概要・あらすじ
深夜、コンビニに行った高校生の王仁瓦勇太朗は、帰り道に同じクラスの暗井と偶然出会う。暗井は学校でいじめを受けており、その復讐のため密かに黒魔術を実行しているところだった。その姿を勇太朗に見られて動揺した暗井は、その場を一目散に離れてしまう。そして暗井の後を受けて、黒魔術の儀式を続けてしまった勇太朗は、悪魔・スレイヤの召喚に成功する。
スレイヤは凶悪な力で3つの願いを叶えようとするのだが、その力を恐れた勇太朗は、願いの1つを使ってスレイヤを人間へと変えてしまう。こうしてスレイヤは悪魔の力を失って人間同然の力と姿となり、勇太朗と同居を開始。最初は互いに反発し合っていた勇太朗とスレイヤだったが、ともにトラブルに巻き込まれていくうちに、いつしか2人の間に種族を超えた友情が芽生えていく。
登場人物・キャラクター
王仁瓦 勇太朗 (おにがわら ゆうたろう)
第六高校に通う小柄な男子。勇太朗の母と二人暮らしで、勇太朗の父は他界している。正義感が強く、いじめを受けている暗井の仲裁に入ったり、巣から落ちそうになっている雛を助けるなど、まっすぐで優しい性格。そのため名前負けをしているところがあり、その点についてはスレイヤにも指摘されている。深夜、眠れずにこっそりコンビニへ行った帰りに暗井の黒魔術の現場に遭遇し、奇しくもスレイヤを呼び出してしまう。 スレイヤから3つの願いを言うように脅迫されたものの、凶悪な力を恐れた勇太朗は「普通の人間になってほしい」を願い、スレイヤを人間にしてしまう。その後は行くあてのないスレイヤと、自宅で同居することになる。
スレイヤ
青年の姿をした悪魔。黒魔術によって召喚された。召喚された相手の願いを3つ叶えることができる。善悪の区別がつかず、呼び出された相手の願いのためであれば、どんな非情なことでもやってのける。当初は暗井に召喚されたものの、暗井が儀式の途中で逃げ出してしまったため、奇しくも続きの呪文を唱えた王仁瓦勇太朗の願いを叶えることとなる。 勇太朗の願いの1つ目は、暗井の儀式によって殺された雌鶏の蘇生、2つ目はスレイヤがその恐ろしい力を使えなくなるようにと、「普通の人間になってほしい」というものだった。これを受けて人間となった後は行くあてもなく、勇太朗の家に居候するようになる。喧嘩っ早く口も悪いが、勇太朗と関わり合ううちに、人間らしい心を持つようになる。 勇太朗の母が作ったカレーを食べて以来、大好物になった。
富永 (とみなが)
第六高校に通う女子。王仁瓦勇太朗のクラスメイト。すらりとした長身に黒髪ロングヘアの美少女。明るく優しい、親しみやすい性格だが、いざという時には気の強い一面を見せる。勇太朗とは席が隣同士で、よく会話を交わしている。魅力的な容姿なので、しつこいナンパに遭うこともあり、時には怪我をさせられる被害も受けている。真っ直ぐな性格の勇太朗が気に入ってる様子で、「オニッチ」と親しげに呼ぶこともある。
暗井 (くらい)
第六高校に通う男子。王仁瓦勇太朗と同学年でクラス違いの生徒。気弱な性格のいじめられっ子で、他校の不良にも弄ばれている。自分をいじめている生徒たちを呪うため、黒魔術でスレイヤを召喚しようとしていた。そこを、勇太朗に目撃されてしまう。焦った暗井はその場を離れてしまい、代わりに勇太朗が黒魔術の続きを行なうことになる。
鶴田 (つるた)
不良の男子。王仁瓦勇太朗が住む地域で、一番荒れている高校に在籍している。暗井をいじめていた不良たちの兄貴分にあたる。鶴田自身はいじめには関わっていない。極悪な性格をしており、過去には5人のチンピラを1人で半殺しにしたこともある。喧嘩では警棒を使うため、「殺人警棒の鶴田」と呼ばれて恐れられている。
巳道 乱 (みどう らん)
獄門高校に通う1年華組の不良男子。子分が富永に振られたので、王仁瓦勇太朗たちが通う第六高校に乗り込んで来た。富永に慰謝料として100万円を支払うように迫り、断った富永の服を人前で破るなどの暴挙に出る。喧嘩ではチェーンを多用する。
七雲 竜次 (なぐも りゅうじ)
巳道乱より上の立場にあるアウトローの青年。日本にいながら拳銃を持ち、時にはマシンガンをぶっ放すこともある。人間ではなく悪魔になりたいと願っており、人を貶めたり殺したりすることに、何の罪悪感も抱かない非情な性格。スキンヘッドに大きな蜘蛛のタトゥーを入れている。
勇太朗の父 (ゆうたろうのちち)
王仁瓦勇太朗の父親で故人。正義感の強い人物で、勇太朗に対して「男は度胸ではなく勇気をもて」と言い聞かせてきた。その教えを守った時にはかっこいいと褒め、それが勇太朗の自信となっていった。死後も勇太朗はその教えを守っており、彼の人格形成に大きな影響を与えている。
勇太朗の母 (ゆうたろうのはは)
王仁瓦勇太朗の母親。優しくほのぼのとした性格の専業主婦。ある日、突然居候することになったスレイヤもあまり疑問に思っていない。その名前から外国人だと思っている様子。スレイヤに振る舞ったカレーが特に気に入られ、以後彼の大好物となった。