概要・あらすじ
俵あんは月刊スラーコで読切漫画を描いている27歳の少女漫画家。デビュー5年目だが、読者の人気は今ひとつ。彼女や同世代のさまざまな立場の女性たちが、少女漫画の名作を心の支えに日々を過ごしている。大人の女性と少女漫画の名作との関係を、1話につき1作品ずつ次々と紹介していく。
登場人物・キャラクター
俵 あん (たわら あん)
月刊スラーコで読切漫画を描いている27歳の少女漫画家。美術学校出身で、作画にセンスがあるが、ストーリーがドライで読者の人気は今ひとつ。原稿料だけでは暮らしていけないので、バイトや他の漫画家の臨時アシスタントもこなしている。ドレッドヘアで男性のような格好をしている。
五百旗部 (いおきべ)
月刊スラーコ編集者で俵あんの担当。眼鏡をかけたボサボサ髪の男性。長年俵あんの担当をしている。結婚していたが、奥さんには逃げられている。
三沢 勝子 (みさわ かつこ)
「ベルサイユのバラ」を愛読する34歳の派遣社員。派遣先の会社が低賃金で長時間労働のため、労働環境に不満を感じている。趣味はブログに漫画の批評を書くこと。麗束薔子の「魔のアリアス」が大好き。
万城目 雅 (まんじょうめ みやび)
26歳の女性アナウンサー。父親が映画監督、母親が女優のセレブな家庭で育ち、「女子アナ界の姫川亜弓」と言われている。美人で努力家だが、仕事が完璧すぎるので、世間からは近寄りがたい印象を持たれている。「ガラスの仮面」の姫川亜弓が好き。
丸美 (まるみ)
ショートヘアの若手の女性アナウンサー。巨乳でかわいい顔立ちで人気がある。原稿の読みは苦手だが、ゴールデンのニュース番組のキャスターを狙っている。ディレクターと不倫関係になることで、看板キャスターの座につこうとした。
東 花子 (あずま はなこ)
北海道出身のロングヘアの女性。俵あんの学生時代からの友人で、時々ベタ塗りなどを手伝っている。夫と子供の3人家族。子供の一(はじめ)が「パタリロ」に似ていることを気にしている。近所の母親が通うサロンに顔を出しているが、押しの強い先輩ママ・浅田との関係に悩んでいる。
浅田 (あさだ)
元コンパニオンの美人ママで専業主婦。一人娘の教育に熱心で、周囲のママにも自分の価値観を押し付けがち。東花子にも高価な幼児教育グッズを勧めたりしている。夫は仕事が忙しいことを理由にほとんど家に帰ってきていない。
田中 由布子 (たなか ゆうこ)
俵あんが利用している図書館で働いているロングヘアの女性。『あさきゆめみし』と『源氏物語』が好き。図書館と取引している出版社の営業マンとつきあっている。自分の父親が浮気性で家を空けることが多かったため、結婚願望がほとんどない。
キワコ
俵あんが食べに行く人気のラーメン屋「やじろべえ」の一人娘。幼い頃は手足が長過ぎるのを気にしていたが、今はそれを活かしてファッションモデルの仕事をしている。テレビCMやパリコレにも出たことがある。ラーメン屋の娘という経歴にコンプレックスがあり、玉の輿に憧れていた。
笹路 亀治 (ささじ かめはる)
月刊スラーコ編集者で新入社員。デビュー5年目だが人気は今ひとつの俵あんの担当になる。眼鏡をかけた男性。理論派で仕事熱心。
麗束 薔子 (うららつか そうこ)
月刊スラーコで「魔のアリアス」という少女漫画を連載中の27歳の人気作家。14歳でデビューした天才肌で、作風は『ベルサイユのバラ』のようなゴージャスなスタイル。あまり人前に出たがらないので、漫画家の間でも素顔を知る人は少ない。
内山田 春菜 (うちやまだ はるな)
デビュー13年目の中堅少女漫画家。あたたかい作風のラブストーリーで人気がある。本人の性格もおっとりしていて温かい人柄。俵あんを「あんちゃん」と呼び、時々アシスタントを頼んでいる。
鼻血ブー子 (はなぢぶーこ)
元モデルの美人。普段から飲酒しているかのようなハイテンションで破天荒な人柄。俵あんとも仲が良い。ギャグ漫画家で代表作『お金持ちでごめんねー♡』が300万部突破している人気作家。デビュー当初は本名で正統派の少女漫画を描いていた。
その他キーワード
月刊スラーコ (げっかんすらーこ)
『少女漫画』に登場する漫画雑誌。「少女マンガも大人になる」というキャッチコピーを掲げ、大人向け少女漫画雑誌として製作されている。麗束薔子が「魔のアリアス」を連載中。俵あんも時々短編を載せている。