概要・あらすじ
その昔、ありがたいお経を受け取りに天竺に向かう一行があった。意地汚く我儘な破戒僧・玄奘三蔵と、彼に仕える孫悟空、猪八戒、沙悟浄だった。玄奘三蔵は欲望のままに酒を飲み、宝物を奪い、女を抱く。そんな師匠でも孫悟空は、ある決意のために彼を助けざるを得なかった。盃を交わした牛魔大王、伯母と慕う羅刹女、兄弟分の金角、銀角達と涙ながらに切り結ぶ。
そんな一行を天上から眺める釈迦は、ある企みのために彼らを天竺に向かわせていた。かくて行く先々で化け物たちと揉め事を起こしながら一行の旅は続く。
登場人物・キャラクター
孫 悟空 (そん ごくう)
猿の姿をしている。天宮の広島弁のような言葉遣いで話す。玄奘三蔵に猪八戒、沙悟浄、馬の竜白と仕える。猪八戒、沙悟浄 とは兄弟盃を交わしている。釈迦とのある約束から、破戒僧の玄奘三蔵(玄奘)を師として天竺に経を取りに行く旅(西天取経)をしている。暴れ者だが純情で一途な性格。 行く先々で魔物と揉め事を起こし、女を犯す玄奘三蔵に呆れ果てるが、必死に釈迦との約束を守って仕え続けようとする。元は天上に仕え斉天大聖と呼ばれていたが、その暮らしに疑問を持ち天上を抜け出して人間界に降りた。しかし、不老長寿の身やその能力から魔物と扱われてしまい、悩んだ末に釈迦の言葉に従った。 須菩提祖師によって孫悟空と名付けられた。
玄奘 (げんじょう)
欲望のままに酒を飲み、宝物を奪い、女を抱く破戒僧。孫悟空、猪八戒、沙悟浄、馬の竜白を供として、天竺に経を取りに行く旅(西天取経)をしている。行く先々で揉め事を作る張本人。抱いた女は彼の虜になってしまう。唐代の実在の僧侶、玄奘三蔵をモチーフとしている。
沙 悟浄 (さ ごじょう)
『孫悟空』に登場するキャラクター。河童の姿をしている。元は天上で捲簾大将と呼ばれていた。孫悟空、猪八戒、馬の竜白と共に玄奘三蔵(玄奘)に仕え、天竺に経を取りに行く旅(西天取経)をしている。孫悟空、猪八戒とは兄弟盃を交わしている。水を操り、水中での動きを得意としているが、よく玄奘三蔵や猪八戒と魔物に騙されている。
猪 八戒 (ちょ はっかい)
『孫悟空』に登場するキャラクター。豚の顔をした妖怪。孫悟空、沙悟浄、馬の竜白と共に玄奘(玄奘三蔵)に仕え、天竺に経を取りに行く旅(西天取経)をしている。天上では天蓬元帥と呼ばれ、千人の部下を従えて蟠桃園の警固をしていたが月仙女嫦娥にそそのかされてしまう。人間界では空飛ぶ豚として見世物にされていたが、翠蘭に助けられる。 女や食べ物に目が無い。
竜白 (りゅうはく)
『孫悟空』に登場するキャラクター。白馬の姿をしているが、人語を話す。孫悟空、沙悟浄、猪八戒と共に玄奘(玄奘三蔵)に仕え、天竺に経を取りに行く旅(西天取経)をしている。破戒僧の玄奘にこき使われている。本体は巨大な龍で玉竜という名だった。
釈迦 (しゃか)
『孫悟空』に登場するキャラクター。元は人間だったが悟りを開き、人間を超える存在となり仏族を組織している。ある企みから、破戒僧の玄奘三蔵に天竺に経を取りに行く旅(西天取経)をさせている。孫悟空、沙悟浄、猪八戒らを供にさせるが、彼らには敵が現れた時以外には術を使えないようにしている。
観音 (かんのん)
『孫悟空』に登場するキャラクター。女性の姿をした神で、人間を創造した神族の1人。仏族の釈迦が破戒僧の玄奘三蔵に天竺に経を取りに行く旅(西天取経)をさせていることに疑問を抱き、仏族と対立する。その後、自ら地上に降りて孫悟空、猪八戒、沙悟浄、馬の竜白と旅をすることになる。 孫悟空に対して恋をしてしまう。
六丁六甲 (ろくていろっこう)
頭巾を被り全身を布で覆った男性。旅をする観音、孫悟空、沙悟浄、猪八戒、馬の竜白の前に現れ一行に加わることを希望する。正体は夢を殺す貘使いで、閻魔王の依頼によって観音達を地獄へ堕とすために現れた。
羅刹女 (らせつじょ)
『孫悟空』に登場するキャラクター。火州火焔村の翠雲山芭蕉洞に住む女の魔物。鉄扇公主とも呼ばれている。牛魔大王の妻だが、彼が妾の玉面夫人の元へ去ると芭蕉扇を以て暴れ出し、火焔山が燃える。孫悟空は叔母と呼ぶ。芭蕉扇を奪われ、怒り狂って玄奘三蔵(玄奘)達を襲う。
牛魔大王 (ぎゅうまだいおう)
『孫悟空』に登場するキャラクター。牛の頭をした魔物。孫悟空は「叔父貴」と呼ぶ。元は天上で太上老君の畑を耕す白牛だった。羅刹女は妻だが、一年の半分以上は妾の玉面夫人の元に去っていく。
金角 (きんかく)
『孫悟空』に登場するキャラクター。1本の角がついた兜を被り、「金」と書かれた胴を付けている。孫悟空とは兄弟盃を交わした仲。元は天上で太上老君の金炉の番人だった。
銀角 (ぎんかく)
『孫悟空』に登場するキャラクター。2本の角がついた兜を被っている。孫悟空とは兄弟盃を交わした仲。名前を呼ばれ、返事をすると吸い込まれて解かされてしまう赤浄瓶を持っている。元は天上で太上老君の銀炉の番人だった。
玉帝 (ぎょくてい)
『孫悟空』に登場するキャラクター。天上を支配する天帝。人間を創造する。また不老不死の下部達を天上で働かせていたが、これが人間界に降りて魔物となった。蟠桃が力の源泉で西王母にその管理を任せていたが、孫悟空に蟠桃を食べられてしまう。
二郎真君 (じろうしんくん)
『孫悟空』に登場するキャラクター。玉帝の甥であり、西王母の弟。天軍の総帥。西王母の命令で蟠桃を奪った孫悟空の成敗に現れる。
クレジット
- 原作