月夜烏草紙

月夜烏草紙

作者・及川七生の初連載作品で、代表作でもある。1話完結形式による連作で、2話目以降はサブタイトルが付けられている。江戸幕府が倒れてから三十余年、明治時代の日本が舞台。活発な女学生・熱田千鶴は、辻斬りに襲われそうになった夜、紫紅と若葉という美しい妖怪と出会う。妖怪たちと共に、不思議な出来事に巻き込まれていく千鶴の姿を描いたあやかし浪漫。美麗・絢爛な筆致で描かれる情緒的な物語が魅力。また、人が抱えるさまざまな心の闇を描く人間ドラマでもある。白泉社「メロディ」2001年3月号から2006年3月号まで不定期連載。第27回(2002年)「白泉社アテナ新人大賞」のデビュー優秀者賞を受賞。

正式名称
月夜烏草紙
ふりがな
つきよがらすぞうし
作者
ジャンル
怪談・伝奇
 
その他歴史・時代
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

熱田 千鶴 (あつた ちづる)

女学校に通う士族のお嬢様。活発で進歩的な考えの持ち主。5歳年下の弟、両親と暮らす。8歳の頃、大好きだった祖母を目の前で殺され、心が闇に染まった際、紫紅と若葉という美しい妖怪に出会う。彼らは心に闇を抱える人間を食らうが、気まぐれで千鶴は見逃され、祖母を殺した男だけが犠牲になる。以来、その日の出来事は心のなかで封印されていたが、8年後のある夜、辻斬りを目撃した際に紫紅と若葉に再会。祖母の事件を思い出し、紫紅らとしばしば行動を共にするようになる。

紫紅 (しこう)

髪の長い美青年。心を闇に染めた人間を好んで食らう妖怪。人形のような少女・若葉といつも一緒にいる。8年前、熱田千鶴の祖母が殺された際、好物の匂いに釣られて千鶴の前に現れた。その際、気まぐれで千鶴を見逃し、彼女の願いどおり、祖母を殺した男を食い殺す。それから8年後のある夜、辻斬りの現場に向かったところ、大きくなった千鶴と再会。千鶴と交流を重ねるようになる。元々は形のない存在だったが、はるか昔に友達となった人間の絵師によって姿を与えられた。

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