快感❤フレーズ

快感❤フレーズ

普通の女子高生、雪村愛音が、人気ロックバンド・ルシファーのボーカル・大河内咲也と恋に落ちる。

正式名称
快感❤フレーズ
ふりがな
かいかんふれーず
作者
ジャンル
バンド
 
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あらすじ

第1巻

国語が得意という事以外、ごく普通の女子高校生・雪村愛音は、作詞オーディションに応募するために、ちょっとエッチな詩を考えていた。そんなある日、愛音は車にはねられそうになり、その拍子に歌詞を書いたメモをなくしてしまう。車から降りて来た大河内咲也は、そんな愛音に自らのコンサートのバックステージパスを渡し、その場を去るのだった。咲也がどんな人物かもよくわからず、半信半疑でコンサート会場に訪れた愛音は、咲也が5万人を熱狂させるバンド「ルシファー」のボーカルである事を知り、同時にそこで愛音の詩を乗せた曲を耳にする。そしてコンサート後、愛音は咲也から正式にルシファーの曲の作詞を依頼される。しかもその要求は、「エッチな歌詞」というものだった。愛音はとまどいながらも、咲也のそばにいたい一心で依頼を引き受ける。以降、愛音は咲也と行動を共にする事が多くなり、ルシファーのおっかけに目をつけられ、嫌がらせを受けるようになってしまう。それを知った咲也は、愛音を守るため、彼女の通う高校に転校して来る。こうして咲也と愛音はどんどん距離を縮めていくが、そんな中、愛音はルシファーのプロモーションビデオの企画をする事になった。しかも、テーマは「ルシファーに抱かれたくなる」というもので、その要求はAVすれすれのものだった。大好きな咲也とほかの女性が絡む事に悩み苦しむ愛音に対し、咲也は歌で気持ちを伝える。その歌に励まされ、愛音は前向きに仕事に臨むのだった。そして迎えた撮影日、咲也は裸で抱き合うシーンの相手役に愛音を指名する。

第2巻

大河内咲也のバンドの専属作詞家として活躍する雪村愛音は、メトロレコード設立記念パーティーに出席した際、咲也によく似たラルフ・グレイザーと出会う。ラルフは、世界のメディアをリードするグレイザーカンパニーの副社長で、咲也の異母兄でもあった。愛音を一目見て気に入ったラルフは、咲也から愛音を奪う事を宣言。それに対し咲也は愛音を守る事を誓うが、ラルフの真の目的は、ルシファーを潰す事だった。ラルフはルシファーが使用する会場やレコーディングスタジオを掌握し、活動を妨害。そして、ルシファーに対して、音楽活動を続けたければ愛音をメトロレコードの専属作詞家にするよう条件を突きつける。決断ができないまま、どんどんルシファーの仕事はキャンセルされていく。そんな中で、ルシファーのファンの悲しむ声を耳にした愛音は責任を感じ、咲也の制止を振り切ってラルフのもとに行ってしまう。そこで愛音は軟禁され作詞を強要される事になるが、要求通りのものが書けない。咲也はそんな苦悩する愛音を救い出す事に成功するが、逆に自身がラルフに捉えられ、麻薬漬けにされてしまう。

第3巻

ラルフ・グレイザーは、麻薬漬けになった大河内咲也を解放するための交換条件として雪村愛音に、自分の女になるよう要求する。愛音はそれを受け入れ、咲也は解放される事となった。その後、咲也は突然のアメリカ行きを宣言。愛音がラルフのもとで暮らすようになってから3か月後、愛音のもとに、グレイザー・カンパニー日本支社長やメトロレコード社長の地位を獲得し、さらにはグレイザー・カンパニーの相続権まで手に入れた咲也が姿を現す。そして咲也はそれらすべてと引き換えに、ラルフから愛音を取り戻す事に成功。3か月ぶりに再会した愛音と咲也は、互いの思いを確認し合うのだった。そんな中、大物女優・佐倉綾子の指名により、咲也のドラマ出演が決定する。実は綾子は、咲也が小学6年生の時に初体験した女性であった。それを知った愛音は心を乱すが、過去ではなく、自分の未来を愛音に捧げるという咲也の言葉に救われる。だが、綾子はこれまで世間に男性作詞家「合根雪彦」として通して来た愛音が、実は女性である事を知り、愛音と咲也を引き裂くため、この秘密を利用しようと画策する。

第4巻

佐倉綾子は、「合根雪彦」こと雪村愛音が本当は女性である事をゴシップ記者に伝え、大河内咲也と共演するドラマの話題作りに利用しようと考えていた。だが実際に誌面を飾ったのは、咲也と綾子のスキャンダルだった。これは咲也が愛音を守るために根回ししたもので、その事実を知った綾子はショックを受け、咲也の部屋で自殺未遂を起こしてしまう。綾子がそれほどまでに咲也を愛していると知った愛音は、咲也と別れる事を考えるが、一方の咲也は、愛音に誤解をさせないように、綾子が絡む仕事をすべてキャンセルする。これは、メディアが綾子よりも自分を求めている事を知る咲也自身の策略であり、実際に仕事が減ったのは綾子の方であった。事態を重く見た綾子は、咲也との破局会見を涙ながらに演じ、この問題を終息させるのだった。平穏な日々が訪れたかに思えたある日、愛音は1年前に妹をなくし、心の傷が癒えない智之と出会う。智之の妹は、愛音によく似ていたという。そして、愛音は智之に、同じく娘の死を受け入れられないの母親のために、死んだ妹のふりをしてほしいと頼まれる。智之の母親は愛音を娘だと思い込み、つかの間の笑顔を取り戻す。さらに、智之は血のつながった妹を愛していた事を愛音に伝え、愛音を求めるのだった。必死の抵抗で逃げ帰ったものの、キスマークをつけられてしまった愛音を見て、咲也は嫉妬を募らせる。咲也の誤解は解けたものの、智之が愛音の高校に転校して来たり、咲也と智之が殴り合いになったりと、なかなか平穏が戻らない日々の中、愛音は智之の妹へのさらなる愛を知る事になる。

第5巻

智之は、雪村愛音に妹になるよう催眠術をかけた。これにより智之の妹になり切った愛音は、すっかり大河内咲也の事を忘れてしまう。だが、愛音を取り戻しに来た咲也のキスや愛撫、吐息、すべてを受け入れるうちに、愛音は自分が本当にいるべき場所を、わずかながら思い出す。そして咲也のライブに誘われた愛音は、ライブの衝撃と感動で、咲也との記憶を取り戻していく。そんな中、愛音をかばって咲也が交通事故に遭ってしまう。重傷を負い、生死の境をさまよった咲也は奇跡的に息を吹き返すが、この事故がきっかけで、愛音と咲也の関係が週刊誌にスクープされる事となる。自分が咲也の足手まといになっていると愛音が自分を責める中、咲也が記者会見を開く。咲也は会見で、愛音の事を包み隠さず正々堂々と話し、そんな彼の姿に愛音は確かな愛を感じるのだった。

第6巻

大河内咲也は無事退院し、雪村愛音をはじめ、ルシファーのメンバーに盛大に祝われる事となった。メンバーが連れて来た家族の温かさを目の当たりにした愛音は、咲也との未来を想像するのだった。そんな中、愛音は自分の生理が遅れている事に気づき、妊娠を疑い始める。なかなか言い出せない愛音だったが、咲也に激しく求められた際、妊娠の疑いがある事をつい口にしてしまう。だが、咲也はそんな愛音の不安をすべて受け止め、翌日、二人は病院へと向かう。検査の結果、愛音は妊娠していなかった事が判明。二人はこの結果に安堵し、共に新たな仕事に再び邁進しようと、思いを新たにするのだった。

第7巻

新人アーティストのD=エレメントが、ルシファー専属の「合根雪彦」こと雪村愛音に作詞をしてほしいと、大河内咲也のもとにやって来た。そこでD=エレメントは、合根雪彦の正体が愛音である事を知ってしまう。その事実を知ってしまった詫びとして、D=エレメントは自分達の秘密を愛音に教える。D=エレメントは実際は美月華月という双子のコンビだが、その事実を伏せて「2色の声を持つ男」の触れ込みで一人の歌手としてデビューするというのだ。その後、どうしても愛音に作詞をしてほしいD=エレメントは、愛音を気絶させて裸の写真を撮るなど、愛音を追い詰める準備を始める。その策略を知った咲也は激怒。D=エレメントのデビューイベントにぶつける形でルシファーのシークレットライブを開催し、実力でねじ伏せるのだった。そこで咲也は、D=エレメントの美月が女性である事を知る。以降、美月は咲也に思いを寄せ、付きまとうようになる。そんなある日、ナイフを持った男に襲われた咲也をかばい、美月は胸元に傷痕が残るほどの大ケガを負ってしまう。そして咲也は愛音に対し、責任を取るため、今後は美月のそばにいると告げる。

第8巻

大河内咲也とD=エレメントの美月が会っている時、別の場所で襲われそうになっていた雪村愛音は、ラルフ・グレイザーに救われる。その後、咲也と美月の事がショックで泥酔してしまった愛音は、ラルフを咲也と勘違いして抱きついてしまう。だがラルフは、咲也の名前を叫び続ける愛音を抱く事はできなかった。その頃、咲也も抱いてほしいと求める美月をハッキリと拒んでいた。だが、美月は咲也の事をあきらめられず、それを知ったラルフは互いに手を組む事を提案する。ラルフが考えたのは、男のように育った美月を、咲也好みの完璧な女性にする事だった。しかし、ラルフと美月がどんな手を講じても、二人の心を引き裂くには至らない。そんな中、ラルフはパーティー会場で、自分の帰国に合わせて愛音をいっしょにアメリカに連れて行きたいとプロポーズする。だが、そこに美月との関係を断った咲也が駆けつける。

第9巻

ある日、雪村愛音の顔写真が大きなポスターとなって、街中に貼られていた。愛音はまったく心当たりがなかったが、ジャケット写真の撮影でリゾート地を訪れた際、出会った日本人カメラマンに見つめられていた事を思い出す。調べたところ、そのカメラマンは徳川京といい、業界では有名な人物らしい。徳川は、大河内咲也に対して、愛音の写真を撮るための承諾を得ようとするが、咲也がそれを許さない。それでも引き下がらない徳川は、いい写真が撮れたら、それをきっかけに愛音を芸能界デビューさせると提案し、咲也はしぶしぶその条件を受け入れる。だが、愛音の本当の笑顔を引き出せるのは咲也しかおらず、咲也は自分が撮った最高の笑顔を浮かべた愛音の写真を徳川に見せつけるのだった。それに屈辱を覚えた徳川は、ルシファーの写真集の撮影者として名乗りを上げる。徳川には、咲也を見返すための秘策があった。

第10巻

徳川京が撮影した、ルシファーの写真集が完成した。その写真集の中には、見た事もないような笑顔で微笑み合う、大河内咲也雪村愛音の写真があった。咲也の最高の笑顔を引き出すには、どうしても愛音の存在が必要だったのである。そんな咲也の心からの笑顔が載った写真集は、大きな話題を呼ぶのだった。後日、咲也の家に突然、愛音の両親が訪れる。そこで、下着姿で風呂から出て来た愛音の姿を見た両親は愕然とし、愛音を無理矢理連れて帰ろうとする。愛音は抵抗するものの、咲也は一つずつ問題を解決していくためにも、ひとまず両親といっしょに帰るよう、愛音を諭すのだった。そんな中、愛音の父親の転勤により、福岡行きの話が出る。愛音は悩みながらも、咲也の本当の思いを知り、福岡行きを受け入れる。しかし、福岡行きの飛行機で、突然ルシファーの記者会見が行われる。そこで咲也により発表されたのは、「リュシフェル」と改名して世界進出を目指すというものだった。そこで咲也は改めて愛音の両親に、愛音を自分に預けてほしいと願い出る。咲也の真剣さを認めた両親は、愛音を咲也に託す事を決めるのだった。こうしてルシファーは新生リュシフェルとして始動。そして世界に通用するバンドになるため、高山仁司を新しくプロデューサーとして迎え入れる事となる。

第11巻

高山仁司は、30万人規模のライブを企画していた。しかしそんな中、雪村愛音は、どんどん大河内咲也が遠い存在になってしまいそうで、不安を抱えていた。そんな愛音の思いを感じた咲也は、仕事を放り出してでも、愛音といっしょにいる時間を作る。だが、高山はそんな咲也の姿に業を煮やし、愛音をリュシフェルのスタッフから外そうとする。高山にスタッフから外すと言われた愛音は、どうにかして受け入れてもらおうと、ライブの企画書を作りテレビ局を訪れるものの、中には入れてもらえない。すでに、愛音はスタッフから外されていたのだ。途方に暮れる愛音に、以前ライブ会場で知り合った大河咲良から連絡が入る。彼女はリュシフェルが、ライブ会場に入れなかったファンを対象に行うシークレットライブのチケットを持っていた。そのシークレットライブは愛音の企画書の内容そのものであり、実は企画書を見た咲也が愛音に内緒で、企画を通していたのだ。シークレットライブの成功が高山に認められ、愛音は、再びリュシフェルのスタッフと戻る事に成功する。だが、そこで咲良に咲也との関係を知られ、愛音は咲良の知り合いのリュシフェルファンに取り囲まれ、暴行を受けてしまう。

第12巻

大河内咲也雪村愛音を傷つけた大河咲良に対して、してほしい事はなんでもしてやると告げる。こうして咲也と咲良は、傍からはまるで恋人のように見えるようになっていく。そんな中、咲也と共演した女性タレントの密会現場がスクープされた。恋人気分になっていた咲良は、咲也にスクープの件を問い詰めるが、咲也はそっけない。しかも、咲良がファンに囲まれ、咲也と付き合っている事を攻められていても、咲也は助ける素振りも見せなかった。咲也は、自分と付き合うというのがどういう事なのか、身をもって咲良に伝えたのである。一方で愛音は、どんな状況に陥ってもただひたすら咲也を信じ、待ち続けていた。こうして咲良と愛音は納得し合い、友情を深めたうえでもとの立場へと戻るのだった。そしてリュシフェルはついに30万人ライブの日を迎える。前代未聞のライブは無事成功し、最高の瞬間を迎えるのだった。

第13巻

ライブ後に長期休暇をもらった大河内咲也は、教習所に通っていた。そこで咲也は雪村愛音と以前付き合っていたという、神城公信と出会う。だが実際には、互いに気持ちはあったものの、付き合うまでには至っていなかった。そんな神城には、とある財団令嬢との縁談の話があった。だが気が乗らない神城は、愛音に婚約者のふりをして、母親に令嬢との縁談をあきらめさせてほしいと願い出る。愛音は神城を救うためにその願いを聞き入れ、一方の咲也は、愛音が完璧な婚約者を演じられるようにサポートし、愛音が神城の母親と会う際にも、付き人として同行する。だが、愛音に思いを寄せていた神城は、本気で愛音に求婚してしまう。この展開を予期していた咲也は、そんな神城の要望をあっさりと退けるのだった。長期休暇を終えた咲也は、リュシフェルの活動を再開する。いよいよ世界に向けて動き出すリュシフェルに、プロデューサーの高山仁司は、音楽に専念するために、メンバーそれぞれに相当な覚悟を要求するのだった。

第14巻

世界進出に向けて動き出したリュシフェルの活動に専念するため、大河内咲也は高校を退学する。ほかのメンバーも、それぞれが大切な人との別れを決めるなど、音楽に専念するための準備を整えていた。とはいえ、いろいろな葛藤を抱えるメンバーや、その周囲の人の心の揺れを感じたプロデューサーの高山仁司は、急遽、世界進出を取りやめる。そしてリュシフェルのメンバーは、これまでどおり、愛する人のため、そして自分のために日本で音楽活動を続けようと決意する。そんな中、高山は同じ事務所から、新人バンドのe・muをデビューさせ、リュシフェルとライバル関係にしようと企てる。そして雪村愛音は、初めてe・muと対面した際、メンバーに自分のクラスに転校して来た佐刀大介がいる事を知る。そして大介は、愛音がリュシフェルの作詞をしている「合根雪彦」である事を知り、自分達のデビュー曲を愛音に依頼したいと言い出す。この申し出を咲也が了承した事により、愛音はしばらく咲也のもとを離れ、e・muの合宿に参加して作詞活動を始める事となる。

第15巻

雪村愛音はe・muの曲の作詞を依頼されたものの、リュシフェルの時と違って、なかなか満足のいく詞を書く事ができない。e・muのメンバーを納得させる事もできず、愛音は作詞を断念する。だが、愛音の存在は、e・muの曲作りに着実に変化を与えており、愛音の影響を受けた佐刀大介は、心のこもった曲を完成させ、華々しくデビューを飾る事となった。その頃、芸能事務所アスタロトプロの社長・吉岡海斗は、リュシフェルとe・muの快進撃を苦々しい思いで見つめていた。愛音を利用してリュシフェルを潰そうと考えた吉岡は、ある日、愛音を食事に誘う。芸能界に強い影響力を持つ吉岡の誘いを断れば、リュシフェルに悪い影響を及ぼすかもしれないと考えた愛音はその誘いに応じ、食事のあと、強引に吉岡に抱かれてしまう。その後、愛音は高山仁司に保護されるが、ショックのあまり自殺を図る。高山から真実を伝えられた大河内咲也は、愛音を守れなかった事を悔やむあまり、歌えなくなってしまう。そして引退を発表し、吉岡のもとへと向かうのだった。

第16巻

大河内咲也は、吉岡海斗を殺そうと考えていた。だが二人が対峙しているところに、吉岡の巨額の脱税容疑を調査するため国税局がなだれ込んで来る。これは、ラルフ・グレイザーが、咲也を救うためにリークしたものだった。咲也は吉岡の件をラルフに任せて雪村愛音のもとに駆けつけ、二人で誰も知らない山奥の一軒家に移り住む事を決める。二人で穏やかな生活を送る中、愛音は週刊誌で、咲也がリュシフェルを辞めてしまった事を知る。愛音は咲也にリュシフェルに戻るよう諭すが、咲也は聞き入れない。高山仁司やバンドメンバーもあの手この手を尽くすものの、咲也の気持ちを変える事はできなかった。そんな中、リュシフェルのラストライブを目前に控え、高山は交通事故を起こしてしまう。リュシフェルのメンバーは、重傷を負い危険な状態に陥った高山のもとに集まり彼の名を叫び続けるが、高山は反応しない。そこへ、ついに咲也が現われる。咲也の声に反応して目を開けた高山は、声を絞り出すようにリュシフェルに世界を手にいれてほしいと告げ、この世を去る。

第17巻

高山仁司を事故で失った悲しみを隠しながら、リュシフェルはラストライブを成功させる。そしてリュシフェルは、高山の遺志を受け、ラルフ・グレイザーのメトロレコードと正式に契約を交わし、本格的に世界に向けて再始動する。ニューヨークに向けて出発する直前、リュシフェルのメンバーは高山の墓の前で決意を新たにするのだった。そして、リュシフェルがアメリカに渡ってから2年後。リュシフェルは全米No.1の座を獲得し、そこで大河内咲也は、ついに正式に雪村愛音にプロポーズをする。

登場人物・キャラクター

雪村 愛音 (ゆきむら あいね)

国語だけがとりえの平凡な女子高生。茶髪のボブが特徴的。ファーストキスすらまだの処女。道路に飛び出して大河内咲也の運転する車と間一髪で事故になりかけ、この時に落とした自作の詩から咲也に才能を見出され、強引にルシファーの作詞家として勧誘される。この時に咲也に一目惚れをし、咲也の近くにいるために詩を書くことを決意する。 咲也に官能的な詩を書くように求められ、そのためにHな想像をさせるような行為を繰り返しされていくうちに恋仲となった。ルシファーの詩を女子高生が書いているとなれば、そのカリスマ性に影響が出てしまうという懸念から、「合根雪彦」という名義で作詞を担当している。

大河内 咲也 (おおこうち さくや)

青い瞳を持つ黒髪の美男子。人気ロックバンド・ルシファーのボーカルを務める。目つきやしぐさ、声、指の動き腰の動きまで、全て女性を誘惑するようにできていると言われる転生の女たらし。気まぐれで奔放な性格をしており、女性スキャンダルは業界一だと言われている。飛び出してきた雪村愛音を、危うく車で轢きそうになったことから、彼女と知り合う。 この際、愛音が落とした彼女の詩を読み、その才能を発見。強引に作詞家としてルシファーに勧誘する。愛音に官能的な詩を書かせるためにHな想像をさせるような行為を繰り返していくうちに恋仲となった。母がラルフ・グレイザーと結婚して結婚して間もない頃に、その父ルパート・グレイザーに強姦されて妊娠。 このため、母は夫と義父、どちらの子かわからないままに咲也を産んでいる。誕生後、咲也が青い瞳をしていたため、彼がルパートの子であることが発覚し、母は浮気者として離婚をさせられ堕ちた生活を送っていた。そのため咲也は、自分の青い瞳を罪の烙印と言う。ラルフとは異母兄弟であるが、確執を抱いている。

桐生 敦郎 (きりゅう あつろう)

人気ロックバンド・ルシファーのツインギターのひとり。童顔で赤髪がトレードマーク。気さくで優しい性格をしており、雪村愛音とも仲が良く気軽に接している。親の再婚により義理の姉となった桐生裕香に対して女性として好意を抱いており、恋仲となっている。戸籍上は実の姉弟であるためスキャンダルになることを恐れ、誰にも打ち明けることが出来ず苦悩していた。

藤堂 雪文 (とうどう ゆきふみ)

人気ロックバンド・ルシファーのツインギターのひとり。ルシファーにおけるリーダー。「雪」と呼ばれている。既婚者であり、藤堂まりやという妻と子供がいる。かつてはクライムというバンドに所属していた。家が能楽の家系でありその後を継ぐことになっていたが、ルシファーとして活動するためにまりやと共に駆け落ち同然で家出をしている。 D=エレメントの美月と華月の策に激昂した大河内咲也を鎮めるなど常に冷静でいる。

佐久間 和斗

人気ロックバンド・ルシファーのベースを務める。「TOWA」と呼ばれている。片目が隠れるような髪型が特徴的。女性のような風貌のため男性から告白されることもあった。「TOWA」の名前の由来は本名である和斗を逆さに読んだ文字から。美矢という恋人がいる。

永井 良彦 (ながい よしひこ)

人気ロックバンド・ルシファーのドラムを務める。12月25日生まれであることから「サン太」と呼ばれている。ルシファーの中では最年長。かつて死神というバンドのドラムを務めていたが、ルシファーの初期からのメンバーである藤堂雪文らとのセッションを通じてルシファーのドラムを兼任することを決めた。 バンド内の雰囲気が悪いときは冗談を言って和ませようとするが、それが逆効果となる時もある。

ラルフ・グレイザー

世界のメディアをリードするグレイザー・カンパニーの副社長。帝国テレビを買収しメトロレコードを設立した。世界のメディア王と呼ばれるルパート・グレイザーの息子。ルパートが強姦して生ませた息子、大河内咲也は異母兄弟。父親が咲也の人を惹きつける力を高く評価していることから咲也を敵視し、彼の一番大切なものである雪村愛音を力づくで奪おうとする。

佐倉 綾子 (さくら あやこ)

凛とした面立ちの大物女優。大河内咲也の初めて女性であり、かつては愛人関係にあった。自らがヒロインとして出演するドラマの主演に咲也を指名する。咲也に愛されることを望むが、その障壁となる咲也の恋人・雪村愛音が気に食わず嫌がらせを行う。咲也の愛が得られないことから自殺未遂をするが、かつて誰にも心を開かなかった咲也が愛音によって変わった姿を見て悟り、咲也への想いをあきらめる旨を伝える記者会見を行った。

智之 (ともゆき)

人気ロックバンドジーザスのボーカルを務める。真ん中分けの髪型が特徴的。切ない歌い方で人気を博している。妹の由美を家族としてだけでなく女性として本気で愛していたが、一年前に交通事故で亡くしている。雪村愛音の外見が由美と似ていたため、由美の代わりとして愛音を求めるようになる。 愛音の恋人である大河内咲也とは衝突を起こすが、愛音と咲也の互いの想いを悟り手を引く。

美月

双子のアーティスト・D=エレメントの妹。兄の華月と瓜二つの外見をしている。中性的な風貌で、当初は男として振る舞っていた。D=エレメントは当初二つの声を持つ一人のアーティストとして活動し、低音域の曲を華月、高音域の曲を美月が担当していた。D=エレメントのデビュー曲の話題作りのために、人気ロックバンド・ルシファーの作詞を務める雪村愛音を脅迫し、詩を書かせたが、報復に来た愛音の恋人・大河内咲也に恋心を抱く。 愛音を手に入れようと目論むラルフ・グレイザーと共謀して咲也の愛を求めるが、咲也の愛音に対する想いの前に敗れ、ラルフと共にアメリカに旅立った。

華月 (かづき)

双子のアーティスト・D=エレメントの兄。妹の美月と瓜二つの外見をしているが、口の右下に美月には無いほくろがある。中性的な風貌。D=エレメントは当初二つの声を持つ一人のアーティストとして活動し、低音域の曲を華月、高音域の曲を美月が担当していた。D=エレメントのデビュー曲の話題作りのために美月と共謀して人気ロックバンド・ルシファーの作詞を務める雪村愛音に詩を書かせるよう仕向ける。 D=エレメントを売るために咲也に恋心を抱いた美月を利用するが、美月がラルフ・グレイザーと手を組んで去ったためD=エレメントは一人になった。

徳川 京 (とくがわ きょう)

グラビアアイドルの撮影を得意とするカメラマン。女性しか撮らないとされている。強引で自身に満ち溢れた性格で、大河内咲也に似ていると雪村愛音に評される。多くのアイドルと肉体関係を持つとされている。アメリカのキーウエストでの撮影中に偶然海岸にいた愛音の写真を無許可で広告に使用する。 その後も愛音を専属のモデルにしようとしてアプローチを繰り返すが、愛音の本当の笑顔の写真は咲也といる時に撮れるものだと気づき手を引く。咲也の所属する人気ロックバンド・ルシファーの写真集のカメラマンを担当し、その後ルシファーの専属カメラマンとなった。

高山 仁司 (たかやま ひとし)

世界的に有名な敏腕プロデューサー。中性的な外見をしていておかま口調で話す。ハーバード大学出身。人気ロックバンド・ルシファー(リュシフェル)の世界進出のために抜擢された。妹に大河内咲也の追っかけの大河咲良(高山貴子)がいる。仕事に私情を持ち込ませず咲也から雪村愛音を遠ざけようとしたが、愛音の企画が成功したことでその実力を認める。 葛藤に苦しむ愛音を慰める中で次第に愛情を抱く。リュシフェルの日本でのラストライブに向かう途中で交通事故に合い、死の際に愛音への自分の想いを伝えリュシフェルが世界で輝く姿を夢見て息を引き取った。

大河 咲良 (おおかわ さくら)

大河内咲也のファンの女性。雪村愛音とリュシフェルのライブで出会った。本名は「高山貴子」。「大河咲良」は、ライブに来た際の名前として使っている。兄は、リュシフェルのプロデューサーの高山仁司。愛音とは咲也の話題で、意気投合して親しくなる。この時はまだ愛音が咲也の恋人である事を知らなかった。あるライブのあと、兄のコネを使って咲也に会わせてもらおうと楽屋を訪れた時、咲也とキスをしている愛音と鉢合わせになる。そこで咲也の恋人が愛音である事を初めて知り、裏切られたと感じて愛音に対し報復を始める。さらに咲也に執拗に迫り、咲也を自分のものにしようとする。しかし咲也の恋人になる事の苦しさを知った事で、咲也の恋人ではなくファンとして過ごす事を選択し、愛音と和解する。

集団・組織

ルシファー

『快感❤フレーズ』に登場する人気ロックバンドグループ。ボーカル・大河内咲也、ギター・敦郎(桐生敦郎)及び雪(藤堂雪文)、ベース・TOWA(佐久間和斗)、ドラム・サン太(永井良彦)で構成される。咲也の勧誘により愛村雪音が合音雪彦という名義で作詞を担当することになる。 後に高山仁司がルシファーのプロデューサーとなり、グループ名をリュシフェルに変更した。

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