概要・あらすじ
東京を破壊を望む北一輝は2・26事件を起こす。加藤保憲は戦争で東京が破壊される様子を満州から傍観していた。太平洋戦争末期、観阿彌光凰は欧米の指導者を呪詛を乗せた電波で暗殺しようとするがトマーゾに妨害される。同じ頃、加藤保憲は辰宮恵子の命を狙ったトマーゾに対決を挑む。
オカルトと史実が入り混じったサイキック伝奇漫画。
登場人物・キャラクター
加藤 保憲 (かとう やすのり)
東京の破壊を望んでいるが、作中では太平洋戦争で東京が焦土となることを予想し、満州で抗日馬賊の指揮をとりながら日本が戦争に負ける様を傍観している。辰宮雪子の義母・辰宮恵子を満州へ連れ去っている。トマーゾが辰宮恵子を殺害しようとしたことを知り、トマーゾと対決、辰宮恵子の助力もあって辛くも勝利する。
辰宮 雪子 (たつみや ゆきこ)
強い霊術が使える狐憑き。辰巳洋一郎と辰宮由佳理の娘だが、辰宮洋一郎を嫌っており、家を出てカフェで働いている。義母の辰宮恵子を慕っている。陸軍将校の中島莞爾とは恋人関係にある。強い霊力を持ち辰宮由佳理の近くにいるため、当人の意思とは関係なく東京、日本をめぐる西本願寺やメソニック協会の霊的な戦いに巻き込まれる。
辰宮 恵子 (たつみや けいこ)
辰宮雪子の義母で辰宮洋一郎の妻。平将門に仕える神女。加藤保憲に連れ去られ、満州で加藤保憲の愛人となっていたが、今は加藤保憲のことを信頼している。強い力に守られていて、霊力を使って満州から日本にいる家族やトマーゾと戦う加藤保憲を守る。
辰宮 洋一郎 (たつみや よういちろう)
辰宮雪子の父親。大蔵省・高橋是清付き秘書官。娘の辰宮雪子からは軽蔑されている。2・26事件の際に反乱軍に立ち向かって中島莞爾に射殺される。
辰宮 由佳理 (たつみや ゆかり)
辰宮雪子の母親で辰宮洋一郎の妹。平将門の分霊を飲み込んでいる。普段は床に伏したままだが、北一輝やトマーゾの霊力に反応するとヒステリー状態になる。
甘粕 正彦 (あまかす まさひこ)
元憲兵大尉。東条の部下として多くの裏仕事をこなした。今は満州の映画会社の理事長だが闇の警察署長を自称する。情報収集に長けていて2・26事件も事前に察知していた。メソニック協会の手先として東京の破壊を手伝いながら、満州の混乱と破壊を楽しんでいる。 本質はニヒリストで破滅願望があり、世界を道連れに破滅したいと思っている。歴史上の実在の人物、甘粕正彦がモデル。
石原 莞爾 (いしはら かんじ)
奸智に長けた陸軍大佐。陸軍参謀本部作戦課長、戒厳司令部参謀としてを2・26事件を鎮圧する。歴史上の実在の人物、石原莞爾がモデル。
中島 莞爾 (なかじま かんじ)
陸軍鉄道第二連隊少尉。北一輝に感化され、近衛歩兵第三連隊を指揮して2・26事件に参加する。2・26事件の夜に辰宮洋一郎を射殺し、それは辰宮雪子の望みをそれとは気づかないままに実行することだった。歴史上の実在の人物、中島莞爾がモデル。
北 一輝 (きた いっき)
東京を破壊するために青年将校を利用して2・26事件を起こし、背後で操る。法華経の力を使って東京を守っている平将門の霊は退けたが、満州から霊波を送ってきた辰宮恵子に邪魔をされて2・26事件は鎮圧される。歴史上の実在の人物、北一輝がモデル。
観阿彌 光凰 (かんなみ こうおう)
築地西本願寺の法主で内閣顧問。霊的国防計画の一環としてルーズベルトを呪殺する。
小笠原 真教 (おがさわら しんぎょう)
築地西本願寺別院の坊主。霊的国防計画の一環のルーズベルト呪殺のため、観阿彌光凰の呪詛をアメリカまで飛ばすための電波塔を建設している。
中村 雄昂 (なかむら ゆうこう)
観阿彌光凰の付き人で同性愛相手。美少年。
トマーゾ
メソニック協会日本支部にいて、強い霊力を持つ謎の人物。霊力を電波に乗せて観阿彌光凰の呪殺を妨害する。辰宮恵子を暗殺しようとするが失敗し、それが原因で加藤保憲と対決することになる。
明 鈴 (めい りん)
満州の抗日馬賊で朝鮮民族の少女。抗日馬賊を指揮する加藤保憲を英雄視して、辰宮恵子に懐いている。トマーゾによる辰宮恵子暗殺の身代わりとって死ぬ。
帝都の小悪魔 (ていとのこあくま)
歴史を傍観しているだけで関与はしない。ふとした際に辰宮雪子や辰宮恵子の前に現れて何かを伝える。