心臓

心臓

ノスタルジックな人間ドラマを収録したオムニバス短編集。「アフタヌーン」2011年3月号に掲載された表題エピソード「心臓」のほか、アフタヌーン四季賞準入選の未発表作品「ニューハワイ」、大橋裕之との共同制作の自主制作冊子で発表された三編からなる「DREAM INTO DREAM」、「good! アフタヌーン」46号に掲載された「やま かわ たえこ」、「ランバーロール」02号に掲載された「るすばん」、「アフタヌーン」2012年7月号に掲載された「神様」の6エピソードを収録。宝島社の「このマンガがすごい! 2020」オンナ編第5位を獲得している。

正式名称
心臓
ふりがな
しんぞう
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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あらすじ

第1巻

病気で長くは生きられないと医者から宣告を受けた女子学生の若月しまこは、体育の授業を見学中、イヤフォンで音楽を聴きながら読書をするなど、マイペースな学園生活を過ごしていた。そんなある日、しまこはクラスメートの男子の石神から呼び出され、いつ死ぬのかと尋ねられる。石神は不良生徒からいじめられており、嫌々言わされていたのだ。そんな石神にしまこは「10秒後」と答える。その後、しまこは唐突にバレーボールの授業に参加したり、教室の掃除を一人で行ったり、廊下で巨大なしゃぼん玉を作ったりと、意外な行動を始める。(エピソード「心臓」。ほか、5エピソード収録)

登場人物・キャラクター

若月 しまこ (わかつき しまこ)

エピソード「心臓」に登場する。病気で長くは生きられないと、医者から宣告を受けている女子学生。病気の噂はクラスメートにも知られており、クラスでは少し浮いている存在。体が丈夫ではないため、体育の授業は見学していることが多い。自分がいつも夢の中にいるような感覚を感じている。

小島 なお

エピソード「ニューハワイ」に登場する。大型古書店でアルバイトとして働く独身女性。年齢は27歳。高校時代、挙動不審すぎてクラスで浮いていた自分に、唯一声を掛けてくれた冬子と、今でも友達付き合いをしている。しかし、冬子は同棲しているDV男と別れることができず、しょっちゅう小島なおのアパートに避難してきており、そんな鬱屈とした日々の中、何もかも放り出して、南の島に一人で旅することを夢見ている。

太一

エピソード「DREAM INTO DREAM(よだかのまど)」に登場する。とある一軒家の屋根裏部屋に、自分の部屋を持つ男の子。ベッドに横になって宮沢賢治の小説『よだかの星』を読んでいたところ眠ってしまうが、そこで天窓から不思議な女性が現れる場面を目撃する。

丸紅 (まるべに)

エピソード「DREAM INTO DREAM(忍者丸紅)」に登場する。リボンを付けた小さくてかわいらしい忍者。安土城に潜入し、軍議が記された巻物を入手するという使命を受け、人間大砲で城に乗り込む。そして信長のいる天守閣に、正面突破で入り込むことに成功する。

金太

エピソード「DREAM INTO DREAM(これで拭く)」に登場する。巨大ロボットを磨く仕事をしている小さなおじさん。口ひげを生やし、鉢巻を締めて腹巻きをしている。巨大ロボットを磨くためにクレーンで高所へ上がった際、モップを落としてしまい、自分の腹巻きで巨大ロボットをぴかぴかに磨きあげる。

多恵子 (たえこ)

エピソード「やま かわ たえこ」に登場する。田舎から出て、一人暮らしをしている若い女性。実家の母親からは、米やカボチャの入った段ボールが送られている。母親からの電話を受け、次の正月には実家に顔を出そうかと考えている。

とっこ

エピソード「るすばん」に登場する。田舎の大きな家で暮らす少女。体の弱い母親が病院へ行くあいだ、祖父と留守番をするように頼まれる。祖父が畑で農作業をしている際は漫画を描いたり、人形遊びなどをしたりして一人で過ごしている。

佐々木 四時子 (ささき よじこ)

エピソード「神様」に登場する。サトという男性と同棲している若い女性。五時子という姉妹がいる一卵性双生児なのだが、五時子は事故によって長いあいだ病院で寝たきりの生活が続いている。自分の幸せをゆずる代わりに五時子を助けてほしいと神様にお願いしており、自分が幸せになることを放棄している。

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