悪魔を祓う秘密組織「悪祓協会」
主人公の祓清が所属する悪祓協会は、人々に害を及ぼす「悪魔」を祓うために設立された秘密結社。メメント森大聖堂を中心に、複数の拠点が展開されている。悪祓協会のメンバーは「悪祓士」と呼ばれ、基本的には「悪祓学校」の卒業生で構成されている。卒業後は成績に応じた部署に配属される実力主義の世界だが、三途川涅槃のように特異な才能を持つ者がスカウトされることもある。悪祓士には、「Ⅳ級」「Ⅲ級」「Ⅱ級」「Ⅰ級」「亜級悪祓士」「最高位悪祓士」の全6段階の厳格な階級が存在する。その中でも、世界にわずか5名しかいない最高位悪祓士は、魔王さえも単独で祓うことができる特別な存在とされている。清は現在Ⅰ級だが、その実力はすでに亜級悪祓士レベルに達していると言われている。
悪祓術の多様性と悪祓士の能力
「悪祓術」とは、悪祓士が「戒力」と呼ばれるエネルギーを消費して発動する、悪魔に対抗するための特殊能力の総称。その用途は多岐にわたり、悪魔を消滅させる術から、悪魔との意思疎通を可能にする「悪祓契約術」まで、さまざまな種類が存在する。中には、特定の者にしか扱えない「紋章悪祓術」のような非常に強力な術もある。また、清は「太陽輪」や「月銃」といった、太陽や月に関連する悪祓術を使いこなし、祓をライバル視している悪祓士の棺葬介は、「100ガロン水弾」や「葬水弾」といった水をあやつる悪祓術を使用するなど、悪祓術の属性は使用者によって大きく異なる。
悪魔と人間が織りなす日常と陰謀
本作の舞台である奈落市は、「悪魔」と呼ばれる存在の脅威につねに晒されている。悪魔たちはふだんは「魔界」で生活しているが、邪悪な心に目覚めたり、上級存在からの命令を受けて人間界に現れ、災厄をもたらす。しかし、すべての悪魔が邪悪であるわけではなく、仲間と遊んだり、家族と共に食卓を囲んだりと、人間と変わらない日常を送る者も少なくない。中には、病魔田やジャック=ジョー=ニィル=ヴァーナのように、人間との共存を望む悪魔や魔王さえも存在する。また、幽田のように悪魔を祓うべき悪祓士でありながら、私欲のために魔王と結託する悪人もわずかに存在する。
登場人物・キャラクター
祓 清 (はらい きよし)
悪祓協会に所属する悪祓士の少年。年齢は16歳。最年少かつ主席で悪祓学校を卒業し、悪祓協会から「史上最強悪祓士」と称賛されている。全身を覆う魔除けの刺青(いれずみ)と厳(いか)つい顔立ちとは裏腹に、非常に繊細な性格の持ち主。友人を守るためには上司にも果敢に立ち向かい、悪魔にも分け隔てなく接しようとするなど、本来は強い正義感と優しさを兼ね備えている。太陽と月に関連する強力な悪祓術を使いこなし、その破壊力と戦闘センスは群を抜いているが、実は超がつくほどのビビりで極度の人見知り。この意外な欠点が、時には戦闘で足を引っ張ることもある。
熾木 天馬 (さかき てんま)
悪祓協会の奈落市支部長を務める悪祓士の青年。年齢は29歳。ふだんは中華飯店「地獄門」の店長として腕を振るっている。明るくてノリの良い性格で、奈落支部ではムードメーカーとして親しまれている。かつては最高位の悪祓士として名を馳せた伝説的な存在でもあり、第一線を退いた今でもその実力は衰えておらず、現役最強クラスの清や聖剣を圧倒するほどの戦闘能力を誇る。戦闘では、振ったサイコロの出目に応じた効果を発揮する悪祓術「宵の博徒」を使いこなす。清の祖母や剣の兄など、高名な悪祓士とも旧知の仲であり、かつて悪魔から清の命を救った恩人として、彼から絶対的な信頼を寄せられている。
書誌情報
悪祓士のキヨシくん 6巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2024-11-01発行、978-4088843230)
第2巻
(2025-02-04発行、978-4088843940)
第3巻
(2025-05-02発行、978-4088845111)
第4巻
(2025-07-04発行、978-4088845678)
第5巻
(2025-09-04発行、978-4088846576)
第6巻
(2025-11-04発行、978-4088847467)







