怪星ガイガー

怪星ガイガー

少年科学者ロケットボーイとその助手ダルちゃんが、侵略者とその手先となった悪い科学者あくまはかせと戦うが、侵略者だと思っていた怪星人たちは最後に意外な行動に出る、という痛快科学冒険漫画。児童向け漫画月刊誌『漫画王』の付録として発表されたもので、70ページの作品である。後にこれを改稿し、「0人間」という新しいアイディアを加えて20ページほど増量したものが『0人間』であり、現在はこちらのほうが多く世に広まっている。『怪星ガイガー』は昭和30(1955)年に発表された児童向けのため、名前や用語などあまり漢字は使われていない。

正式名称
怪星ガイガー
ふりがな
かいせいがいがー
作者
ジャンル
アドベンチャー
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概要・あらすじ

少年科学者ロケットボーイが新しい怪しい星を発見すると、突然、怪人が現れ、調査を中止するよう脅迫してくる。しかしいつの間にかこの星のことをマスコミが嗅ぎつけ、「怪星ガイガー」と勝手に名づけて報道してしまう。怪人の正体は悪い科学者のあくまはかせで、彼は怪星人たちの地球侵略の手助けをする見返りとして、宝をもらう約束をしていた。

怪星人たちが地球人を食べたいというので、あくまはかせは子供をさらうが、さらわれたリップという花売りの少女の機転で、ロケットボーイあくまはかせの秘密のアジトを発見する。アジトに潜入したロケットボーイダルちゃんは大暴れして、怪星人たちとも戦うが、南の島に逃げられてしまう。

再度の追跡のあと、ロケットボーイは子供たちを取り返し、敵を追い詰めるが、あくまはかせに不信感を抱いた怪星人は、彼を連れて母星に戻ってしまう。ロケットボーイあくまはかせの造ったロボット型ロケットでこれを追いかけるが、星に着いてみると意外な展開が待っていた。

登場人物・キャラクター

ロケットボーイ

少年科学者で、様々なものを発明しており、マスコミからも注目されている。頭に鳥のついたヘルメットを被り、おしりのあたりからジェットを噴射して空を飛ぶ。拳銃の早打ちも得意。怪星を発見し、怪星人やその手先と戦う。改稿された『0人間』では、コスチュームなどは全く同じだが龍太という名前になっており、「科学者で探偵なんだ」というセリフが加えられている。

ダルちゃん

ロケットボーイの助手。ダルマのような体型で、ブーツとベレー帽を身に着けている。腹部に大きく「D」が描かれている。朝食を作ったり、薬で化石を翼竜に戻して怪星人を追跡したり、ロケットボーイの報告を持って警察署に駈け込んだりする。作品後半で怪星人たちに捕まってしまう。改稿された『0人間』では、最後に自分は主人公に造られたロボットだと告白する。

あくまはかせ

怪星人の地球侵略の手助けをする悪い科学者として登場。終盤まで顔は隠されており、横三本の棒に縦一本の棒という謎の記号を記した布で顔を覆っている。怪星人の手助けはするが、彼らの弱点が砂糖ということは見抜いており、それで脅して言うことをきかせることもある。しかし、ロケットボーイにアジトへ侵入され、こてんぱんにされて、あげくの果てに素顔をさらされ(人の良さそうな白髪の老人だった)、怪星人たちの母星に連れて行かれてしまう。 彼らの星で、ロケットボーイたちと意外な結末を迎える。

リップ

花売り娘。偶然あくまはかせの秘密のアジトを見つけてしまったせいで捕らえられるが、機転を利かせてメモを残し、ロケットボーイのアジト侵入の手助けとなる。改稿された『0人間』では、るり子という名前になり、「0人間」にされてしまう科学者の妹として登場する。

ザック

マスコミに「怪星ガイガー」と名づけられてしまった星から来た怪人。「怪星人ザック」とも呼ばれる。悪魔のように尖った耳を持ち、頭に触手のようなトンガリがある。指は三本で、球体が先についている。地球先遣隊として、部下が4人いる。あくまはかせにさらわせた人間を食べようとするが、ロケットボーイによって阻止される。 計画を遂行できないあくまはかせに苛立ち、彼を連れて母星に帰る。母星で王様に報告をしているところに、ロケットボーイがやって来て意外な進展を見せる。

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