概要・あらすじ
腐乱犬酒多飲博士は落雷を受けた深海魚の腐肉を元に、焼酎やワカメのみそ汁などを駆使して悲願の人造人間=怪物を作り出す。博士の死後、町に出た怪物は警察や自衛隊が自分を殺そうとすることで人間を呪い、好物の焼酎やワカメのみそ汁を求めて殺戮を始める。いったんコンクリート詰めで海底に葬られたが、巨大化して復活。
東京タワーなどを次々に破壊する。だがアメリカの水爆ロケットで宇宙へ打ち上げられ、永遠の闇に消えた。続いて怪物の頭髪の毛根から怪物の子供が誕生。一時は漁村に溶け込んで暮らすが、体が急速に大きくなって漁民たちの不安を招く。最後は新開発の溶解爆弾で体をドロドロに溶かされ、深海の闇に沈んだ。
登場人物・キャラクター
怪物 (かいぶつ)
深海魚の腐肉が落雷を受けてできた新細胞を元に、腐乱犬酒多飲博士によって作り出された人造人間。博士をお父さんと呼ぶ。焼酎とワカメのみそ汁を好む。銃弾や砲弾を受けても死なない。怪物として警察や自衛隊に追われたことで人間を呪うように。いったん海底に葬られたが、巨大化して戻ってくる。 常に「僕は遠い昔に暗い深海の奥底で一度死んだ気がする」という観念に取り憑かれている。
怪物の子供 (かいぶつのこども)
怪物が残した髪の毛の毛根が海底で成長して生まれた。赤ん坊の姿で陸地に戻ってくる。おさよの子として漁村の暮らしに溶け込み、子供たちと仲良くなる。やがて自分が何者なのか自問するうち、「暗い深海の奥底で一度死んだ気がする」という観念を抱く。
腐乱犬酒多飲 (ふらんけんしゅたいん)
天才科学者。右目と左足がない。海辺の広大な屋敷で魚肉から人造人間を作る実験をしていた。落雷の力を借りて人造人間=怪物を作り出すが、実験の疲労で死亡。怪物を息子と呼んだ。
おさよ
元漁師の妻。夫と幼い子供を海で亡くし、精神を病んで洞穴に住んでいる。怪物の子供が海から現れるのを見て、自分の子供が生き返ったと思い込む。
角福 (かくふく)
日本の首相。「まああの〜」が口癖。常に日の丸のついた扇子を手にしている。怪物に睡眠薬入りのワカメのみそ汁と酒を与え、寝入ったところをコンクリート詰めにして海底に葬る作戦を行う。次に怪物が巨大化して帰ってくると、アメリカから新型爆弾を買い入れて使えば黒字減らしにもなると答弁した。 だが作戦は失敗し、費用を日本が全額負担する条件でアメリカに怪物退治を依頼する。
博士 (はかせ)
自衛隊とともに新開発の溶解爆弾を怪物の子供に試す。
その他キーワード
溶解爆弾 (ようかいばくだん)
『恐怖のモンスター』に登場する爆弾。戦車の砲弾として発射され、怪物の子供をドロドロに溶かす。