概要・あらすじ
天和二年の日本。播磨国姫路藩の藩主である松平直矩は、豊後国日田藩への「国替え」を命じられた。国替えとは、藩士全員とその家族、使用人から家財道具総出での大規模な引っ越しであり、参勤交代をしのぐ規模の事業であった。そんな国替えを取り仕切る「引っ越し奉行」は、重労働な上に失敗すると切腹という、この上なく面倒くさい役職であり、藩士の誰もがやりたがらなかった。そんな引っ越し奉行を押し付けられてしまったのは、書庫番の若い藩士の片桐春之介。国替えの経験などない春之介だったが、友人の藩士の鷹村源右衛門や、前任の引っ越し奉行の娘である於欄たちに助けられ、国替えを進めていくのだった。
登場人物・キャラクター
片桐 春之介 (かたぎり はるのすけ)
姫路藩で書庫番を務める若い藩士の男性。家柄はよいものの、武術も算術も才能がなく、周囲の人間からは軽んじられて育った、卑屈な性格の持ち主。さらに引きこもっていたため、引きこもりの片桐で「カタツムリ」というあだ名を付けられている。友人である鷹村源右衛門からの推薦で、嫌々ながら引っ越し奉行を引き受けることになってしまう。もともと学問は苦手だったが、書庫番になってから書物ばかり読んでいたため、いつの間にか地図や帳簿を読みとけるようになっている。
鷹村 源右衛門 (たかむら げんえもん)
姫路藩藩士で剣術指南役兼馬廻役を務める男性。鼻の上に傷跡がある。片桐春之介の友人であり、春之介が引きこもっているのを見かねており、以前から何かと引き立てようとしている。しかし、春之介からは無謀な挑戦をやらされるように感じられてもいる。腕っ節はたつが、その分やや粗暴な性格の持ち主で、強引に話を進めることも多い。春之介を引っ越し奉行に推薦したことがきっかけで、彼の国替え事業を手伝うことになる。
於欄 (おらん)
前任の引っ越し奉行であり、激務で倒れた板倉重蔵の娘。国替えを手伝っていたこともあり、家に訪ねてきた片桐春之介に、国替え作業の手順を書き出して渡す。その際に、なぜか春之介のことを気に入ったらしく、その後も春之介のことを支えようとしている。
クレジット
- 原作
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土橋 章宏
書誌情報
引っ越し大名三千里 2巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2019-08-08発行、 978-4091293794)
第2巻
(2019-12-19発行、 978-4091295057)