概要・あらすじ
謎の正義の盗賊ハリマオが抑圧されている人々を解放するために、マレーシアやタイといった東南アジアや中国大陸で活躍する。
登場人物・キャラクター
ハリマオ
大きなサングラスと頭のターバンで顔はよくわからない。ターバンは後ろで縛られていて、両端は長く垂らしている。精悍な青年らしい。銃はもちろん、鞭や剣も巧みに操る。もちろん格闘も得意。神出鬼没で変装もお手の物。多くの部下がいるものの、その正体を知る者はわずからしい。その正体は元日本海軍中尉・大友道夫らしい。 東南アジアの抑圧されている人々を救うために活躍する。最後には日本軍の要請を受けて蒙古国のためにも一肌脱いだ。モデルは昭和初期に実在したマレー半島の盗賊で、後に日本軍の諜報員となった谷豊。
太郎 (たろう)
両親を亡くし、おじの万次郎をたよってジャカルタにきた日本人の少年。父から教わった拳銃の腕前には自信がある。万次郎を探して陳秀明と知り合い、ハリマオとの抗争に巻き込まれる。陳にだまされそうになったがハリマオが正義だと気付き、さらに陳に裏切られたため、ハリマオの味方になる。 陳に幽閉されていた万次郎にようやく出会えたが死別。万次郎から商人のグレコのところで知り合ったれい子が実の姉だと知らされた。陳秀明の死後、れい子らと日本で暮らし始める。だが、蒙古国の王女をめぐる陰謀に巻き込まれ、蒙古国でハリマオと再会する。
ドンゴロスの松 (どんごろすのまつ)
大きな鼻の青年。いつもハチマキをしていて、褌と腹巻に法被が定番。ハリマオの一の子分で日本人である。自称、山田長政の子孫。柔道五段の腕前で、格闘が得意。ハリマオ一味での副首領格で、部下たちへの指示を伝達し、直接指揮することが多い。陳の死後、太郎とともに日本に渡り、タドン小僧と日本で暮らす。 蒙古国の王女をめぐる冒険では太郎とともに行動し、ハリマオとも再会する。『サイボーグ009』のギルモア博士と同じ顔。
タドン小僧 (たどんこぞう)
全身真っ黒な小柄な少年で、鼻だけが白い。白いターバンを頭に巻いている。ハリマオに憧れていて部下になりたいが、現状は子分どまり。太郎と一緒に行動することが多い。陳の死後、太郎とともに日本に渡り、ドンゴロスの松と日本で暮らす。蒙古国の王女をめぐる冒険では太郎とともに行動し、ハリマオとも再会する。
陳 秀明 (ちん しゅうめい)
浅黒い肌で広い額に白髪、ドジョウ髭の老華僑。東南アジアで大儲けを狙う悪徳商人。ジャワ統治庁などの権力者に取り入って、さまざまな陰謀を巡らしている。兵器や奴隷の密貿易をジャワ統治庁とともに進めたり、太郎の拳銃の腕を見込んでハリマオと戦わせようとしたり、万次郎が隠していた宝を狙ってれい子を利用しようとしたりした。 部下の三白眼でにやけた四角い顔の男ピレーグを警察などに出入りさせ、情報を集めている。巨大な真珠「アラフラのたこ」を巡る争奪戦の末、協力していた片足ブラックと仲間割れをして共倒れ、絶命する。
キャプテンK.K. (きゃぷてんけーけー)
顎鬚と右頬に十字の傷のある男。サングラスと帽子を欠かさない。殺し屋集団の秘密結社黒いつめの首領。コバールにハリマオの始末を依頼されてジャカルタにやってきた。三宅秋江を人質にハリマオを呼び出し、仲間入りを提案するが交渉は決裂。太郎たちに人質が救出されたため、殴り合いで倒される。 スパイとして部下のトウチミンをハリマオの協力者として送り込み、罠にかける。アジトの魔の城にハリマオをおびき出すが、ハリマオの部下たちが兵隊にまぎれこみ計画は失敗。ハリマオと一対一で早撃ち勝負の末に倒される。
コバール
ジャワ統治庁の長官。禿げ頭に豊かな口髭で小太りの初老の軍人。アジア征服計画を進めている。そのための兵器や奴隷の調達で、商人の陳秀明やグレコらと組んでいる。計画を妨害するハリマオを始末するために黒いつめのキャプテンK.K.を招くなど、手段を選ばない。コパ河河口の秘密基地建設が頓挫したとき、その責任をめぐって口論となったサーキットに殺される。
サーキット
白髪が左右に大きく跳ね上がっている独特の髪形で、つり眼の男。ソロ河の河口に秘密艦隊の基地を造る工事の監督としてイギリスからやってきた。部下として原住民の僧侶・ラジャーを利用している。基地建設が頓挫した責任を巡って口論の末、ジャワ統治庁のコバール長官を殺してしまう。 その後、秘密兵器の密輸や原住民の石油採掘などの計画を進めたが、いずれもハリマオに阻止される。石油採掘計画の失敗で逃げるときに、秘密を知りすぎたラジャーを撃ち殺す。そのときラジャーがコバール殺しを口にしたため、それを聞いたコバールの娘サガに撃ち殺された。『サイボーグ009』のバン・ボグートと同じ顔。
片足 ブラック (かたあし ぶらっく)
丸顔で顎鬚、右目にアイパッチの男。右手はフック、右足は先が丸い棒状の義足。東南アジアの海を荒らす海賊。陳秀明と組んで「アラフラのたこ」を狙った。一度は陳を裏切って「アラフラのたこ」を手に入れたが、アンコールワットに近いシンリーフで取引しようとしたところで陳やハリマオに追いつかれ、ハリマオの手に渡ってしまう。 再度、陳と手を組んでハリマオをおびき出し、「アラフラのたこ」を奪おうとした。激しい争奪戦の末、陳と首を絞めあい、共倒れして果てる。
れい子 (れいこ)
背中まで届く黒髪に白いカチューシャの女性。父と慕う万次郎と生き別れになり、おじを名乗った陳秀明の紹介で悪徳商人グレコの屋敷で暮らしている。グレコの屋敷に太郎が乗り込んできたことを切っ掛けに、陳に疑惑を持ち、後をつけて洞窟に監禁されていた万次郎と再会。陳に見つかって捕まるが、太郎に救出され、万次郎と3人で脱出を図る。 2人を脱出させるために残った万次郎から日記を託される。その後は太郎と暮らしている。ただ、ことあるごとに誘拐され、ハリマオまたは太郎をおびき出すための人質にされる。蒙古国では「ウヌグの隼」に王女と勘違いされて攫われたが、王女のふりをして小笠原洋子を守ろうとした。
万次郎 (まんじろう)
長い白髪と白鬚で輪郭が見えず、毛玉に目鼻をつけたような男。莫大な宝のありかを知っており、その秘密を狙う陳秀明によって18年間洞窟に監禁されている。れい子と太郎のおじだが、れい子には父だと名乗っていた。太郎に救出されて洞窟からの脱出を図るが、途中で断念して2人を守るために陳に立ち向かい命を落とす。 宝の秘密を日記に記しれい子に託した。ただし、漫画版では宝や太郎とれい子が別れた秘密は明かされていない。
三宅 秋江 (みやけ あきえ)
品の良い令嬢。日本貿易会社の支店長・三宅幸治の娘。恋人だった元海軍中尉・大友道夫を探している。ハリマオの声に覚えがあるという。キャプテンK.K.にハリマオとの関係を疑われ、それ以降何度か誘拐され、ハリマオを呼び出す囮にされる。太郎とれい子がジャワで身を寄せていた。
小笠原 洋子 (おがさわら ようこ)
ポニーテールの女性。太郎とれい子が日本で暮らすことになった家の隣人・小笠原博士の養女。蒙古国王の息女として生まれたが、双子であったため、殺されるはずであった。蒙古に滞在中だった人類学者の小笠原博士が、これを引き取り娘として育てる。兄が謎の病死をしたが、王位を狙う一味による毒殺が疑われ、国王派に王女としての帰国を求められる。 蒙古国の平和のために太郎たちと帰国を決意。ハリマオの助けもあって、蒙古をのっとろうとしていた「ウヌグの隼」を掃討した。
ウヌグの隼 (うぬぐのはやぶさ)
顔の頬から下は左右が逆立った鬚で覆われている小太りの男。蒙古国を我が物にしようと企む一派と結託した、砂漠の暗殺団の親分。日本にも部下を送って小笠原洋子の命を狙った。日本の特務機関の要請を受けてやってきたハリマオを苦しめたが、王女派の盛り返しで敗走。ハリマオの正義の銃弾に倒された。
その他キーワード
アラフラのたこ
アラフラ海にあると言い伝えられてきた巨大な真珠。深海で恐ろしい大蛸に守られてきたため「アラフラのたこ」と呼ばれるようになった。フィリップス真珠株式会社が入手に成功。だが、陳秀明、海賊・片足ブラックに狙われ、ハリマオと激しい争奪戦が繰り広げられる。