概要・あらすじ
吉川恵は男子四人でつるんで、屋上で日々だべっていた少年。だが、ある日自分の体が科学的に女性だと判明。小さく華奢な体躯をコンプレックスに感じていた彼は、その事実に驚愕する。恵は家族のことを考えて女になる決意をし、高校に女子として入学した。高校で恵が元男子だと知っているのは、かかりつけの医者の姪、豊麻琴だけ。彼女と共に行動してうまく隠しおおせるように立ち振る舞うが、かつてつるんでいた仲間にあっさり見破られてしまう。
女になってしまったことを白状し、理解してもらえた矢先に、友人たちは恵に告白する。
登場人物・キャラクター
吉川 恵 (よしかわ けい)
背が小さく、華奢な体躯の少年。自分の体つきにコンプレックスを抱いていた。体調を崩して医者の鈴木に調べてもらったところ、科学的に女性であることが判明。最初は拒絶するが、両親のことを考えて女性として生きる道を選択する。鳥羽修司、立待匡、神明和季と恵で「下克上カルテット」と呼ばれ、女子に人気があった。 男子だったころから、見た目のかわいらしさゆえに周囲の男子たちに意識されていた。
豊 麻琴 (ゆたか まこと)
メガネをかけたふわふわの髪の少女。性転換して高校から女子として通うことになった吉川恵を補助するため、かかりつけの医師の姪である彼女が一緒に行動することになった。焦りを隠しきれない恵のカウンセラーとしての役割を果たしている。気が強く、男子たちが問題を起こしてもはっきりした口調で叱りつけることができる。男子に追い回される恵が唯一助けを求められる人物。
河和田 広明 (かわだ ひろあき)
中学時代の吉川恵のクラスメイト。委員長を務めており、素行の悪い恵をいつも注意していた。高校に入ってからは生徒会長になり、女子になった恵の様子を見ている。恵が女子になる前から、かわいい容姿に惹かれており、女子だと判明してからは、積極的にアプローチをかけるようになる。
鳥羽 修司 (とば しゅうじ)
中学時代に吉川恵、立待匡、神明和季とつるんで屋上でだべっていた少年。4人は「下克上カルテット」と周囲から呼ばれていた。お調子者で、軽い性格の持ち主。男子の状態からすでに恵をとてもかわいがっており、高校に入って恵が女子だと知ってからはさらに溺愛するようになる。恵を抱きしめるのが好きだが、恵には嫌がられている。
立待 匡 (たちまち ただし)
中学時代に吉川恵、鳥羽修司、神明和季とつるんで屋上でだべっていた少年。4人は「下克上カルテット」と周囲から呼ばれていた。寡黙で表情を変えないため、友人たちでも性格が読めない。恵のことを以前からかわいいと思っていたらしく、高校に入って女子だと判明してからは、真顔で告白するようになる。
神明 和季 (しんめい かずとし)
中学時代に吉川恵、鳥羽修司、立待匡とつるんで屋上でだべっていた少年。4人は「下克上カルテット」と周囲から呼ばれていた。目が細い美形。頭が切れる人物で、行動する際彼が仕切ることが多い。女子の扱いは慣れている。恵が女子だと知ってから、一番最初にプロポーズした。
吉川 恵子 (よしかわ けいこ)
吉川恵の母。夫が家族を顧みないことに腹をたてており、恵が女子だと判明した機会に家族の問題を話し合うよう持ちかける。後に恵に大量に服を買い、着せ替え人形にしている。
吉川恵の父 (よしかわめぐみのちち)
吉川恵の教育をすべて妻に押し付けて放任していた父親。恵は彼が自分を愛していないと感じ、距離を置いていた。恵が女子だと判明してからは家族を顧みるようになり、和解した。着物が好き。
鈴木 (すずき)
吉川恵が倒れた時以降、担当しているかかりつけの医師。「鈴木病院」を経営している。メガネをかけた中年の男性。高校では姪の豊麻琴をカウンセラーとして恵につけている。真面目だが陽気な一面がある。
仲川 大誠
高校の屋上を手に入れるため、神明和季らの所にどなりこんできた、関西弁の男子学生。中学時代も同じように屋上を狙っていたが、神明たちに軽くあしらわれていた。勝つために手段を選ばない性格で、神明たちに勝つため恵を人質にする。片山孝之と片山智之を手下に引き連れている。
片山 孝之 (かたやま たかゆき)
仲川大誠の腰巾着。目が細くて背が高く、髪の毛を3:7に分けている。片山智之と全く同じ顔をしている。やさしい性格で、仲川大誠の横暴さに呆れる事が多く、彼に卑怯だと言っている。ただし逆らったことは一度もない。
片山 智之 (かたやま ともゆき)
仲川大誠の腰巾着。目が細くて背が高く、髪の毛を7:3に分けている。片山孝之と全く同じ顔をしている。おだやかな性格で、仲川大誠を卑劣だと称して、できるだけ穏当にすませようとするが、彼の言うことにはすべて従っている。