概要・あらすじ
由緒は正しいが、あまり有名ではない寺院昇天寺。ここでは、住職である和尚の下、何人もの修行僧が日々仏の道を追究している…はずなのだが、のざらし、陽念、陰念の3人組だけは話が別。煩悩のままに変態行為を繰り返し、悪乗りし放題の毎日を送っている。その変態パワーは、徳の高い和尚や真面目な修行僧たちも巻き込み、今日も騒動の耐えない昇天寺なのだった。
登場人物・キャラクター
のざらし
しもぶくれで不細工な昇天寺の修行僧である。まだ少年のようにも見えるが、年齢は不詳。就学経験がなく、事あるごとに性器や尻をむき出しにするなど、常識はずれの行動が目立つ上に、欲望には極端に弱く、理性のストッパーがほとんど効かない。なぜか十字架を見ると金縛りになってしまう。また、意外にも歌がうまく、フォークギターを弾きこなしたこともある。
陽念 (ようねん)
昇天寺の修業僧だが、なぜか剃髪していない。顔立ちも整っており、黙っていればまともに見えるのだが、何の前触れもなく過激な行動に走るため、周囲から油断のならない男と思われている。序盤ではオネェ言葉で話していたが、和尚の娘さつきを襲おうとしたり、ノーマルなエロ本に見入ったりもしている。
陰念 (いんねん)
いかつい体つきの昇天寺の修行僧。のざらしや陽念に比べると、常識をわきまえており、抑えに回ることもあるが、基本的には変態なので、3人揃って悪乗りしまくることの方が多い。山上たつひこの作品『喜劇新思想体系』に登場する悶々時次郎と同じ顔をしている。
和尚 (おしょう)
昇天寺の住職を務める初老の男性。土蔵にポルノ写真を隠していたりもするが、基本的には真面目な人物である。のざらしたちの起こす騒動に巻き込まれ、酷い目に会うことが非常に多い。かなりの博識で、外科手術の心得もあるほか、強力封じという、相手の力を弱める術まで習得している。 中学生の娘さつきがいるが、妻は登場しない。
秀念 (しゅうねん)
眉目秀麗にして頭脳明晰な昇天寺の修行僧。のざらしたち3人組に対しては完全なツッコミ役であり、その悪乗りを止めるためにかなり過激な手段を取ることもある。和尚の娘さつきと仲がいい。
愛念 (あいねん)
昇天寺ではおそらく最年少の修行僧で、非常に愛くるしい容姿の少年。和尚からは特に可愛がられている。まだ幼いが、男らしいところもあり、自分を馬鹿にしたのざらしと勝負しようとしたこともある。
さつき
和尚の娘で、中学生の美少女。ツッコミ役に回ることもあるが、唯一の女性レギュラーであることから、お色気要員を務めることが多く、毎回のようにのざらしたちの変態行為に悩まされる。
連休 (れんきゅう)
昇天寺始まって以来の秀才と言われる少年修行僧で、破戒のかたまりであるのざらしたちとは仲が悪い。序盤に1回登場したのみで、以後は姿を消してしまった。
一坪君 (ひとつぼくん)
昇天寺にとってはお得意様でもある大地主・一坪家の一人息子。成金丸出しの趣味の悪い服を着て、キャデラックを乗り回している。キャデラックで女性を誘い、山の中へ連れ込んでは、その女性と相撲を取ることを趣味にしている。
死神 (しにがみ)
死者の魂をあの世へと導く神。スペイン風邪よりも恐ろしいアマゾン風邪に罹患し、危篤状態となった愛念を迎えるために昇天寺に現れた。これを阻止しようとしたのざらしの仕打ちに激怒し、昇天寺一行を三途の川まで連れて行ってしまう。外見は、黒のスーツを身に付けた髪の薄い出っ歯の男で、山上たつひこの作品『喜劇新思想体系』に登場する池上筒彦に酷似している。
蚊取 冷子 (かとり れいこ)
のざらしの歌に魅かれ、スカウトしようとやってきた芸能プロのマネージャー。芸能界入りを迷うのざらしをあからさまなお色気攻撃で説得した。実は、劇場火災の犠牲者の亡霊で、現世への未練を晴らすためにのざらしを劇場跡で歌わせていた。
ブッシー
『快僧のざらし』に登場した怪物。昇天寺に近い仏舎利湖に出現した巨大な水棲生物。アベックの乗ったボートを沈めた。その正体は全長数メートルのオタマジャクで、ヘビの格好をしたのざらしによって退治されている。
場所
昇天寺 (しょうてんじ)
『快僧のざらし』の主な舞台となる寺院。少なくとも300年以上前に建立されており、それなりに歴史ある寺社ではあるが、これといった売り物がないため参拝客は少ない。寺に伝わる古文書昇天寺縁起によれば、戦国時代の大名が寺のどこかに時価200億円相当の財宝を隠したとされるが、その真偽は不明である。
その他キーワード
地獄! (じごく!)
『快僧のざらし』で使用された一発ギャグ。「地獄!」と言いながら、僧衣の裾を両手で巻く上げ、赤ふんどしに包まれた局部を突き出す。特に序盤で良く使われていた。
昇天! (しょうてん!)
『快僧のざらし』で使用された一発ギャグ。のざらし、陽念、陰念の3人が、組体操のようにポーズを決めつつ、昇天!と声をそろえる。強い興奮や喜びの表現として使用された。