概要・あらすじ
名門侯爵家である華小路家に書生として仕えることになった櫻塚和臣。美形で女の扱いがうまい和臣は、使用人頭に取り入り、彼女の部屋に入り浸っていた。ある日、自分の部屋に帰る時、使われていないはずの離れに灯りがついていることに気づく。離れに近づき、中を覗くと人の気配があった。和臣が物音をたてると、その人物は「誰だ!?」と叫び、なぜか逃げていく。仮面で顔を隠してはいたが、それは華小路家の跡取りである蓮の声だった。和臣は追いかけ、蓮を捕まえるが、揉み合っているうちに蓮の着物がはだけてしまう。蓮が女性だったことに驚く和臣に対し、蓮は「正体を知られたからには殺す」と毒づき、使用人頭に取り入る和臣を「汚らわしい」と罵る。その言葉にカチンときた和臣は、彼女を手込めにしようとした。彼女の正体は蓮の双子の妹、華小路麗だった。麗は不吉な忌み子として、この離れで閉じ込められて育った。ところが、兄の蓮が死ぬと、一度は麗を殺そうとしていた酷い父は、彼女を兄の蓮だと思い込むようになる。それから麗は蓮の代わりとして男として生きていくことになったという。不憫な麗の境遇を知った和臣は、彼女を優しく愛撫し、女としての喜びを教える。こうして和臣は秘密を守る代わりに、麗の付き人になった。麗は和臣に対して、殴ったり蹴ったりと八つ当たりをするが、陰では和臣が麗の体を責める。彼女に乱暴されたり、わがままを言われたりしても、細い体で懸命に男として生きようとする麗に、和臣はいつしか心奪われていくのだった。
登場人物・キャラクター
櫻塚 和臣 (さくらづか かずおみ)
名門侯爵家である華小路家に仕える書生。帝大医学部に通う美青年だが、実は田舎から出てきた苦学生で、姉は和臣の学費を稼ぐため、吉原で身売りしている。前髪の一部にメッシュが入っているのが特徴で、美貌と色気とテクニックで女性を虜にする。底辺から這い上がるため、利用できるものは、なんでも利用する。
華小路 麗 (はなのこうじ れい)
名門侯爵家である華小路家に生まれた双子の妹。死んだ双子の兄、蓮の代わりに華小路家の跡継ぎとして、また男として生きることを強いられる。兄が死ぬまでは離れで閉じ込められて育ったため、その存在は周囲には知られていない。男子校の学櫻院に通っており、女だとバレないよう、胸にさらしを巻いている。使用人にも性別を気づかれないよう、部屋に入ることも体に触れることも禁止している。顔はかわいらしいが、プライドが高くわがままで高飛車で、いつもピリピリしている。周囲から「坊っちゃん」と呼ばれている。
書誌情報
少年ブラヰド -男装令嬢と黒書生- 10巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2021-01-26発行、 978-4098712267)
第2巻
(2021-06-25発行、 978-4098713356)
第3巻
(2021-09-24発行、 978-4098714506)
第4巻
(2022-07-26発行、 978-4098716173)
第5巻
(2022-08-26発行、 978-4098717378)
第6巻
(2023-02-24発行、 978-4098718313)
第7巻
(2023-06-26発行、 978-4098721078)
第8巻
(2023-10-26発行、 978-4098723867)
第9巻
(2024-03-26発行、 978-4098724727)
第10巻
(2024-08-26発行、 978-4098726882)