あらすじ
姉の日高朱莉の影響で女性に対して苦手意識を抱いていた日高太陽は、ある時、橘柊の顔面に鞄をぶつけて鼻血を出させてしまう。申しわけなく思った太陽が、柊に手持ちの飴を渡したところ、次の日から太陽には、柊から大量のお菓子の差し入れが届くようになる。お菓子選びのセンスが微妙だったため、太陽は柊が怒っており、嫌がらせをしているのではないかと勘ぐっていたが、実際は優しい太陽にお返しがしたい気持ちからの行動だった。この事がきっかけで太陽、皆月青、志倉刀磨、織田偉人の四人組に柊も加わって行動を共にする事が多くなり、太陽はこれまで身近にいた女性と違う柊が気になる存在となる。そんな中、多くの女子生徒から好意を寄せられている青といっしょにいる事で、柊は真壁梨香達から嫌がらせを受ける。太陽はそんな柊を守っているうちに、いつしか柊に対して初めての恋心を抱くようになる。さらに柊の両親が多忙のため、ほぼ一人で暮らしている事を知った太陽は、柊にとって安らげる存在になりたいと思うようになる。一方、青は太陽が恋している柊に興味を持ち、接近していく。
皆月青から拒否されて涙している真壁梨香を慰めた事で、志倉刀磨は梨香と親しくなる。そんなある日、橘柊は青に好意を寄せる女子達から、青と付き合っているのではないかと疑いをかけられ、激しく責められる。その場で日高太陽は、柊を守るために付き合っているふりをしようと提案する。太陽と柊は周囲の目を欺くために手をつなぐなど、ぎこちないながらも順調に距離を縮めていく。そんな中、梨香は刀磨に対して猛アプローチを続けるが、二人で帰宅途中の梨香は杉山に絡まれ、刀磨の前で知られたくなかった過去をおもしろおかしく暴露されてしまう。そんな杉山に対して刀磨は殴りかかり、喧嘩に発展。ケガの手当をする梨香と刀磨はいい雰囲気になり、そのまま初めてのキスをする。次の日、梨香は刀磨と正式に交際をスタートさせようと期待しつつ話し掛けたところ、恋愛未経験の刀磨はまだ好きかどうかわからないからと言い放ち、梨香を泣かせてしまう。
テレビドラマ
登場人物・キャラクター
日高 太陽 (ひだか たいよう)
高校1年生の男子。皆月青、志倉刀磨、織田偉人とは親友同士。身長175センチで体重62キロ、血液型はA型。横暴な性格の姉、日高朱莉のせいで女性には興味がないどころか、できるだけかかわり合いを避けて生きて来た。また、朱莉の心の内を読み続ける事で、女性の考えている事が何となく理解できるようになり、日高太陽はその特技を「対女子読心術」と名付けている。 唯一口数が少なく感情表現が乏しい橘柊の心の内だけは読み取れずにいたが、柊が自分を慕っていると知ってからは良好な友達関係を築いていた。これまでかかわって来た女性とは異なり、裏表なく接してくれる柊に対し、いつしか初めての恋心を抱く。
皆月 青 (みなづき あお)
高校1年生の男子。日高太陽、志倉刀磨、織田偉人とは親友同士。身長178センチで体重64キロ、血液型はB型。長身に整った顔立ちをした美男子だが、睡眠欲が人一倍あり、どこでもすぐに寝てしまう残念な体質。また、朝も弱い事からいつも太陽達に起こしてもらっている。基本的に感情を表に出す事のないクールな性格の持ち主。 女子生徒から頻繁に告白されているものの、容姿だけで寄って来る女子達を鬱陶しく感じており、これまで恋愛経験はまったくない。太陽が好意を抱いた橘柊の存在が気になり、接近していく。ほしいものは「アラームのならない時計」。
志倉 刀磨 (しくら とうま)
高校1年生の男子。日高太陽、皆月青、織田偉人とは親友同士。身長178センチで体重65キロ、血液型はA型。頭脳明晰で、学年トップの成績を誇る。青にあこがれる真壁梨香については冷ややかな目で見ていたものの、青からはっきり拒絶されて泣いている梨香を慰めてから距離が縮まる。その後、いっしょに勉強をするなどして梨香と親しくなり、いつの間にか初めての恋に落ちる。 人間観察力にも長けているが、恋愛に関しては未経験のため、ややデリカシーに欠けるところがある。
織田 偉人 (おだ いくと)
高校1年生の男子。日高太陽、皆月青、志倉刀磨とは親友同士。身長166センチで体重55キロ、血液型はO型。四人の中では一番小柄で、かわいらしい顔立ちをしている。純粋で人を疑う事がなく、騙されやすい性格の持ち主。見た目も成績もごく普通な事にコンプレックスを抱いている。恋愛経験はない。
橘 柊 (たちばな ひいらぎ)
高校1年生の女子。日高太陽と同じクラスに所属している。身長158センチで体重42キロ、血液型はA型。人と話をする事が苦手で、口数は極端に少ない。両親が仕事のため多忙で、家ではつねに一人。生活感のない環境で育ったため、感情の出し方がよくわからない。そのため笑う事も苦手で、いつもひきつったような感情のない表情を浮かべている。 困った際にはまるで般若のような険しい顔つきになる。生まれて初めて家族以外の太陽から優しくされ、以降太陽にお礼がしたいとお菓子を差し入れするなど距離を縮めようとした。しかし味覚が人と大幅にずれており、差し入れのお菓子のセンスはまったくない。これまで友達もいなかったが、太陽のおかげで皆月青、志倉刀磨、織田偉人ともぎこちないながらも会話ができるようになった。
真壁 梨香 (まなべ りか)
高校1年生の女子。日高太陽と同じクラスに所属している。自分の事を「リカチ」と呼び、周りにも同じように呼ばせている。男子の前では明るく社交的な女子を演じる、いわゆるぶりっ子タイプ。しかし中学校時代は暗く目立たない存在で、クラス中からいじめられていた。太陽いわく一見腹黒そうに見えて、感情は非常にわかりやすい。中学生の頃は杉山に好意を抱いていたが酷いふられ方をし、高校生になってから明るくかわいらしいキャラクターにイメージチェンジした。 目立つ存在の皆月青にあこがれており、親しくなるために太陽、青、橘柊、志倉刀磨、織田偉人の五人のあいだに無理矢理入り込もうと奮闘する。また、太陽や青達に受け入れられている柊に嫉妬し、陰湿な嫌がらせを繰り返していた。 しかし青からはっきりと拒絶された際に、慰めてくれた刀磨と一気に距離が縮まっていく。また、柊に対しても友情を感じつつある。
杉山 (すぎやま)
真壁梨香と同じ中学校出身の男子。高校1年生。日高太陽や梨香とは別の学校に通っている。中学時代は梨香から好意を寄せられていたものの、告白を受ける前にクラスメイトの前で笑いものにし、激しく拒絶した。高校生になってからかわいらしくなった梨香に対して、今なら交際を考えてやってもいいと上から目線で語り、志倉刀磨と殴り合いの喧嘩へと発展する。
日高 朱莉 (ひだか あかり)
日高太陽の姉で、女子大学生。一見清楚な美人のように見えるものの、自宅では口も態度も非常に悪く、太陽に対して傷つく事も平気で言ってしまう。そのため、太陽からは心の中で「ケルベロス(冥界の番犬)」と毒づかれている。彼氏をはじめ外面はよく、太陽の女性への興味をなくしてしまうきっかけを作った人物。
書誌情報
春は短し恋せよ男子。 全4巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2018-06-25発行、 978-4088440545)
第2巻
(2018-09-25発行、 978-4088440941)
第3巻
(2019-01-25発行、 978-4088441542)
第4巻
(2019-05-24発行、 978-4088441986)