概要・あらすじ
母親と姉妹に囲まれて育った主人公の胡女浩司は、多古多西高校への入学をきっかけに男らしさを磨こうと決意し、同校の応援団・多古多西高応援団に入団する。しかしそこで出会った橘薫、桂庵、左京元、村田武士、甲賀勝利という5人の先輩団員たちは、いずれもチャラチャラとした振る舞いが目立ち、女性のことを考えている面々ばかり。
違和感を隠せない胡女浩司は、同校の生徒から所属している暴走族を中途脱退したいという相談を受ける。先輩団員に相談する胡女浩司だったが、彼らは「塾に行く」「キャッチボール」をするなどといって協力してくれなかった。すっかり失望した胡女浩司は多古西応援団を退団すると言い放ち、ひとりで暴走族を話をつけにいく。
それまで喧嘩などしてことなかった胡女浩司は一方的にリンチを受けるはめに。だが、そこに多古西応援団先輩団員が偶然を装って次々と登場。瞬く間に暴走族を打ち倒していく。先輩団員の実力と真意を知り、再び多古西応援団で男を磨くことを決意するのだった。その後も多古西応援団の面々の前には、優等生の仮面を被ったいじめっ子、因縁が続いていた他校応援団、暴力団、悪徳政治家とその息子など、さまざまな敵が立ちはだかる。
登場人物・キャラクター
胡女 浩司 (こめ こうじ)
母親と2人の姉、1人の妹という女性ばかりの家族に囲まれた反動から、男らしさに強い憧れを抱き、多古多西高校入学をきっかけに多古多西高応援団に唯一の新人として入団する。多古西応援団では会計を担当。入団直後は見た目と裏腹に軟弱な言動をする橘薫をはじめとする先輩団員に失望するが、すぐにそれは表面的にすぎず、何かあったときには迷わず正しいことを行う人たちだと気付く。 正義感あふれる熱血漢だが、無鉄砲な一面が見られる行動も少なくない。小柄で当初は腕っ節も強くはなかったが、多古西応援団で過ごすうちに自然と鍛えあげられていった。橘薫らの卒業後、団長を引き継ぐ。強者揃いだったそれまでの多古西応援団を改革し、在校生も受け入れた自主性に任せる団を目指すが、橘薫らに憧れて入団してきた新入生たちとの間ですれ違いが生じ、苦悩することに。
橘 薫 (たちばな かおる)
多古西応援団の団長を務める。無類の女好きでつねに女性を追い掛け回しているが、結果が伴うことはない。リーゼントとキャッツアイのサングラスがトレードマークで、いかつい見た目ながら口調は「ですます」調。武家の血筋だが、本人はそれを恥じている。新堀中学時代に不良に絡まれていたところを、同級生の左京元に救われ恩義を感じ、暴走族・帝にまつわるトラブルで対立していた左京と桂庵を共闘へと導き、さらに独立勢力だった村田武士も巻き込み、帝を解散へと追いやった。 その後、多古多西高校へ進学し、ひとりで応援団を創設する。外国人とトラブルになったときに問題なく相手とコミュニケーションが取れるほど英語が堪能。 医学部を志望しており、3年になってから猛勉強をして成績を上げたが、試験時に前日トラブルになった不良たちが受験会場に乱入してきたため、受験を諦めることに。結局、浪人することになった。
桂 庵 (かつら いおり)
多古西応援団の副団長を務める。桂建設の御曹司で、豪邸住まい。スキンヘッドが特徴。いざというときには短刀を振るうことも。多古多第2中学時代、暴走族・帝(ミカド)の親衛隊に所属していた。同じ親衛隊の左京元にライバル意識を燃やし、対立。だが、それが帝の頭・高野誠に仕向けられたことと知り、また幼なじみの伊達宗法を捨て駒にされたことで離反する。 高野誠によって監禁され暴行を受けていたところ、橘薫によって救出された。その後、左京と和解し共闘するようになり、橘薫らとともに帝を打倒する。抗争終結後、多古多西高校に進学。橘薫が創設した多古西応援団に入団した。 栞という名の妹がおり、ややシスコン気味に心配している。
左京 元 (さきょう げん)
多古西応援団の旗手長を務める。ヒゲと丸眼鏡のサングラスがトレードマークで、ギャンブルが趣味。新堀中学時代、暴走族・帝(ミカド)の親衛隊に所属していた。同じ親衛隊の左京元にライバル意識を燃やし、対立。だが、それが帝の頭・高野誠に仕向けられたことと知って離反する。 桂庵の幼なじみ・伊達宗法に絡まれていた橘薫を救出し、以後交流を持つように。橘薫の尽力により桂、村田武士らとともに帝に立ち向かう。抗争終結後、多古多西高校に進学。橘薫が創設した多古西応援団に入団した。度胸が並外れており、6発中3発実弾が入った拳銃でロシアンルーレットをするほど。
村田 武士 (むらた たけし)
多古西応援団の渉外兼会計を務める。胡女浩司の入団後、会計は彼に譲った。髪型は角刈り。元々は力士を目指していたが、中学時代に道を踏み外し、自身が通う天神中学をはじめとする天神・神明・河波連合の総番になる。天神に侵攻してきた暴走族・帝の特攻隊を撃退。 その報復に訪れた帝親衛隊の左京元・桂庵をも退けた。その後、帝と対立するようになった左京・桂の劣勢を救おうとした橘薫によって、手を組むように申しいれられるがこれを拒否。ただしこれは仲間を巻き込むわけにはいかないという判断からで、村田本人は対帝で苦戦する左京らの危機にひとり参戦した。 抗争終結後、多古多西高校に進学。橘薫が創設した多古西応援団に入団した。
甲賀 勝利 (こうが かつとし)
多古西応援団の渉内を務める。中学時代から有力な柔道選手として知られ、全国大会優勝も夢ではないと言われていたほど。桂庵とは幼なじみの関係で、不良になった桂のことをずっと気にかけていた。左京元と決着をつけようする桂を体を張って止めようとする。その後、帝を脱退して対立するようになった桂の身を案じ、翌日に控えた柔道全国大会を投げ打って帝との決戦に参じる。 抗争終結後、多古多西高校に進学。橘薫が創設した多古西応援団に入団した。
乾 正平 (いぬい しょうへい)
橘薫と胡女浩司が県の応援団総会に出席するため訪れた浜崎市で出会った中学生。肩がぶつかった胡女に因縁をつけるが、たやすく返り討ちにされてしまう。その実力に感じ入り、胡女の舎弟になろうとした。その後、浜崎市のアメリカ人で構成される愚連隊・パープルエンジェルスとトラブルになった胡女に加勢するが、地元で顔を覚えられたため、胡女浩司らが多古多市に帰ったのちにリンチされる。 行動の責任を取るため再び浜崎市を訪れた胡女、そして胡女の助力しようとする多古西応援団の面々が、安全な多古多市を離れて浜崎市でパープルエンジェルスと対決する姿を見て、浜崎市内の不良を結集しようと奔走。 抗争終結後、多古多西高校に進学し、多古西応援団に入団する。橘薫らの卒業後は副団長に就任し、胡女をサポートした。
真田 源次郎 (さなだ げんじろう)
多古多西高校の生物教師で、多古西応援団の顧問を務める。基本的には放任主義で多古西応援団の方針に口を出すことはないが、生徒思いで生徒を守るために体を張ることもいとわない。同僚の国語教師・大谷法子に想いを寄せている。大谷の父親が離島でただ一人の医者のため、跡取りになるべく医学部受験を決意、橘薫とともに試験に挑んだ。 結果合格し、橘薫らの卒業と同時に多古多西高校を退職。医大進学を果たす。無類の酒好きで生物準備室で飲酒したり、多古西応援団の団費を自身の飲み代にあてたりした。
黒田 (くろだ)
多古多西高校の教師で、生活指導を担当する。次々とトラブルを引き起こす多古西応援団を目の敵にしており、ときに校長に応援団廃団と団員の退学を求めることも。だが、心底では団員のことも心配しており、橘薫の医大受験の際には落ち着かない様子を見せた。頑固で生真面目な性格をした堅物で、教え子のためであればヤクザ相手でも一歩も引かない。
島崎 (しまざき)
多古多市内で活動する暴走族・狂乱のリーダー。桂庵の幼なじみ・伊達宗法をめぐる一件で、多古西応援団とことを構えそうになるが、相手が多古西応援団だと知り撤退する。その後は友好関係を結ぶようになるが、行楽の足代わりに使われたり、白昼の道路封鎖を要請されたり、多古西応援団にはいいように使われることも多い。 花屋で子連れの未亡人・日向子と恋に落ち、自身も花屋になった。