応天の門

平安時代を舞台に、引きこもりのエリート、菅原道真と女好きの歌人、在原業平のコンビが、都で起こる怪事件の謎を解き明かすクライムサスペンス。

正式名称
応天の門
作者
ジャンル
サスペンス
レーベル
BUNCH COMICS(新潮社)
巻数
既刊7巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

平安時代。京の都では、夜な夜な鬼が現れて女を拐(かどわ)かすという噂が広がっていた。在原業平は人目を忍んで女のもとへと通った帰り、門の屋根上にのぼり、月明かりで書を読みふけっていた菅原道真と出会う。後日、この拐かし事件に二人の共通の知人である紀長谷雄が関与しているとして、二人の面前で長谷雄が検非違使に連行された事から、道真と業平は協力して真相を探り始める。

第2巻

橘広相から大学寮に呼び出された菅原道真は、遣唐使船が持ち帰った、ある書の写本を請け負う事になった。この書には夜に写本を進めると物の怪が現れるという噂があり、その真相を確かめるためにあえて夜に写本を始めた道真は、噂のとおり、亡霊の姿を見る。しかし、その理由が書に焚きしめられた香にあると考えた道真は、紀長谷雄を伴って昭姫の店を訪れる。

第3巻

菅原道真は、幼少期に亡くした兄、吉祥丸の日記を読み、兄の死因が父親の菅原是善から聞かされていた流行病によるものではなく、藤原国経らの飼っていた犬に噛まれて狂犬病にかかったためと知る。その頃、是善は清和帝に呼び出され、療養中と聞かされて会う事が許されない母親の藤原明子に、密かに会えないかと相談を受けていた。主命を実行するため明子の住まいである染殿の様子をうかがっていた是善は、染殿の堂内で藤原良房が行っている人道に外れた所業を目にする。

第4巻

ある日から、在原業平はかつて恋仲にあった山吹が、恨み言を言って枕元に立つ夢を見るようになった。最初はこれまで菅原道真が解明して来た数々の事象に倣い、これにも何か理由があるはずだと考えていた業平だったが、そのあと蜂に襲われたり、瓦が落ちて来るなどの凶事に遭い、やはり呪いではないかと考え始め、道真に相談を持ちかける。

第5巻

藤原基経の提案により、神泉苑にて魂鎮めの祭が催される事となった。その準備のために人も物も大量に行き交う京の町で、菅原道真タマという一人の少女を救う。その頃、在原業平藤原常行伴善男は、基経になにか狙いがあるのだろうと警戒を強めていた。さらに、実家から追放されて善男に拾われた紀豊城が、藤原良房の暗殺を謀り始める。

第6巻

ある日、路地裏で倒れていた唐人を助けた紀長谷雄は、手助けを求めて昭姫の店を訪れる。一方その頃、在原業平菅原道真を伴い、唐から密航して役人を殺害したと思われる、性別不明の人物の行方を追って、同じく昭姫の店へと足を運んでいた。そして長谷雄の助けた唐人のは、かつて昭姫が「昭(ジャオ)」と呼ばれていた頃の恩人であり、役人殺しの犯人でもある事が判明する。

第7巻

藤原良相の娘、藤原多美子入内(じゅだい)が決まった。先に藤原高子の入内の約束を清和帝に取り付けていた藤原良房は良相の裏切りに憤り、また藤原基経は多美子の暗殺を企て始める。その動きを察した多美子の異母兄、藤原常行、さらに多美子を以前から妹としてかわいがっていた高子は、それぞれ在原業平菅原道真白梅に、多美子を助けるための助力を求める。

第8巻

京では凶事を除けて幸運をもたらすといわれるが流行っていた。この暦の恩恵を受けたと菅原道真に自慢する紀長谷雄だったが、道真はデタラメだと取り合おうとしない。その頃、頻発する盗難事件の捜査に乗り出した在原業平は、その暦に窃盗の秘密があるのではないかと着目し、被害者が暦を所持していないか調べるため、もう一度呼び集める事にする。

登場人物・キャラクター

主人公

大学寮に在籍している少年。菅原是善の三男で、吉祥丸の弟。本来は吉祥丸と道真のあいだにもう一人兄がいたが、生まれてすぐに死亡している。普段は烏帽子で隠れているが、額には吉祥丸につけられた傷跡が残っている... 関連ページ:菅原 道真

主人公

左近衛権少将(さこのえごんのしょうしょう)の地位に就いている貴族の青年。紀長谷雄とは妻の縁者として親戚関係にある。女性のつけている香は一度嗅げば忘れないという特技があり、「百戦錬磨の好色漢」として広く... 関連ページ:在原 業平

清和帝の祖父にして後見人の男性。藤原基経の養父、藤原高子の叔父、明子の実父。藤原家の中の派閥「藤原北家」の筆頭を務める老人。高子や明子を「藤原家繁栄のため天皇の后となり、男児を設ける道具」としてしか見... 関連ページ:藤原 良房

大学寮で学ぶ文章生(もんじょうしょう)の少年。菅原道真の学友であり、在原業平の妻の縁者でもある。女性に一目惚れしやすく、さらにお人好しなため、頻繁にトラブルに巻き込まれては自分では解決する事もできず、... 関連ページ:紀 長谷雄

菅原道真と吉祥丸の父親。清和帝の教育係である「侍読(じどく)」という役目を担っており、宮中では「侍読どの」と呼ばれる事もある。引きこもってばかりの道真を心配しており、道真が風流人として知られる在原業平... 関連ページ:菅原 是善

昭姫の店を経営している唐人女性。貴族が嫌いで、藤原親嗣に虐げられていた小藤をかくまったり、針をなくしたタマを気遣って菅原道真に助力を強制するなど、特に女性に対して懐が深いところを見せる。また3日に1度... 関連ページ:昭姫

森本の翁の屋敷に勤めていた女官。森本の翁が亡くなったあとは菅原道真の口利きで菅原家に勤めるようになった少女。弱視となった森本の翁の代わりに漢書を朗読するなど、漢語が堪能。玉虫姫付きの女官として振る舞っ... 関連ページ:白梅

藤原基経の実妹であり、藤原良房の姪にあたる女性。年齢は21歳。清和帝のもとに入内するため、良房によって軟禁状態にある。11歳の頃、在原業平と駆け落ちしようとした事があるため、業平との接触は禁じられてい... 関連ページ:藤原 高子

藤原良房の養子で明子の義弟であり、藤原高子の実兄、藤原国経と藤原遠経の実弟。中将の地位にあり、さらに参議にも就任している青年。年齢は26歳。良房の目を盗んで百鬼夜行に偽装した密輸をするなど暗躍を繰り返... 関連ページ:藤原 基経

流行病で死んだとされている、菅原道真の7歳上の兄。美しい字を書くが、蹴鞠(けまり)や狩りが苦手で、穏やかな人柄だった。道真には弱音を吐くところなどを見せていなかったが、日記には死の直前まで真意と苦悩を... 関連ページ:吉祥丸

清和帝の母親で、三十路の女性。染殿で療養している事から、「染殿様」と称される事も多い。先帝と死に別れ、我が子である清和帝とは母子らしい事もできないまま引き離された事で心を病んだとされている。しかし、実... 関連ページ:明子

島田忠臣の娘。菅原道真の婚約者ながら、道真には「妹のようなもの」と言われている少女。年齢は12歳。漢学に通じて観察眼にも優れており、在原業平の様子や服の汚れなどからそれまでの経緯を語るなど、道真を彷彿... 関連ページ:島田 宣来子

伴中庸の父親。紀豊城の身元を引き取った、清和帝の側近くに参内する大納言の地位にある壮年男性。そのため、「大納言」と呼ばれる事も多い。また、菅原道真の母親とは縁戚関係にある。毛深く、顔の彫りが深いのが特... 関連ページ:伴 善男

森本の翁の孫娘。14歳とされている少女。どこにも出仕していないが恐ろしく美しいと、大内裏の中にまで噂が広がっている。さらに碁や双六、漢詩や和歌も嗜む才女であり、艶やかな絹のような髪と、鈴のような涼やか... 関連ページ:玉虫姫

幼いながらも第56代天皇として君臨している少年。年齢は13歳。周囲の陰謀や策略にも気づいておらず、おっとりとした性格。母親である藤原明子が病床にあると聞かされており寂しさに耐えているが、祖父でもある藤... 関連ページ:清和帝

藤原良房の従弟にあたる老齢の男性。何かと理由をつけては女官を上半身裸にして柱に縛り付け、「婢女」と罵倒しては鞭打ちや折檻をする事を楽しみとしている。藤原の一族である事を笠に着て不都合な事はすべて揉み消... 関連ページ:藤原 親嗣

藤原 国経

藤原基経と藤原高子、藤原遠経の実兄で、長兄。ゴリラを思わせる体格で、たらこ唇が特徴。学がなく覚えも悪いため、基経からは愚鈍と軽蔑されている。幼少時、菅原道真の兄である吉祥丸をぞんざいに扱い、狂犬病に罹患している犬に噛ませて間接的に殺害した。実在の人物、藤原国経がモデル。

藤原 遠経

藤原基経と藤原高子の実兄で、次兄。藤原国経の弟でもある。猿を思わせる面相で、たらこ唇が特徴。学がなく覚えも悪いため、基経からは愚鈍と軽蔑されている。幼少時、菅原道真の兄である吉祥丸をぞんざいに扱い、狂犬病に罹患している犬に噛ませて間接的に殺害した。実在の人物、藤原遠経がモデル。

藤原 良近

藤原家の中の派閥「藤原式家」の当主を務める中年男性。しゃくれて割れた顎が特徴。在原業平が屋敷で催した塩焼きの宴席で菅原道真と知り合った。実在の人物、藤原良近がモデル。

藤原 有貞

藤原家の中の派閥「藤原南家」の当主を務める男性。在原業平が屋敷で催した塩焼きの宴席で菅原道真と知り合った。出会った当初は、道真を業平の稚児と考えていた。実在の人物、藤原有貞がモデル。

藤原良相の息子で、藤原多美子の異母兄の男性。藤原良房の甥で、藤原基経の義理のいとこでもある。年齢は26歳。藤原良房の推薦で新しく参議として就任したが、放蕩癖があり、女性の寝所で寝過ごすなどして朝議をサ... 関連ページ:藤原 常行

藤原常行と藤原多美子の父親で、藤原良房の弟。顔立ちだは良房と似ているが、ふくよかで頬が垂れ下がっており、柔和な雰囲気の持ち主。冷酷さはあまり見せないが、良房が擁する藤原高子よりも先に多美子を入内させる... 関連ページ:藤原 良相

藤原良相の娘で藤原常行の異母妹の少女。年齢は12歳。藤原高子の事は姉のように慕っており、また高子からも妹のように大切にされている。良相の策略によって、良房が先に入内の約束を取り付けていた高子よりも早く... 関連ページ:藤原 多美子

是則

在原業平の従者で、牛車の御者として移動の際はつねにいっしょに行動している男性。最初は菅原道真の事を小鬼と見間違い、抜刀しようとしていた。しかし業平と道真が親交を持ち、数々の騒動を解き明かしていくのを目にするうちに、物事にはすべて理由と仕掛けがあるのだと理解し、道真を尊敬するようになった。

桂木

菅原是善の屋敷に勤めている女房頭の老齢の女性。菅原道真が幼いから屋敷に勤めており、道真の事を「阿呼」と呼び続けている。吉祥丸の事もよく知っており、白梅が菅原家内で禁句とされている道真の家族について質問した際には、言葉を選びつつも端的に説明してみせた。

大学寮で教鞭を執っている男性。菅原道真や紀長谷雄など多くの弟子がおり、また慕われている。菅原是善の弟子でもある。遣唐使となった友人が命がけで持ち帰った書の写本中、その友人の亡霊を見た事から写本を進める... 関連ページ:橘 広相

小藤

藤原親嗣の屋敷に雇われていた女官の一人。唇の左下にほくろがあるのが特徴。鬼に拐かされた二人目の女官として噂になっていたが、実際は松葉に助けられて屋敷から逃げ出し、昭姫達によって昭姫の店に匿われていた。親嗣が断罪されたあとも店に残って手伝いをしている。

松葉

藤原親嗣の屋敷に雇われていた女房の一人。小藤の上司にあたる女性。小藤よりもかなり背が高い。鬼に拐かされたと噂になっていた最初の女官だが、実際は小藤の代わりに親嗣の折檻を受けた結果死亡し、河原に打ち捨てられて野犬に食われていた。

玉虫姫の祖父。若い頃は学者として名を馳せた老齢の男性で、菅原是善とも交流がある。目が見えなくなっており、漢書などはすべて白梅に読み上げてもらっているが、もはや聴力も弱まっている。見た目ではなく能力で人... 関連ページ:森本の翁

玉虫姫に恋い焦がれて100通の恋文を出した男性。紀長谷雄とは何度か蹴鞠に興じた仲で、共に玉虫姫について語り合っていた。あまりに熱心な恋文を送って来るため、玉虫姫の正体と経緯を伝えようとした雪代達に森本... 関連ページ:酒井 久通

雪代

森本の翁の屋敷で、玉虫姫の女房頭を務める女性。玉虫姫が井戸に落ちて死亡した事を森本の翁に話す事ができず、白梅や滝野らと共に、森本の翁が存命のあいだは玉虫姫が生きているよう振る舞っていた。森本の翁が死亡してからは尼寺に入り、森本の翁と玉虫姫の菩提を弔っている。

滝野

森本の翁の屋敷で、玉虫姫の女房を務める女性。背が高く大きな目で痩せており、頬骨が目立つ顔立ちをしている。着物の仕立てが得意。玉虫姫の立ち居振る舞いを担当していた。

森本の翁の屋敷で、玉虫姫の女房を務める女性。骨太な体格に顔立ちも全体的に角張っている。玉虫姫として琴を奏でる担当をしていた。森本の翁が死亡してからは在原業平の口添えで、山科宮の屋敷に仕えるようになった... 関連ページ:皐月

筑紫

藤原高子の屋敷に勤めている女房の女性。夜中に庭で何者かに組み伏せられているところをほかの女房に発見され、物の怪に襲われたと話していた。しかし、実際に物の怪とされていたのは数か月前から通って来ていた男性であり、思い人にも会えず軟禁状態にある高子に気を遣い、真実を話す事ができなくなっていた。

遠山

藤原明子の世話役を務める女房の女性。藤原基経の命令で、明子の監視と、粥への薬の投与を行っている。しかし、一度だけ目を離したスキに明子が清和帝の寝所まで逃亡した事があり、その事で基経から責められた。真済ら金剛山の僧侶達が祈祷にやって来た際には、共に堂内で乱交に興じている。

金剛山の僧侶で、精悍な顔つきの男性。藤原明子の心の病に対する平癒祈願を建前として、藤原基経が染殿に呼び寄せた。またほかの僧達に、祈祷の護摩を焚かせ真言を唱えさせながら、染殿の堂内では明子や遠山との乱交... 関連ページ:真済

明石にある村の郷司を務める男性で、逞しい体型をしている。キヨの夫であり、ハツの父親。村の井戸が次々と涸れていく事態に混乱した村人達から、山神の怒りを静めるための人柱を立てるよう要求されていた。菅原道真... 関連ページ:常丸

常丸の妻で、ハツの母親。船酔いで浜に倒れていた菅原道真を屋敷に運び、介抱した。かつては京のとある屋敷で、姫君に仕える「清川」という名の女官だった。そのため言葉に訛りが少なく、所作が上品で立ち上がる際に... 関連ページ:キヨ

ハツ

常丸とキヨの娘で、6歳にもなっていない幼い少女。船酔いで浜に倒れていた菅原道真を発見し、キヨに知らせた。人柱の候補として名を挙げられていたが、道真の知識を信じ、道真が示した場所を真っ先に掘り始めた。

島田宣来子の父親で菅原是善の弟子、菅原道真の師の一人。現在は藤原基経の腹心として毒の仕入れなどを秘密裏に行っている。平民の出で、かつて是善のもとで学んでいた際、才能を妬んだ貴族の息子から嫌がらせを受け... 関連ページ:島田 忠臣

山吹

かつて在原業平と深い関係にあった姫君。独占欲が強く、業平と別れる際には泣きわめいて恨み言を漏らしていた。しかし、業平と同じく浮気性であり、現在は業平に対する遺恨はなく、生後2か月の赤ん坊の母親をしている。下男として働いていた肋丸の事を覚えていた。

かつて山吹の屋敷で下男として働いていた初老の男性。山吹に思いを寄せていたが、山吹と在原業平との仲睦まじい様子を見ているだけで苦しくなり、二人の幸せを願って郷里へと戻っていた。しかし商いで京に上った際、... 関連ページ:肋丸

伴善男の息子の青年。居候の紀豊城を恐れている。在原業平が屋敷で催した塩焼きの宴席で菅原道真と知り合った。また、その際にクラゲの毒にやられた老人を素早く手当てする道真の姿を見ており、魂鎮めの祭後に毒の症... 関連ページ:伴 中庸

第52代天皇・嵯峨帝の第7皇子で、源信の弟。顎の左側にほくろがあるのが特徴。在原業平が屋敷で催した塩焼きの宴席で菅原道真と知り合った。美しい人物以外の顔は覚えられないと話しており、世捨て人のような存在... 関連ページ:源 融

源 信

第52代天皇・嵯峨帝の皇子で、源融の兄。融の度の過ぎた散財を藤原良房から責められるため、どうにか諫めようとしているが聞く耳を持たれず、頭を痛めている。またさらに良房から苦言を呈された際には、融に支援の打ち切りと造園工事の中止を宣告した。実在の人物、源信がモデル。

藤原常行の屋敷に勤める女房で、年配の女性。常行が百鬼夜行の出る晩に外出してしまって戻らないのを嘆き、藤原良房が飼っているとされる異国の人間の力を借りようとしていた。ただし、この人物らの存在は良房と藤原... 関連ページ:おばば

もともとは皇室の出身だが、出家して山科の山奥に引きこもっている男性。森本の翁が亡くなったあと、行き場のなくなった皐月を女官として雇っている。盲目だが耳がよく、皐月の奏でる琴の音もよく褒めている。しかし... 関連ページ:山科宮

伴善男が佐渡にいた頃、下女として身の回りの世話をしていた女性。よく笑い、「とのさまはおだいじんになるお方だ」と言っては若かりし頃の善男を和ませていた。かつて善男が悪夢を見た日に、善男の悪夢とタツの見た... 関連ページ:タツ

昭姫の店に出入りしている縫物屋で、針子として働いている少女。着物を仕立てるのが早く、昭姫がかわいがっている。父親から「嘘や隠し事をしてはいけない」と教えられており、その教えを素直に守っている。責任感が... 関連ページ:タマ

伴善男の邸宅に居候している男性で、紀長谷雄の遠縁にあたる。骨が浮くほど痩せた体型とざんばらな髪、右目が潰れた傷だらけの顔が特徴。あまりに乱暴で手に負えない事から、兄である紀夏井から紀家を追放されている... 関連ページ:紀 豊城

唐からの輸入船に隠れて密航して来た唐人(からびと)。かつて宦官として唐の後宮に務めていた男性だが、睾丸の切除の影響から体つきが女性に近く変化しており、声が高く、乳房がある。そのため当初は性別不詳と考え... 関連ページ:

坂上の殿について北国へ遠征に出た恋人を待っている平民の女性。「この桜が三度咲いたら戻って来る」という言葉を信じて、桜が四度咲いても一途に待っていた。しかし、源融によって約束場所の桜が場所を移されると聞... 関連ページ:カヤメ

吉野

藤原多美子付きの女房頭の女性。多美子が幼い頃から仕えており、多美子が入内を控えていた際には暗殺を警戒して神経を尖らせていた。しかし、藤原高子の推薦で多美子の教育係としてやって来た白梅に対しては、警戒しつつも表面上は取り繕い、静かに目を光らせるなど冷静な人物。

藤原多美子に仕える女房の女性。垂れ目に左目の下にある泣きぼくろがある。多美子が幼い頃から仕えており、多美子が入内を控えていた際に、教育係として白梅がやって来た際には「よそ者など物騒だ」と声を上げていた... 関連ページ:深雪

都 言道

橘広相と同じく大学寮で教鞭を執っている男性。歯に衣着せない豪胆な性格と佇まいなため、菅原道真からは苦手に思われている。実在の人物、都良香がモデル。

京に暦を流行らせて、盗難事件を起こしやすいように信心深い人々の行動をあやつっていた男性。もともとは陰陽寮に在籍していたが、唐の技術者が渡来した際に人員整理に遭い、職を失った。貧しい暮らしを凌ぐため、陰... 関連ページ:古川 幹麻呂

大学寮に通う男性。菅原道真や紀長谷雄よりもかなり年上だが、優秀な人物といわれている。貧しい家の出身で、同じ書を何度も暗唱したり、書き写したりして学んで来た。書庫で火事が起こった際には、前日の書庫の戸締... 関連ページ:安野 有兼

不定期に大内裏を訪れ、内教坊(ないきょうぼう)の伎女達に舞を教えている女性。額と頬に印象的な化粧をしており、両肩に入れ墨を入れている。年を経っても美しさに陰りがなく、源融が幼い頃に見た内教坊の大師にも... 関連ページ:大師

集団・組織

百鬼夜行

月の子(ね)の日の風のない夜、大路を通るとされる異形の集団。それを見てしまうと魂を取られてしまうという噂が立ち、警備の者も夜間に大路に立ちたがらなくなったため、施錠が徹底されるようになった。牛車を中心... 関連ページ:百鬼夜行

場所

大学寮

平安時代の官吏養成における最高機関で、大内裏の八省院内に位置している。詩文や歴史などを学ぶ場所であり、式部省が行う文章生試に合格しなければ通う事ができない。また、ここに通う学生は「文章生(もんじょうし... 関連ページ:大学寮

大内裏

朱雀門を入った先にある、貴族の社会。菅原道真が在籍している大学寮も内部にあり、また、主上が生活している紫宸殿(ししんでん)、清涼殿もこの中に存在する。

昭姫の店

香や漢方、唐渡りの品を多く扱っているほか、双六などの賭博場もある。藤原親嗣の屋敷から逃げ出した小藤を匿い、また、検非違使に追われている寧の隠れ宿にもなった。珍しい品も多数扱っており人の出入りも多い事から、菅原道真や在原業平が捜査協力を頼む事も多い。

染殿

藤原明子が療養している、御所の離れの院。普段は明子付きの女房達しか出入りする事ができず、心を病んでしまった明子が外にも出ずに静養しているとされている。しかし、実際は染殿自体が明子を閉じ込める檻の役目になっており、外鍵も付けられている。

神泉苑

大内裏に面した、神事に使われる寺院。元来一般の民衆が中に入る事は許されていなかったが、魂鎮めの祭開催に際して、舞台の設営などで民衆も多く立ち入る事になった。

その他キーワード

反魂香

唐の説話に登場する香。また作中においては「反魂香」と呼ばれている香が存在しており、これを嗅ぐと欲望や不安が膨らみ、幻を見てしまう。

本来は季節ごとの星や日月の廻りを記したもので、帝の公務や祭などの日取りを決めるためのもの。唐の暦学を用いて陰陽寮の技術者が緻密な観測と計算で割り出した天文記録。しかし、古川幹麻呂が作成し販売していたの... 関連ページ:

藤原家

藤原良房や藤原基経、藤原常行など、多くの人物から成り立っている一族。良房が清和帝の祖父であるなど皇室にも深く血が入っており、ほぼ政権を握りつつある事から伴善男をはじめ、藤原家以外の家から反発されている... 関連ページ:藤原家

検非違使

京の犯罪や風俗を取り締まり、貴族や帝を警備する官吏。現代でいうところの警察機関。在原業平は「左近衛権少将(さこのえごんのしょうしょう)」として検非違使を統括する役目にあり、都の警備を管理している。

入内

帝の妃として、女性が大内裏に入り生活を始める事。藤原良房、藤原良相は血縁関係にある娘を帝に嫁がせる事によって皇室内に自分の血縁を広げ、政治に対する発言権を得ようとしている。

魂鎮めの祭

藤原基経と藤原常行が、清和帝に進言して開催した貴族と京内外の民を集めた盛大な祭。朝廷に恨みを持って死んだ者、叛意ありと処罰された者の魂を鎮め、帝と民の平穏を願う祭という建前で開催された。神泉苑に巨大な舞台を作り、異国の舞なども披露されている。

得業生試

大学寮に通う「文章生(もんじょうしょう)」が、「文章得業生(もんじょうとくごうしょう)」に昇級するための試験。「策問(さくもん)」と呼ばれる短い問いに「対して策を献ずる」事から「対策」と呼ばれた。出題内容は主に中国史や詩、故事、政治についての筆記試験で、制限時間内の作文を行う。

書誌情報

応天の門 既刊7巻 〈BUNCH COMICS〉 連載中

第1巻

(2014年4月9日発行、 978-4107717429)

第2巻

(2014年10月9日発行、 978-4107717771)

第3巻

(2015年4月9日発行、 978-4107718105)

第4巻

(2015年10月9日発行、 978-4107718464)

第5巻

(2016年3月9日発行、 978-4107718839)

第6巻

(2016年11月9日発行、 978-4107719300)

第7巻

(2017年6月9日発行、 978-4107719874)

SHARE
EC
Amazon
無料で読む
マンガリスト
logo