概要・あらすじ
父と山の中で剣の修行をしていた少年剣士烏丸与一は、父の意向で都会へと新たな修行の場を移すことにした。そこで彼は同じ流派「浮羽神風流」であるヒロイン斑鳩いぶきと出会い、彼女とその姉妹が住む斑鳩道場に居候をすることになる。だが、そこへ浮羽神風流を付け狙う他の流派が襲いかかるのだった。
登場人物・キャラクター
烏丸 与一 (からすま よいち)
翼陵高校に通う高校2年生。斑鳩あやめからはサムライとも呼ばれている。浮羽神風流の使い手で、剣士としての実力はとても高く、寝ている間も神経を研ぎすませているため、寝込みを襲われてもすぐ対応できる。ただし、かなづちで泳げない。長らく山で修行をしていたが、父の命によって下山し、斑鳩道場にて居候の身となった。 侍として義を重んじていて、曲がったことが嫌いな性格の持ち主でもあるが、女性に対する免疫がない上に女性心にも疎い。しかも、斑鳩いぶきを始めとするヒロインたちとのラッキースケベに遭いやすく、特にいぶきとその妹のあやめにはよく張り倒されている。その一方、剣士としての強さと男らしい優しさで何人もの女性に好意を抱かれているが、色恋沙汰には鈍感なのでほとんどは気づいていない。 ただし、与一本人はいぶきを異性として意識しているところはある。気に病みやすい性格で、負い目を感じると切腹に走るきらいがある。
斑鳩 いぶき (いかるが いぶき)
翼陵高校に通う高校2年生で、斑鳩家の長女。斑鳩道場の師範代でもある。身長は160cm。3サイズは上からバスト:90cm、ウエスト:59cm、ヒップ:85cmで、斑鳩四姉妹では1番の巨乳。射手座のB型。成績は優秀、ミス翼高にも選ばれる美貌、クラス委員を務める責任感、そして家事も優秀という、一見すると完璧超人のようだが、ちょっぴり天然なところもある。 性格は優しくて明るいが、親が長く家を離れているため、いつもいい子でいようと強がっていたためか、ときに意外な心の弱さをみせ、そこを敵につけ込まれることもあった。烏丸与一には密かな好意を抱いているが、自身は恋愛感情に疎く、かつ与一による(大半は不可抗力ではあるが)度重なるセクハラの被害を受けているため、彼に対する制裁を何度となく加えている。 ただし、精神幼児退行薬で心が幼児退行したときは与一に胸をもまれたショックで元に戻ったので、セクハラも一長一短なところがある。
斑鳩 あやめ (いかるが あやめ)
翼陵高校に通う高校1年生で、斑鳩家の次女。金髪に黒いリボンをつけたギャル風のルックスをした美少女。身長は157cm。3サイズは上からバスト:78cm、ウエスト:57cm、ヒップ:83cmで、斑鳩四姉妹では1番の貧乳で、本人も気にしている。蟹座のB型。烏丸与一のことを「サムライ」と呼んでいる。 ちなみに姉のいぶきとともに、彼のセクハラ被害によく遭っている。一見ぶっきらぼうだが、本当は優しい性格。勉強も剣術も家事も秀でたいぶきにコンプレックスを抱いているが、実は家族思い。当初は居候の与一のことを毛嫌いしていたが、しだいに彼に好意を抱くようになる。しかし、かなりのツンデレなため、好意を素直に伝えられない。 しかもいぶきを好きな鷲津涼と共謀しているところを見られて、いぶきにお似合いのカップルと勘違いされたこともある。だが、与一とは文化部研究発表会の演劇でヒロインを演じたとき、キスしたことがある。
斑鳩 ちはや (いかるが ちはや)
中学3年生で、斑鳩家の3女。語尾が「~っス」となるボクっ娘。斑鳩四姉妹では1番小悪魔的な性格で、「プヒ」と笑う癖もある。身長は149cm。3サイズは上からバスト:86cm、ウエスト:58cm、ヒップ:81cm。射手座のB型。学生でありながらすでにプロの漫画家として活躍しており、月刊少女コミックスから『STEP』という単行本が1~3巻まで刊行されている。 絵の資質は、芸術家である母親の血を受け継いでいるかららしい。烏丸与一のことは与一っつぁんと呼んでおり、しばしば彼のことをからかっている。また、彼の周囲で起きるエッチな女性トラブルを漫画の題材として観察したりもしている。特に姉のあやめのことをよくからかっているが、彼女のことは応援している。 学校ではいじめに遭っていたこともあったが、与一の尽力で解決してもらったこともあり、彼を憎からず思ってはいるが、男性というより兄のように慕っているようである。初めて描いた漫画は、家族をニワトリの親子になぞらえたもの。また、父と鳥籠鬼蜘蛛流が戦っている様子を子供の頃、絵に描いていた。
斑鳩 かごめ (いかるが かごめ)
小学4年生で、斑鳩家の4女。泣き虫の運動音痴だが、手先は器用。「ふええ」または「ふえふえ」という口癖がある。また、セリフはひらがなとカタカナの入り交じったもので、漢字はほぼ使われていない。身長は138cm。3サイズは上からバスト:65cm、ウエスト:50cm、ヒップ:68cmとなっているが、実は胸をさらしで巻いており、解き放つとかなりの巨乳になる。 歳に合わない巨乳を気にしており、水泳の授業も欠席するほどであった。烏丸与一のことはお兄ちゃんと呼んでおり、その呼び名の通り、兄のように接している。同い年で斑鳩道場の門弟であるマサシのことを異性として慕っており、彼が海で溺れたときは胸のことを気にせずに泳いで助けている。
鷲津 涼 (わしづ りょう)
烏丸与一や斑鳩いぶきらと同じ高校に通う、高校2年生。2年前に怒苦労連合(どくろれんごう)という最強と謳われた不良集団を1人で倒したため、「浅模川市最強の不良」とも言われていた。ただし、与一とは初対面から続けて2度も負けており、一方的にライバル視している。ちなみに元ボクサー志望だったため、戦い方は拳を使ったものとなっている。 いぶきのことが大好きで、道場にも通うようになったが、その想いは彼女にはちっとも伝わらない。1度、いぶきと間違って斑鳩あやめに告白してしまう。それ以来、お互いにケンカしつつも恋愛相談をしあう仲になった。基本的にいぶき一筋だが、しだいにあやめにも女を感じるようになっている。 実は燕つばさに想いを寄せられているのだが、そのことについては全く察知していない。
鳥谷 恵太 (とりがや けいた)
鷲津涼の友人。糸目なお調子者で、いつもウサギのような帽子を被っている。クラスの不良を鷲津が倒したのを見て、兄貴分として慕うようになる。当初は高校生らしい背丈だったが、しだいに等身が低くなり、いつの間にか2頭身に近い姿形となる。その結果、いつも鷲津の背中に乗っかっている、子供好きの癒やしキャラへと変貌した。 しかも、メイド服を着ると美少女のようになるなど、作中で一番キャラが変わってしまった。
マサシ
斑鳩道場に通うちびっこ門弟の1人で斑鳩かごめの同級生。かごめのことを憎からず思っており、学校でもいじめられがちな彼女をかばってあげている。しかし、子供なので素直になれず、ときとしてぶっきらぼうな態度に出ることもある。鳥谷恵太が子供好きキャラになってからは、彼のことを密かにライバル視しているところもある。
燕 つばさ (つばめ つばさ)
燕弁天流(つばめべんてんりゅう)の次期当主だが、本人は普通の生活に憧れている。身長は147cm。3サイズは上からバスト:82cm、ウエスト:52cm、ヒップ:83cmと小柄ながらも割とグラマー。鷺ノ宮家の刺客として斑鳩道場を襲おうとするが、それも街に出る方便だった。烏丸与一たちと仲良くなってからは、街のラーメン屋アサミガワ亭でアルバイトしている。 侍女の鷹司アンジェラに鍛えられており、燕弁天流としての腕前はかなりのもの。普段は戦おうとしないが、「恥ずかしさが頂点に達すると理性が吹き飛んで、周囲構わず攻撃する戦闘マシンになる」よう、アンジェラにこっそりと調教されている。 その際は、下着姿で戦う。街に出て初めて出会った異性の鷲津涼に一目惚れして「あの方」と呼んで片思いしているが、鷲津本人には気づいてもらえない。また、彼と斑鳩あやめがともにいるところを目撃して、2人が交際していると勘違いをしていた。後に妹の燕エンビと当主の座を賭けて戦ったが、与一の勧めで1度里に戻り、当主の座をエンビに譲ってからまた街に戻ってきた。
鷹司 アンジェラ (たかつかさ あんじぇら)
燕弁天流の次期当主燕つばさの侍女。街で芸能界にスカウトされたこともある、長身の美女。武器は爪状の暗器。隠れ蓑も使う。つばさと共に斑鳩道場を狙う鷺ノ宮家の刺客として街に出てきた。つばさの羞恥心が限界に達すると、戦闘マシンになるよう(半ば面白半分で)調教した張本人でもある。 烏丸与一たちと仲良くなってからは、つばさと一緒に、街のラーメン屋アサミガワ亭でアルバイトしている。与一に戦いを止めるよう説得されて以来、彼のことを異性として意識するようになる。色恋沙汰には疎い性格なため、当初は恋だとは思わなかったがしだいにそれが恋だと確信するようになる。
燕 エンビ (つばめ えんび)
燕弁天流の次期当主燕つばさの妹。姉のことはつーたんと呼ぶ。暗器使いで、燕弁天流最強の呼び名も高い。侍女は鷹司アンジェラの姉である鷹司ルシフェル。山育ちだが、蜘蛛が苦手。当初は街に出たっきり里に戻ろうとしない姉を連れ戻そうとしていた。だが、つばさが1度里に戻り、正式に妹のエンビに後継者の座を譲ったため姉妹の争いは解決した。
鷺ノ宮 右京 (さぎのみや うきょう)
鷺ノ宮蒼天流(さぎのみやそうてんりゅう)当主。家は金持ち。得意技「飛竜一閃(ひりゅういっせん)」は扇による風を自在に操るという流派の奥義である。幼少時に出会った斑鳩いぶきを勝手に婚約者と思い込み、道場に居候する烏丸与一をライバル視して、刺客を送るが失敗。自ら戦いを挑むが敗北してしまう。 戦いに敗れ、婚約者も勘違いだと知ってもなお、いぶきのことを慕っており、彼女のグッズを自作するなどダメ人間まっしぐらとなる。だが与一が鳥籠鬼蜘蛛流に敗れて自信喪失した際は叱咤激励する一面も見せた。
鷺ノ宮 左近 (さぎのみや さこん)
鷺ノ宮蒼天流当主鷺ノ宮右京の妹。香や秘薬による洗脳や幻惑を得意とし、斑鳩いぶきに精神幼児退行薬を飲ませたこともある。直接攻撃では苦無を使う。ダメな兄である右京のことをなにかにつけてボロカスにけなしているが、そうやってけなしながらも「私がいなきゃダメだ」とばかりにいちゃつくのが好きとという、ちょっと歪んだ形のブラコンである。 兄の方も、そんな妹のことを愛おしく思っているようではある。
鷺ノ宮 朧月夜 (さぎのみや おぼろ)
鷺ノ宮蒼天流の始祖にして左近を上回る秘薬の使い手。山奥に数百年住んでいる。かつては様々な薬を調合して人々の病を癒やし、「神童」と称されていたが、薬の副作用で成長が止まり、さらに死のうとしても死ねないような治癒力も得てしまう。そのことが原因で人々から「物の怪」と忌み嫌われるようになり、友情とか愛情を毛嫌いするようになる。 みせかけの隣人愛に隠された自己愛こそが人間の本性だとして、烏丸与一に鷹司アンジェラをけしかけるが、与一は自分の命を賭けて朧月夜の心をこじ開けた。これで改心したかに見えたが、いたずら心は健在。
目白 時哉 (めじろ ときや)
翼陵高校の生徒会長。小さいときから、全ての女性にモテることを目標としており、実際に高校では文武両道で女にもモテまくっているが、斑鳩いぶき、あやめ姉妹だけはなびこうともしない。2人が烏丸与一を想っていると睨んだ目白は、朧月夜からもらった身体幼児退行薬で与一を子供の姿とし、体育祭で彼を打ち負かそうとするが、鷲津やアンジェラたちの協力もあって策略は失敗。 その際に色々と口を滑らせてファンの女の子や支持者の信頼を失いかけたが、元に戻った与一に救われて改心した。その後はモテモテなまま、与一たちの協力者となった。
鵺爪 アルコ (ぬえづめ あるこ)
闇鴉暗天流(やみがらすあんてんりゅう)の娘。「スティーブ」と名づけた木刀で戦う。父親から烏丸与一と結婚して子を産むよう命ぜられたが、極度の方向音痴でなかなか斑鳩道場にたどり着けなかった。性の知識は実家の秘伝書ことエロ漫画から得ている。本当は婿捜しなどせずに父親と一緒に暮らしたいが、幼い頃に亡くなった母親の言葉を受けて、いつも笑顔でいる。 最終的には与一の尽力で父親と和解して、共に暮らすようになった。ちなみに闇鴉暗天流は目隠しで視界を断ち、それ以外の感覚を研ぎすませて戦うという武術の流派である。また、クマが一門におり、足代わりに使っている。
雛形 唯 (ひながた ゆい)
翼陵高校の1年生。鷺ノ宮右京と左近の兄妹とは親戚。かつて、烏丸与一をデートに誘ったことがあるが、それはいたずらだった。誰からも好かれたいと思う一方、主体性が無い性格で、友人の言いなりになりがち。学園祭でも周囲の言いなりで、出し物を自分1人で作る羽目に。だが、かつて自分が騙した与一に心を救われる。
ヒカリ
鳥籠鬼蜘蛛流傀儡術(とりかごおにぐもりゅうかいらいじゅつ)の道具として作られた木偶人形だが人間のような心を持っており、見た目は普通の人間にしか見えない。かつては先代の武器として斑鳩いぶきたちの父親と戦った。烏丸与一たち浮羽神風流の人々と親しくなるが、浮羽神風流を憎むヤミとの戦いに敗れて破壊される。 その後、鷺ノ宮朧月夜に回収されて復活。ヤミとともに浄化されて昇天した。
ヤミ
鳥籠鬼蜘蛛流傀儡術(とりかごおにぐもりゅうかいらいじゅつ)の道具として作られた木偶人形だが人間のような心を持っており、見た目は普通の人間にしか見えない。かつては先代の武器として斑鳩いぶきたちの父親と戦った。浮羽神風流を憎み、現当主の鳥籠ソラを愛するように作られた。 「鳥籠鬼蜘蛛流操糸術 千糸萬攻」(とりかごおにぐもりゅうそうしじゅつ せんしばんこう)という技を使う。ソラには「自分たちが作る縁以外は悪」と吹き込んでいたが、ソラが与一をかばうのを見て精神が崩壊。その後、復活したヒカリと共に浄化されて2人揃って昇天した。
鳥籠 ソラ (りかご そら)
鳥籠鬼蜘蛛流(とりかごおにぐもりゅう)の当主。ヤミに「自分たちが作る縁以外は悪」と教え込まれ、浮羽神風流を滅ぼすことだけを目的に育てられていた。烏丸与一もソラとヤミの攻撃の前に完敗し、一時は戦う意欲を完全に失うまでになった。その後、仲間やこれまで戦ってきた相手の励ましで与一は復活。 彼の戦いによってソラもヤミの呪縛から解放された。戦いのあと、ソラは先代が斑鳩いぶきの父にかけた呪いを解く方法を探すため、燕弁天流の総家に向かう。その際、与一にキスをしていくが、ソラの性別は最後まで不明のままだった。
与一の父 (よいちのちち)
烏丸与一の父親だが、名前は不明。「このままでは強くなれない」と息子を下山させて斑鳩道場に向かわせたが、実際は与一が父親より強くなってしまい、教えることが無くなったからである。性格はちょっと子供っぽい。
斑鳩家の両親 (いかるがけのりょうしん)
斑鳩いぶきたちの両親。父親は鳥籠鬼蜘蛛流(とりかごおにぐもりゅう)の先代当主との戦いに勝利したが、子供たちを殺そうとする呪いをかけられてしまう。呪いが解除できないため、夫婦揃って修行に出ると偽って、子供たちを残して道場を去った。ちなみに今も健在で生きている。母親は呪いはかかっていないが、夫の面倒を見るために行動を共にした。 ちなみに芸術家肌である。
集団・組織
演劇部 (えんげきぶ)
『明日のよいち!』に登場する部活。一見横暴だが演劇への情熱は人一倍、演者としての技量も高い部長の梟美礼、小道具作りが得意で部長を慕う孔雀晶、シナリオ担当でマイペースなすずめだけの部活。学園祭での演劇を成功させるため、烏丸与一や斑鳩あやめらが演者として協力した。かつては部員が多かったけれど、梟美礼がやる気の無い先輩をぶったことが原因で悪評が立ち、残った部員は3人だけとなった。 梟美礼密かに与一のことが好きだったが、それは表に出そうとしなかった。
浮羽神風流 (うきはかみかぜりゅう)
『明日のよいち!』に登場する流派。主に木刀を武器とする。技は大きく8つある。一の太刀「疾」(はやて)は、木刀の一振りで突風を発生させる技。二の太刀「吹雪」(ふぶき)は、直線的な乱回転の風を作り出す。三の太刀「隼」(はやぶさ)は直線的な風を作り出し、四の太刀「嵐」(あらし)では鎌鼬(かまいたち)を発生させて複数の対象を攻撃する。 五の太刀「凪」(なぎ)は相手の武器の芯を叩き折り、六の太刀「木枯」(こがらし)では相手の首に目がけて抜き打ちをする。七の太刀「竜巻」(たつまき)は竜巻状の風で相手を飲み込む剣術で、八の太刀「旋」(つむじ)は相手の体の関節を痛みがない程度に打って動けないようにする。これらは烏丸与一も斑鳩いぶきも使いこなしている。
場所
斑鳩道場 (いかるがどうじょう)
『明日のよいち!』に登場する施設。浮羽神風流の道場で、斑鳩いぶきが師範代を務める。烏丸与一が転がり込んできたときはいぶきたちの親である師範がいなくなったため、マサシ、よしゆき、ひろゆき、よしおといった小学生男子しか門弟が残っていなかった。