怪人ようちえん monster's kindergarten

怪人ようちえん monster's kindergarten

世界征服をもくろむ秘密結社「ヘイトロン」の構成員たちが、幼児以上怪人未満の園児たちが集う怪人ようちえんで送る、騒がしくも楽しい日常を描いたギャグコメディ。「ウルトラジャンプ」で2014年9月号から2019年2月号まで掲載の作品。

正式名称
怪人ようちえん monster's kindergarten
ふりがな
かいじんようちえん もんすたーず きんだーがーてん
作者
ジャンル
日常
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あらすじ

世界征服を企む秘密結社「ヘイトロン」の新たな怪人として誕生した小森こえは、ヘイトロンの教育機関である怪人ようちえんに通い、人間社会や一般常識について学ぶことになった。新人の怪人であるこえは、先輩の怪人園児・出雲いとに目を付けられ、半ば強制的に部下にさせられる。その後、いとの命令で砂場で遊ぶことになったこえは、他組の怪人とトラブルとなり、砂場で遊ぶ権利を巡って、かけっこ勝負をすることになる。出場する代わりにいとに友達になってほしいとお願いするこえだったが、将来の大首領を目指していたいとは、こえは自分の部下であるというスタンスを崩さなかった。お願いを拒否されてもかけっこ勝負に出場したこえは、持ち前の俊足を生かして他組の影丸エリオに勝利する。直後に降ってきた雨からみんなを守るため、自ら蜘蛛の糸を繰り出して傘を作ったいとの姿を見たこえは、何かと騒々しいいとの隠された優しさに感激するのだった。(#01「怪奇! クモエンジ」)

夏休みを思い切り満喫したいとだったが、夏休みが残り2時間になった時点で、宿題をいっさいやっていなかったことに気づく。タイムリミットを考慮し、自由研究の昆虫採集だけはこなすことを決意したいとは、近場の裏山へと足を運ぶ。しかし昆虫を前にすると、過剰に大騒ぎしてしまう本能のせいで、まるで捕獲が進まない。業を煮やしたいとは、蜘蛛の糸で山ごと持って帰ろうとする。しかし、無理をした反動でエネルギー切れを起こし、いとはその場にへたり込んでしまうのだった。(#12「怪人昆虫採集 裏山大ついせき」)

怪人ようちえんに雪が降った日、衣良部桜子に代わって大月満が代理の先生として授業にやって来た。満のことが好きな宇黒日世(ひよ)は、さっそく満に積極的なアプローチを開始する。同じく満のことが好きだが、性格上素直になれずに悪態ばかりついている岡牧リオの姿を見たこえは、このままではひよに満が取られてしまうとリオに忠告する。その言葉に動揺したリオは、こえに助けを求める。リオに協力を約束したこえは、ひよに対して私服コーディネート対決を挑む。ひよのあとに、満の前でへび組の代表として可憐な私服を披露したリオは、その勢いのまま満に告白を試みるが、あまりの恥ずかしさで言葉が出なくなり、最終的にいとが乱入したことで告白はとん挫してしまう。(#030「恐怖のコーデ作戦 先生を私服で墜とせ!」)

いとは、課題で初夏の生き物を観察することになり、伝説上の生き物であるツチノコを探そうとする。しかし、同級生の亀井レオはツチノコは空想上の生き物であり、実在はしないといとを諭す。そこで同級生の衣良部小梅の姉である衣良部睦樹に出会ったいとは、全員でツチノコを探すことを宣言。その言葉を聞いた睦樹は、みんなを並都市役所へと連れて行く。市役所内に設営されたツチノココーナーにいたのは、ツチノコを模したマスコットキャラクターのつっちぃだった。その姿を見たいとは、あんなのはツチノコではなくただのツチノコ怪人であると、睦樹に猛抗議するのだった。(#43「がんばれ! ツチノコ特捜隊」)

登場人物・キャラクター

出雲 いと (いずも いと)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。くもの特殊能力を持つ怪人「クモエンジ」の少女。怪人ようちえんではへび組に在籍している。いつもパワフルで騒々しい、リーダー的な存在。頭部から複数の蜘蛛の足を生やしている。頭頂からブルドーザーをも吊り上げる強力な蜘蛛の糸を出すことができるが、出せば出すほどおなかが減り、最後は身動きが取れなくなってしまう。将来の夢はヘイトロンの大首領になることで、夢を実現するために優秀な部下を欲しがっている。新たに怪人ようちえんに入園した小森こえのことを気に入り、半ば強引に彼女を配下にした。身勝手で騒がしいだけの少女に見えるが、実は非常に純粋で友達思い。そのことはほかの園児もよく理解しており、みんなから愛されている。

小森 こえ (こもり こえ)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。コウモリの特殊能力を持つ怪人「コウモリエンジ」の少女。年齢は12歳。背中からは羽が生えているが、空を飛ぶことはできない。その代わりにとてつもない俊足を誇る。怪人としては第三世代の新型にあたる。組織による改造手術が終わり、新たな怪人として登録されたばかりの新人。調整が長引いたため、園児としては異例の年齢で怪人ようちえんに入園した。優しくおっとりとした性格ながら、いざとなったらとことんやり抜く情熱家でもある。実は泣き虫で、泣いた時に発生する超音波はすさまじく、怪人ようちえんの建物を破壊してしまうほど。右も左もわからない状態であったため、怪人として完全な体になるまでのあいだ、怪人ようちえんで人間社会や一般常識を学ぶことになった。怪人ようちえんではへび組に在籍しているが、先輩にあたる怪人の少女・出雲いとに気に入られ、強引に彼女の部下にされた。ただし、小森こえ自身はいとの友達として振る舞っている。

岡牧 リオ (おかまき りお)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。カマキリの特殊能力を持つ怪人「カマキリエンジ」の少女。怪人ようちえんではへび組に在籍している。悪ガキ風な言葉遣いの皮肉屋ながら、根は生真面目な熱血漢で、非常に友達思い。両手に移植されたオオカマキリの鎌を備えているが、切れ味が悪くあまり使いこなせていない。騒がしいトラブルメーカーの出雲いとに対するツッコミ役を担っている。ヘイトロン成人部の大月満のことが好きだが、彼の前だと素直になれず、必要以上に悪態ばかりついてしまう。

亀井 レオ (かめい れお)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。カメレオンの特殊能力を持つ怪人「カメレオンエンジ」の少女。怪人ようちえんではへび組に在籍している。引っ込み思案でおとなしい性格をしている。変身能力を持ち、意識していないとすぐにほかの園児に擬態してしまう。岡牧リオに強いあこがれを抱いており、彼女の言動を影から見守っている。

毒島 さおり (ぶすじま さおり)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。サソリの特殊能力を持つ怪人「サソリエンジ」の少女。怪人ようちえんのわし組に在籍しており、わし組のリーダー的な存在。勝ち気な自信家で、負けず嫌いな性格をしている。恵まれた容姿を生かしてアイドル活動や子役、キッズ関連のモデルをしながら芸能界への潜入作戦を実行しており、すでに多くのファンを獲得している。カードゲームが得意で、ステージで出雲いとに勝負を挑まれ、勝利を収めていた。

総統 (そうとう)

秘密結社「ヘイトロン」を束ねている首領。骸骨のようなマスクで顔を隠し、マントを羽織った謎の怪人。見た目は怖いが物腰が柔らかく、温厚な性格をしている。「園長」の肩書で怪人ようちえんにも時折視察に来て、園児たちの要望を直接聞いていた。なお、総統自身も自分がなんの怪人なのかを理解していない。

門倉 ジュン (もぐら じゅん)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。モグラの特殊能力を持つ怪人「モグラエンジ」の少年。怪人ようちえんではへび組に在籍している。優しくておとなしい性格ながら、芯の強いしっかり者。鋼鉄より鋭い爪で地面を掘り進むことができる。怪人だが弱点が多く、女子や日光にも弱い。また、メンタルも弱く些細なことで落ち込んでしまう。若干ませた一面があるが、小森こえからは見た目のせいで完全に赤ちゃん扱いされている。

宇黒 日世 (うぐろ ひよ)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。黒ヒョウの特殊能力を持つ怪人「パンサーエンジ」の少女。明るい性格ながら、勝ち気なところがある。頭部から生えた猫耳と、長いしっぽが特徴。語尾に「ニャ」を付けてしゃべる癖があり、自分のことを「クロヒョウエンジ」と紹介することもある。ネコ耳怪人としてのプライドが高く、小森こえを同類のネコ耳怪人として認識し、どちらが上か決着を付けようとしていた。いずれはヘイトロンの最強園児となり、主席で卒業して伝説となるのが当面の目標。大月満に思いを寄せており、彼が来園するたびに積極的にアプローチしている。

茸石 きな子 (たけいし きなこ)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。キノコの特殊能力を持つ怪人「キノコエンジ」の少女。怪人ようちえんではわし組に在籍している。口数が少なく、無気力な性格の持ち主。キノコ型のフードで顔の大半を隠している。毒胞子を作り出すことができ、吸い込んだ者は毒が見せる幻覚によって混乱してしまう。茸石きな子を倒すか、一晩が経過すると解毒される。

唐橋 太 (からはし ふとし)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。カラスの特殊能力を持つ怪人「カラスエンジ」の少年。第三世代の怪人で、怪人ようちえんに入園後は、へび組に在籍することになった。無口で冷静沈着な性格をしている。首元に長いマフラーを巻いている。ごく短時間だが、両腕を翼に変化させて飛ぶことができる。自分を改造したヘイトロンに恨みを抱いており、力をつけて内部からヘイトロンを叩き潰そうと考えている。

衣良部 小梅 (いらぶ こうめ)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。ウミヘビの特殊能力を持つ怪人「ウミヘビエンジ」の少女で、先生・衣良部桜子の妹。第三世代の怪人で、怪人ようちえんに入園後は、へび組に在籍することになった。不愛想かつクールな性格で、入園当初から同じへび組の出雲いととリーダーの座を巡ってライバル関係となり、尻相撲などで勝負を繰り返す。のちに小森こえを気に入り、彼女を自分の部下にしようとするが、そのことでいとと激しく対立することになる。本音ではいととなかよくしたいと思っているが、素直になれないでいる。

蔵下 月子 (くらもと つきこ)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。クラゲの特殊能力を持つ怪人「クラゲエンジ」の少女。怪人ようちえんではわし組に在籍している。非常におとなしい性格で、聞き取れないほど声が小さい。いつもクラゲのような形をしたフード状のものをかぶっている。全身に微細なトゲが生えており、敵意の有無に関係なく触れたものを自動的に攻撃する能力を持っている。そのため、無意識に他人を傷つけてしまうことを恐れ、自らの意思で孤立している。その様子を見た毒島さおりに勝負を挑まれ、その際に自ら望んで彼女の配下になった。

衣良部 桜子 (いらぶ さくらこ)

秘密結社「ヘイトロン」の幹部。怪人ようちえんの先生を務めている、コブラの特殊能力を持つ怪人「コブラセイジン」の女性。ショートボブヘアにしている。面倒見のよい性格ながら、やる気がまったく持続しない。新しく怪人ようちえんに編入した小森こえのことも優しく見守っていた。変身すると全身にコブラをまとわせ、まがまがしいボディになる。その戦闘力は園児たちを遙かに上回っている。ヘイトロンの首領である総統を敬愛し、絶対の忠誠を誓っている。そのため、総統を目の前にすると態度が豹変し、周囲がドン引きするほどへりくだってしまう。

大月 満 (おおつき みちる)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。怪人ようちえんの先生を務めている、オオカミの特殊能力を持つ怪人「オオカミセイジン」の男性。年齢は20歳。明るくて爽やかな性格をしている。衣良部桜子の代理でたまに怪人ようちえんへ派遣されて来るが、園児たちへの愛情が深く、来園のたびに年少の園児たちに抱き着いてかわいがっていた。そのため、岡牧リオからは「ロリコン」呼ばわりされ、頻繁に罵倒されている。実はリオからは思いを寄せられているが、大月満自身はまったく気づいていない。

吉良 美波里 (きら ひばり)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。怪人ようちえんの健康診断も担当するヘイトロン科学部員で、落ち着いた雰囲気を漂わせるセクシーな大人の女性。ハチをモチーフにした改造人間で、人間の神経について熟知しており、一番痛いポイントを突いて針を打つことができる。

衣良部 睦樹 (いらぶ むつき)

おかっぱの小学生女子の怪人。眼鏡をかけている。衣良部桜子の妹で、現在は人間に擬態してふつうに暮らしている。優しくて面倒見のいい性格をしており、課外活動でツチノコを探していた出雲いとたちと出会い、彼女たちを並都市役所のツチノココーナーへと連れて行った。

影丸 エリオ (かげまる えりお)

秘密結社「ヘイトロン」の構成員の一人。エリマキトカゲの特殊能力を持つ怪人「エリマキトカゲエンジ」の少年で、首に大きなエリマキがある。怪人ようちえんに入園後は、わし組に在籍しており、園内では一番の俊足を誇る。出雲いととは砂場で遊ぶ権利を巡って頻繁に対立している。しかし、新人の怪人・小森こえにかけっこ勝負で完敗し、園内No.1の俊足の座から陥落してしまう。

集団・組織

ヘイトロン

世界征服をもくろんでいる秘密結社。動物をモチーフに体の一部を改造した、超人的な能力を持つ怪人たちを構成員にしている。正体不明の総統がトップの座にあり、成人部の幹部たちを中心に組織を取りまとめている。年齢的に未熟な怪人たちは、怪人ようちえんで十分に成長し切るまで教育を受ける。

場所

怪人ようちえん (かいじんようちえん)

改造手術を施された幼児以上怪人未満の少年少女を教育する、秘密結社「ヘイトロン」が設立した幼稚園。人間社会における表向きの名前は「並都幼稚園」。未熟な怪人が人間社会でスムーズに擬態して生きていける教育を施すのが目的で、入園した園児は授業や遊びを通じて人間社会や一般常識について日々学んでいる。

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