概要・あらすじ
新宿本店を中心に、都内にチェーン展開している焼き鳥屋鳥吉4号店の店長ジョーさんは、女性ながらも身長181cmの「巨娘」。店員仲間や友人達と共にお客のために旨い焼き鳥を作ろうと日々奔走している。旨い焼き鳥作りへの追求とこだわり、他店への調査といった細やかな部分と同時に、多少のトラブルや理不尽な客は持ち前の腕力でぶっ飛ばすジョーさん。
たとえ社長に対しても、いや他会社の社長だろうとヤンキー相手だろうと、歯に衣を着せずにズバズバ意見を言う豪快な性格。しかし、仲間達への気遣いも忘れない男前な性格のジョーさんは、今日も怒涛の日々を送っていく。
登場人物・キャラクター
ジョー
身長181cmの長身の女性。スレンダーな体格とショートカットの持ち主。現恋人の美樹と一緒にいるとイケメン男性と間違えられることもある。腕力が非常に強く本が満載のカラーボックスや業務用の生樽2つを軽々と運べる。喧嘩等では瞬時に相手を数メートル殴り飛ばすこともしばしば。たとえ相手が誰でも理不尽な事に対しては正論(と主に腕力)で突っ込み相手を轟沈させる豪快な性格の持ち主。 仕事に関しては真摯だが過程にはさほどこだわらない結果主義者。ただし怠け者や結果を出せない者には非常に厳しい態度であたる。一方少しでも見所のある人物には厳しいながらも行動指針を示したり援助するなど男気にあふれる行動を取る。恋愛に関しては超絶肉食系で元カレは20人以上であるが、現在は千鶴から紹介された美樹と同棲中。 可憐な美樹に対して自らの欲望に忠実に大胆なスキンシップやセクハラを仕掛けているため、傍から見ていると男女の立場がまったく逆である。
美樹 (よしき)
ジョーの現恋人であり、千鶴の兄。ジョーとは身長差が30cm以上もあり非常に小柄。年齢もジョーより年上だが、非常に奥ゆかしい性格とあいまって初見では少女に間違えられやすい。一度鳥吉店にてむりやり黒アリス系の服を着せられメイクまでされた時には、初見のタケルにジョーの姪っ子かと誤解されたほど。普段もオドオドした言動が目立ち状況に流されやすいが、ジョーの元恋人が現れた時には、震えながらも自分がジョーの現恋人だと宣言するなど芯は強い性格の持ち主。 ジョーとの初対面は千鶴に連れられていった酒の席だったが、その場での失言を豪快に受け止めたジョーの言動に一目ぼれ。その後の千鶴の提案したデートの後、恋人となる。アニメ制作関係の仕事をしており、メカ動画のクリンナップがきれいだとアニメスタジオの社長や演出からの評判はよい。
千鶴 (ちづる)
ポニーテールにしていることが多いOLで美樹の妹。高校時代にリューと交際を始めたころ、リューの実家に遊びに行ったときに、5番目くらいのカレシをぶっ飛ばすジョーと出会う。最初はジョーのことを大怪獣扱いしていたが、その後ドラッグストアの特売をきっかけに完全に意気投合。妙に馬の合う2人は友人関係となる。ジョーに負けず劣らず気風のさっぱりした性格の持ち主だが計算高く気の強い面も持ち、合コンの幹事を無理やり押し付けられたときはわがままを言う知り合いに厳しく反撃することも。 物語途中で同居していた美樹とジョーを強引に交換して同棲状態に持っていった。
リュー
ジョーの弟。いつも笑顔を絶やさぬ優しい性格の持ち主。ジョーの暴力的行動も見慣れているのか、平然と受け流すときもある。千鶴とは高校時代から交際している恋人同士。美樹とも仲が良く何かと世話を焼くが、親身になりすぎて千鶴の不評を買うこともしばしば。ジョーとの同居中は家事一切を任されていたが、千鶴との同居後は掃除洗濯のみを分担している。 納豆が嫌い。
トオル
ジョーの下で鳥吉4号店の調理場を主に担当する女性。身長172cmでショートヘアのスレンダー体型なので男性と見間違えられることも。在学中に司法試験に合格するほどの頭脳と、料理工程を時計も見ずに秒単位で把握する特技を持っているが、客に対してジョー以上に横柄な態度をとるため接客はよほどのことがない限り関わらない。ただし悪質な客にはあえて応対させることもある。 以前は渋谷のクラブハウスで女性ファイターとして名を馳せ、最強の選手レッドKを打倒すべく執着していたが、街中で因縁をつけたレッドKをジョーが瞬殺した場面に出会ってから打倒ジョーに執着するように。つねにタバコをくわえているが、薬物過剰反応体質なので火はつけていない。
幕の内 ポン子 (まくのうち ぽんこ)
頭の左右の髪を縦ロールにしている女性。元トオルのおっかけでありトオルの紹介で鳥吉4号店に来る。敬語が使えず社会常識が乏しいためバイト初日にジョーに口答えし、鉄拳制裁を食らう。嫌気が差し無断でサボるが自宅へジョーが強襲、以後強制的に仕事を続けさせられている。しかし何かと仕事をサボりがちで、食材廃棄率等鳥吉4号店のネガティブ貢献度ダントツ1位。 後から入ったサチが先にホール責任者になるほど、皆から使えない娘扱いされる。一度悪質なクレーム客に絡まれた時は、撃退したジョーの前で殊勝な態度を見せたが、直後の飲み会で性懲りもなく調子に乗った発言をしてジョーに制裁を食らう。
サチ
黒髪ロングの女性。トオルの紹介で鳥吉4号店に入る。仕事は丁寧で接客態度も良好、バイト陣への指示や店内外の連絡にもそつがなく、ジョーからの信頼は一番厚い。以前は大手証券会社に入社していたが、研修担当の上司からストーカー行為を受け退社。その後も執拗にストーキングする上司はトオルが成敗してくれたが、高校時代からの彼氏と大学時代に失恋したこととあいまってかなりの男性不信に陥っていた。 鳥吉での研修時にも、応対の上手さゆえに勘違いした客に帰宅時に待ち伏せされるが、様子を見ていたタケルに助けられる。それ以降男性不信は徐々に癒され、タケルに想いを寄せていくようになる。
タケル
鳥吉本店の副店長。短髪の真面目な好青年で、実質的に本店の運営を全て任されている。ジョーとは同期入社だが、研修時代にやり方を聞いただけで鶏を躊躇いもなく豪快に捌いたジョーの姿に、呆れるのを通り越して感心する。自分にない魅力をジョーに感じたタケルは、思いつきでジョーにプロポーズするが速攻で断られる。これも男同士の友情的な好意からきた行動だったゆえ、女性陣からは顰蹙を買う。 入社以前に日本料理店に住み込みで働いていたため、料理の腕は良い。女性から好意を抱かれることが多いが、以前に一度付き合った女性との苦い思い出から交際を躊躇するようになっている。
左膳 (さぜん)
鳥吉本店長であり鳥吉グループの社長。オールバックとサングラスが特徴の中年男性。情に厚く打算的な行動は取りにくい性格の持ち主。そのため古い知人の頼みに弱く、大赤字を出している3号店の改革に踏み出せなかったり、神楽坂に出店するはずの5号店を客層とは合わない早稲田に変更してしまい、店長会議ではいつもジョーの説教を食らっている。 経営センスはあまり良くなく、以前に一度会社を潰したことがある。
金具志 (かなぐし)
鳥吉3号店ことタマ川競艇場前にある「とり吉」の店長。飲食関係らしからぬ長髪とフランクな服装をした中年男性。ギャンブル好きで経営や接客態度はいい加減であり、左膳に資金提供した名士の息子という立場に甘えてサボりまくる。関係者からの評価は最低だったが、クビにできない事情があるので、系列店ではあるが、店名の異なる「とり吉」店長として隔離された。 当然のごとく「とり吉」はグループ内で唯一の大赤字店となったが、態度を改めることはなく店の雰囲気も最低。しかし不摂生がたたったのか、仕事中に店で血を吐き倒れて入院。退院後はジョーの完全監視下の中で、黒字を出すまで徹底指導される身となる。
播磨魚 (はりまお)
鳥吉5号店のバイト頭。オールバックでおでこを出した、ミディアムヘアーの女性。ジョーに成長を見込まれ、5号店トレーナーに抜擢された。頭脳明晰で一ヶ月でマニュアルの内容を全て覚え、三ヶ月も立つころには全ての作業を一人前にこなせるようにまでなる。指示出しもはっきりし、未熟な部下でも迷いなく動かせる才覚の持ち主だが、勝気な性格で接客態度に難があり、クレームがつくこともしばしば。 ジョーの改善要求に対して孤軍奮闘するが、接客と今まで甘やかしていたバイト達の管理が追いつかず、再びクレーム騒ぎを出してしまう。責任を取ってバイトを首になるが、その学習能力を高く評価しているジョーの計らいで、鳥吉グループに中途採用で入社。環境と気持ちをリセットして再スタートした。
大高カントク (おおたかかんとく)
美樹が所属するアニメ制作会社「スタジオ アジア軒」の代表。外見は短髪の青年。センスはレトロだが絵が巧く、冴えた演出とあいまってポスト・ハヤヲの末席ぐらいには位置するとされる人気アニメ監督だったが、それで舞い上がり遊びまくったせいで仕事は減り会社は膨大な借金を背負う羽目となる。美樹の給料延滞を気遣いスタジオにきたジョーから、会社と自分の現状を批判されヤケぎみになるが、過激ながらも正論のジョーのアドバイスに甘ったれた根性を捨て去り仕事に対する情熱を取り戻す。 少しずつ更正はしているが、まだ怪しげな金融機関からの借金は返済できていない。