概要・あらすじ
乙矢環は、幼馴染みの如月旭と平穏に日々を過ごす高校生。だが、実は環は悪しき心に囚われ「邪鬼」となった人間を払う「守護師」の一族のたった一人の継承者であった。ある日、環たちの前に、邪鬼を生み出す邪法使いの一族・「月華一族」のえいじが現れる。「月華一族」は邪鬼の理想郷の創造を目指しており、環ら乙矢一族と対立。
やがて乙矢一族と月華一族の千年前から続く因縁が明らかとなり、戦いは激化。さらに旭も運命の悪戯か、一族の争いに深く関わる宿命にあったのだった。
登場人物・キャラクター
乙矢 環 (おとや たまき)
高校生。邪心を祓う守護師の一族乙矢一族の継承者。如月旭とは幼馴染み。表面上は旭を邪険に扱っているが、過酷な守護師の戦いに落ち込んだときは、心の支えとしている。実は邪法使いの血を引いており、それゆえに乙矢一族の分家からは疎まれている。
如月 旭 (きさらぎ あさひ)
本作のヒロイン。明るく天真爛漫な高校生。幼馴染みである乙矢環には邪険に扱われながらも、常につきまとっている。実は乙矢一族と月華一族の対立の原因となった少女・水月華の生まれ変わり。前世の記憶が戻った後は、月華一族の王・飛良と行動を共にする。
乙矢 要 (おとや かなめ)
乙矢環の母。口は悪いが、環のことは常に気をかけている。環には隠していたが、実は邪法使いであり、乙矢の血が途絶えることを恐れた一族の者に捕らえられ、乙矢葱鉞と契り環を産んだ。一族存続のための婚姻ではあったが、葱鉞のことは愛していた。
乙矢 葱鉞 (おとや そうえつ)
乙矢一族の守護師。乙矢環は祖父だと教えられていたが、実は父。邪刀・水月華を身をもって封印した。
乙矢 常盤 (おとや ときわ)
乙矢一族分家の庇護師の少年。乙矢環の従兄弟。分家から疎まれている環に懐いている。
乙矢 旱 (おとや ひでり)
乙矢一族分家の庇護師の青年。15歳のころから乙矢要に片思いをしている。長髪を後ろで束ねていたが、乙矢環と共に一族を抜けるとき、髪を切り落とした。
乙矢 砌 (おとや みぎり)
乙矢一族分家の庇護師の少女。乙矢環の許婚。一族に決められた許婚ではあるが、環に恋心を抱いている。
えいじ
月華一族の邪法使い。産みの親である剽からは、力の弱い劣等として虐待されて育った。幼いころに敵対する乙矢一族に興味を抱いたことからその様子を見に出かけ、乙矢環の姿に見惚れた。ある日環に見つかり、お守りに数珠の一粒を渡され、救われた。その数珠は成長後も首にかけ、大切にしている。
影羽 (かげは)
えいじの親・剽が作った猫鬼(使い魔)で、人間の姿になることもできる。常にえいじと行動を共にする。戯れに作られ、他の猫鬼と戦わされていたところをえいじに抱きかかえられ、救われた。そのため、えいじのことを第一に考え行動している。名を与えられなかったえいじの名づけ親でもある。
水月華 (すいげつか)
千数百年前、万物の力を持つとされ日本の守り主として崇めたてられていた少女。側近であった飛良と愛し合っていた。如月旭の前世であり、旭が邪刀・水月華に触れたことで覚醒。
飛良 (ひら)
千数百年前、水月華の側近であった青年。愛していた水月華の死後豹変、月華一族の王・飛良王を名乗り邪鬼を生み出すようになる。一定の周期で眠っていたが、水月華(如月旭)が目覚め、覚醒する。
嵯峨 (さが)
千数百年前、水月華の側近であった青年。水月華の死後、邪鬼を生み出すようになった飛良から人々を救うため、乙矢一族の守護師を名乗る。