概要・あらすじ
両親が仕事で海外に行き、広い屋敷に1人で住む押切トオルは、遅い時間、廊下でクラスメートの藤井未央に遭遇する。藤井は押切に怯えた様子で逃げ出し、押切の目の前で消えてしまう。翌日、藤井は何事もなかったように登校していた。隣席の青山に藤井より背が低いことをからかわれ、殴り合いの喧嘩になるが、屋敷に戻って見たのは、巨大化した青山がドロドロに溶けていく姿だった。
しかし、翌日青山もちゃんと登校してくる。一方、藤井は押切に親しく振る舞い、屋敷に興味を持って一緒に帰るが、屋敷の前で突然姿を消し、行方不明になってしまう。3日後、押切は屋敷の廊下で肉の塊となった藤井に遭遇するのだった。
登場人物・キャラクター
押切 トオル (おしきり とおる)
高校生男子。背が低いことにコンプレックスがある。両親が仕事で海外に行き、広い屋敷に1人で住む。屋敷は異次元に通じる出入り口があり、押切は自分にそっくりな人間が現れたのを見たことがある。
藤井 未央 (ふじい みお)
『押切異談』に登場する高校生女子。押切トオルと同じクラス。遅い時間に、押切の住む屋敷に怯えた様子でいた。驚いた押切が腕を掴んで問い質すと、振りほどいて逃げ、そのまま姿が消えてしまう。翌日、押切が登校すると、藤井は何事もなかったようにクラスにいた。押切は、ゆうべ見たのは異次元の藤井かもしれないと疑う。
青山 (あおやま)
『押切異談』に登場する高校生男子。押切トオルと同じクラスの隣席。藤井に話しかけられた押切を、藤井より背が低いといってからかい、殴り合いの喧嘩になる。押切が屋敷に戻ると、部屋のドアの向こうから大声が響き、廊下に巨大な青山がいた。青山はドロドロに溶け出し、粘液になってしまう。しかし翌日、青山はちゃんと学校に来ていた。
異次元の押切トオル (いじげんのおしきりとおる)
『押切異談』に登場する、異次元の押切トオル。背を伸ばす研究のため、クラスメイトである異次元の青山と藤井未央に調合した薬を試すが、いずれも失敗し、2人を押切の世界に放り投げた。2人はその後、溶けてしまう。押切の屋敷を訪ねてきた藤井が異次元に迷い込んだため、藤井を椅子に縛り付け、新しく調合した薬を注射しようとする。