概要・あらすじ
老夫婦に育てられた少年・理は、その老夫婦が亡くなって、「イナリ屋敷」と呼ばれる田舎の富豪の九耀家に引き取られる。ここの亡き主人こそが理の父親だったからだが、おそらく自分の母親は昔いたお手伝いと理は推測する。大人びてずるがしこい理は周囲を踏み台にして見返してやろうと画策する。「イナリ屋敷」の離れには、昼間から男を連れ込む狐目の淫蕩な女性・聖子が住んでいた。
亡き家主の妹にあたるという聖子に、何故か理は強く魅かれてしまう。
登場人物・キャラクター
理 (まさる)
小学4年生とは思えないほど冷酷で頭の回転が早く、引き取られた田舎の富豪九耀家の事情もすばやく察知する。とてもませていて性的にも成熟している。やがて、自らの忌まわしい出生の秘密を知るようになる。
九耀 聖子 (くよう まさこ)
九耀家の離れの一軒家に住み、昼間から男を連れ込む淫蕩な性格。狐のような目をして男を魅了する。亡き主人の妹にあたる。その顔は理ととてもよく似ている。
九耀 美央子 (くよう みおこ)
おかっぱ頭の小学四年生。引き取られてきた理に興味を持ち、いろいろ面倒をみようとするが、逆に大人びた理に翻弄される。押し入れや蔵に連れ込まれて性的な悪戯の対象にされてしまう。
場所
九耀家 (くようけ)
『狐女』で理が引き取られた田舎の富豪の家。亡き主人・九耀征二郎の妻、長男の征一とその妻・康子、その子供の中学生の稔と小学4年生の美央子、そしてお手伝いの文が住んでいる。さらに離れには、征二郎の24歳の娘・聖子が軟禁状態で住んでいる。敷地内に神社があることから「イナリ屋敷」と呼ばれている。