島っ子

島っ子

過疎の離島で温泉採掘に命がけで取り組む一家の苦難と家族愛を、少女の視点で描く感動ドラマ。戦後の高度成長期にも取り残された離島の人々の生活が丹念に描写されており、都会から来た少女と離島の小学校の教師や生徒たちとの触れ合いと友情がテーマとなった少女漫画。

正式名称
島っ子
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
ちばてつや全集(ホーム社)
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概要・あらすじ

都会育ちのおてんばな小学生の五十嵐ミチは、両親とともに絶海の孤島「鬼ヶ島」に移住する。ミチの父親である五十嵐博士は、資源のない島の発展のために温泉採掘という理想を掲げていたものの、到着早々に全財産を盗難に遭って窮地に立たされる。しかも島民からは白い眼で見られて作業を邪魔され、ついに五十嵐博士は病に倒れ温泉採掘事業は中断を余儀なくされてしまう。

しかし、担任教師の木下や島の子供たちの励ましと協力によって、ミチは数々の妨害にもめげず、希望を失わずに明日を信じて生きていく。

登場人物・キャラクター

五十嵐 ミチ (イガラシ ミチ)

小学校5年生の女の子。勝気なおてんば娘だが、明るく前向きな性格。父親を尊敬しており、鬼ヶ島に温泉が出ることを固く信じている。正義感の強さから不正行為を画策する大人を許せず、彼らにも堂々と立ち向かう勇気のある少女。趣味は父親の相手をして覚えた将棋と囲碁、そして尺八。

五十嵐博士 (イガラシハカセ)

五十嵐ミチの父親で地質学博士。鬼ヶ島に温泉鉱脈があることを確信しており、東京の大学教授の座を投げ打って鬼ヶ島へ移住した。さまざまな妨害に遭いながらも、決して島民を見下すことのない人格者でもある。

五十嵐夫人 (イガラシフジン)

五十嵐博士の妻で五十嵐ミチの母親。中・高・大学生の3人の息子を東京に残し、夫と末娘のミチと3人で鬼ヶ島に移住する。優しい性格で夫に尽くす、良妻賢母の見本のような女性。

木下 (キノシタ)

鬼ヶ島で小学校の全学年生徒を担当する、たった1人の教諭。無精ヒゲでいつも麦藁帽子をかぶり、首にタオルをかけた飾らないスタイルで、生徒たちから慕われている独身の青年教師。五十嵐博士の熱意に賛同し、温泉採掘の手助けをする熱血漢でもある。

栗田 (クリタ)

五十嵐一家とともに鬼ヶ島に移住してきた、美しく優しい性格の女医。使命感を秘めた情熱家で、医師不足に悩む島民のためにあえて離島を勤務先に選んだ。島では小学校の教諭も務め、同僚となった木下に好意を抱くようになる。

遠山 マヤ (トオヤマ マヤ)

遠山の娘で、短気で冷たい性格。木下に好意を抱いていたが栗田というライバルの出現に激しい嫉妬心を抱く。いつも裾の短い花柄の着物を着て行動する野性味のある美女。

(タケシ)

鬼ヶ島の小学校で五十嵐ミチの同級生となる男子生徒。クラスのリーダー的存在でケンカも強いガキ大将。最初はミチと敵対するが次第に仲良くなり、五十嵐一家の温泉採掘作業に協力して大奮闘する。

ヒナ夫 (ヒナオ)

鬼ヶ島の小学校で五十嵐ミチの同級生となる男子生徒。ツルツルのハゲ頭で、小柄な出ベソのひょうきん者。ミチと仲良くなり、親分格の武とともに五十嵐一家の温泉採掘作業に協力する。家では大勢の弟たちの世話をする働き者でもある。

横田 (ヨコタ)

鬼ヶ島の小学校で五十嵐ミチの同級生となる男子生徒。頬にバツ印の傷あとがあり、頭に大きく目立つ円形ハゲがある。ひねくれた性格で最初はミチと敵対し彼女をいじめるが、次第に仲良くなり、五十嵐一家の温泉採掘作業に協力する。

遠山 (トオヤマ)

鬼ヶ島でただ1人の開業医でヒゲ面の中年男性。利休帽をかぶり、作務衣姿で医療にあたる。島民からは信頼されている医師だが、都会から来た女医の栗田を疎ましく思い、嫌がらせをする陰険な性格。

網元 (アミモト)

鬼ヶ島での漁業全体を取り仕切る、島一番の実力者。分厚い唇が特徴の人相が悪い中年男性。黒いソフト帽をかぶり縞シャツに派手な背広姿で、ステッキを振り回し弱者を恫喝する。権力をかさに着て儲けを独占し、島を賭博場にしようと目論む。その腹黒さで五十嵐ミチを憤慨させる。

阿部 (アベ)

五十嵐博士の助手の青年。相棒の村山とともに、鬼ヶ島で博士の温泉発掘のための調査や掘削作業などに従事する技術者。島民に対してあからさまな差別意識を持っており、その言動を五十嵐博士からたしなめられる。

村山 (ムラヤマ)

五十嵐博士の助手の青年。相棒の阿部とともに、鬼ヶ島で博士の温泉発掘のための調査や掘削作業などに従事する技術者。いつも阿倍の言うことにただ従うだけの、あまり主体性のない性格。

戸村 (トムラ)

木下の後任として鬼ヶ島の小学校に赴任して来る教諭。真面目で教育に関して厳格な考えを持つ、融通の利かない都会育ちの青年教師。自由奔放だった木下のやり方とは正反対に、生徒たちにガリ勉を強要し、五十嵐ミチと激しく対立する。

源兵衛 (ゲンベエ)

鬼ヶ島で五十嵐家の近くに住む猟師。妻と赤ん坊との3人家族でつつましく暮しているが、島を襲った大嵐によって自宅の木造家屋が倒壊する災難に見舞われる。五十嵐ミチとは一時対立するが、その後改心し、五十嵐博士の温泉採掘事業の良き協力者となる。

八田 真理子 (ハッタ マリコ)

八田剛三の一人娘の小学生。父親とともに鬼ヶ島にやって来て、五十嵐ミチの同級生となる。成績優秀だが身体が弱く、時々発作を起して倒れるという持病があり、いつも寂しげな表情をしている。

八田 剛三 (ハッタ ゴウゾウ)

東京の建設会社の社長で、網元の依頼により島の温泉採掘事業のために鬼ヶ島にやって来る。その目的から、五十嵐一家と対立関係となる。業界では逆らうものは誰1人いないといわれるほどの大物だが、一人娘の八田真理子のためなら何でもする親バカでもある。

場所

鬼ヶ島 (オニガシマ)

東京から遠く離れた場所にある離島。島の周りには暗礁が多く客船が横づけできる港がないため、手漕ぎボートに乗り移ってようやく上陸できるという孤島。水が出にくく、島民の大半は猟師として貧しい生活を余儀なくされている。「おろち峠」「太朗沼」など古い伝説がある地域が随所にあり、「カラス岬」の砲台には旧日本軍が放置した不発弾が眠っている。

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