斉木楠雄のΨ難

斉木楠雄のΨ難

斉木楠雄は強大な力を持つ超能力者だが、平穏に生きるため能力を隠し普通の高校生として日々を送っている。しかし家族や友人によって面倒事に巻き込まれ、人知れず解決に苦心することになる。2011年、集英社「週刊少年ジャンプ」に読切『超能力者 斉木楠雄のΨ難』として掲載。その後『斉木楠雄のΨ難』と改題して同誌2012年24号から2018年13号まで連載された。

正式名称
斉木楠雄のΨ難
ふりがな
さいきくすおのさいなん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
全26巻完結
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概要・あらすじ

斉木楠雄は超能力を持つ男子高校生。強力かつ様々な能力を持ち、ほぼ何でもできるため世界征服などの野心も持たず、平穏な暮らしを望んでいる。しかし、厄介事を起こしがちなクラスメイトに限って彼を気に入り絡んでくるため、楠雄は超能力が発覚しないよう苦心しながら、日常に起こる様々なトラブルを解決していく。

登場人物・キャラクター

斉木 楠雄 (さいき くすお)

『斉木楠雄のΨ難』の主人公で超能力者。PK学園高校に通う高校生。世界征服も容易な程の超能力を持つが、なまじ何でもできるために俗な欲望には興味がなく、平穏な日常を守ることに腐心している。家族以外には超能力のことを自ら明かそうとはしない。他人のことは常に冷めた目で見ている一方、義理堅く、困った人を見捨てられない一面もある。

斉木 楠子 (さいき くすこ)

『斉木楠雄のΨ難』の主人公斉木楠雄が、変身能力で自らの肉体を女性化した姿。ピンク色の髪や眼鏡は楠雄とほぼ同じだが、頭部の制御装置は見えなくなっている。照橋心美たちを誤魔化すため、楠雄の妹ということになった。

斉木 國春 (さいき くにはる)

楠雄の父だが超能力は持っていない。だらしない性格で、困ったことがあるとすぐ楠雄の超能力に依存したがる。職業は雑誌編集者。

斉木 久留美 (さいき くるみ)

楠雄の母だが超能力は持っていない。性格は温厚で優しく、息子の超能力を知っていながら私欲に使う事も恐れることもなく、裏表のない愛情をもって接している。ただしキレた時の剣幕は楠雄も少し恐怖を感じるほど。

燃堂 力 (ねんどう りき)

楠雄を「相棒」と呼ぶほど気に入っており、よく行動を共にしたがる。凶悪そうな人相で、言動が粗野で頭が悪いため誤解を受け易く、意図的には悪事を働かないにもかかわらず不良扱いされている。体力と運動能力が高いため、頭を使わない競技ならかなり優秀。性格は義理堅く、人情家。

海藤 瞬 (かいどう しゅん)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で楠雄のクラスメイト。中二病を患っており、世界は秘密結社ダークリユニオンに狙われ、自分はその組織に対抗している、との妄想を抱いている。クールでミステリアスな男を演出しようとしているが、根は内気で優しげな印象を持たれている少年。他人と距離を取りたがる楠雄へ一方的に共感し、行動を共にするようになった。 運動能力はかなり低い。

灰呂 杵志 (はいろ きねし)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で、楠雄のクラスの学級委員長。何事にも真剣に取り組むことを良しとする熱血漢で、嫌われ者や周囲から浮いた人物にも分け隔てなく接する。クラスメイトの信頼が厚いため、熱中すると周囲を巻き込んで盛り上がってしまうことが多い。燃堂を良き競争相手としている一方、何事にも本気を出そうとしない楠雄を気にかけてもいる。

照橋 心美 (てるはし ここみ)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で、楠雄のクラスの女子生徒。容姿端麗であり、PK学園高校の内外に熱烈なファンを持つマドンナ的存在。自分の魅力を自覚しており、異性を意のままに操ることを楽しんでいる。自分に関心を示さない楠雄を何とか振り向かせようとするが、そのうちに自分が楠雄へ好意を抱くようになる。

夢原 知予 (ゆめはら ちよ)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で、楠雄のクラスの女子生徒。惚れっぽく、最初の彼氏と別れて以来、楠雄や海藤などに次々と片思いをしている。目良千里と仲がよく、修学旅行以来、照橋心美とも交流がある。

目良 千里 (めら ちさと)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で、楠雄のクラスの女子生徒。家庭が貧乏で、家族を養うため多数のバイトをしている。真面目で善良な性格だが、金銭と食物への執着から我を忘れる事がある。夢原千代と仲がよく、修学旅行以来、照橋心美とも交流がある。

鳥束 零太 (とりつか れいた)

霊を見て意思疎通ができる霊能力者であり、霊からの情報で楠雄の超能力を知った。打算的で異性や金への欲望が強く、超能力を利用するため楠雄に弟子入りしようとした。のちにPK学園高校に転入し、楠雄の隣のクラスに入る。

斉木 空助 (さいき くうすけ)

楠雄の兄でイギリス在住。飛び級でケンブリッジ大学に入り、平行世界ではタイムマシンを発明する天才発明家だが、幼少期から楠雄にはあらゆる勝負で勝ったことがない。劣等感から手段を選ばず弟を負かそうとしているように見えるが、実は弟を溺愛しており負ける事をも楽しんでいる。 楠雄の制御装置も彼の発明品。

窪谷須 亜蓮 (くぼやす あれん)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で、楠雄のクラスへの転校生。関東一の暴走族の総長だったが真面目に生きる事を決意し、PK学園高校に入学して普通の高校生として振舞おうとする。海藤瞬と友達になり楠雄たちとも交流するが、暴走族的な思考が抜けきらず、しばしば周囲との間にギャップが生まれる。海藤と楠雄に暴走族の過去を告白し、のちにクラス全体へ知られることになるが、概ね受け入れられている。

照橋 信 (てるはし まこと)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で、照橋心美の兄。容姿端麗で「六神通」という芸名のトップアイドルだが、妹を溺愛しており近づく男、特に楠雄を激しく敵視する。アイドルのイメージを維持するため、表面上は常に爽やかな好青年の態度を保っている。

才虎 芽斗吏 (さいこ めとり)

『斉木楠雄のΨ難』の登場人物で、楠雄のクラスへの転校生。大財閥の御曹司で、照橋心美に一目惚れしてPK学園高校に転入した。金の力にあかせて心美にプロポーズするが断られ、逆恨みから楠雄たちに嫌がらせをした。楠雄たちに屈した後もPK学園高校に留まり、時折楠雄たちを金の力で抱き込もうと工作を仕掛けてくる。

集団・組織

PK学園高校 (ぴーけーがくえんこうこう)

『斉木楠雄のΨ難』の主な舞台となる高校。普通の共学校だが、なぜかクラスの番号が「○(1)」「+(2)」「巛(3)」「□(4)」「☆(5)」というESPカードの記号で表されている。

その他キーワード

制御装置 (せいぎょそうち)

『斉木楠雄のΨ難』の主人公斉木楠雄の頭部に2つ刺さっている、アンテナ状の装置。歳を重ねるごとに強くなる楠雄の超能力を抑えるため、小5の頃から装着された。楠雄が自分の意志で短時間外すだけなら問題は起こらないが、突然外されると楠雄の意識が無くなり、暴走した超能力で世界が滅亡の危機を迎える。発明者は楠雄の兄の空助。

マインドコントロール

『斉木楠雄のΨ難』の主人公斉木楠雄の主な超能力の1つ。不自然な事でも自然な事であると、全人類に思い込ませる事ができる。影響が大きすぎるため楠雄は極力使用を控えているが、これにより制御装置やピンク色の髪が周囲に受け入れられている。他にも「怪我が次のコマでは治っている」などの漫画特有な現象が、『斉木楠雄のΨ難』においてはマインドコントロールによるもの、と説明されている。

テレパシー

『斉木楠雄のΨ難』の主人公斉木楠雄の主な超能力の1つ。他人の思考を「受信」できるが選択はできず、楠雄は常に他人の思考を聞かされ続けている。危険の回避には役立つが、何も考えずに行動する燃堂には通用しないため、楠雄は燃堂を最も警戒している。他人に楠雄の意志を伝える「送信」は自在に選択可能。 ゲルマニウムを含む物質を着用している間は、この能力が遮断される。

テレポート&アポート

『斉木楠雄のΨ難』の主人公斉木楠雄の主な超能力。物体を瞬間的に別の空間へ移動させる能力だが、楠雄は近くの物体を別の空間に送るテレポートと、遠くの物体を引き寄せるアポートを別々に行えず、ほぼ同価値の二つの物体を位置交換させることではじめて成立する。人間など、値段のつけられない物は0円として判定される。

念力 (さいこきねしす)

『斉木楠雄のΨ難』の主人公斉木楠雄の主な超能力の1つ。意思の力で物を動かしたり、破壊したりできる。楠雄の場合、この力を強くするのは得意だが、日常的な軽い動作に合うよう調節する事は苦手としている。

変身能力 (とらんすふぉーめーしょん)

『斉木楠雄のΨ難』の主人公斉木楠雄の主な超能力の1つ。肉体の細胞を操作して他の姿になることができる。変身完了までの所要時間は2時間。女性化した時の姿がのちに斉木楠子として周囲に知られるようになる。人間以外の動物にも変身できるが、その間は超能力の制御が難しくなる。

書誌情報

斉木楠雄のΨ難 全26巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2012-09-04発行、 978-4088705040)

第26巻

(2018-08-03発行、 978-4088815398)

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