概要・あらすじ
思い通りにならなければ暴力で解決する巨漢ごんたは、度重なる落第の末、19歳でナニワ西中学校を卒業。一帯を裏で支配するヤクザ海童組に因縁をつけられ、単身挑むも返り討ちに遭い、顔を残してセメント漬けにされてしまう。今まさに始末されようとしていたところ、海童組と癒着している市議会議員の森尾義三に助けられる。
ごんたは3000万の報酬と引き換えに、ひき逃げをしてしまった義三の娘・真理子の身代わりとして、自首する役割を買って出るのだった。
登場人物・キャラクター
権野 太一 (ごんの たいち)
家庭に恵まれず荒んだ少年時代を送った結果、全てを暴力で解決する問題児となった。大金と引き換えに、ひき逃げをした真理子の身代わりに自首し、懲役三年の実刑判決を受ける。刑務所内では過酷な待遇に苦しむが、面会に訪れた母親が差し入れた六法全書を読みふけり、知識というさらなる力を手に入れ出所。3000万の報酬を元手に土地開発会社を立ち上げた。 「ゼニあるところにごんたあり」と自ら公言しており、その暴力的な商売スタイルで周囲に恐れられている。
アンナ
ごんたの同級生で、彼に惚れこんでいる。ナニワ西中学校を共に卒業してからも彼に付き合い、悪だくみを実行していた。ごんたが逮捕されたときの状況は不明だが、出所後は彼の愛人となり、土地開発会社のスタッフとして働いている。
岸和田 修美 (きしわだ おさみ)
極道組織・海童組の頭領で、森尾義三とも裏で癒着している。組のメンツに泥を塗ったごんたを捕え、セメント漬けにして殺害しようとするが、義三の介入により渋々諦めた。後に、義三の依頼によって、恐喝のためにごんたの土地開発会社を訪れるが、法律に関する知識を得た彼の前には手も足も出ず、完全な敗北を認めてしまった。
森尾 義三 (もりお よしぞう)
市議会議員。腹黒いが要領がいいため市民受けはよく、6度の当選を果たしている。娘である真理子がひき逃げ事故を起こしたため、大金と引き換えにごんたに身代わりをさせた。後に税金対策として地下駐車場を建てようとしたところ、温泉を掘り当ててしまう。強運に恵まれていたが、欲をかいてスパリゾート建設のために周囲を立ち退かせようとしたところ、ごんたの介入を受け、彼に再度大金を支払う羽目になる。 ごんたの強引なやり方を「暴力商売」と表現するが、そのフレーズを逆に気に入られてしまった。
森尾 真理子 (もりお まりこ)
森尾義三の娘。派手で贅沢好きだが外面はよく、父親ともども市民に慕われている。しかしある夜、ひき逃げ事故を起こしてしまい、3000万の報酬を条件にごんたに罪を被らせた。彼の出所後、義三と温泉を巡るトラブルが起こり、彼に詫びを入れに行くが、有無を言わさず暴行を受ける。しかし、その後理由もわからぬまま彼に惹かれていたことに気づき、彼の妻となった。 それからは愛人であるアンナの存在にも文句ひとつ言わずに、ごんたの土地開発会社に住み込んでいる。
羽鳥 常一 (はとり つねかず)
心斎橋銀行の支店長。方々から恨みを買っており、温泉のサウナで命を狙われるが、居合わせたごんたの下心により助けられる。お礼にさっそく儲け話を紹介するが、内心は詐欺にかけようと企んでおり、サウナで襲撃されたのも計画の一部だった。30億の値段がつけられている土地を購入するための融資を持ち掛けるが、裏では地主の藤間と結託しており、融資の話を一方的に打ち切る。 そして、土地を売らないまま、手付金の3億を奪おうとするが、ごんたが織田島虎吉から融資を受けたことでご破算になった。
藤間 浩二郎 (とうま こうじろう)
六尾市に2000坪の土地を持っている大地主。気難しい性格とされていたが、初対面でごんたを気に入り、心斎橋銀行の融資によって30億で土地を譲ることを潔く認めた。だが実際は裏で羽鳥と手を組んでおり、7億円分の約束手形を受け取ったところで負債を抱えさせ、資産のすべてを奪い取ろうと画策していた。 しかし、ごんたが織田島虎吉から融資を受けたことで、その目論見はあえなく崩れ去る。手放すつもりのなかった土地を売る羽目になったしまったため、羽鳥以上の被害を被ることとなった。
織田島 虎吉 (おだじま とらきち)
消費者金融・織田虎の会長。無駄遣いを極端に嫌っており、車に乗るときもクーラーが電気の無駄だからとつけることを拒む。詐欺に遭い、資金繰りに奔走するごんたに27億の融資を求められるが、最初はすげなくあしらおうとする。しかし、購入した土地で利益を上げられなかった場合、自らの死をもって返済するという彼の熱意におされ、融資を決意。 羽鳥、藤間の陰謀をくじく決め手となった。
郡司 (ぐんじ)
宗教団体ハッピーエンゼルのナンバー2。教団の運営を取り仕切っている狡猾な男。天使の片腕として働いており、初めは彼女に対し純粋な忠誠心を抱いていた。しかし自らが癌に侵されて余命いくばくもないことを知ると自暴自棄になり、教団の寄付金となる100億円を奪って海外へ逃亡しようとする。しかしその行動を予見していた天使とごんたに先回りされ、進退窮まってしまう。 最期は絶望の淵に立たされて自ら命を断ち、結末を予測しながら救うことができなかった天使を悔やませた。
天使 (てんし)
宗教団体ハッピーエンゼルの教祖を務めている少女で、本名は不明。ごんたの暴力を阻止するほどの強力な超能力とカリスマ性を持つ。その能力を生かして怪我人や病人を救い、ハッピーエンゼルの信者を獲得している。本人はスプーンを曲げるくらいしかできないただの少女で、怪我人や病気を治したように見せたのはプラシーボ効果だったと語る。 しかし実際は本物の天使であり、郡司が持ち逃げした100億円を恵まれない人に寄付するようごんたに願うと、翼をはためかせ天へ去っていった。
クレジット
- 原作