小春と湊 わたしのパートナーは女の子

本作は、小春と湊の二人が紡ぐ、心温まる愛情の記録。物語は二人の同棲生活から始まり、穏やかな日常の中で互いを思いやり、支え合う日々を丁寧に綴っている。時には交際前の過去にさかのぼり、当時からすでにお互いのことを深く考えていたという、一途な思いの軌跡もたどる。そこには二人だけの優しい時間が流れ、確かな愛情が育まれていく。

物語当初、湊は女性同士の交際に戸惑いを感じており、人前で恋人らしく手をつなぐことさえためらっていた。しかし、小春との穏やかな日々を重ねるうちに、彼女の心は少しずつほぐれていく。関係が深まるにつれて、湊は周囲の目を気にせず、外出先でも自然に小春に寄り添って歩けるようになった。だが、二人の愛情が確かなものになるほど、両親へのカミングアウトやパートナーシップ宣誓といった、社会と向き合う場面が訪れる。世間の偏見という見えない壁に直面する緊張感を通して、現代を生きる同性カップルならではの切実な思いが丁寧に描かれている。