概要・あらすじ
離婚により母親は蒸発し、父親も突然姿を消したことにより、妹の池内美波を養うことになった大学生の池内征樹。親友の神田は学校を辞めようとする征樹を諭し、働きながら通学することを提案。自分がフォローすることを約束した。そんなある日、妹のためにと予定を早め、最終電車で帰宅した征樹が目にしたのは、神田とベッドをともにする美波の姿だった。
信じていた親友に裏切られた征樹は、神田を憎み、美波に対する感情も抑えられず、過剰な束縛をし始めていた。そんな折、友達に会いに行った美波から、「もう帰らない」という電話が入る。征樹は、神田のもとを訪れるが、美波がいなくなったことすら知らなかった神田は、思い当たる場所へ征樹とともに行くことを決める。
そして美波を探して訪れた場所には、意外な光景が広がっていた。
登場人物・キャラクター
池内 征樹 (いけうち まさき)
池内美波の大学生の兄。中学生の頃、離婚により母親が家を出ていき、大学に合格した後、父親が突然姿を消したことで一時期は通学を諦めようとする。しかし親友である神田の助言により、学校に通いながら、大切な妹を養うためにアルバイトに精を出す毎日を送っている。自分たち兄妹をよく気にかけてくれる存在であり、頼りになる親友として神田のことを尊敬していたが、彼と妹との関係を知り、殺してやりたいほどに憎むようになる。
池内 美波 (いけうち みなみ)
池内征樹の10歳の妹。両親が不在となり、兄と2人で家を守りながら毎日の生活を送っている。母親がいなくなって以降、洗濯や掃除、食事の支度などを中心に家庭を支えてきた。父親は仕事で、兄は遊びで不在がちななか、兄の親友である神田の存在に支えられていたが、次第に神田に想いを寄せていき、体の関係を迫る。
神田 (かんだ)
池内征樹の親友の会社員の青年。征樹とは小学生の頃から付き合いがあり、親しくしている。両親を失い、学校を辞めようとしていた征樹を諭し、アルバイトで生計を立てながら学校を続けるように促した。その後は何かと池内兄妹をフォローしてきたが、次第に池内美波と惹かれあっていき、まだ10歳の少女と体の関係を持ってしまう。
親父 (おやじ)
池内征樹と池内美波の父親。妻は離婚後家を出ていき、2人の子供を養うために仕事で忙しい毎日を送っていた。しかし、征樹が大学に合格した後、突然「すまん」の一言を紙に書き残し失踪。現在は行方が分からなくなっている。
農家の女性 (のうかのじょせい)
池内征樹と神田が泊めてもらった農家の娘。実際は施設育ちであり、後継ぎに困っていた農家に自分から名乗りを上げ、養女になった。そのため、養父とは血の繋がりはないが、それ以上に良い家族関係を築いている。征樹が泊まった夜、彼の思いつめた様子を心配して相談に乗る。
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