるのを嫌う。

宝山 貴善 (ほうざん たかよし)

峠なゆたと奨励会時代からの友人。同じ時期にプロになった将棋棋士の若い男性。現在、C級1組在籍中。元玉座だが、なゆたにタイトルを奪われた。徹底的な振り飛車党で、100%それしか指さない。スリムな体型である割に、大食漢として知られている。飄々とした性格をしている。

黒瀬 時彦 (くろせ ときひこ)

峠なゆたと奨励会時代からの友人。なゆたよりやや早くプロになった将棋棋士の若い男性。あだ名は「トッキー」で、なゆたや、もう一人の友人である宝山貴善からはそう呼ばれている。杜谷憲司に破れてタイトルには手が届かなかったが、のちA級昇進を果たす。

杜谷 憲司 (もりたに けんじ)

龍王位を所持している将棋棋士の中年男性。峠はじめの弟子として峠なゆたと同門であり、兄弟子にあたる。いかつい顔をしていて、「鬼瓦流」の異名で知られる。受けつぶしと呼ばれる、守りを固めての重厚な差し回しが持ち味で、黒瀬時彦を退けて龍王位を防衛した。

大河 庵 (たいが いおり)

B級1組に在籍している若い将棋棋士の男性。以前、タイトルの一つである玉位を獲得した事があり、A級に在籍していた経験もある実力者。独り言が多いなど、相手を心理的にゆさぶる盤外戦を得意としている。峠なゆたと対戦し、敗れた。

久米島 獅郎 (くめじま しろう)

棋帝位を所持している将棋棋士の中年男性。A級に在籍している。もともと食が細い事で棋界でも有名であったが、最近筋トレに目覚め、対局中の食事でもこってりしたメニューを注文する事が多くなっている。龍王戦出場トーナメントで峠なゆたと対局した。

逢初 衛次 (あいぞめ えいじ)

将聖位を所持している将棋棋士の若い男性。峠なゆたに恋愛感情を抱いており、別に付き合っているわけでもないのに、次の勝負に勝ったら結婚してほしいとプロポーズした。「と金」を使った差し回しが得意で、将聖位を三期務めている実力者。

白河 (しらかわ)

名人位など三冠のタイトルを保持する将棋棋士の壮年男性。名人位は将棋界でも権威あるタイトルなので名人と呼ばれる事が多いが、本人はそのたびに「名人ではなく三冠」と訂正している。逢初衛次が峠なゆたに結婚を賭けた勝負を挑んだ時、その勝負の証人になると名乗り出た。

峠 はじめ (とうげ はじめ)

峠なゆたの師匠にして、実の父親である棋士の男性。年齢は48歳。B級1組に在籍している。年齢的には棋士としてかなり崖っぷちな立場にあるが、果敢に名人位獲得に挑み続ける気概を今も保っている。なゆたの母親とは長い間別居しているが、離婚はしていない。

七窪 奏珠 (ななくぼ かなみ)

将棋ファンの女子高校生。棋力自体は「銀を横に動かしてしまう」というレベルの知識しかないが、将棋に対する熱意はかなりのもので、観光のため将棋会館にやって来て、偶然に峠なゆたと出会った。なゆたに影響を受け、将棋部に入部する。

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