概要・あらすじ
中学校卒業後、誰にも告げずに東京を離れた山崎銀次郎は、九州で大工の修業に励んでいた。しかし、世話になった棟梁が死亡し、その遺言により都内の名門私立校・聖心学院に通うことになった。銀次郎の帰りを待ち続けていた小沢高子と再会し、学院の生徒たちにも受け入れられた銀次郎は、昔と変わらず古風で硬派な生き方を貫いていく。
登場人物・キャラクター
山崎 銀次郎 (やまざき ぎんじろう)
前作『硬派銀次郎』の主人公と同一人物で、性格は前作のままの硬派。勉強には興味が無いが、身体能力に優れ、喧嘩にはめっぽう強い。相手が誰であっても、通すべき筋は通し、理不尽には敢然と立ち向かう。
小沢 高子 (おざわ たかこ)
本作のヒロインであり、前作最終話で黙って東京を離れた銀次郎を待ち続けていた。銀次郎が私立・聖心学院に入学することを知り、遥かに優秀な日見谷高校から聖心学院に転入する。相変わらず女心には鈍く、そのくせむやみに女性と縁のある銀次郎にやきもきさせられる。
バンビ
『山崎銀次郎』に登場する犬。飼い主は別にいるのだが、銀次郎とは前作以来の付き合いで、勝手に長屋に上がりこんでは家事をこなしている。作中では明言されないが、おそらくセントバーナードと思われる大型犬。
コオロギ
銀次郎のもと子分。前作では単に「コオロギ」としか呼ばれていなかったが、本作で名前が「のりお」であることが判明した。行方知れずになった銀次郎が戻ってきたことを知り、武居勝也と共に聖心学院へ転入してくる。
武居 勝也 (たけい かつや)
銀次郎のもと子分。行方知れずになった銀次郎が戻ってきたことを知り、コオロギと共に聖心学院へ転入してくる。しかし、本作ではコオロギと共に出番はあまりなく、銀次郎と共に行動する機会も少ない。
池田 麗子 (いけだ れいこ)
銀次郎が通うことになった聖心学院の生徒で理事長の娘。成績優秀で陸上部ではキャプテンも務める優等生で、当初は銀次郎の粗暴なふるまいに眉をひそめていたが、すぐにその魅力に気付き、あからさまな好意を見せるようになる。
理事長 (りじちょう)
銀次郎が通うことになった聖心学院の理事長を務める女性。九州で銀次郎が世話になっていた大工の棟梁の妹で、その遺言に従って銀次郎の聖心学院入学を許可した。兄が目をかけていた銀次郎を信頼しており、その言動を掣肘しようともしない。
井田 (いだ)
前作にも登場した暴力団井田組の三代目で、銀次郎を本物の漢と認めている。銀次郎が暴力団関係者とのトラブルを起こすと、余計な世話とは知りつつも顔を出し、忠告や仲裁に動く。
十文字みどり (じゅうもんじみどり)
恩人に頼まれ、銀次郎が一週間だけかくまうことになった美女。実は広島の暴力団十文字一家の親分の娘で、親が決めた結婚話から逃れるために家出をしていた。
山井 心太郎 (やまい しんたろう)
西日本全域に大きな影響力を持つ神戸の暴力団山井組の跡取り息子で、自分との結婚を嫌って家出した十文字みどりを連れ戻すため、銀次郎にタイマン勝負を挑み、敗れる。気性の真っ直ぐな男で、素直に銀次郎の勝ちを認め、ただの男同士として義兄弟となることを望んだ。
伊達 宗光 (だて むねみつ)
北海道の大牧場の跡取りで、前作で銀次郎と正面からぶつかった末に親友同士となった男。銀次郎と山井心太郎とのトラブルを知って東京へと駆け付け、ふたりのタイマン勝負の立会人を務めた。実は山井心太郎とは遠い親戚であり、お互いに認め合っている仲。
田村まゆみ (たむらまゆみ)
九州での大工の修業中に銀次郎が知り合った美少女。CMモデルにスカウトされたことで、一躍全国区のアイドルとなった。好意を抱いていた銀次郎に会うため、東京にやってくる。
岩倉 (いわくら)
文武両道の名門・傾成高校の陸上部キャプテンで、エリート意識に凝り固まった勝利至上主義者。私立高校選抜陸上大会で強敵と目される聖心学院陸上部の夕食に毒を盛るが、それを知って激怒した銀次郎ひとりの活躍で総合優勝を逃した。
集団・組織
聖心学院 (せいしんがくいん)
『山崎銀次郎』で主な舞台となる私立高校。作中では「名門校」と言われているが、ガチガチのエリート校というわけではなく、男女交際にもおおらか。例外扱いの銀次郎は別にしても、どちらかといえば劣等生だったコオロギらもすんなりと転入を許されているなど、独特の理念で運営されていることが伺える。