概要・あらすじ
数千万年周期で地球に接近する惑星プロメテ。その環境は楽園そのものであり、大江戸博士と一文字断鉄は移住計画を発動する。だが、プロメテを独占しようとするドップラーの陰謀により、計画は頓挫。断鉄は計画妨害の犯人とされたまま行方不明となってしまう。断鉄の一子、一文字タクマは、父の汚名をそそぐため、プロメテへの移住計画の中核とも言えるダンガードAのパイロットを目指す。
登場人物・キャラクター
一文字 タクマ (いちもん じたくま)
テストパイロットの青年。父の一文字断鉄は、10年前の第一次プロメテ計画におけるメインパイロットだったが、謎の事故のために行方不明となってしまう。その際、ドップラーにより、事故は断鉄の陰謀によるものと糾弾され、タクマは裏切り者の子として世間から虐げられてきた。 断鉄の友人・大江戸博士により引き取られたタクマは、10年の間、プロメテ計画の中核となるメカ、ダンガードAのメインパイロットとなるべく訓練を続けてきた。だが、その技量は未熟で、新たに赴任してきたキャプテン・ダンの厳しい特訓を受けることになる。未だに父の事故を忘れることができず、ややもすれば我を失い暴走することも多い。
大江戸博士 (おおえどはかせ)
以前より惑星プロメテに着目し、その移住計画の調査研究を進めてきた科学者。一文字断鉄やドップラーとは旧知の仲。プロメテ移住は、全人類の未来を託す計画という信念の基に行動しており、一握りのエリートのみの移住を画策するドップラーとは、常に対立してきた。 断鉄とは固い友情で結ばれており、彼が10年前の第一次プロメテ計画での事故で行方不明になった際にも、その一子・一文字タクマを預かり、我が子のごとく育て上げた。孤島にプロメテ移住計画のための宇宙基地を建設、計画の中核ともいえるダンガードAの開発を進めている。
キャプテン・ダン
共同防衛機構から派遣されてきた仮面の飛行教官。一文字タクマをダンガードAのメインパイロットとするため厳しく訓練する。10年前の第一次プロメテ計画の生き残りと思われ、事故直後、ドップラーに捕えられ、その地下工場で長らく強制労働をさせられていた。 その際に、仮面を被せられ、記憶や指紋も抹消され、身体的特徴の全てを奪われてしまい、自分が誰であるかも分からないという。仮面の額には、装着者の意識をコントロールするアンテナが取り付けられていたが、地下工場から脱走する際に切除に成功している。だが、仮面自体は、ドリル、カッターなど如何なる工具も受け付けず、取り外すことはできなかった。 大江戸博士により、「ダンガードA」の「ダン」を取って、「キャプテン・ダン」と呼ばれるようになった。
一文字 断鉄 (いちもんじ だんてつ)
一文字タクマの父で大江戸博士の親友。優れたパイロットで、10年前のプロメテ計画の先陣を切るロケット隊の一番機を任せられたが、ドップラーの陰謀による事故で計画は失敗、自らも行方不明となってしまう。その後、ドップラーにより、惑星プロメテの独裁者になろうとして仲間の機を撃墜後、誤って自らも宇宙の塵になった、と裏切り者の汚名を着せられてしまう。
佐渡先生 (さどせんせい)
大江戸博士が設立した宇宙基地の医師を務める。無類の酒好きで、田貫教授と事あるごとに飲んだくれている。果ては、酒を百薬の長と患者に勧める始末。撃墜された一文字タクマを救うなど、医師としての腕は確かなようだ。
大江戸 リサ (おおえど りさ)
大江戸博士の娘。一文字タクマとは幼なじみで、家族同然に過ごしてきた。そのため天涯孤独のタクマのことを常に気にかけている。父の宇宙基地に勤務しており、レーダー手などを受け持っている。
荒井 (あらい)
大江戸博士指揮下の宇宙基地で整備士を務めている。メカに愛情を注ぐ熱血漢で、心を込めて整備した練習機を一文字タクマが壊してしまった際には、彼を殴り倒すほどであった。
田貫教授 (たぬききょうじゅ)
大江戸博士の師匠で、宇宙基地の最長老。そのため、佐渡先生との飲酒に関しても大目に見られているようだ。自らの意思を持つ高性能ロボット・タマガーを開発、最近は、その調整に夢中になっている。
タマガー
『惑星ロボ ダンガードA』に登場するロボット。田貫教授によって造られたタマゴ型のロボット。自らの意思を持ち、言語によるコミュニケートが可能で、大きな目を変化させることで表情を表すこともできる。緊急時には股間の車輪で高速走行する。言葉遣いは荒っぽいが、非常時には戦闘機の操縦もこなすなど、その汎用性は高い。
ドップラー
大いなるエゴを高尚な理想で虚飾する独裁者。元は、大江戸博士や一文字断鉄と共に惑星プロメテを研究する教授であったが、その豊かな環境を独占しようと謀略をめぐらす。自らが選んだ容姿知能共に優れたエリート達のみを集めたドップラー軍団を組織し、その総統として君臨する。 ヒマラヤ山脈の地下に巨大な要塞を建造し、移住用の巨大宇宙船や敵対する陣営を鎮圧するための兵器を日夜開発している。彼に従わない者は、全て劣等人種で、部下であっても失敗すれば、容赦ない制裁を加える。ゆえに誰も信用することができず、普段は瞑想の間で一人パイプオルガンを大音量で奏でている。
ヘチ
ドップラー配下の忠実なる副総統。ドップラーの命令を忠実かつ冷徹に実行するが、その気紛れともいえる言動に、いつかは自らも始末されてしまうのではないか、と常におびえている。
場所
プロメテ
『惑星ロボ ダンガードA』に登場する惑星。太陽系第10番惑星(冥王星を含む)。長大な楕円軌道を持ち1億3000万年から7000万年の周期で太陽の周りを一周する。大きさは地球の1.2倍。海陸の割合は、陸地が地球に比べてやや広い。大気成分、気圧、自転、全て地球と同じで、豊かな四季に彩られており、地表観測によれば、春にはタンポポの綿毛舞う草原に覆われている。 プロメテの周囲には、ほぼ同じ大きさの小型発熱衛星が巡っており、遠く太陽を離れていても、その地表は冷却、凍結することはない。生存に適するあらゆる資質を備えながら人間に匹敵する高等生物だけが発見されておらず、まさに手つかずの楽園と言える。 ゆえに、人口過多や環境汚染で住みにくくなった地球から快適なプロメテへ移住する計画が各陣営で進められている。今回のプロメテのコースは、地球と火星の軌道中間点を通過することになっており、移住には最適な距離だが、太陽系中心へ接近する毎にその公転速度は増していき、地球最接近時には光速の99パーセントという猛スピードとなる。 かつて、太陽系を通過した際にも数々の天変地異を巻き起こしており、火星と木星の間にあった惑星が砕けて小惑星帯となり、金星は、現在のような大気圧下の灼熱地獄となったとされている。今回の地球最接近時にどのような影響が出るかは予測不能である。
その他キーワード
ジャスダム
『惑星ロボ ダンガードA』に登場するメカ。大江戸博士が開発した惑星間航行宇宙船。洋上にある宇宙基地の地下600メートルで秘密裏に建造されていた。基地そのものの機能を有し、ダンガードAの宇宙空母として惑星プロメテへ向かう。
ダンガードA (だんがーどえーす)
『惑星ロボ ダンガードA』に登場するメカ。大江戸博士によって開発中の巨大変型メカ。プロメテ移住計画の最後の切り札とも言われ、敵であるドップラーも、我がものにしようと狙っている。通常は、サテライザーと呼ばれる巨大戦闘機の形状をしており、戦況に応じて形態を変える可変機構を備えている。その性能や武装などは明らかになっていないが、サテライザー形態で飛行した際にその前面衝撃波だけでドップラーの機械化撃滅空間団を全滅させてしまった。