「普通」の美大生が自由なバンドマンに惹かれていく
真面目な美大生・赤西ひばりと、破天荒なバンドマン・蒼生楽空(ガク)の恋愛を描く。グラフィックデザイナーを目指すひばりは、真面目なデザインしかできず、「普通」であることにコンプレックスを抱いていた。そんなある日、自由奔放なガクと出会ったひばりは、ひょんなことから彼のアイデアを取り入れて課題を提出。すると、「今までこじんまりしていたのが嘘みたいだ」と、初めて講師に褒められる。ガクにもっと近づいたらどんな世界が見えるのだろう。ひばりは、自分とは対照的なガクに次第に惹かれていく。
真面目な美大女子×破天荒なバンドマン
ひばりは臆病なところがある女子大生。将来は女の子がワクワクするようなデザインをしたいのに、自分でつくった枠からはみ出せないようなタイプ。また、真面目だがちょっとひねくれたところがあり、なかなか素直になれない性格の持ち主。ガクはひばりと同じ美大の学生だが、何事にも強引で自由奔放な性格。課題提出を明日に控えたひばりのパソコンを壊した時は、さらうように彼女を自分の家に連れていき、パソコンを提供するなど、一見悪そうに見えるが根は親切なところがある。また、ストレートな言葉でひばりに好意を伝える大胆さと、「早く会いたいから」と校舎の3階から飛び降りる無謀さを併せ持つ。ガクに振り回されっぱなしのひばりは、その強引さに腹を立てるのだが、彼に惹かれる気持ちがどんどん膨らんでいく。
幼なじみの美青年、リヒトの登場が波乱を呼ぶ
ライブの帰り、ひばりとガクが勢いでキスしそうになった時、女性と見間違うほどの美青年がひばりに声をかけた。彼の名前はリヒト。ひばりの幼なじみだった。久しぶりにロンドンから帰国したリヒトは、しばらくひばりの家に居候するという。クールに振る舞っているが、リヒトはひばりに好意を寄せていた。そんなリヒトは、じつは大注目されている「バイフー」というアーティスト。ガクのバンドのライブを視察したリヒトは「古臭い」「暑苦しい」「文化祭止まり」と酷評。「ファンの一部と遊びたいだけならさっさと手を引け」と自分のライブのチケットをリヒトに手渡した。後日、リヒトのライブを観たガクは衝撃を受け、もっと音楽と向き合うことを決意する。リヒトの出現で、音楽も恋も大きく動き出す。
登場人物・キャラクター
赤西 ひばり (あかにし ひばり)
M美術大学グラフィックデザイン科2年生の女子。ラーメン店でアルバイトをしている。真面目で気が小さいが、違うと思ったことに対しては自分の意見をはっきりと言う。かわいくてオシャレなデザインを目指しているが、冒険を恐れてこじんまりとしたデザインしかできないでいた。バイト先でバンドマン・蒼生楽空(ガク)と出会い、振り回されながらも、どんどん彼を好きになっていく。
蒼生 楽空 (そうせい がく)
M美術大学油絵科2年生の男子。ニックネームは「ガク」。「パンテラネグラ」というバンドのボーカルで、メンバーの中で一番女性ファンが多い。自由奔放で、他人の気持ちに関係なく、強引に物事を進める癖がある。また、素直な性格で思ったことをすぐに口にする。ガラスをぶち破って校舎に入る、3階から飛び降りるといった無謀な行動も特徴。赤西ひばりのことが好きで、ド直球に思いを伝える。
書誌情報
むせるくらいの愛をあげる 4巻 講談社〈KC デザート〉
第1巻
(2023-04-13発行、 978-4065313381)
第2巻
(2023-09-13発行、 978-4065329771)
第3巻
(2024-03-13発行、 978-4065349663)
第4巻
(2024-09-12発行、 978-4065368282)