お子様王子はとめられない!

保父を目指す青乃誠一郎が、お金持ちの子供ばかりが通うエトワール幼稚園の先生となり、癖の強い園児や同僚たちに囲まれながらも楽しい日々を過ごしていく。一般市民と富豪の認識の差や、大人と子供たちの心温まる触れ合いを描いたハートフルコメディ。「月刊Gファンタジー」2019年4月号から2020年5月号にかけて連載された作品。

正式名称
お子様王子はとめられない!
ふりがな
おこさまおうじはとめられない
作者
ジャンル
教師
レーベル
Gファンタジーコミックス(エニックス)
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

子供の頃から幼稚園の先生になることを目指していた青乃誠一郎は、多くの幼稚園に就職希望の届け出を送るが、就職難の煽りを受けてどこからも色よい返事をもらえずにいた。そんなある時、誠一郎のもとにエトワール幼稚園から面接を希望する手紙が届くが、そこには脅迫状といっても差し支えのないような、怪しい文面がつづられていた。誠一郎は不安を覚えつつもエトワール幼稚園の敷地内に赴き、関係者たちの豪華な装いや奇抜な言動に面食らいながらも、面接会場として指定された、怪しさに満ちあふれた空間へと足を踏み入れる。そして、家族構成や学歴はもとより、初恋の人や借金といったプライバシーを洗いざらい暴かれつつも、誠一郎の素直さや純粋さを高く評価した園長によって採用され、翌日よりさっそく、エトワール幼稚園のアンドロメダ組に所属する園児たちの面倒を見ることになる。園内では、斜に構えた性格の同僚、代赭黄助や、極道と見まごう強面の警備員、桑染、さらに会うや否や誠一郎を嫁にしようとするニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世、おままごと感覚で札束を渡そうとする鐵銀樹など、クセの強い同僚や園児たちに翻弄されながらも、持ち前の優しさで子供たちの心をつかんでいき、誠一郎自身も次第に、現実離れしているが和気藹々としたエトワール幼稚園の空気に慣れていく。そんな中、エトワール幼稚園では園児の父母を交えた遠足が企画され、誠一郎の提案した1泊2日のキャンプ旅行を行うことが決まる。桃園りりあの母親にして、知らない者はいないほどの知名度を持つ大女優の桃園まりあや、スパイとして活動していることからいっさい姿を現さない灰聖兄弟の父親など、園児たちの親もまた強い個性を放っており、非常識に慣れたはずの誠一郎を幾度となく驚愕させる。中でも、バーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世は、息子であるニキを思うあまり、誠一郎に対して強い嫉妬心を向けていた。それでも園児の両親たちは、誠一郎が日頃から子供たちに慕われていることを明かし、これを聞いた誠一郎は、さらに立派な先生になれるようにと、より一層気持ちを引き締めるのだった。

第2巻

5月も半ばを迎えようとしていた頃、エトワール幼稚園アンドロメダ組では母の日にちなんで、母親を含めた家族たちに感謝の気持ちを表すべく似顔絵を描くという催しが行われる。桃園りりあが、敬愛する桃園まりあの美しさを表現するために全力を傾け、鐵銀樹は両親の風格を表現するために銀粉を塗りたくったりと、ふつうの幼稚園では考えられない事態がさっそく発生する。しかし、エトワール幼稚園特有の雰囲気にすっかり慣れた青乃誠一郎は、彼らがそれぞれ両親を大切に思っていることを理解し、子供たちが絵を描く様子を温かく見守る。さらに、祖国に大勢の家族や親戚がいるというニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世は、ニキママバーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世を含めた全員の似顔絵を描き上げる。ニキの家族を思う気持ちに感激した誠一郎は、アンドロメダ組の教室の壁に似顔絵を貼り付けるが、ニキの画風もあり、壁画のような雰囲気を醸し出してしまう。そのあとも園児たちは、商店街を見学してお花屋さん駄菓子屋さんと交流を深めたり、梅雨の中で雨を活かした遊戯を楽しんだりと、豪奢ながらも楽しい日々を過ごし、やがて初夏が訪れる。七夕の季節を迎えたエトワール幼稚園では、いつもの例に漏れずとんでもなく豪華な竹が用意され、園児たちは思い思いに願い事を記した短冊を飾っていく。その中には誠一郎を気遣う内容の短冊もいくつか見られたが、すでに誠一郎を嫁と認識しているニキは、夏の休暇を使った新婚旅行を望み、鐵銀樹に至っては、誠一郎の貧乏を解消することを真剣に望んでいた。誠一郎は厚意を喜びながらも、自分の立場が定まらないことに若干落ち込む。そんな中、エトワール幼稚園の敷地を開放した夏祭りが行われることになる。園児たちは、誠一郎や代赭黄助桑染たちと協力し、やがてエトワール幼稚園に相応しいような豪華な出来栄えの出店を作り上げる。さらに、かつてお世話になったお花屋さんや駄菓子屋さんをお祭りに招き、共に楽しい時間を過ごす。夏祭りは大成功に終わり、誠一郎はアンドロメダ組の園児たちといっしょに、記念として集合写真を撮影する。そして、祭りを通じて、園児やその父母、同僚たちとの交流を深めたことを実感すると、今後も多くの思い出を作れることを期待しつつ、さらに張り切る様子を見せるのだった。

登場人物・キャラクター

青乃 誠一郎 (あおの せいいちろう)

幼稚園の先生になることを志している青年。四人兄弟の長男で、子供の頃から弟たちの面倒を見てきたことから、さまざまなことを器用にこなし、他者の心の機微に反応する。まじめな心優しい性格ながら、運や要領が悪い一面がある。学生時代は一人暮らしが長かったこともあり、ガスが止められた時に備えて手動で火を起こしたり、自生する植物を食べて飢えをしのいでいた時期もあった。子供の頃に通っていた幼稚園の先生が親身に接してくれたことを覚えており、やがて青乃誠一郎自身も保父になりたいと考えるようになる。そして奨学金を得て学校に通いながら、幼稚園教諭の資格を獲得した。それからは手あたり次第に、さまざまな幼稚園に対して就職活動を行うものの、なかなか採用の通知がもらえず、次第に焦りを見せ始める。しかし、エトワール幼稚園から面接を希望する怪し気な手紙が届き、恐る恐る出向いたところ、園長に気に入られたことでエトワール幼稚園に正式に雇われ、アンドロメダ組の園児たちの面倒を見ることになる。ふつうの一般市民であるため、着任当初はエトワール幼稚園の園児や父母たちの富豪ぶりにたびたび面食らっていた。また、褒められるとすぐに喜ぶことからチョロいと思われることも多い。しかし、熱心に園児たちに向き合うことで彼らの信頼を得て、やがて慕われるようになる。中でもニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世からは、些細なことから結婚相手と認識されるようになり、それ以降は家族ぐるみでラブコールを受ける。ただし、ニキを溺愛しているバーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世からは、先生としての働きを認められつつも、嫉妬の混じった感情を向けられている。園児や父母、教諭と曲者揃いのエトワール幼稚園の中では一番の常識人で、関係者が奇行に走るたびにツッコミを入れ続けることから、苦労人と認識されている。なお、園児たちからは「あおせんせ」と呼ばれている。

代赭 黄助 (たいしゃ きすけ)

エトワール幼稚園で教諭を務める青年。青乃誠一郎の先輩にあたる。ふだんは穏やかで人懐っこい性格ながら、皮肉屋なところがあり、斜に構えたような言動が目立つ。鐵銀樹が差し出した札束を受け取ろうとして誠一郎から叱られたり、合コンに参加して二日酔いのまま出勤するなど、俗っぽい一面を見せることも多い。しかし仕事に関してはまじめで、外見が整っているうえに仕事をテキパキとこなし、非常事態にもまったく動じない度胸を持ち合わせていることから、園児や桑染からは評判がよく、園長からも重宝されている。また、誠一郎をからかいながらも、困っている時は助け舟を出すため、頼られている。誠一郎のいかにも一般人らしい感覚と、まじめでお人好しな性格から、当初は奇抜さが際立つエトワール幼稚園には対応できないと予想していたが、器用に立ち回る彼の仕事ぶりを見て、その認識を改めた。花粉症のため春の季節に外出する時は、つねにガスマスクを着用している。園児たちからは「きーせんせ」と呼ばれている。

ニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世 (にきかーでぃなるしゃるらっはさんせい)

エトワール幼稚園に通っている男の子。ニキママとバーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世の息子。太平洋に位置する狩猟民族による国家の王子で、浅黒い肌を持つ。象やライオン、ワニを飼育しており、エトワール幼稚園の施設に預かってもらっている。また、通園の際に象に乗って来ることもあったが、のちに禁止される。天真爛漫な性格で、並みの成人男性すら上回る運動神経を誇る。また、火が付いた輪っかを自在にあやつり、ペットのライオンやワニに無警戒のまま近づくなど、怖いもの知らずな一面を持つ。花嫁を探すために日本を訪れており、気に入った人に対して「よめ!」と言って回る癖がある。しかし、性別の概念を理解していないため、男女問わず声を掛けている。そして、こともあろうに「よめ!」の言葉を「読め」とカン違いして、これを承諾した青乃誠一郎を嫁にする決意をしてしまう。それからは、誠一郎のことを誰よりも大切に思うようになり、親の事情によってニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世以外の園児が幼稚園に来られなくなった時も、誠一郎を独占できると喜んだほど。両親との仲は極めて良好で、彼らに対して誠一郎のことを吹聴した結果、ニキママからは家族になるよう仕向けられる。ニキを溺愛するバーガンディーが、誠一郎に対して嫉妬心を抱く結果となった。

鐵 銀樹 (くろがね ぎんじゅ)

エトワール幼稚園に通っている男の子。「鐵カンパニー」と呼ばれる大財閥の御曹司で、エトワール幼稚園に通う園児の中でも飛びぬけた大金持ちとして知られている。その影響から金銭感覚がおかしく、青乃誠一郎や代赭黄助に対して事あるごとにお小遣い感覚で札束を渡そうとするが、誠一郎がその都度阻止しているため、大事に至らずに済んでいる。高価な布団やテントを用意しては、ほかの人にも利用させるなど、優しい性格をしている。誠一郎に対しては貧乏なので可哀想と発言しているが、悪気があるわけではない。また、両親は多忙を極めているため滅多に会えず、キャンプ旅行や夏祭りにいっしょに参加することはできなかったが、いっさい不満を漏らすことはない健気さを持つ。ニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世とは仲がいいが、運動が苦手なため、活動的なニキに振り回されることも多い。幼いながらも資産運用に関する知識が豊富で、商店街にお使いに行った際は、いかに経済の循環を円滑にするかなど、およそ幼稚園児とは思えないような観点から買い物を行い、誠一郎を感心させると同時にある種の不安を植え付ける。

園長 (えんちょう)

エトワール幼稚園の園長を務めている男性。有能だが秘密主義者で、つねに「SOUND ONLY」と記されたモニターのようなものを頭にかぶっており、誰もその素顔を見たことがない。かつてはホラー映画に出てくるような着ぐるみを身につけ、園長室にはかつて使っていた着ぐるみが複数飾られている。園児、同僚を問わず人の扱いに長け、まじめで優しい性格の青乃誠一郎が幼稚園の先生になりたがっていることを知るや否や、彼の過去のプライベートまでも徹底的に調べ上げ、高い給与などさまざまな好条件をちらつかせて、エトワール幼稚園へと引き入れた。気さくでややイタズラ好きな性格で、代赭黄助と共に誠一郎をからかうこともある。また、夏祭りの時には、園長自らお化け屋敷を作り上げ、凝った仕掛けでニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世を怖がらせる。

桑染 (くわぞめ)

鐵銀樹の父親が経営する会社の社員の男性。会社の意向で、エトワール幼稚園の警備員のリーダーを務めている。つねにスーツを身につけ、サングラスをかけているため、面接に訪れた青乃誠一郎から、危ない仕事をしている人とカン違いされる。さらに、新たに採用された誠一郎を不審者とカン違いして、部下たちと共に誠一郎を取り押さえたことから強い恐怖心を抱かれている。しかし実際は、職務に忠実なまじめな性格で、誠一郎が先生だと知ると、彼が戸惑うほど真摯な態度で謝罪した。また、ハッキング対策のため、監視カメラに頼ることなく頻繁に見回りを行うなど、あらゆる事態を想定した柔軟性を見せることから、誠一郎を感心させていた。エトワール幼稚園の警備員に就職する前にさまざまな仕事を経験しており、飛行機や電車、船にヘリコプターや戦車など、多くの運転免許を修得しており、送迎や遠足の際にバスの運転を任せられている。

桃園 りりあ (ももぞの りりあ)

エトワール幼稚園に通っている女の子。大女優である桃園まりあの娘。実家は鐵銀樹に匹敵する大金持ちで、通園の際に専用の馬車を使う。母親のことを強く尊敬し、桃園りりあ自身も、将来母親に負けないような女優になることを志している。そのため、幼稚園ではおままごとと称して演劇の練習に明け暮れており、外見的に際立った特徴を持つニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世に、よく練習に付き合ってもらっている。また、緋沙月朱杏とは仲がよく、彼女が優れたブランドを立ち上げることを楽しみにしている。ふだんは明るく朗らかな性格ながら、母親を美化するあまり、自分を追い込む一面がある。ある時、ニキを恋人に見立てた演技を行っている最中、ニキが花嫁にしようとしている青乃誠一郎と三角関係の演技の練習をしようと思い立ち、その時の状況から、誠一郎からりりあがニキに思いを寄せているとカン違いされる。そして、そのまま痴情のもつれによる悲劇を演出されたことで、誠一郎が卓越した演技力を持つと判断され、彼に対しても演技の練習に付き合ってもらうようたびたび求めるようになる。キャンプ旅行では、両親が多忙のため欠席となったが、同じく両親が不在の銀樹が建てたテントに同席したことで楽しいひと時を過ごす。また、夏祭りではまりあといっしょに参加し、まりあの熱狂的なファンであるお花屋さんを招き、彼女を喜ばせた。

桃園 まりあ (ももぞの まりあ)

桃園りりあの母親。日本では知らない人がいないといわれるほど有名な大女優で、「女の花園」や「救命の女」など、多数の人気ドラマに出演している。そのため、お花屋さんをはじめとして非常に多くのファンを持つ。悪女を演じることが多いため、世間からはクールなイメージを抱かれがちだが、実際はりりあと同様に明るく朗らかな性格の持ち主。一方で、演技に対するこだわりが強く、りりあから青乃誠一郎が優れた演技力を持っていると聞き、桃園まりあ自身の演技力を向上させるために参考にしたいと考えるようになり、彼と会えることを心待ちにしていた。また、「こういった役柄を演じて欲しい」とお願いされれば、即座にその希望に合わせた演技ができる。キャンプ旅行は多忙のため参加できなかったが、夏祭りではりりあと共に色々な出店を楽しみ、誠一郎と交流を深めた。さらに夏祭りの中で、りりあの作っただるま落としを楽しむお花屋さんを見つけると応援し、彼女から本物のまりあと出会えたことに感激される。

灰聖兄弟 (かいせいきょうだい)

エトワール幼稚園に通っている双子の男の子。名前は「灰聖白兎」と「灰聖黒兎」。いずれもやんちゃな性格で、髪型から体格、顔立ちまで瓜二つのために見分けられる人はごくわずか。その特徴を活かして、自己紹介の際に分身の真似事をして青乃誠一郎を驚かせたこともある。両親はスパイとして活動しており、灰聖兄弟たちも両親のようなスパイになるべく、ヒマを見つけては訓練と称して、幼稚園の敷地を駆け回っている。優れた身体能力を誇るニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世に興味を抱いており、ある時、どうすれば彼のように俊敏に動けるのかを解明するため、誠一郎と共に行動を見張る。そして、彼が大好きな誠一郎に絡む時に優れた力を発揮することを突き止め、誠一郎を取り合う事態に発展してしまう。キャンプ旅行では、灰聖兄弟の父親を誠一郎に紹介するが、彼があまりにも素早いため、灰聖兄弟以外には見えないことが発覚する。キャンプ場では協力してテントを建てるなど、仲のいい様子を見せる。

灰聖兄弟の父親 (かいせいきょうだいのちちおや)

「灰聖白兎」および「灰聖黒兎」の父親。妻と共にスパイとして活動しており、依頼次第では表沙汰にできない任務もこなす。礼儀正しい性格で、エトワール幼稚園の先生たちに対して恭しく接する。敏捷性と気配を消す能力に長けており、キャンプ旅行に同行する際に青乃誠一郎に挨拶をした時も、職業柄つねに高速で動き回り、まったく姿を確認されなかった。キャンプ場でも、その身体能力を遺憾なく発揮し、凄まじいスピードで灰聖兄弟が使うためのテントを作り上げた。

緋沙月 朱杏 (ひさづき しゅあん)

エトワール幼稚園に通っている女の子。有名なファッションデザイナーである緋沙月あんじゅの娘で、あんじゅのことを「ママちゃん」と呼んでいる。緋沙月朱杏自身もおしゃれに興味を持っており、将来は母親のようなデザイナーになって、自分のブランドを立ち上げることを夢見ている。そのため、綺麗なアクセサリーを作っては、友達や先生たちにプレゼントしている。特に桃園りりあとは仲がよく、彼女から小物づくりの腕を高く評価されている。また、アクセサリーを喜んでくれたことから青乃誠一郎のことを気に入っており、キャンプ旅行の際には同行したあんじゅに対して、嬉々として誠一郎を紹介した。女の子でありながら、動物に対する抵抗はいっさいなく、灰聖兄弟がイタズラとしてカエルをけしかけてきた時も、かわいらしいと言いつつ、さらに食べると美味しいと言い放ち、逆に灰聖兄弟を驚愕させる。

緋沙月 あんじゅ (ひさづき あんじゅ)

緋沙月朱杏の母親。娘からは「ママちゃん」と呼ばれている。桃園まりあに匹敵する知名度を誇るファッションデザイナーで、ファッションに疎い青乃誠一郎もその名を知っていたほど。また、自ら手掛けた衣服を宣伝するためのモデルも担当している。美人で若々しく、エトワール幼稚園に現れた時は、代赭黄助から出会い頭に口説かれかけたこともある。すかさず誠一郎が阻止したことで事なきを得たが、その時の誠一郎の言動から彼に口説かれたと思い込み、朱杏と共にまんざらでもなさそうな様子を見せた。キャンプ旅行が開催された時は、スケジュールの影響から仕事帰りに直接幼稚園に向かい、ミニスカートとヒールという姿で現れたため、誠一郎から動きやすいようにとパーカーを受け取った。さらに、朱杏と二人で過ごすためのテントを作ろうとするが、装飾へのこだわりが強すぎるあまり、3回以上作り直して朱杏を困らせてしまう。テントを完成させると、園児たちと共にカレーを作る準備を手伝った。その時にニキママの手際の良さに感心し、料理を通じて彼女となかよくなった。

ニキママ

太平洋に位置する島国の王妃。ニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世の母親で、夫はバーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世。「ニキママ」は関係者からの愛称で、青乃誠一郎からは「ニキくんお母さん」と呼ばれているが、本名は不明。おっとりとした性格ながら押しが強く、バーガンディーを尻に敷いているが、夫婦仲は極めて良好。また、王妃という立場ながら、迎えに行くために自らエトワール幼稚園を訪れたり、母の日に似顔絵をプレゼントされたことを心から喜ぶなど、息子のことを非常にかわいがっている。ニキから誠一郎について聞かされていたことから、彼に会うことを楽しみにしていた。そして、キャンプ旅行で実際に対面すると一目見るなり彼のことを気に入り、義理の母親になりたいと申し出る。カレー作りの際は、凄まじい速度で食材を切り分け、誠一郎や緋沙月あんじゅから感心された。

バーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世 (ばーがんでぃかーでぃなるしゃるらっはにせい)

太平洋に位置する島国を治める若き国王。ニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世の父親で、妻はニキママ。現在は政治を親族に任せて、息子に付き添う形で日本で暮らしている。狩猟民族の王というだけあって身体つきがたくましく、さらに厳つい顔つきから周囲に威圧感を与えることが多い。しかし実際は家族思いの優しい性格で、ニキママやニキと離れると途端に寂しがっている。ニキが自分の似顔絵を描いてくれたことを知ると涙を流して喜んだり、カゼを引いた彼のために、一人で母国まで薬の材料を取りに行くなど、息子への入れ込みようは相当なもの。一方で、二人に気に入られている青乃誠一郎に対して嫉妬心を抱いており、キャンプ旅行では、誠一郎に対して終始不機嫌そうな様子を見せ、彼を委縮させてしまう。さらに、カレーを作る時にも誠一郎にいちゃもんをつけ、作業を妨害したことでニキママに怒られる。バーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世本人もさすがにやり過ぎたと反省し、わずかながら誠一郎を先生として認めるようになる。

お花屋さん (おはなやさん)

エトワール幼稚園の近くにある商店街で花屋を営んでいる女性。人付き合いを大事にするという商店街のモットーに従い、訪れた客に対してつねに丁寧に応対している。エトワール幼稚園の課外教育で訪れた桃園りりあから、桃園まりあに対して花をプレゼントしたいと相談を持ち掛けられ、ワンコインで購入できるブーケを用意し、さらにメッセージプレートやリボンなどをサービスする。この優しい対応に、りりあや青乃誠一郎から深く感謝されたが、実はまりあの大ファンで、彼女に自分の用意した花が届くことを望む下心もあったことが判明する。のちに、お世話になったお礼ということで、りりあから夏祭りに招待される。さらに、彼女の用意しただるま落としに挑戦している最中にりりあの様子を見に来たまりあと出会い、彼女から直々に声援を受けたことで舞い上がってしまう。

駄菓子屋さん (だがしやさん)

エトワール幼稚園の近くにある商店街で駄菓子屋を営んでいる老年の女性。お花屋さんと同様に、商店街に訪れる人々との触れ合いを大切にしており、中でも子供たちの笑顔が見られることを何よりの楽しみにしている。エトワール幼稚園の課外教育で買い物に訪れたニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世と鐵銀樹を暖かく迎え、彼らが見せる天真爛漫な様子に心を癒された。のちにニキと銀樹から、エトワール幼稚園の夏祭りに招待されるが、金銭感覚が一般人とは大きくかけ離れていた二人から、駄菓子をすべて買い占めて出店の景品にしようとしたり、店そのものを購入しようとするなど、あまりの破天荒さに混乱してしまう。しかし、青乃誠一郎があいだに入ったことでなんとか事態を収拾され、園児たちと共に夏祭りを楽しんだ。

集団・組織

アンドロメダ組 (あんどろめだぐみ)

エトワール幼稚園で青乃誠一郎が受け持っているクラス。狩猟民族の王国の王子であるニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世や、世界的な大財閥の御曹司にあたる鐵銀樹、世界を股に掛けるスパイを両親に持つ灰聖兄弟、国民的大女優の娘である桃園りりあなど、将来世界を動かすような園児が多数在籍している。誠一郎が着任した当初は、彼が元々貧乏だったこともあり、園児たちの金銭感覚のおかしさや彼らが巻き起こす騒動に気圧(けお)されることもあった。しかし、園児たちが素直な性格であることを知ってからは彼らの扱いに慣れていき、次第にアンドロメダ組を受け持つ先生として相応しいと、園児や同僚、父母から認められるようになる。

場所

エトワール幼稚園 (えとわーるようちえん)

主に大富豪の子息や令嬢が通っている幼稚園。青乃誠一郎が受け持っているアンドロメダ組のほか、スピカ組やオリオン組、アルタイル組などがある。教会の大聖堂を彷彿とさせるような、およそ幼稚園とは言い難い豪華な園舎が特徴で、誠一郎が初めて訪れた時は教会の大聖堂とカン違いしたほど。内部も非常に広く、教室や遊戯室、シアタールームのほかに、ニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世がペットとして連れてきた象やライオン、ワニを飼育する部屋やトマトなどの野菜を栽培する温室、さらに土産物を売っているショップや園長が秘密裏に造った隠し部屋まで存在する。大富豪の子息や令嬢が通っているために万全の警備が敷かれており、警備員はリーダーの桑染をはじめ、園児の一人である鐵銀樹の父親が会長を務めているグループから派遣されている。

その他キーワード

キャンプ旅行 (きゃんぷりょこう)

エトワール幼稚園で、4月の終わりに開催されるイベント。毎年、園児や保護者同士で交流を深めるため、親子参加型のイベントが行われている。従来は園長がイベントの内容を決めていたが、雪山貸し切りスキー遠足や豪華客船クルージング遠足など、めぼしいものを一通りやりつくしてしまっており、今年は何をやろうか悩んでいた。そこで青乃誠一郎が、園児と保護者、先生たちが力を合わせて、料理やテント設営をする催しを提案したことで、エトワール幼稚園の私有地を利用したキャンプ旅行を行うことが決まる。旅行には、園児と先生たちのほか、ニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世の両親であるバーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世やニキママ、灰聖兄弟の父親、緋沙月朱杏の母親である緋沙月あんじゅが参加した。鐵銀樹と桃園りりあは、両親が不参加となったため誠一郎から気を遣われていたが、銀樹が父親から預けられた豪華なテントをりりあと共に立て、その中で優雅な時間を過ごす。また、バーガンディーがニキやニキママから気に入られている誠一郎を敵視したこともあったが、共に過ごしたことである程度認めるようになる。

夏祭り (なつまつり)

エトワール幼稚園で、7月の中旬に敷地内で開催されるイベント。開催中は参加者に対して園内の多くの施設を開放し、自由に見学できる。園児たちの保護者のほか、園児から招待状を渡された人が参加可能で、バーガンディー・カーディナル・シャルラッハⅡ世とニキママが参加したほか、桃園りりあの母親である桃園まりあも姿を見せた。さらに、課外教育で園児たちがお世話になったお花屋さんや駄菓子屋さんも招かれ、中でもお花屋さんは、あこがれているまりあと実際に会えたことで、舞い上がっていた。当初は園児たちからコスメショップや脱出ゲーム、サファリパークを希望されたが、およそ実現が不可能だろうと見送られ、だるま落としやもぐら叩き、射的などが行われた。そんな中、園長はお化け屋敷を一人で作り上げたが、その内容があまりに本格的過ぎたため、怖いもの知らずのニキ・カーディナル・シャルラッハⅢ世すら恐怖を覚えたほど。

SHARE
EC
Amazon
無料で読む
マンガリスト
logo