あらすじ
第1巻
ある日、普通の学生生活を送っていた新田剣丞は、1本の刀といっしょに戦国時代にタイムスリップしてしまう。しかし、そこは剣丞が歴史の授業で習った数々の大名や武将が全員女性という世界だった。織田軍と今川軍が戦っている田楽狭間に、意識がないまま空から落下して来た剣丞は織田軍に助けられ、目覚めると織田家当主の織田信長(久遠)から求婚される。いきなりの事に戸惑う剣丞だったが、元の世界に戻る手段を見つけるために久遠の夫となり、織田の一員となる事を受け入れる。最初は右も左もわからない状態だったが、数か月生活して少しずつこの世界がわかって来た剣丞は、久遠の護衛として堺に出発し、そこでルイス・エーリカ・フロイスと出会う。
第2巻
堺で南蛮商人、京で足利義輝(一葉)との人脈を作り、さらに鬼の脅威を目の当たりにした新田剣丞と織田信長(久遠)達は、堺で出会ったルイス・エーリカ・フロイスを連れて美濃の岐阜城に戻る。そして軍議を開いて現状を説明し、一葉と合流するために上洛の準備を家臣達に始めさせる。三河の松平家も到着して準備が整うと、久遠はさっそく上洛を開始。進軍のジャマとなる観音寺城の六角に攻め入って早々に落城させたが、一葉を狙う三好の軍勢が揃って鬼に変貌したという情報が入ってくる。
第3巻
鬼となった三好の軍勢を排除して、無事に足利義輝と合流して上洛を果たした新田剣丞と織田信長(久遠)達は、人々を鬼にする力を持つフランシスコ・ザビエルがいると思われる越前方面に進軍する。小谷城で浅井勢と合流を果たし、越前での鬼に関する情報を整理すると、久遠は直ちに越前侵攻を決めて家臣に戦の準備をさせる。越前侵攻は敦賀城と手筒山城の鬼が簡単に撤退したため、予定より早く目的地である一乗谷にたどり着くが、そこで鬼の奇襲によって全軍撤退する事となる。久遠達本陣はひとまず安全な場所まで撤退できて仲間を待つ準備に入ったところで、ルイス・エーリカ・フロイスが久遠を連れ去ってしまうのだった。
登場人物・キャラクター
新田 剣丞 (にった けんすけ)
現代から戦国時代にタイムスリップして来た少年。織田と今川が戦っている田楽狭間の戦場に空から落下し、意識のないまま織田家に助けられる。勝利した戦に突然現れたため、戦国時代の人々から「ご利益のある存在」と認識されており、織田家当主の織田信長から求婚された事もあり、織田の一員として過ごしている。正義感の強い真っすぐな性格で、ほかの織田家のメンバーとも仲がよく、戦では「剣丞隊」という一部隊を率いている。
織田 信長 (おだ のぶなが)
織田家の当主を務める少女。「久遠」という通称で呼ばれている。凜とした立ち振る舞いと強い信念を持っており、古い習慣に縛られずに積極的に新しい事に挑戦している。世間では「ご利益のある存在」と認識されている新田剣丞を他国に利用されないように、剣丞と夫婦になる。最初は自分の理想を実現するための仮初めの夫婦という立場だったが、剣丞の人柄に触れるうちに本気で好きになっていく。
斎藤 帰蝶 (さいとう きちょう)
織田家の一員の少女。「結菜」という通称で呼ばれている。勝気な性格をしており、厄介ごとを頼んでくる織田信長(久遠)に苦労させられる事が多い。久遠の留守を預かる立場なために戦に出る事は少ないが、「美濃の蝮」として名を馳せた親と同等の力を持つ。
柴田 勝家 (しばた かついえ)
織田家の一員の女性。「壬月」という通称で呼ばれている。丹羽長秀といっしょに織田家の全体をまとめる役を担っており、すべての面で織田信長をサポートしている。また剣術の腕が未熟な新田剣丞の鍛錬相手も務めており、練習の厳しさゆえに、剣丞から「鬼柴田」と呼ばれる事もある。
木下 秀吉 (きのした ひでよし)
織田家の一員の少女。「ひよ子」という通称で呼ばれている。新田剣丞をはじめとした親しい人間からは「ひよ」と呼ばれる。織田家の一部隊である剣丞隊に所属しており、剣丞と行動を共にする事が多い。頭はあまりよくないが、部隊の規模から必要経費をすぐに算出するなどお金の計算は早い。
竹中 重治 (たけなか しげはる)
織田家の一員の少女。「詩乃」という通称で呼ばれている。参謀役を務めているため、知識は非常に豊富で、作戦立案や判断力に優れている。「今孔明」とも呼ばれているが、竹中重治本人はその名で呼ばれるのを快く思っていない。頭脳明晰ながら、身体能力はあまり高くない。
森 可成 (もり よしなり)
織田家の一員の女性。「桐琴」という通称で呼ばれている。男勝りで好戦的な性格をしており、戦では、娘の森長可といっしょに「森一家」を率いて多大な戦果を挙げている。新田剣丞には期待しており、言葉使いは荒いが、剣丞に多くの事を教える。
ルイス・エーリカ・フロイス (るいすえーりかふろいす)
新田剣丞や織田信長(久遠)が堺で出会った南蛮人の少女。父親がポルトガル人、母親が日本人のハーフで、母親から名付けてもらった名前は「明智十兵衛」。髪の色が金柑と同じため、久遠から「金柑」と呼ばれる事もある。法王庁から「人々を鬼にして日の本を侵略するフランシスコ・サビエルの暗殺」という命令を受けて来日し、足利義輝(一葉)に協力を要請しようとしたところで剣丞達と知り合う。 目的が同じ事から行動を共にして、一葉と会ったあとは久遠に誘われて織田家の一員となる。知略に優れて本陣の参謀役となるが、一乗谷での戦時に本性を現して久遠を本能寺に連れ去る。
足利 義輝 (あしかが よしてる)
足利幕府十三代将軍を務める女性。「一葉」という通称で呼ばれている。周囲からは「公方」と呼ばれる。鬼の存在や鬼による民への被害の事を知っているが、三好や松永による幕府内通者に監視されて自由に動けず、半ばあきらめかけていた時に織田信長(久遠)と出会う。久遠と話して闘志が蘇り、準備を整えた新田剣丞や久遠達が上洛したあとはいっしょに行動するようになり民のために剣を振るう。
細川 藤孝 (ほそかわ ふじたか)
足利義輝(一葉)のお側衆を務める女性。「幽」という通称で呼ばれている。幕府内に内通者がいる状況で、一葉にとって全幅の信頼を寄せる数少ない人物でもある。飄々とした性格で、つかみどころがないが、身分を偽って一葉に謁見しようとした織田信長(久遠)の正体を一瞬で見破りながら、久遠の真意を察して話を合わせるなど、非常に頭の回転が早い。
松平 元康 (まつだいら もとやす)
松平家の当主を務める少女。「葵」という通称で呼ばれている。織田信長の要請を受けて、京にいる足利義輝を救い出し、家臣の本多忠勝や榊原康政などを引き連れて織田軍に合流する。
鬼 (おに)
日の本各地に出現する異形の怪物。普通の刀ではまともに斬れないほどの硬い皮膚と強力な腕力を持つ。元は人間で、鬼の体液を濃縮したものを飲むと鬼に変貌する。一番数の多い下級クラスは本能のままに人間を襲って喰うだけだが、下級を統率する中級、全体を統率する上級と上位のクラスになるにつれて知能が発達。上級になると人間と会話する事も可能となる。
クレジット
- 原作
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BaseSon
書誌情報
戦国†恋姫~乙女絢爛☆戦国絵巻~ 全3巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2014-12-20発行、 978-4048690843)
第2巻
(2015-09-26発行、 978-4048654166)
第3巻
(2016-08-27発行、 978-4048923286)