概要・あらすじ
広大な山林に愛犬ジョーと暮らす竜門卓は猟犬の捜索を専門とする探偵を営んでいる。竜門卓が依頼された盲導犬盗難事件、厩舎から逃亡した競走馬と犬と厩務員にまつわる事件を解決するハードボイルド漫画。「セント・メリーのリボン」、「サイド・キック」の2つの物語から成る。
登場人物・キャラクター
竜門 卓 (りゅうもん たく)
祖父から相続した能勢の広大な山林に愛犬のジョーと住み、猟犬専門の探偵を営んでいる。無愛想でストイックだが優しい性格で人情味がある。度胸があり銃の扱いや格闘技に長けている。狩猟が趣味で山や動物に詳しい。仕事を気分で選んでしまうなど本業の猟犬捜索だけでは食べられないため、依頼対象を猟犬から大型犬まで広げることもあるが、小型犬だけは扱わない。
ジョー
『猟犬探偵』に登場する犬。竜門卓のサイド・キック(=仲間、相棒)。外見はオオカミに似ているが、よく訓練された猟犬。兄弟といっしょに靴箱に入れられて山中に捨てられていて、ジョーだけが生き残っていたところを竜門卓に拾われた。名前の由来はホワイトソックスのシューレス・ジョー・ジャクソンから(靴箱の中に捨てられていたから)。
火打 鉄男 (ひうち てつお)
大柳生林業の3代目経営者で商売を不動産業にまで手を広げている。竜門卓の学生時代からの友人で狩猟仲間。竜門卓に持っている山林の半分を売れといっているが強引に買い取ろうとしているわけではない。親分肌で何かと竜門卓の面倒をみる。
金 圭花 (きん けいか)
轟輝組の女で美人。竜門卓に行方不明になった愛犬リンダ(パグ)の捜索を依頼するが、捜索対象が小型の愛玩犬だったために断られる。竜門卓から捜索方法の助言を受け、その助言に従って行動したところしばらくしてリンダは見つかる。竜門卓を気に入った金圭花は、行方不明になった一倉悠子の盲導犬スワニーの捜査を依頼する。 自分とは関係しない事件でも情報を提供したりして、なにかと竜門卓を助ける。
一倉 悠子 (いちくら ゆうこ)
資産家の娘で盲目。17歳。フルート教室からの帰りに盲導犬のスワニーを盗まれる。
川谷 ハナ (かわたに はな)
盲目の少女。16歳。盲導犬協会に盲導犬の申請をしたが、18歳未満だったために断られる。竜門卓の世話でリチャードの元で盲導犬を扱う訓練を受け、竜門卓から盲導犬メリーをプレゼントされる。
川谷 軍三
個人トラックの運転手。娘の川谷ハナのために一倉悠子からスワニーを盗むが、事情を知った竜門卓によって穏便に処理される。そのため竜門卓には恩義を感じており、竜門卓が田畑を探しているときには長距離トラック運転手のネットワークを活用して重要な情報を提供する。
大須賀 恂 (おおすが じゅん)
盲導犬の訓練士。リチャードの孫。竜門卓に盲導犬のことについて教える。
リチャード
大須賀恂の祖父。アメリカで農園を経営していたが、猟犬や警察犬を飼育する趣味が高じて盲導犬訓練士となる。妻の死を機会に帰国。現在は引退して老盲導犬の太郎と静かな余生を送っている。竜門卓の依頼で愛犬太郎と共に川谷ハナに盲導犬を扱う訓練を施す。
メリー
『猟犬探偵』に登場する盲導犬。竜門卓が盲導犬を扱う訓練を終えた川谷ハナにプレゼントしたラブラドール・レトリバー。
田畑 (たばた)
西日本海ファームの厩務員。伝染病と誤診されて薬殺されかかった競走馬のヴェガシールドを救うために、番犬で元警察犬のファングと共に西日本海ファームを脱走し、北海道の名獣医、明田博士の元を目指す。菅井の依頼を受けた竜門卓に発見されるが、竜門卓の機転でヴェガシールドと共に明田博士の元へ無事たどり着く。
青木 健介 (あおき けんすけ)
成田闘争に参加していた浪人生。暴走族に襲われていたヴェガシールドを助けたことをきっかけに田畑と共に北海道を目指す。事件後、田畑に弟子入りして厩務員を目指すようになる。
菅井 レイコ (すがい れいこ)
西日本海ファームの経営者、菅井の娘。父親に似ず素直でまっすぐな性格。ヴェガシールドを守るために金圭花と青森まで出向き、竜門卓に西日本海ファームの動向を伝える。
菅井 (すがい)
競走馬を扱う西日本海ファームを経営している。あこぎな性格で往生際が悪い。伝染病の疑いで薬殺しようとしたヴェガシールドと共に逃げた田畑を、いっしょに逃亡した元警察犬のファングを探すという名目で竜門卓に捜索させる。ヴェガシールドが見つかった際には射殺するために荒くれ者の刺客を差し向けた。
クレジット
- 原作
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稲見 一良