概要・あらすじ
押切トオルの両親は海外に仕事で出かけ、高校生の押切は広い洋風の屋敷に1人で生活している。壁の中を虫が這いずるような音が聞こえ、押切は幻聴だと思って従兄の隆幸に相談に行った。相談の最中、大きい地震が起きる。屋敷に戻ると、廊下の壁が崩れ、中から化石のような死体が現れた。押切は死体の手がかりを得ようと、屋敷の古い記録を捜す途中、屋敷の壁から体を半分突き出した男の古い写真を見つける。
謎が深まる中、死体を掘り出して埋め直そうとするが、つるはしが頭に食い込んだ死体は悲鳴をあげた。恐怖に襲われた押切の元に、来週帰る予定だったはずの両親が現れる。崩れた壁の死体を両親に見られることを観念するが、死体は消えていた。
登場人物・キャラクター
押切 トオル (おしきり とおる)
『押切異談・壁』の主人公である高校生男子。曽祖父はオランダ人。両親が仕事で海外に行き、日本に残って洋風の屋敷に1人で住んでいる。屋敷の壁の中を虫が這いずり回るような音が聞こえるが、幻聴だと思い込む。そんな時、地震で廊下の壁が崩れ、中から化石のような死体が現れた。押切は死体の謎を明らかにするため、屋敷の古い記録を捜して調べ始める。
隆幸 (たかゆき)
『押切異談・壁』に登場する押切トオルの従兄。親のいる自宅で生活。幻覚に悩む押切の相談を受け、孤独感が原因だと思い、隆幸の家に同居させようとする。押切が隆幸の部屋で相談している最中、強い地震が起こった。
押切 結華 (おしきり ゆか)
『押切異談・壁』に登場する押切トオルの母親。押切の両親は仕事で海外に行っていたが、来週の帰国予定より早く自宅の屋敷に戻ってくる。しかし、その両親は本物ではなく、異次元の世界の人間であった。一昨日、異次元で大地震があり、彼らの住む屋敷は崩壊すると共に火災に見舞われ、完全に消失したという。 彼女の左手の火傷は、その時に負ったものだった。
押切トオルの父 (おしきりとおるのちち)
『押切異談・壁』に登場する押切トオルの父親。押切の両親は仕事で海外に行っているが、来週の帰国予定より早く、いきなり自宅の屋敷に戻ってくる。しかし、その両親は本物ではなく、異次元の世界の人間であった。一昨日、異次元で大地震があり、彼らの住む屋敷は崩壊すると共に火災に見舞われ、完全に消失したという。 異次元から一人息子の押切トオルが来る前に、父親はこちらの世界の押切を始末しようとする。