概要・あらすじ
新世闇軍団を正義の頑駄無軍団が打ち倒した戦いから十数年。かつて世界を救った英雄、飛駆鳥大将軍の弟である舞威丸は、武者號斗丸へと成長し天宮へと帰ってきた。だが、天宮では號斗丸が尊敬していた飛駆鳥大将軍による圧政が行われており、多くの民が苦しめられていた。その真意を確かめるべく、兄のいる烈帝城へと潜入する號斗丸。
だがそこで號斗丸が見たのは、我が物顔で国を支配しようとする、完全に人が変わってしまった兄の姿だった。彼に命を狙われておたずね者となった號斗丸は、鉄機武者鋼丸をはじめとする様々な武者たちの力を借りながら、師匠である爆流頑駄無の言葉に従い、頑駄無軍団に対抗するための新たな力が眠るとされる俄雲乱土の地を目指す。
登場人物・キャラクター
武者號斗丸 (むしゃごっどまる)
天下一の武芸者を目指して各地をさすらう武者。その正体は世界を救った英雄として知られる飛駆鳥大将軍の弟、舞威丸。號斗丸は長い修行の旅を経て、舞威丸が成長した姿である。かつては勉学とは対照的に剣術は不得意だったが、現在では熱破刀・爆烈刀という二刀流を使いこなし、兄にも引けをとらない実力を身につけている。彼の才能に早くから気づいていた爆流頑駄無は師匠とも呼べる存在で、號斗丸が旅立つ前には、爆流がそれまで得てきた知識や戦いの秘術が詰まった水晶「炎水の珠」を託されている。 この「炎水の珠」の力を借りることで、心のパワーが最高に達した時、「爆熱の陣」と呼ばれる號斗丸最強の形態へと変身することができる。修行の旅を終え故郷である天宮へと戻った後は、暴君と化した兄を止めるため、新たな力が眠るとされる俄雲乱土へと旅立つ。 刀に炎を宿らせて斬りつける、「熱火爆輪斬」が必殺技。
鉄機武者鋼丸 (てっきむしゃはがねまる)
爆流頑駄無によって作られた人造武者。武者號斗丸とは幼い頃からともに修行をした仲。飛駆鳥大将軍の配下に追われ、深手を負った號斗丸を助ける形で再会する。感情が高ぶると巨大な金剛鋼丸形態へと変形しパワーアップするが、力を制御しきれずに暴走してしまうこともある。同じ人造武者である鉄機武者爆進丸とは、ともに爆流頑駄無に作られた兄弟のような関係。
輝龍頑駄無 (きりゅうがんだむ)
天宮の隣国である影舞乱夢から来た武者。武術大会で影舞乱夢の英雄である叔父の蒼龍頑駄無を倒すほどの実力の持ち主だが、国一の暴れん坊としても知られる。本当の強さを身につけるため、世界を救ったとされる武者と戦うために天宮へとやってきた。珍しい二刀流の使い手である武者號斗丸に勝負を挑み、戦い中で互いを認め合う。その後、天宮の平和が脅かされている話を聞かされ、號斗丸たちの旅に同行することになる。
武者真紅主 (むしゃまっくす)
異国からやってきた武者。賞金稼ぎで生計を立てており、飛駆鳥大将軍に雇われ武者號斗丸の命を狙う。困っている女性を見ると放っておけない性格で、飛駆鳥大将軍の配下に追われていた農鈴を助けたことで頑駄無軍団と決別することになる。普段は二丁拳銃を使うが、本気になると「ギガクラッシュフォーメーション」に変形し、拳が主体のボクサースタイルに戦い方が変化する。
武者鷺主 (むしゃろーず)
異国からやってきた武者。当初は序武留隊に所属し、武者序武留らとともに武者號斗丸を追いかけていた。騎士の家系の出身で正々堂々とした戦いを好み、味方ごと攻撃することも厭わない卑劣な序武留を見かねて、頑駄無軍団を離脱する。その後はしばらく姿をくらませていたが、鉄機武者鋼丸と輝龍頑駄無の窮地を救う形で、號斗丸たちに合流する。 ボウガンと剣型に形態を変えるサポートメカ「キャリバード」を使って戦う。
武者冒流刀 (むしゃぼると)
異国からやってきた武者。巨大な矛を使いこなし、武者號斗丸を軽々と投げ飛ばすほどの怪力の持ち主で、当初は飛駆鳥大将軍の命を受け、號斗丸の敵として立ち塞がった。互角の戦いの末、必殺技である「ライトニングトルネード」を號斗丸が破ったことで、その強さを認め、好敵手として再戦を誓い合う。ひたすらに強さを追い求めるストイックな性格で、卑怯な戦い方を嫌う。 人質を使って號斗丸を倒そうとした武者序武留のやり方に反発し、頑駄無軍団と敵対することになる。
飛駆鳥大将軍 (びくとりーだいしょうぐん)
武者號斗丸の兄にあたる。7人の超将軍らとともに世界を救った英雄としても知られ、新世闇軍団の首領である魔殺駆が復活した際にも、たった1人で打ち倒している。その後は父の跡を継ぎ、頑駄無軍団を率いて天宮を治めていたが、魔星頑駄無に敗れて石像にされ、自身に成り代わられてしまう。 その結果、頑駄無軍団は暴力で民から金品を巻き上げる粗暴者の集団となっていく。
武零斗頑駄無 (ぶれーどがんだむ)
天宮「影の忍者軍」の頭領。武者號斗丸達が窮地に陥ると、どこからともなく現れて手助けをしてくれる謎の多い存在。機動武神天鎧王や伝説の神具といった神の遺産についても詳しく、號斗丸たちを導いていく。剣術の腕前は超一流で、時折なぜか號斗丸のことを舞威丸と呼ぶこともあり、號斗丸はその姿に飛駆鳥大将軍の面影を重ねている。
羽荒斗頑駄無 (ばーどがんだむ)
天帝の使いとして現れた武者。強大な力を持っているが、掟により地上の争いに手を貸すことができない。だが機動武神天鎧王を乗っ取った魔星頑駄無に苦戦する武者號斗丸たちを見捨てることができず、天帝の遺産である機動天空城を呼び出し、號斗丸に超機動大将軍を託す。元々は天宮出身の武者で、飛駆鳥大将軍とは旧知の仲。
魔星頑駄無 (ますたーがんだむ)
飛駆鳥大将軍に成り代わり、天宮の国を支配していた武者。武者序武留らと頑駄無軍団を使い、邪魔な存在である武者號斗丸たちを始末しようとしていた。その正体は號斗丸の育ての親である轟天頑駄無の弟。本来なら天宮の国を治めるはずだったが、新世大将軍にその立場を奪われたことで、その息子である號斗丸たちに恨みを抱くようになり、今回の事件を引き起こした。 羅将天国途、羅将愚嵐怒、羅将宇折堕が合体した姿である、合身羅将風雲再起に騎乗して戦う。機動武神天鎧王と合体することで、覇道大将軍となる。
爆流頑駄無 (ばくりゅうがんだむ)
かつて飛駆鳥大将軍とともに天宮を救った、超将軍と呼ばれる伝説の武者の1人。武者號斗丸の師匠にあたる。舞威丸の才能に早くから気付いており、自身の知識や戦いの秘術が詰まった水晶「炎水の珠」を託す。さまざまなからくりを発明する優れた知力の持ち主でもあり、鉄機武者鋼丸や鉄機武者爆進丸といった人造武者も生み出している。 豹変した飛駆鳥大将軍の様子を探るため、烈帝城に向かい行方不明となる。
武者序武留 (むしゃじょんぶる)
お訪ね者となった武者號斗丸の捜索を担当する、頑駄無軍団序武留隊の隊長。目的のためには手段を選ばない卑劣漢で、號斗丸を倒すために味方である武者冒流刀ごと攻撃を加え、部下であった武者鷺主から見限られている。魔星頑駄無の腹心的な存在であり、彼が飛駆鳥大将軍の姿を偽っていることも知らされていた。 その後も魔星の指示に従い、號斗丸たちを付け狙う。
農鈴 (のーべる)
天宮の隣国である赤流火穏の領主、頑駄無阿修羅王の娘。天宮の国の文化を学ぶために烈帝城を訪れた際、飛駆鳥大将軍が魔星頑駄無に石にされる現場を目撃してしまう。その後は赤流火穏に対する人質として魔星に捕らえられたが、隙を見て逃げ出したところを武者號斗丸たちと出会う。崖から転落しそうになったのを助けられた時には、號斗丸に対して好意を覗かせたこともある。
鉄機武者爆進丸 (てっきむしゃばくしんまる)
鉄機武者鋼丸とともに、爆龍頑駄無によって作られた人造武者。後日談である番外編「鋼の赤鬼」に登場。鋼丸と異なり、ロボットのように感情の起伏が少ない。それを心配した爆龍の命で修行の旅へと出ていた所を、闘覇五人衆と出会う。「怒り」の感情だけは既に持っており、それが高まると鋼丸と同じく巨大な人型である金剛爆進丸形態に姿を変えることができる。 ただし金剛爆進丸形態となると、怒りに支配されるあまり完全に自我を失って暴走してしまう。
集団・組織
闘覇五人衆 (とうはごにんしゅう)
武者號斗丸、輝龍頑駄無、武者真紅主、武者鷺主、武者冒流刀の5人の総称。俄雲乱土に辿りついた5人は、機動武神天鎧王から天宮の救世主となるための金色の武具を授けられ、闘覇五人衆となっている。なお金色の武具の力を発揮するには、炎のように燃える闘志と水のようにすんだ心を併せ持つ「炎水の境地」に達する必要があり、5人は武零斗頑駄無との修行の末にこれを会得している。
頑駄無軍団 (がんだむぐんだん)
飛駆鳥大将軍が率いる武者たちの軍団。長い歴史を持ち、常に天宮の平和を守ってきた正義の軍団として知られていた。だが現在は飛駆鳥に成り代わった魔星頑駄無によっていいように利用されており、民からは疎まれる存在となっている。武者鷺主、武者序武留といった武者の他にも、武志や野武志と呼ばれる一般兵によって構成されているが、個々の実力はそれほど高くない。
場所
天宮 (あーく)
飛駆鳥大将軍が治める武者たちの国。首都は大将軍の居城である烈帝城が存在する街、破悪民我夢。周囲を海に囲まれた島国で、国土の形状や文化など過去の日本に酷似した点が多い。超将軍達が新世闇軍団を倒した後は平和が訪れていたが、魔星頑駄無が飛駆鳥大将軍に成り代わってからは国は荒れ果て、不穏な空気に包まれている。 「SD戦国伝」シリーズを通じて、ほぼすべての作品で主な舞台として登場している。
その他キーワード
超機動大将軍 (ちょうきどうだいしょうぐん)
天帝の力が宿る「天の鎧」である機動天空城が武者號斗丸と一体化した姿。その大きさは、鉄機武者鋼丸の金剛鋼丸形態を上回るほどに巨大。主に刀を使って戦うが、脚部は6門の大砲が備えられ、背中の巨大な羽を用いての攻撃も可能。人型サイズの敵を相手にするのには向いていないようで、一体化を解除して號斗丸に戻って戦うこともあった。
機動武神天鎧王 (きどうぶじんてんがいおう)
天の武人が遺したとされる遺産。ガンダムの頭部のような石像の姿で俄雲乱土に眠っていた。天宮の危機を察知し、本来の巨大な人型へと姿を変えて武者號斗丸らとともに戦う。魔界の扉を封じるための魔封形態に変形することもでき、たった1人で魔星頑駄無率いる軍勢を食い止めていた。だが、その力を欲した魔星によって乗っ取られ、覇道大将軍の一部となってしまう。