概要
日本の漫画家。男性。肖像画家だった父の影響で、幼少時より絵に親しむ。青年時代は、映画館の看板を描き続ける。やがて、手塚治虫の『新宝島』に感銘を受け、漫画家を志すようになる。1950年、投稿が採用され、出版社を訪ねて上京。しかし、出版社に逃げられ、紙芝居制作の仕事に就く。その後、1957年、ひばり書房から『隠密黒妖伝』で貸本デビュー。時代物の第一人者となる。白土三平に請われ、『サスケ』(第二部)、『カムイ伝』の制作を手伝ったこともある。1970年「漫画アクション」に連載した『子連れ狼』(原作:小池一夫)は、爆発的なブームとなり、テレビドラマや映画にもなって大ヒットした。同作は、1987年に、北米に輸出。ダークホースコミック社から『Lone Wolf and Cub』として英語版が出版され、高い評価を得た。2000年1月5日、71歳で死去。2001年、『子連れ狼』で、アメリカの権威ある漫画賞・アイズナー賞(最優秀国際作品)を贈られた。また、2004年には同賞で漫画家の殿堂入を果たしている。
ヒストリー
- 1928年11月3日
三重県四日市市に生まれる。
- 1950年
上京して紙芝居作家になり、「諏訪栄」の名で「ガロ」に執筆。
- 1957年
ひばり書房から『隠密黒妖伝』で貸本デビュー。時代劇作家として人気を博す。
- 1967年
「コミックmagazine」から『土忍記』で雑誌デビュー。
- 1970年
「漫画アクション」にて『子連れ狼』(原作:小池一夫)の連載を開始。大ヒットとなる。
- 1972年
「週刊現代」に『首斬り朝』(原作:小池一夫)を連載。
- 1972年
『子連れ狼』が、若山富三郎主演で映画化。74年までの間に計6本が制作される。
- 1973年
『子連れ狼』が、萬屋錦之介主演でテレビドラマ化。日本テレビ系列で放映される。
- 1987年
『子連れ狼』の英語版、『Lone Wolf and Cub』が北米で出版され、人気となる。
- 2000年1月5日
死去。享年71歳。
- 2001年
『子連れ狼』が、アイズナー賞を受賞。
- 2004年
アイズナー賞「漫画家の殿堂」を贈られる。
受賞
- 2001年
アイズナー賞/『子連れ狼』 最優秀国際作品部門
- 2004年
アイズナー賞 漫画家の殿堂
作品
関連キーワード
白土 三平 (しらと さんぺい)
漫画家。男性。幼少期は父・岡本唐貴の影響で油絵を学んでいたが、戦後生計を立てるために紙芝居の原画を書き始めた。1952年指人形劇団「太郎座」に美術担当として参加、1957年劇団の先輩だった牧かずまに漫... 関連ページ:白土 三平
小池 一夫 (こいけ かずお)
漫画原作者、小説家、脚本家、作詞家。男性。1968年さいとうプロダクションで原作者を募集しているのを見て応募し、採用される。さいとうプロを経て1970年に独立。同年『ノスパイフ戦線』の原作者としてデビ... 関連ページ:小池 一夫
ながやす 巧 (ながやす たくみ)
日本の漫画家。男性。ちばてつやに憧れ、漫画家を目ざして上京。まずは貸本劇画家としてデビューした。その後、南波健二のアシスタントを経て、1969年に『男になれ』が「増刊少年サンデー」に掲載され、商業誌で... 関連ページ:ながやす 巧