星の瞳のシルエット

星の瞳のシルエット

中学生の仲良し三人組の女の子達と、二人の男子を中心とした複雑な恋愛模様を描いた、1980年代の少女マンガらしいラブストーリー。連載誌で「250万乙女のバイブル」とキャッチフレーズがつけられたくらい、当時の読者支持を集めていた。

正式名称
星の瞳のシルエット
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
集英社文庫 コミック版(集英社) / りぼんマスコットコミックス(集英社)
巻数
全6巻
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あらすじ

第1巻

毎日楽しい学校生活を送っていた沢渡香澄は、友達の森下真理子から、好きな人がいる事を知らされる。素敵な恋にあこがれる香澄だったが、彼女もまた、幼い頃に野原で偶然出会った男の子の事が、ずっと忘れられずにいた。そして彼からもらった「星のかけら」という石を今でも大切にしており、肌身離さず持ち歩いている。放課後、泉沙樹と共に弓道部の練習を見に来た香澄は、うっかり床で滑ったところを久住智史に助けられ、思わず久住から目を離せなくなってしまう。しかし、真理子の好きな相手が久住だという事を知ってしまい、がっかりするのだった。そしてある日、遅刻しそうな勢いで家を飛び出した香澄は、見知らぬ初老の男性とぶつかってしまう。丁寧に謝罪をしてから大急ぎで学校へ駆け込んだ香澄だったが、鞄に入れたはずの「星のかけら」がない事に気づく。

第2巻

大切にしていた「星のかけら」を失くしてしまった沢渡香澄は、森下真理子泉沙樹といっしょに探し回るが、どこを探しても見つからなかった。気持ちの沈んだ香澄を元気づけようと、真理子と沙樹は香澄が好きなものを用意し、沙樹の家でお茶会を開く。大切な友達に支えられている事を知った香澄は、思わず涙ぐむ。そこへ沙樹の幼なじみである白石司もやって来て、司の友達の久住智史も招いて、五人で楽しいひと時を過ごす。それから少しずつ智史と話す機会が増えていき、香澄は自分の中で智史への思いがあふれている事に気づき始める。やがて新学期を迎え、真理子が智史と同じクラスになり、別のクラスになってしまった香澄は、人知れず傷つくのだった。

第3巻

中学生活最後に同じクラスになった森下真理子久住智史は、沢渡香澄が気づかないあいだに随分と打ち解けるようになっていた。夏休みに入り、香澄は真理子と智史が二人で出かけているところを偶然見かけてしまう。自分の中に眠っていた激しい嫉妬心に気づいた香澄は、いつしか心の中で真理子に距離を感じ始めていた。そんな香澄を気にかけてくれる泉沙樹に感謝しながらも、本当の事は言えないままでいた。夏休みの宿題をするために沙樹の家で集まっていた香澄達は、となりの家で騒いでいた白石司と智史も加わって、最後の追い込みをかける。自然に智史と話す機会が増えていく中、香澄はあふれ出そうになる自分の思いを隠す事しかできなかった。

第4巻

「星のかけら」を拾ってくれたのが久住智史の父親だった事、そして、かつてそれを自分にくれたのは智史だった事を知った沢渡香澄は、手をケガした智史の見舞いのために、彼の自宅を訪れる。香澄と智史は穏やかな時間を過ごし、6年の時を経て、思い出と共にお互いに伝えたかった事を語り合うのだった。そして受験が近づく中、香澄達はクリスマスパーティーを開く事になり、白石司と智史も呼んで楽しいひと時を過ごす。香澄の思いに気づいていた司は、香澄を思いやる姿勢を見せ、そんな司を切なそうに見つめていた泉沙樹は、思わず自分の気持ちを伝えてしまいそうになるが、司が香澄に惹かれている事を知って口を閉ざした。誰もが一方通行の思いを抱えたまま、やがて受験を迎える事になる。

第5巻

沢渡香澄は誰にも言えず、ずっと秘密にしてきた久住智史への思いを、森下真理子に知られてしまう。智史への思いに気づいていたにもかかわらず、何も言わなかった泉沙樹と気まずくなってしまった香澄は、髪をばっさり切って智史と同じ青陵高校に入学する。吉祥寺啓子という新しい友達もできて、春からは楽しい高校生活が待っているはずだったが、香澄は真理子への後ろめたさもあり、同じ高校に通っている智史とは、どうしても顔を合わせられなかった。啓子に誘われて天文部に入った香澄が部室で出会ったのは、友人達に囲まれる智史だった。智史に惹かれ始めている啓子を邪魔する目的で、白石司も同じ天文部に入り、新しい学校生活が始まるが、香澄の心はいつまでも晴れない。ある日、香澄は複雑な思いを抱えたまま沙樹の家を訪れる。

第6巻

天文部の夏合宿で久住智史から告白された沢渡香澄は、すぐにでも自分の思いを伝えたかったが、森下真理子をこれ以上苦しめる事はできないと思い、結局何も言えなかった。素直に自分の気持ちを表す吉祥寺啓子に、中学の二の舞は避けたいと決心した香澄は、智史への思いを打ち明ける。すると啓子は、あっさりと香澄を受け入れてくれたのだった。日野誠の招待で、しぶしぶ青陵高校の文化祭を訪れた真理子は、智史といっしょに歩いているところを香澄と出くわす。ずっと避け続けてきた香澄に引き留められ、仲直りしようと伝えられるが、真理子はそれを拒否する事しかできなかった。

第7巻

久住智史をどうしてもあきらめられない森下真理子は、励ましてくれた日野誠の後押しも手伝って、ついに自分の思いを告白する。真理子がずっと自分を好きでいてくれた事をどこかで気づいていた智史に、真理子を拒否する理由はもはやなかった。智史と付き合う事になったと伝えに来た真理子を、沢渡香澄はようやく穏やかな気持ちで受け入れるのだった。だが、白石司泉沙樹は、智史と真理子が付き合う事にどうしても納得がいかずに、それぞれ智史を問い詰める。そして司は、とうとう自分の本当の気持ちを香澄に打ち明ける。

第8巻

白石司に思いを告げられるが、久住智史を忘れられない沢渡香澄は、すすき野原で泣いているところを智史に見られてしまう。思わず智史の胸に飛び込んでしまった香澄だったが、やはり自分の気持ちを告げる事はできなかった。香澄が好きなのは司だと思っていた智史は、香澄が泣いていた理由がどうしてもわからず、司に呆れられてしまう。森下真理子と付き合っている久住智史に望みがない事を悟った吉祥寺啓子が、次に目をつけたのは司だったが、司が好きなのは香澄だという事を知る。啓子と司が親しくなるのを心配した香澄は、司に対する泉沙樹の気持ちをついに知る事になる。

第9巻

沢渡香澄に「星のかけら」をあげた男の子が久住智史だ、という事を知ってしまった森下真理子は、智史に3年分の思いを伝えるため、バレンタインのチョコレートを準備する。バレンタイン当日、智史は待ち合わせ場所に来たものの、チョコレートを受け取ろうとはしてくれなかった。しかし、智史との別れを決意していた真理子を察した智史は、最後にチョコレートを受け取る。智史と終わった事で泣き崩れそうになっていた真理子を受け止めてくれたのは、日野誠だった。誠を振り回して傷つける事しかなかった真理子は自分の冷たさに反省し、自分から離れていってしまった誠に目を向けるようになる。

第10巻

ずっと伝えられなかった久住智史への思いを、ついに告白する事にした沢渡香澄は、森下真理子にそれを打ち明ける。すると、真理子は智史よりも大切な人を失ってしまった、と香澄に告げるのだった。自分の中で、いつの間にか智史よりも大きくなっていた日野誠への気持ちに気づいた真理子は、日野に謝るため彼の自宅を訪れる。そして、香澄との思い出の場所だったすすき野原が住宅の分譲地になる事を知った智史は、香澄を誘って二人でその場へ向かう。大切な場所で香澄の口から明かされたのは、「星のかけら」をもらった時からずっと忘れられなかった智史への思いだった。

登場人物・キャラクター

沢渡 香澄 (さわたり かすみ)

ボブカットに髪留めをしていることが多い女の子。楓中学校に通う間、親友の森下真理子と泉沙樹といつも3人で行動し、同好会のクッキングクラブで活動していた。小学校2・3年の頃すすき野原で出会った男の子からもらった、星のかけらと呼んでいる石を大切にしている。久住智史に惹かれていく自分を自覚しているが、智史がすすき野原の少年なのか確信が持てず、先に好意があることを打ち明けていた森下真理子を応援する立場を取ってしまう。 高校は智史と同じ名門の青陵高校へ進む。智史のことは避けていたが、吉祥寺啓子に引っ張られる形で天文部に入部する。

久住 智史 (くずみ さとし)

『星の瞳のシルエット』の登場人物で、沢渡香澄の初恋相手。弓道部に所属する2年生で、飾らない素朴なタイプの男の子だが、運動も勉強もできて女生徒たちからの人気も高い。大学教授の父親とふたり暮らしで毎日作っているため料理が得意。メロンパンが好き。学年で一番の成績の持ち主であり、高校は名門校である青陵高校へ進学し、天文部に入部。 上級生の引退後、部長に就任する。

森下 真理子 (もりした まりこ)

『星の瞳のシルエット』の登場人物で、沢渡香澄の親友。髪の毛に天然パーマがかかっている。ケーキに目がなくて、お菓子作りが趣味。久住智史に好意を抱いており、弓道部の見える調理室でのクッキングクラブ設立を提案した。3年に進級した際のクラス替えで久住智史とクラスメイトになっているが、高校は香澄や智史とは異なり楓女子高校へ進学した。 智史の姿を見たいという一心で通学路とは関係のない駅を頻繁に訪れていたが、香澄と智史が一緒にいるところを目撃し心を閉ざしてしまう。

泉 沙樹 (いずみ さき)

『星の瞳のシルエット』の登場人物で、沢渡香澄の親友。丸いメガネをかけたショートカットの女の子だが、おおらかで決断力もある果断な性格が男の子っぽくもある。白石司とは互いに名前で呼び合い、顔を合わせると相手をからかいあうようなくされ縁の幼なじみ。高校は、香澄や司とは異なる中央高校に進学した。高校の新しい友人たちとはあまり馴染むことができず、香澄や真理子の間に立って関係を修復したいと考えている。

白石 司 (しらいし つかさ)

泉沙樹と仲がいい弓道部所属の2年生。久住智史とはクラスメイトでもある。女生徒たちにモテることがアイデンティティーで、成績でも人気の高さでも負けそうになっている智史のことを気にしている。沙樹とは家が隣同士の幼なじみで、よく「女ったらし」と呼ばれている。沢渡香澄と智史が互いに惹かれあっていることに気づいており、応援する立場を取る。 成績は比較的高かったが、香澄や智史と同じ青陵高校へ進むため、受験前数ヶ月は「女好き」も返上して頑張っていた。香澄と吉祥寺啓子の動向が気になり、天文部に入部する。

吉祥寺 啓子 (きちじょうじ けいこ)

『星の瞳のシルエット』の登場人物で、沢渡香澄たちが高校に進学してから登場。青陵高校で香澄のクラスメイトとなる綺麗な長い髪の女子生徒。気が強くサバサバした性格で、久住智史のことが気になっており、香澄を無理やり引っ張って天文部に入部したり、智史と同じ喫茶店でアルバイトするなど積極的にアプローチを行う。 白石司とは、智史との間を邪魔されて険悪な仲となっていたが、その後関係性が大きく変化することになる。天文部の上級生たちが引退した後、部長である智史を補佐する副部長の立場となる。

日野 誠 (ひの まこと)

青陵高校天文部のメンバーのひとりで、久住智史とクラスメイトの男子生徒。顔にそばかすのある素朴なタイプで、通学電車で偶然出会った森下真理子に惹かれて知り合うようになり、沢渡香澄との微妙な関係に立ち入っていくことになる。

久住 孝史 (くずみ たかし)

久住智史の父親。ひょうひょうとした性格の大学教授で、以前に妻を亡くしており料理等の生活能力が低いため家事の大半は智史が主に担当している。沢渡香澄が大切にしている「星のかけら」を無くしたときに拾った人物で、智史と香澄の関係を暖かく見守りながら、人生の先達として息子に助言を与えるよき父親。 息子のことは、「智史くん」と呼んでいる。

菅野 久美子 (すがの くみこ)

街にあるラジオ局「カントリーラジオ」でDJを担当する番組を持っている女性アナウンサー。「すすき野原の男の子」からのメッセージを番組で読み上げたことから、沢渡香澄との接点ができる。

二階堂 平助 (にかいどう へいすけ)

中学3年の夏休み前、沢渡香澄にラブレターを出した男子生徒。香澄とは同学年で、メガネをかけた真面目な性格の持ち主。

集団・組織

楓 中学校 (かえで ちゅうがっこう)

『星の瞳のシルエット』の舞台となる楓町立の中学校。沢渡香澄、森下真理子、泉沙樹の3人は正式なクラブではなく、同好会として設立した「クッキングクラブ」で活動。久住智史と白石司は弓道部に所属していた。

青陵 高校 (せいりょう こうこう)

『星の瞳のシルエット』の舞台となる高校。正式名称は「県立青陵高等学校」。県下でも特に偏差値の高い名門校で、学年でトップクラスだった久住智史はともかく、比較的上位の成績にあった沢渡香澄や白石司でも合格するためには努力が必要だった。

天文部 (てんもんぶ)

『星の瞳のシルエット』の舞台となる、青陵高校のクラブ活動。沢渡香澄が入学した年は、久住智史、白石司、吉祥寺啓子と、日野、豊田の他、智史や司の影響で多数の女子が入部。2年生の主要メンバーは部長の立川と副部長の荻窪、太目の男子大久保と、頬のこけた男子中野といったところだが、他に幽霊部員が20名ほどいる。 活動は火木金曜日の放課後が中心で、毎日昼休みに太陽黒点を観測し、年に数回合宿で観測会を行っている。

書誌情報

星の瞳のシルエット 全6巻 〈集英社文庫 コミック版〉 完結

第1巻

(1999年1月発行、 978-4086174503)

第2巻

(1999年1月発行、 978-4086174510)

第3巻

(1999年3月発行、 978-4086174527)

第4巻

(1999年3月発行、 978-4086174534)

第5巻

(1999年4月発行、 978-4086174541)

第6巻

(1999年4月発行、 978-4086174558)

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