クールドジ男子

クールドジ男子

一倉颯、二見瞬、三間貴之、四季蒼真の四人は、クールに決めたイケメンだが、実際はドジばかりやらかすクールドジ男子だった。それぞれに性格の違う男子たちが、ドジを踏みながらもクールに決めて周囲を癒す。短所が長所な、放っておけない愛され男子の日常をフルカラーで描いたコメディ。「ガンガンpixiv」2019年6月から掲載の作品。コミックス各巻には、描き下ろしのエピソードも収録されている。

正式名称
クールドジ男子
ふりがな
くーるどじだんし
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
日常
レーベル
ガンガンコミックスpixiv(スクウェア・エニックス)
巻数
既刊5巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

大学生の一倉颯は、無個性な自分の将来が見えず、ドジばかりやってしまう自分のかっこ悪さを悲観していた。コンビニエンスストアではレジで商品を差し出すつもりが財布を渡したり、買い物では財布を忘れてしまったりと、何かをやらかしては表面上はクールに決めつつも内心は恥ずかしさで悶絶していた。そんな颯が、偶然見かけたイケメン高校生の二見瞬も、実はかなりのドジ男子だった。何事にもストイックな瞬は、自分のドジを絶対に認めず強がるタイプ。今日もイヤホンジャックが抜けたまま、大音量で音楽を流しながら電車に乗ってしまう。一方で、いかにも仕事ができそうな三間貴之は、自分のドジにすら気づかない無自覚なドジ男子だった。彼は仮眠を取るため、おでこにアイマスクを付けたことを忘れて会議に参加してしまい、そのドジぶりで周囲の疲れた心を癒す。そんな貴之の先輩である四季爽太には、ドジっ子の弟の四季蒼真がいた。自分のドジがすぐ笑いのツボに入ってしまう蒼真は、左右違う靴下をはいてきてしまったことに気づかず、友人に指摘されて思わず笑ってしまう。そんな彼らはさまざまなつながりをたどり、運命の出会いを果たす。

第2巻

クールでイケメンだけど目も当てられないドジ男子の一倉颯二見瞬三間貴之四季蒼真の四人は、偶然にもmawarimichi cafeに集結することになる。瞬は学校の定期テストで赤点を取ると、部活の練習に出られなくなるため、先輩から釘を刺される。ハンドボールの大会を目前に控えていたこともあり、勉強の苦手な瞬は、みんなからの声に反発するようにオール100点を目指すと豪語し、その場をあとにする。翌日、いつものようにカフェへと足を運び、勉強を始めようとした瞬は、さっそく昨日の言葉に後悔していた。見かねた姉のあさみは、カフェのアルバイトに採用したばかりの颯が、枸橘大学に在籍していることを思い出し、出勤してきた颯に瞬の勉強を見てあげてほしいとお願いする。颯は、出勤初日から思いがけず家庭教師をすることになってしまったことに首をかしげつつも、初対面の瞬に勉強を教え始める。瞬は、どこがわからないのかもわからないという絶望的な状況で、始めた途端に途方に暮れる二人だったが、颯のクールな指導と瞬の集中力が相乗効果を生み、ぐんぐんと勉強の成果を上げていく。そして颯は、勉強を教えながらカフェの仕事を覚えていくにつれ、蒼真とも打ち解けていき、そこに貴之も加わる。共通点はドジ男子というだけで、まったく違う年齢と性格のクールな四人の毎日は、ますますにぎやかなものになっていく。

登場人物・キャラクター

一倉 颯 (いちくら はやて)

枸橘大学に通う男子大学生。4月24日生まれで、年齢は20歳。親戚が海外出張で不在のあいだ、管理費のみでマンションに住まわせてもらっており、豪華なマンションで一人暮らし中。身長175センチ、体重60キロ。そこそこのイケメンだが、コンビニエンスストアで商品とまちがえて財布を出してしまったり、道をまちがえたり、オフショルダーの服を着た女性に「服、ずり落ちてますよ」と注意してしまったりと、何かとドジな振る舞いが多い。やらかしたことに関しては、恥ずかしいと感じて、次は気を付けようと素直に反省するタイプ。しかし、次はまた別の失敗を犯してしまい、結局同じことを繰り返している。大学2年になった今、無個性な自分の進むべき道が見えずに、将来について思い悩んでいる。現在は居酒屋でアルバイトをしているが、もともと人付き合いが苦手な性格で、客に巻き込まれることが多く、お店が学生飲み会の定番として使われるようになり始めたため、退職することにした。その後、あさみが営むカフェ「mawarimichi cafe」でアルバイトを始め、四季蒼真と知り合うことになる。何かをやらかした時に、明るく回避できる人の方がクールでかっこいいと思っているが、自分がいざ実行に移すときに限って、裏目に出てしまうことが多い。小動物が大好きで、実家では「あんこ」と「きなこ」という名の二匹のハムスターを飼っている。コンビニエンスストアスタッフの小林から割引クーポンをもらったことがきっかけで、小動物カフェを訪れた際、男性一人での入店に抵抗があって困っていた三間貴之から声を掛けられ、いっしょに入店することになった。貴之とカフェでの時間を過ごしたことで、彼の大人の男性としての余裕ある雰囲気にあこがれを抱くようになる。その後、貴之とはアルバイト先で再会を果たし、友人として関係を築いていく。二見瞬とは、あさみを通してアルバイト先で知り合い、勉強を教えることになった。男子高校出身のため、女性が苦手。

二見 瞬 (ふたみ しゅん)

男子高校生。7月7日生まれで、年齢は17歳。身長178センチ、体重68キロ。学校ではハンドボール部に所属している。スポーツ全般が得意な運動神経抜群のイケメンだが、勉強は苦手。イヤホンのジャックがスマートフォンから抜けていることに気づかず、音楽を大音量で流したまま電車に乗ってしまったり、球技大会で背番号のビブスを裏表逆に着てしまったり、自宅で飼っている犬にリードを付けず散歩に出ようとしたりと、何かとドジな振る舞いが多い。やらかしたことに関して、無表情でごまかし、絶対に認めることなく強がるストイックなタイプ。同じ学校の女子生徒たちからは、そんな風に強がるところと、見た目からのギャップがかわいいともてはやされているが、かわいいと言われることに二見瞬自身は抵抗があり、不本意に感じている。姉のあさみが「mawarimichi cafe」を営んでおり、何かあったときには愚痴を聞いてもらいに顔を出しに行っている。犬の散歩に出かけた時、公園で四季蒼真と知り合い、なかよくなった。どんなドジも笑って流す蒼真の態度に、余裕があって強そうという印象を持ち、そんな彼を内心リスペクトするようになる。学校のテストで赤点を取ると部活で練習に参加できなくなるため、赤点回避を目的に、姉のカフェでアルバイト中だった一倉颯から勉強を教わることになる。周囲からは理解されないタイプの曲が多い、五十嵐の音楽を好んで聞いている。

三間 貴之 (みま たかゆき)

社会人の男性。10月6日生まれで、年齢は27歳。瘦身のイケメンで身長182センチ、体重62キロ。基本的にコンタクトレンズを使用しているが、朝寝坊して準備に時間がないときは眼鏡を掛けている。もともと眼鏡に慣れているため、眼鏡を掛けていない時でも、頰や耳の付近を触って眼鏡を上げるしぐさをしがち。ほかにも、仕事中アイマスクをおでこにしたまま仮眠室で眠り、そのまま気づかずに仕事に戻ってしまったり、飲み会で先輩である四季爽太の分の焼き鳥を食べてしまったりと、クールな見た目とは裏腹に、何かとドジな振る舞いが多い。やらかしたことに関して無自覚なため、なんの痛みも感じていないタイプ。いつも癒しを求めているが、三間貴之自身が疲れていることには気づいていない。見た目のクールさと、ドジな中身にギャップ萌えを感じる人は多く、社内の女性だけでなく、男性たちからも隠れた人気がある。猫舌で、コーヒーを飲むときすら、ふーふーと連発で吹いてはちょっとずつしか飲めない。

四季 蒼真 (しき そうま)

専門学校生の男性。1月21日生まれで、年齢は19歳。四季爽太の弟。身長167センチ、体重55キロと小柄で細身のかわいい系イケメンのため、高校生とまちがわれることが多い。左右違う靴下をはいてしまったり、曲がるストローと気づかず、曲がる方をグラス内に差し込んでいたりと、何かとドジな振る舞いが多い。やらかしたことに関しては即座に受け入れ、むしろそんな自分がおかしくて仕方なく感じてしまう前向きなタイプ。笑いの沸点が低く、すぐツボに入ってしまうために、自分のドジを思い出しては笑いをこらえていることがよくある。専門学校のビジュアルデザイン科に通っているが、四季蒼真自身に秀でたものがなく、将来に向けてやりたいことも決まっていないため、模索している。あさみが営むカフェ「mawarimichi cafe」でアルバイトをしており、スタッフ募集のチラシは彼が手掛けたもの。カフェのまかないがおいしいことが一番の魅力と感じていて、チラシの内容はまかないについての情報がメインになってしまっている。写真を撮ることが好きで、カメラを手に公園を歩いていた際、二見瞬と知り合い、意気投合。ドジをやっては笑ってばかりの自分に比べ、瞬のクールに流しているさまに、かっこよさを感じている。アルバイト先にあとから入ってきた一倉颯とは、瞬も含めて意気投合し、なかよくなっていく。現在は兄と二人暮らし中で、日常的に食事を作ったり、疲れていそうなときには弁当を用意してあげたりすることもある、兄思いな一面を持つ。

五十嵐 (いがらし)

音楽活動を生業にしている男性。ある日、道を歩いていた際に自分が作った歌を口ずさむ青年、二見瞬を目撃しひそかに嬉しさをかみしめる。待ち合わせ場所をまちがえたり、そのせいで待たせた相手に「ため息は幸せが逃げるよ」とカンちがいな発言をすることもあったりする、マイペースな性格のドジ男子。

小林 (こばやし)

コンビニエンスストアでアルバイトをしている女性。お店の常連客である一倉颯の、うっかりドジによく直面している。イケメンなのにドジなところをかわいいとさえ思っており、「クールドジなお兄さん」と呼び、ひそかに癒しを感じている。

あさみ

二見瞬の姉で、「mawarimichi cafe」を営んでいる。常日頃から弟のドジで素直なところがかわいいと感じている。ふんわりとした雰囲気を漂わせた優しい女性で、人を褒めるのがうまい。ホールのアルバイトをお願いしている四季蒼真には、写真やデザインの能力を買って、スタッフ募集のチラシ作成を依頼した。思いがけず、まかない情報がメインのチラシになってしまったが、それによってまかないの食事の満足度が高いことがわかり、内心とても喜んでいる。そのチラシを見てアルバイトに応募してきた一倉颯を面接した際、志望動機にまかないがおいしそうだからと言ったことで、一発採用を決めた。

四季 爽太 (しき そうた)

四季蒼真の兄で、三間貴之と同じ会社に勤めている。貴之の先輩にあたり、日常的に貴之といっしょに行動し、仕事上の指導を担っている。明るく気さくな性格だが、貴之からは若干面倒くさがられている節もある。貴之のドジぶりを、よく目の当たりにするため、心の中でツッコミを入れている。クールな見た目とのギャップ萌えには、かなり好意的に見ており、同僚の女子社員と話が盛り上がってしまうほど。最近、自分の疲れを自覚せず、癒しばかり求めている貴之を心配していて、嫌がる貴之を強引に飲みに誘い、自らを癒すためのアドバイスをした。しかし結局、貴之を差し置いて勝手に泥酔してしまい、介抱させることになった。その後、近くにいた弟と合流し、帰路に就くが、弟も貴之以上にドジっ子のため、そのかわいさに内心とても癒されている。仕事に関してはかなりストイックに取り組むタイプで、集中しすぎると睡眠も食事も後回しになりがち。そのため、自宅でもパソコンから目を離さず、味覚までおかしくなってしまっている様子を見た蒼真からは、かなり心配されている。人のことをよく見ている反面、自分のことに関しては雑。

りりか

三間貴之の姉の子供で、貴之の姪にあたる。まだ幼いが、母親が用事を済ませるあいだ、貴之に預けられることになった。おしゃべりが大好きで、母親から聞いた話を延々と話し続ける。公園でお弁当を食べたあと、滑り台で遊んでいた際に滑り台の頂点で立ち上がり、落ちそうになったところを、二見瞬に助けてもらった。

黒崎 (くろさき)

枸橘大学に通う男子大学生で、一倉颯の友達。左頰を赤くした状態で登校し、付き合っている彼女から浮気を疑われたあげくに殴られ、ふられたことをあっけらかんと話した。それを無理やり理由に仕立て上げ、嫌がる颯を強引に合コンに誘った。男子高校出身を理由に女性が苦手と言い張る颯に、なかよくなるには慣れが大事とアドバイスを送る。クールなモテ要素をいくつも持っている颯を、自分にプロデュースさせてくれたら、モテモテにさせる自信があると豪語した。

ミキ

S大に通う女子大学生。合コンに参加した際、一倉颯の雰囲気に一目で魅了された。颯がトイレに立った時に自分もいっしょに席を立ち、颯が出てくるのを待って話し掛けるが、マンションに行ってみたいと言うと、散らかっているからと断られ、連絡先を教えてほしいと言うと、スマートフォンが壊れたから教えられないと断られた。颯は何も考えずに本当のことを言っただけだったが、ミキはうまく逃げられたと感じ、遠回しに断られたと認識する。合コン終了後、ふられたことを友達に報告して号泣した。

場所

mawarimichi cafe (まわりみちかふぇ)

あさみが営んでいるカフェ。雰囲気がよく、居心地がいいことで人気がある。「mawarimichi cafe」の一番の売りはなぜかまかないの食事。スタッフ募集のチラシには、まかないの情報の方が多く書いてあり、カフェのチラシとは一見してわからないほど。アルバイトの四季蒼真がホールを担当し、その後に一倉颯も加わった。三間貴之は、同僚から勧められてカフェを訪れ、知り合いだった颯と偶然の再会を果たした。あさみの弟の二見瞬は、日常的に店で食事をしたり、愚痴を言ったりと自分の家のように使っている。そのためにアルバイトの二人と、常連客となった貴之とも顔なじみとなり、颯からは店の一角で勉強を教わることになった。いつも和気あいあいとした、アットホームで温かい場所となっている。

書誌情報

クールドジ男子 5巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスpixiv〉

第1巻

(2019-06-22発行、 978-4757559349)

第2巻

(2020-03-21発行、 978-4757565449)

第3巻

(2021-01-22発行、 978-4757568211)

第4巻

(2021-11-22発行、 978-4757575851)

第5巻

(2022-09-22発行、 978-4757581500)

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