少女革命ウテナ After The Revolution

少女革命ウテナ After The Revolution

『少女革命ウテナ』の続編。前作の物語から20年後を舞台に、かつて鳳学園の生徒会に所属していたメンバーたちが、天上ウテナや姫宮アンシー、そして決闘の記憶を失った世界で、忘れていた自分自身のルーツを見つめ直す姿を描いた現代バトルファンタジー。小学館「flowwers」2017年9月号から2018年5月号まで掲載された。

正式名称
少女革命ウテナ After The Revolution
ふりがな
しょうじょかくめいうてな あふたー ざ れぼりゅーしょん
原作者
ビーパパス
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
フラワーコミックス α(小学館)
関連商品
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作品誕生のいきさつ

作画を担当しているさいとうちほの画業35周年と、コミックス『少女革命ウテナ』の20周年を併せて記念し、編集部から「『少女革命ウテナ』の新作マンガを描いてみないか」という打診があった。そしてさいとうちほが、テレビアニメ『少女革命ウテナ』で監督を務めた幾原邦彦にコンタクトを取り、鳳学園の生徒会メンバーの20年後の姿を3編に分けて描くという形で連載が決定した。

あらすじ

かつて鳳学園の生徒会メンバーだった桐生冬芽西園寺莢一は、大人になってお互い画商を生業としていた。オークションハウスなどで度々顔を合わせていた二人の関係は、学生時代と変わらずつねに冬芽が莢一を一歩リードしている形で、莢一は冬芽に嫉妬の感情をあらわにするようになっていた。そんな中、高名な画家として知られる鳳暁生の美術品が、大量に発見されたというニュースが飛び込んでくる。「革命を望む者へ。学園へ来たれ」と書かれた差出人不明の手紙を受け取った冬芽は、かつての生徒会メンバーだけが知る抜け穴を使い、美術品が発見された鳳学園の理事長館へと忍び込む。そこで再び莢一と遭遇した冬芽は、お互いに狙っているのが幻の名画「革命」だと知り、絵の発見まで協力し合うことを約束する。そんな二人の前に暁生の幽霊が現れ、革命を守って欲しいと告げる。(エピソード「After The Revolution」)

登場人物・キャラクター

桐生 冬芽 (きりゅう とうが)

画商を生業とする男性。赤色のストレートヘアを背中まで伸ばしている。鳳学園の出身で、かつては生徒会に所属していた。幼い頃、西園寺莢一と共に子供が大量に虐殺される現場から救出された過去がある。近い将来確実に高騰するとみられるアーティストが、絵画制作のために子供を虐待していると知っても、それを「禁断性を源としたアート」として受け入れることができる。鳳学園の理事長館から多くの美術品が発見されたとの報道があった直後、幻の名画「革命」を探すため鳳学園に忍び込んだ先で鳳暁生の幽霊と出会った。

薫 幹 (かおる みき)

ピアニストの男性。青色のショートヘアにしている。鳳学園の出身で、かつては生徒会に所属していた。フェンシングを嗜(たしな)んでおり、有栖川樹璃の試合に応援で駆けつけている。鳳学園病院で昏睡(こんすい)状態となっている双子の妹、薫梢をよく見舞っているが、梢が夢遊病状態となり、鳳学園の音楽室でピアノを弾いていることは知らなかった。ファンからは「ミッキー」と呼ばれている。

有栖川 樹璃 (ありすがわ じゅり)

フェンシング競技のメダリストで、モデルとしても活動している女性。オレンジ色のロングヘアを肩下までの縦巻きロールにしている。鳳学園の出身で、かつては生徒会に所属していた。高槻枝織に好意を寄せており、フェンシングを始めたのも枝織が「フェンシングに強い人は王子様みたいで好き」と発言したのがきっかけだった。東京で開催されたフェンシングのワールドカップ決勝戦の相手が土屋瑠果に見えたことから、過去の記憶を辿(たど)るようになる。

西園寺 莢一 (さいおんじ きょういち)

桐生冬芽の幼なじみで、画商を生業としている男性。緑色のウェーブヘアを腰まで伸ばしている。鳳学園の出身で、かつては生徒会に所属していた。幼い頃、冬芽と共に子供が大量に虐殺される現場から救出された過去があり、子供を虐待する人間には強い反発心を抱いている。学生時代から自分より一歩先を行く冬芽に対し嫉妬の念を持ちつつも、信頼している。そのため、冬芽と西園寺莢一自身の信念がすれ違った際は激昂する。鳳学園の理事長館から多くの美術品が発見されたとの報道があった直後、幻の名画「革命」を探すため鳳学園に忍び込んだ先で鳳暁生の幽霊と出会った。

鳳 暁生 (おおとり あきお)

鳳学園の元理事長の男性で、故人。浅黒い肌とウェーブがかった白髪で、額にティラカを付けている。画家としても高名で、特に妹の姫宮アンシーの裸体を描いた「革命」は幻の名画と評価されており、オークションでも高額が付いたが、落札者への受け渡し直前に忽然(こつぜん)と姿を消したとされる。廃校となった鳳学園に忍び込んだ桐生冬芽、西園寺莢一の前に幽霊として現れ、「『革命』を守ってくれるなら理事長館にある美術品をすべて譲渡する」と書かれた遺書を用意すると語った。

高槻 枝織 (たかつき しおり)

有栖川樹璃のマネージャーを務める女性。赤みがかった茶髪をショートボブヘアにしている。樹璃と同じ鳳学園の出身。樹璃と初めて会った際、彼女から「別の世界のお姫様のようだ」と思われていた。フェンシングが大好きながら、王子様のように強い人も好きだと語っていた。土屋瑠果の許嫁(いいなずけ)でもある。

土屋 瑠果 (つちや るか)

高槻枝織の許嫁の男性。前髪の長い青色の髪をショートヘアにしており、前髪で右目を隠している。有栖川樹璃と同じ鳳学園出身。枝織とは7歳からの知り合いで、フェンシングを習っている。樹璃からは枝織を奪う憎き相手として敵視されていたが、土屋瑠果自身は樹璃に好意を抱いている。

薫 梢 (かおる こずえ)

薫幹の双子の妹。鳳学園出身で、外ハネした青色の髪をショートヘアにしている。ずっと兄の幹に異性としての愛情を持っていたが、彼が眠っている時に口づけしたことで、露見してしまう。別の男性に一度は嫁いだものの、薫梢に意中の男性がいることに気づいた相手から、DV被害に遭っていた。梢は幹に助けを求めたが、その際に再度口づけをせまったことで幹から拒絶され、その日以来、意識を失ったまま眠り続けている。

天上 ウテナ (てんじょう うてな)

桐生冬芽をはじめ、ほぼすべてのキャラクターたちからその存在を忘れ去られた少女。ピンク色のロングヘアで、肩章の付いた黒い学ラン、赤いスパッツを身につけている。幼い頃、薔薇(ばら)の敷き詰められた棺に入っているところを冬芽と西園寺莢一に目撃されたり、両親を亡くして間もない薫幹と薫梢に出会っていたり、有栖川樹璃と土屋瑠果の決闘に王子様の力を授ける「光のディオス」として降臨したりと、実は全員と接点を持っていた。「世界をあきらめずに支えている女の子に会いに行く」と語っており、幼い頃の姿で姫宮アンシーを探し続けている。

姫宮 アンシー (ひめみや あんしー)

鳳暁生の妹。桐生冬芽をはじめ、ほぼすべてのキャラクターたちから存在を忘れ去られた少女。浅黒い肌と紫色のウェーブヘアで、額にビンディを付けている。天上ウテナが探し続けており、幼い頃の姿で100万本の憎しみの剣に刺し貫かれ続けている。また、姫宮アンシー自身もウテナの来訪を待ち続けている。かつては「薔薇の花嫁」とも呼ばれていた。

場所

鳳学園 (おおとりがくえん)

幼等部から高等部までの一貫校で、全寮制の学園。男子生徒は白を基調とした詰襟、女子生徒は大きなパフスリーブの付いたセーラー服が制服となっている。現在は廃校となっているが、敷地内に併設されている「鳳学園病院」だけは現在も営業しており、薫梢が入院している。

その他キーワード

薔薇の刻印 (ばらのこくいん)

立体的な薔薇の彫刻が施された指輪。天上ウテナが左手の薬指につけており、かつては桐生冬芽、西園寺莢一、有栖川樹璃、薫幹も所持していた。この薔薇の刻印を所持する者だけが、「薔薇の花嫁」である姫宮アンシーをかけた決闘に臨むことができる。しかし、冬芽たちはウテナやアンシーの記憶と共に、決闘や薔薇の刻印に関連する記憶も失っている。

クレジット

原作

ビーパパス

前作

少女革命ウテナ (しょうじょかくめいうてな)

テレビアニメ『少女革命ウテナ』のコミカライズ作品。テレビアニメ版に原案・キャラクターデザインとして参加した、さいとうちほがコミカライズも担当。初恋の王子さまを探して鳳学園の中等部に転校してきた天上ウテ... 関連ページ:少女革命ウテナ

書誌情報

少女革命ウテナ AfterTheRevolution 小学館〈フラワーコミックス α〉

(2018-05-10発行、 978-4098701193)

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