大長編ドラえもん9 のび太の日本誕生

大長編ドラえもん9 のび太の日本誕生

のび太と仲間たちが、原始人の少年ククルと出会い、原始時代を舞台に冒険を繰り広げるSFストーリー。『ドラえもん』の劇場版アニメ第10作目の公開に合わせて連載された大長編エピソード。大長編シリーズとしては9作目にあたる(映画9作目の漫画は執筆されなかった)。

正式名称
大長編ドラえもん9 のび太の日本誕生
ふりがな
だいちょうへんどらえもんきゅう のびたのにほんたんじょう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
てんとう虫コミックス(少年)(小学館)
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概要・あらすじ

ドラえもんのび太たちは各々の理由で家出するが、現代はどこも管理された土地のため、行く場所がない。ならば人間が住んでいない時代に行こうと考え、タイムマシンで原始時代に家出を決行。新しい遊び場を手に入れたのび太たちは、悩みも吹き飛び一旦普段の生活に戻ることにするが、再度原始時代に向かう際、現代で原始人の少年ククルに出会う。

原始時代から来たという彼は、村をクラヤミ族と精霊王ギガゾンビに襲われたという。村の仲間たちを救うためククルのび太たちの冒険が始まる。

登場人物・キャラクター

野比 のび太 (のび のびた)

勉強も運動も苦手な小学4年生。昼寝が大好きで、あやとりと射撃では類まれな才能を発揮する。学校でも家でも叱られてばかりで嫌になり、家出を決意する。現在の日本国内は、どこもかしこも誰かが管理をしている土地であるため、人が住み始める前の時代なら暮らせると考え、ドラえもんや仲間たちとともにタイムマシンで7万年前へと旅に出る。 原始時代では、ペット大臣に任命され、ひみつ道具動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグを使い、一緒に暮らす動物として、ペガサスやグリフィン、リュウを作り出す。

ドラえもん

22世紀の未来から、のび太の孫のセワシによって送り込まれた猫型ロボット。お腹のポケットから様々な道具を出してのび太たちを助けてくれる、心強い味方。過去に耳を齧られたことから、ネズミが大の苦手。のび太のパパが、ネズミの仲間であるハムスターを連れて帰って来たため、のび太たちとともに家出をして、7万年前の世界に出かける。 原始時代では精霊大王ドラゾンビと名乗り、ひみつ道具を使ってギガゾンビやクラヤミ族と戦う。

源 静香 (みなもと しずか)

のび太たちのグループの紅一点。ピアノのレッスンが嫌になり、のび太たちと一緒に家出することを決意する。原始時代では環境庁長官に任命され、ひみつ道具花ぞのボンベを使い、花畑を育てる。皆でククルを助けた際は、看病をして食事を与えるなど、持ち前の優しさで協力している。

剛田 武 (ごうだ たけし)

のび太たちのガキ大将でいじめっこ。傍若無人な態度を取ることが多いが、ピンチの時には体を張って助けに来てくれるなど、友情に厚い性格。ものすごい音痴で、皆を困らせることが多い。母から言いつけられる仕事に嫌気が差し、のび太たちと一緒に過去の世界に家出することを決意。 原始時代では建設大臣を任され、ひみつ道具らくらくシャベルで洞窟を掘り、家を作った。

骨川 スネ夫 (ほねかわ すねお)

ジャイアンの腰巾着的立ち位置で、一緒になってのび太をいじめることが多い。家庭教師を全教科につけると言われたことから家を逃げ出し、のび太たちと一緒に原始時代に家出をすることにする。原始時代では農林大臣となり、ひみつ道具畑のレストランで色々な料理を作っている。

ククル

原始時代に暮らす少年。ヒカリ族という部族の村の生まれで、魚を獲って家に帰る途中に、時空乱流という穴に吸い込まれて現代に来てしまい、のび太たちに出会う。ドラえもんのひみつ道具で自分の時代に帰り、村の仲間たちを救うため、ドラえもんたちの力を借りてギガゾンビに立ち向かう。

ペガ・ドラコ・グリ (ぺがどらこぐり)

『大長編ドラえもん のび太の日本誕生』に登場する動物。のび太がひみつ道具、動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグを使って作った3体の動物。ペガは馬と白鳥を合わせたペガサス、ドラコはワニとシカとトカゲでリュウ、グリはワシとライオンのグリフィン。

ギガゾンビ

クラヤミ族やツチダマを操り、トコヤミの宮を完成させるために奴隷を集めている人物。いつも仮面をつけており、嵐や雷を操ると言われている。実際には23世紀から来た未来人で、過去を変えて歴史を作り変え、地球を支配しようとしている。

ツチダマ

ギガゾンビに仕えており土偶のような形をしている。片言でしゃべり、眼が光ると強力な衝撃波を周りに放つことができる。体はバラバラになっても自動的に元の形にくっつく「形状記憶セラミック」で出来ている。

集団・組織

ヒカリ族 (ひかりぞく)

『大長編ドラえもん のび太の日本誕生』に登場する組織。ククルが生まれた村の部族。元は中国大陸に暮らしていたが、一度ギガゾンビに襲われたことから、新天地を求めて日本に移り住むことになった。

クラヤミ族 (くらやみぞく)

『大長編ドラえもん のび太の日本誕生』に登場する組織。ギガゾンビが率いる人間たち。髪や髭はボサボサで、石やりを武器にしている。乱暴で、ヒカリ族などの村を襲い人々を連れ去っている。

タイムパトロール

『大長編ドラえもん のび太の日本誕生』に登場する組織。未来警察組織。タイムマシンを使った犯罪を取り締まっており、原始時代ではマンモスに擬態してギガゾンビを追っている。雪山で遭難したのび太を助け、発信機を渡した。

その他キーワード

原始生活セット (げんしせいかつせっと)

ドラえもんのひみつ道具。毛皮の服と石やりがセットになっていて、毛皮の服はエアコンスーツになっており、暑さや寒さを調節してくれる。石やりは軽いが、ボタンを押すと象をも気絶させるほどのショックを与えることができる。

原始時代 (げんしじだい)

『大長編ドラえもん のび太の日本誕生』の舞台となった時代。約7万年前で、ククルたちヒカリ族や、ギガゾンビ率いるクラヤミ族などの人間のほか、たくさんの動物達が暮らしている。氷河期のため、日本がユーラシア大陸と陸続きになっている。

書誌情報

大長編ドラえもん9 のび太の日本誕生 小学館〈てんとう虫コミックス(少年)〉

(1989-07-28発行、 978-4091406095)

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