あらすじ
第1巻
聖プレジデント学園の生徒会は通称「有閑倶楽部」と呼ばれ、そのメンバーである剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエらは暇を持て余していた。ある日の放課後、可憐が街を歩いていると、学園内で妊娠していると噂されている白雪緑が、陸橋から投身自殺をしようとしている場面に遭遇。可憐が緑から詳しい話を聞くと、緑は父親の会社関係で世話になっている政治家の男性から無理矢理身体の関係を持たされ、妊娠してしまったというのだ。一方で可憐の母親、黄桜燁子は、誤ってイミテーションの宝石をソ連大使夫人に売ってしまう。さらに運悪く、その宝石はアメリカ大使夫人へのプレゼントでもあり、黄桜家は信用を失って破たん寸前の大騒ぎとなる。悠理、清四郎、野梨子、魅録、美童は可憐を救うため、アメリカ大使夫人が主催するパーティーへと潜りこむ。そして六人は宝石を本物と入れ替えるミッションと、緑を妊娠させた政治家へ天誅を与えるミッションの二つを成功させる。(エピソード「PART1」)
野梨子と美童は、演劇部に所属していないものの、その演技力とビジュアルから二人そろって戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の主役に選ばれる。演劇ホールで催される本番では、前回の騒動で手に入れたイミテーションの宝石を使う事になり、華やかな舞台になりそうだと学外からも注目が集まる。本番が近づくにつれ、大道具が倒れてくるなど野梨子達に災難が続く。さらに野梨子がメイクで使用するクレンジングに劇薬が入っている事に気づいた清四郎は、野梨子が何者かに強い殺意を向けられているのではと、独自に調査を開始した。実はイミテーションの宝石の中には、ソ連が開発した新しい薬品の化学式が入っており、本来はスパイ達が手にするものだったのだ。(エピソード「PART2」)
今年もダンス競技会、神無祭が開催されようとしていた。聖プレジデント学園からも有力選手が出場予定だったものの、直前に何者かにケガを負わされ、出場できなくなってしまう。また他校の有力選手達が次々棄権し、清四郎はただならぬ怪しさを感じる。実は秘密裏に神無祭は賭けの対象になっており、大金を得るために競技会をあやつる黒幕が存在していたのだ。憤りを覚えた悠理は賭け事に参加するふりをして、大金を聖プレジデント学園に賭ける。さらに可憐と美童は聖プレジデント学園代表選手として出場し、優勝を目指す。そんな中、イミテーションの宝石に入っていた化学式を持っているのが、清四郎だと気づいたスパイ達は清四郎をつけ狙う。(エピソード「PART3」)
春休み、悠理を誘拐して身代金を要求しようと企む男性三人組が現われる。いつもならば自らが戦って窮地を脱する悠理だが、あまりに暇過ぎるために誘拐される事にする。すると三人組は意外といい人達ばかりで、悠理を丁寧に扱ってくれる。どうしても5000万円が必要で今回の誘拐を企てたという犯人達を前に、悠理は自分の身代金が5000万円では安すぎると激怒する。剣菱家から10億の身代金を手に入れようと、悠理は清四郎、野梨子、魅録、可憐の四人を巻き込み、大規模な計画を企てる。(エピソード「PART4」)
第2巻
前回、剣菱悠理の誘拐騒動で9億5千万円を手にした菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエらは豪華客船でラスベガスに行く計画を立てる。ラスベガスへ向かう船内で、悠理らは美童に外見がそっくりなモルト王国王女で王位継承者であるオー・ド・ヴィー・ド・ミュスカと出会い、美童はミュスカに一目惚れする。一方、ミュスカは自分の息子を王位に就けたい国王の後妻から命を狙われており、客船内でも暴漢に襲われるトラブルが発生。悠理らはミュスカを守ろうと奮闘する。(エピソード「PART5」)
悠理らがラスベガスの豪遊から帰ると、聖プレジデント学園では学校をサボって海外旅行に行った事が問題になっていた。校長からは留年が言い渡されるが、清四郎の機転により、追試を受けて全科目80点以上を取ったら進級できるという条件を取り付ける。清四郎、野梨子を除く「有閑倶楽部」のメンバー四人はそれぞれ不得意科目があるため、春休みを返上して清四郎の家で猛勉強をする事となる。しかし以前からルシアンのコンサートに行く予定だった悠理と魅録は、清四郎の家から抜け出してしまう。無事コンサートには参加でき、さらにサインがほしいと、悠理はルシアンが宿泊予定のホテルの部屋へと忍び込む。しかし、そこには何者かによって殺害されたルシアンの亡骸が横たわっていた。(エピソード「PART6」)
悠理、野梨子、清四郎の三人は聖プレジデント学園幼稚部からの付き合い。当時、悠理と野梨子は喧嘩をしており、険悪な雰囲気が漂っていた。そのまま中等部に進学し、可憐と美童も聖プレジデント学園に入学して来る。中等部でも野梨子は悠理を避け、かかわらないようにしていた。そんな中、街で野梨子は車にぶつかりそうになったところを、魅録に助けられる。その場で人を見かけで判断するような発言をした野梨子に対し、魅録はそれはよくないと諭す。さらに野梨子はレイニア・エールとも出会い、少しずつ周囲に対して心を開いていく。(エピソード「PART7」)
第3巻
夏休みに入り、「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエは海外旅行に行く計画を立てる。しかし魅録のパスポートが切れていた事もあり、行先は長野県にある剣菱家の別荘に決定する。別荘に入るなり、管理人に幽霊が出ると脅される。次の日、野梨子は幽霊らしき白い影を見たと大騒ぎをし、さらに六人で撮影した写真には老婆が写り込んでいた。悠理らはこの屋敷には何か秘密があるのではないかと、過去を探り出す。そんな中、周囲の地主として有名な大山夫妻が挨拶に訪れ、娘の大山瑠璃子が美童に一目惚れをする。(エピソード「PART8」)
季節は冬になり、年末年始の休みに入った悠理、清四郎、野梨子、魅録、可憐の五人は美童と共に彼の生まれ故郷であるスウェーデンへと旅立つ。美童の祖母、花子アクアヴィットの屋敷を訪れ、著名な家具デザイナーのチッペンデールの作品を見ている最中、可憐はうっかり家具に傷をつけてしまう。そんな中、花子は死んだ夫に会いたいと、ブランビンの知り合いの霊媒師を呼ぶ。霊媒師によるとチッペンデールの家具に花子の夫が憑りついており、今すぐ教会でお祓いをした方がいいと進言される。花子は成仏してほしい気持ちからチッペンデールの家具を移動させるが、実はこれは家具を狙うブランビンの策略で、輸送途中に偽物とすり替える計画だった。輸送途中の現場に偶然一人で居合わせた可憐は、自分がつけた傷がない事ですり替えの事実を知る。その事を悠理らに報告しようとしたところ、ブランビンに捕まってしまう。(エピソード「PART9」)
年末をスウェーデンで過ごした悠理らは、正月に野梨子の自宅へと遊びに来ていた。次の日は、野梨子の実家である茶道の白鹿流と対立している八鹿流と茶事を開く事になっており、野梨子はもちろん身内同然の清四郎も参加する予定になっていた。そして茶事当日、野梨子の母親が淹れたお茶を飲んだあと、八鹿流の家元が倒れてしまう。そのお茶からは薬物が検出され、野梨子の母親は容疑者として警察に連行される。新聞にも取り上げられた事から、白鹿流の名前は地に落ちてしまう。可憐と美童は自らの色気と美貌を使い、悠理や清四郎、魅録は頭脳と行動力を使って、野梨子の母親の容疑を晴らそうと動き出す。(エピソード「PART10」)
第4巻
剣菱悠理らはラスベガスに行った件もあり、留年が決定していた。無事卒業式も終わり、聖プレジデント学園は春休みに入る。母親と海外に行く予定の白鹿野梨子を除き、悠理、菊正宗清四郎、松竹梅魅録、黄桜可憐は美童グランマニエからの誘いを受け、鷹見硝のファッションショーの観覧に行く事にする。ショーの最中にマルガリータが奈落に落ち、死亡してしまう。そして生前、美童がマルガリータから預かっていた鍵でコインロッカーを開けてみると、デパートで盗難された高価なイヤリングが入っていた。マルガリータとイヤリングの因果を探るため、美童は無理矢理マルガリータの代役として鷹見のショーに参加する事となる。(エピソード「PART11」)
悠理は母親の剣菱百合子の少女趣味に付き合わされ、うんざりしていた。一方で父親の剣菱万作は北海道新幹線敷設の入札競争で燃えていた。剣菱家のライバルとなる相手が、犬猿の仲の兼六財閥だと知った万作は、絶対に勝つと意気込んでいたが、毎晩夢に観音様が現われ、土地から出してほしいと訴えかけられていた。何度も訴えかけてくる夢を見るため、万作からは気力が失われてしまう。その観音様が剣菱家に伝わる家宝の黄金観音像ではないかと睨んだ悠理らは、万作のためにと大捜索を開始する。(エピソード「PART12」)
聖プレジデント学園に、キール王国から留学生のカサル・ガルシアがやって来た。第一王子という格式の高さと整ったルックスを持つカサルに対し、可憐は猛アプローチを開始する。しかし、母国がクーデター中のカサルは日本でも命を狙われ、悠理らはカサルを守るために奔走する。(エピソード「PART13」)
聖プレジデント学園では、期末テストで赤点を取った生徒は、冬休みのすべてを補習にすると告示される。悠理はほかにも赤点を取りそうな可憐や美童らに声をかけるが、みんなはこれまで同様の過ちは繰り返さないと突き放され、自分一人が赤点のプレッシャーと戦う事となる。そんな中、悠理はテスト問題を盗もうと夜の職員室に侵入。そこで男子学生の霊と遭遇し、教頭の悪を暴いてほしいと依頼される。その交換条件としてテストの際に悠理に憑りつき、赤点を回避させる事ができると提案され、悠理は快くこの申し出を受ける。悠理は男子学生の霊との交換条件をみんなに伏せ、清四郎らも巻き込んで教頭の周囲を探り始める。すると教頭が裏口入学の窓口になっているという疑惑が浮かび上がる。(エピソード「PART14」)
第5巻
ある日、剣菱悠理の愛猫、多満自慢、富久娘と松竹梅魅録の愛犬、男山が何者かによって誘拐されてしまう。犯人グループからは身代金1億円が要求され、マスコミは前代未聞の金額に大騒ぎになる。事件を解決しようと立ちあがった警視総監の松竹梅時宗だけでなく、別のルートから「有閑倶楽部」メンバーの悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエが救出を試みる。(エピソード「犬猫まるごとHOWマッチの巻」)
今年の聖プレジデント学園の修学旅行の行先はヨーロッパ旅行に決まる。海外に行き慣れている生徒達のあいだではさほどの感動はなく、パリの街で悠理はいつものように買い食いをしていた。そんな中、悠理は見知らぬ男にぶつかる。悠理はなぜか男からテープを託され、男はそのまま立ち去ってしまう。意味がわからない悠理だったが特に気にせず、そのテープをリュックに入れて買い食いを続ける。次に立ち寄った美術館で、悠理は手元にあった絵皿を灰皿だと勘違いして、勝手に持ち出してしまう。その後、その絵皿が高価な物だと知った悠理は、夜中に美術館へと忍び込んで返却を試みる。しかし悠理は警備員にあっさり見つかり、窃盗犯と疑われ、パリの街を逃亡する事となる。(エピソード「欧羅巴トラブル・ツアーの巻」)
第6巻
ある時、香港シンジケートの幹部の男性が、妹と共に日本に極秘来日する事になり、警察に対してマイクロフィルムに入った組織の秘密を渡す代わりに、身の安全を保証してほしいと交渉を申し出る。その計画を耳にした香港マフィアのボス、茅台は激怒。日本に自分の部下を送り込み、幹部の兄と妹を捕まえる事を命令する。追い詰められた兄と妹は剣菱家のキッチンに入り込み、誤ってマイクロフィルムを調理中のスープの中に落としてしまう。何も知らない剣菱万作と、「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエはスープを飲んでしまい、マイクロフィルムを取り返そうとする茅台らに拉致され、強力な下剤を飲まされてしまう。(エピソード「香港より愛をこめての巻」)
悠理と美童は聖プレジデント学園の代表として、テニス大会「澤乃井カップ」に出場し、見事決勝戦に進出する。このまま優勝するために意欲を燃やす悠理と美童だったが、対戦相手の身内が誘拐されてしまう。そして犯人からの要求は、多額の現金と悠理と美童がわざと試合に負ける事だった。清四郎、野梨子、魅録、可憐は犯人側の要求を受けず、試合中に誘拐事件を解決しようと奮闘する。(エピソード「スポーツマンで行こうの巻」)
第7巻
「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエら六人は旅行の計画を立てていた。このところ海外絡みの旅行で散々な目に遭っていた六人は、国内旅行を考えていたが、賀茂泉守は野梨子に、彼女として危篤の父親に会ってほしいと依頼される。野梨子は賀茂泉の父親を騙すような事はしたくないと断るが、ほかのメンバーに押し切られ、賀茂泉の実家がある離島へと向かう。それぞれの夏を謳歌していたところ、可憐と野梨子は白い影や幽霊を目撃。さらに野梨子は突然苦しみだし、立てなくなってしまう。(エピソード「幽霊なんかこわくないの巻」)
剣菱家では剣菱万作が、大ファンの美人女子プロレスラーのラッシャーさやかを招いて食事会を行っていた。そんな中、さやかは電話が入ったために席を外し、そのまま剣菱家の庭で何者かによって殺害されてしまう。怒り狂った万作は悠理、清四郎、野梨子、魅録、可憐、美童に対して、犯人を見つけたら何でも好きな事をさせてやると宣言。六人は犯人を見つけるため奔走し、野梨子と可憐はさやかが所属していたプロレス団体に潜入する。一方の悠理は女子プロレスラーとして異例の速さでデビューし、周囲の注目を集めていた。事件を探っている最中、悠理と可憐はさやかのマネージャーだった人物が殺害されている場面に遭遇。悠理と可憐は殺人犯として警察から追われる立場になってしまう。(エピソード「成金爆発娘の巻」)
第8巻
前回、剣菱万作からの依頼を見事クリアした「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエは、南国リゾートでゆっくりしたいとリクエストする。万作は自身の知り合いがいるマイタイ王国へ六人と共に向かい、国の姫君、チチと知り合う。マイタイ王国では国王が床に臥せており、国王が死去したあとは第一王子が即位する事になっている。しかし、即位式で必要な王冠が行方不明になっているため、軍人達が幅を利かせていた。悠理らは王冠を探すため、チチと共に行動を起こす。(エピソード「南海の秘宝の巻」)
生徒会室から酒やたばこが見つかり、悠理達は1週間の謹慎処分を受ける事となった。出羽桜陸がPTA会長になってから、明らかに生徒への締め付けが強まった事もあり、悠理らは反発心を抱く。さらに謹慎中に訪れたディスコで、悪い輩に絡まれていた浦霞緋沙子を助けたものの、陸からは問題行動だと、さらに謹慎期間が延長されてしまう。陸に何らかの復讐をしたいと考える悠理らの前に、陸が何よりも大切にしている錦鯉の噂が舞い込む。野梨子の発案で錦鯉を誘拐し、身代金を手に入れようという大胆な計画が持ち上がる。(エピソード「池のコイ誘かい事件の巻」)
第9巻
黄桜燁子が経営するジュエリーショップ「ジュエリーアキ」の20周年記念パーティーが開催され、「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエら六人も参加する事となる。そこでドケチとして有名な桜川きぬの着ていた高価な着物に対し、美童はアルコールをかけてしまう。その事がきっかけで、きぬはその場で美童に一目惚れし、美童に豪華なプレゼントを贈るだけでなく、悠理らともなかよくなる。パーティーでは楽しい時を過ごしていたが、きぬは不慮の事故で亡くなってしまう。きぬの死後、美童は線路に突き落とされそうになるなど、命の危機を覚える出来事が次々起こり始める。(エピソード「愛すればこその巻」)
剣菱万作と剣菱百合子の思いつきにより、世界を一周しながら難問クイズやアトラクションをクリアしていくテレビ番組が制作される事となった。三人一組のグループに分れる事になるが、可憐のふとした発言から仲間割れが勃発。悠理、野梨子、魅録のグループと清四郎、可憐、美童のグループに分かれてしまう。体力に自信はあるものの知識面に自信のない悠理のため、魅録はイヤーマッフル型の通信機を開発。それのおかげで悠理のグループも勝ち上がり、清四郎のグループも順当に勝ち上がった。しかしお互いのグループ同士、どこか寂しさを感じており、お互いに歩み寄る事で仲直りをする。このまま番組を楽しんでいこうとした矢先、野梨子は偶然にもスタッフの一部が違法薬物や盗品を機材と共に運んでいる事実を知る。そして野梨子はそのままスタッフに捕まり、拉致されてしまう。(エピソード「世界一周アドベンチャークイズの巻」)
第10巻
ある日突然、剣菱百合子は剣菱悠理に剣菱家を継がせると宣言する。そのためには優れた婿を見つける必要があり、その候補として挙げられたのが菊正宗清四郎だった。普段の清四郎ならば断わるものの、剣菱家を使って自分の能力を試したいと考えた清四郎は前向きに検討し始める。これに大反対した悠理は、強くなるために雲海和尚のもとを訪れる。そして雲海和尚に鍛えられた悠理は清四郎に対し、自分が勝ったら婿入りの話を白紙に戻すという条件のもと勝負を挑む。(エピソード「剣菱家の事情の巻」)
ある日の放課後、清四郎と共に書店に立ち寄った白鹿野梨子は、刈穂裕也が車雑誌を万引きしている姿を目撃する。野梨子と目が合っても悪びれる様子のない裕也に対し、野梨子は何も言えずにいた。その後も裕也は、仕事に対していい加減な態度を取ったり、逆に理不尽な客に注意したりと、常識人なのかそうでないのか気になる状態が続いていた。そんな中、白鹿清洲が展示会に貸し出した白鹿家家宝の掛け軸が何者かによって盗まれてしまう。そしてその犯人グループの一員と思しき人物が裕也と知り、野梨子は激しく動揺する。そして悠理、清四郎、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエは掛け軸盗難事件の真犯人探しを開始する。(エピソード「白鹿野梨子にささげる愛の巻」)
第11巻
美童グランマニエは母親の知人を訪ね、病院へお見舞いに訪れた。そこには長期入院している美少女の真澄がおり、美童は彼女と結婚の約束をしてしまう。その光景を偶然病院に来ていた黄桜可憐が目撃。可憐は美童に対し、子供をからかうなと注意したところ、真澄が激怒。以降可憐に敵対心を抱く。そんな中、「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、可憐、美童がいつも通り日常を送っていると、その先々で入院しているはずの真澄が元気な姿で現われる。その姿は会う度に明らかに成長しており、悠理らは恐怖を覚える。(エピソード「「愛してごめんなさい」の巻」)
「有閑倶楽部」メンバーは、雪山にスキーをするためにやって来た。難関コースのため運動が苦手な野梨子はもちろん、普通の運動神経を持つ可憐もコースの途中で離脱してしまう。運悪く一人でコースアウトした可憐は、このままでは凍死する恐れがあると、近くにあった祠へ避難し、その中にあった仏像を燃やして暖を取る。その後、すぐに救助が来て可憐は助けられたものの、その日から異常に爪が早く伸び、恐ろしい形相をした女に殺されそうになる悪夢ばかりを見るようになってしまう。ノイローゼ気味になった可憐のため、悠理らは祠と仏像について調査する。(エピソード「丑三つ時の女の巻」)
第12巻
剣菱家では剣菱万作の発案により、世界最大の遊園地「万作ランド」の建設が進められていた。そこで万作にタリスカ王国のクロワーゼとの浮気疑惑が持ち上がり、剣菱百合子は実家に帰ってしまう。しかも万作はタリスカ王国から金銭援助を頼まれるものの、百合子の手前実行に移せず、大いに悩む事となる。そんな中、万作ランドオープン記念パーティー中に武装集団が侵入し、「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエらを出せと襲いかかる。武装集団は以前悠理らのせいで投獄された茅台が放った者達で、復讐のために六人の命を狙っていた。悠理らはティコ、百合子と力を合わせ、絶体絶命のピンチを切り抜ける。(エピソード「茅台 炎の復讐の巻」)
第13巻
フランス在中の家族の事情で、レイニア・エールは長期間日本を離れる事となった。その代わりにエールの甥、ピーターが聖プレジデント学園の代理理事長を務める。そんな中、黄桜可憐の後押しもあり、高千穂哲郎が産休補助教師として勤務する事となる。ピーターが自分に恋心を抱いている事に気づいた哲郎は、言葉巧みに聖プレジデント学園の権利書を手にする。今回の事件の背景に哲郎の母がいるのではないかと疑った菊正宗清四郎は、剣菱悠理を哲郎の母が経営する「高千穂医院」に入院させ、白鹿野梨子、松竹梅魅録、可憐、美童グランマニエと共に聖プレジデント学園を奪い返す計画を立てる。(エピソード「狙われた学園-男ともだち・女ともだち-の巻」)
土日と祝日の影響で聖プレジデント学園は5連休になる。剣菱百合子は友達の桂花からスイスで行われるパーティーに誘われ、悠理らと同行する。そのパーティー会場で高級スパ施設「フローレンス・ルイ」の存在を知った百合子、野梨子、可憐は桂花と共にスパに向かう。そこにはミステリアスな美人経営者のドメイヌ・ドゥシュヴァリエがいた。その頃、悠理、清四郎、魅録、美童は雪山でスキーを楽しんでいたが、突然の猛吹雪で宿泊予定のホテルに帰れなくなってしまう。手持ちの服で女装をし、近くにあったフローレンス・ルイに避難した悠理と男性陣だったが、客の一人が殺害される事件に遭遇。スパの建物が吹雪に閉ざされた中、次々と客が襲われていく。(エピソード「男子禁制殺人事件の巻」)
第14巻
「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエはフィールドアスレチックに遊びに行く。悠理は高い場所から弁当を落してしまい、自分も頭から地面に落ちてしまう。その時はケガもなく無事だったが、悠理の周りで、夢で見たものが現実となる事象が起こり始める。そして悠理は可憐が高い場所から落ち、頭から流血する夢を見てしまう。現実に起こってほしくないと祈りながら生活する悠理だったが、ある日、街で女装した美童と共に銀行強盗に拘束されてしまう。(エピソード「夢で逢いましょうの巻」)
悠理は年末の商店街で行われていた福引で、特賞の肉まんを当てようと躍起になっていた。やっと肉まんが当選するものの、当たり玉が見知らぬ男性のフードの中に入ってしまう。悠理があとを追おうとするが、その男は窃盗団の一員で、あっという間に逃げ去てしまう。そして大晦日の夜、剣菱家では年越しそば大食い対決など、いつも通り賑やかに過ごしていた。新年を迎えた後、剣菱万作と「有閑倶楽部」メンバーで初詣に行ったところ、悠理が追っていた窃盗団の男を発見。さらにその男は賽銭箱の中身を出せと、参拝客の全員を人質にする。(エピソード「初春大騒動絵巻の巻」)
第15巻
黄桜燁子が営むジュエリーアキに、北海道からの顧客、若泉緑がやって来た。偶然黄桜可憐の家に遊びに来ていた剣菱悠理と白鹿野梨子の希望もあり、緑が女将を務める温泉旅館にお邪魔する事になる。「有閑倶楽部」メンバーの悠理、菊正宗清四郎、野梨子、松竹梅魅録、可憐、美童グランマニエは温泉旅館で日々の疲れを癒していたが、悠理は緑の背中に薄ぼんやりとした白い影を見るようになる。白い影はだんだんと実体化していき、舞という少女だという事が判明。舞は、自分は殺されており、死体を見つけてほしいと悠理に依頼する。(エピソード「温泉へ行こうの巻」)
剣菱百合子は少女趣味が高じ、ロシアからバレエ団を日本に呼び寄せていた。日本公演で主役を演じるプリスカ・バブロアのかわいらしさに、百合子はもちろん、美童グランマニエもテンションが上がりっぱなし。しかし、プリスカから実姉としてモルダビア・パブロアを紹介され、悠理らは過去の因縁を思い出し、恐怖する。そんな中、日本での公演がスタートする直前に、プリスカが何者かに誘拐されてしまう。モルダビアと悠理らは協力してプリスカを無傷で救い出す。そして、バレエ鑑賞中のロシア首相を暗殺しようと画策している人物がおり、その計画を知ったために自分は誘拐されたと、プリスカから打ち明けられる。モルダビア、悠理らは暗殺を回避するために動き出す。(エピソード「モルダビア 怒りの鉄拳の巻」)
第16巻
美童グランマニエが女性とホテルに行った際、剣菱悠理が男性と親しそうに部屋に消えていく姿を目撃。さらに聖プレジデント学園では悠理が本当は男だという噂もあり、悠理は困惑する。そんな中、「有閑倶楽部」メンバーの悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童は暇つぶしで訪れたパーティー会場で、悠理そっくりな雅央を目撃。さらに悠理は雅央と間違われ、誘拐されてしまう。今回の誘拐には雅央はもちろん、政治家の若関弘もかかわっている事を知り、メンバーは悠理救出へと動き出す。(エピソード「紳士は美少年がお好きの巻」)
「有閑倶楽部」メンバーは静岡県伊豆市に温泉旅行に行く事にした。途中、休憩のために風情のある洋館の旅館「花の舞」に立ち寄る。可憐が館内をながめていると、庭にいた柾臣と目が合う。そして可憐はイケメンの柾臣に心を奪われてしまう。本来の宿泊先だったホテルが食中毒で急遽営業停止になってしまった事もあり、悠理らはこのまま「花の舞」に宿泊する事となる。しかし悠理は柾臣がこの世の人間ではないと悟り、同時に可憐は生気を失っていき、自殺しようとする。(エピソード「時をかける恋の巻」)
第17巻
松竹梅時宗は松竹梅千秋と結婚前に、毎年結婚記念日には花束を渡す事を誓っており、もしできなかったら離婚する、という約束を交わしていた。そんな中、時宗は「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐、美童グランマニエらと共にタヒチ行の飛行機で旅立つ予定になっていた。しかし時宗は空港でパスポートの入ったバッグを置き引きされてしまい、犯人を追っていると、麻薬取引の現場に巻き込まれてしまう。また特別にチャーターした飛行機が、無人島に不時着するなどトラブルが続くが、時宗は千秋に花束を渡すために奮闘する。(エピソード「君に愛の花束をの巻」)
剣菱万作は北海道にスキー場の建設を予定していた。自慢ばかりするので苦手にしている地主一族の桜川家に一人で挨拶に行くのが嫌な万作は、「有閑倶楽部」メンバーを旅行がてら北海道に招待する。桜川家では財産を巡る醜い争いが起こっており、悠理らはどうする事もできずあきれてしまう。気を取り直して、桜川家の家宝である豪華な雛飾りを見せてもらうが、野梨子はおひな様だけが妙に新しい事に気づく。そして万作と悠理が桜川家の敷地内を散歩していると、悠理が突然穴に落ちてしまう。その穴の中には昔、キリシタン狩りで追われた親子のミイラがいた。桜川家は事もあろうか、親子のミイラを見世物にし、見物料をせしめようというのだ。すると次の日から、桜川家の家人が次々と不審な死を遂げていく。(エピソード「雛人形は眠れないの巻」)
第18巻
黄桜可憐は香取ジルベルトと運命的な出会いをし、今度こそ幸せになれると浮かれていた。同じくジルベルトを狙うライバルの美吉野まきの存在を邪魔に感じた可憐は、ジルベルトの気を惹くため、剣菱百合子の知り合いである洋子フェルナンデスからブラジル料理を学ぶ。そして可憐は洋子が主催するブラジル料理パーティーで腕を振るうが、可憐の料理を食べたまきが倒れ、そのまま死亡してしまう。可憐は警察からライバルであるまきを毒殺したのではないかと疑われる。「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、美童グランマニエは可憐の潔白を晴らすため、行動を開始する。(エピソード「玉の輿料理天国の巻」)
「有閑倶楽部」メンバーは雲海和尚と共に、寺で行われる温泉付き修行体験に参加する事にした。精進料理など楽しんでいたところ、悠理は雲海和尚に美しい高齢の女性がべったりと寄りそっている事に気づく。悠理は大胆な女性だなとスルーしていると、突然悠理の胸は高鳴り始める。そして悠理は何故か雲海和尚に恋をしてしまい、突然の展開に周囲はパニックに陥る。(エピソード「初恋の鎮魂歌の巻」)
第19巻
松竹梅魅録と「有閑倶楽部」メンバーの剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、黄桜可憐、美童グランマニエは共通の知人の結婚式に出席していた。可憐は玉の輿婚に羨望のまなざしを送るが、式の途中で花嫁が逃げ出してしまう事件が起こる。そして花嫁は悠理らを捕まえ、元彼が事故に遭ったので会いに行きたいと打ち明ける。(エピソード「ウエディングエクスプレス」)
剣菱家が経営する「剣菱銀行」は、「白鶴銀行」と経営統合をする事になった。その発表の場で剣菱万作と白鶴銀行側の人間が、「剣菱白鶴銀行」にするか「白鶴剣菱銀行」にするかで揉め出す。両者一歩も譲らず、勝負はなぜか渓流下りで決める事となる。悠理と万作は協力して、白鶴銀行に勝つべく奮闘する。(エピソード「人生いつでも勝負!」)
ある日、清四郎は父親の菊正宗修平宛ての荷物を預かる。中身が価値のある骨董品と聞いた清四郎はこっそり中身を確認し、国宝の曜変天目を堪能する。しかし清四郎は興奮のあまり、曜変天目を割ってしまう。曜変天目を修復すべく、ほかの「有閑倶楽部」メンバーは清四郎に手を貸すのだった。(エピソード「菊正宗清四郎、一生の不覚の巻」)
登場人物・キャラクター
剣菱 悠理 (けんびし ゆうり)
有閑倶楽部メンバー。日本屈指の剣菱財閥の令嬢で、運動部の部長でもある。超人的な運動神経を持ち、女性的なことは一切苦手な大食漢。運動部部長ロック同好会所属.。
菊正宗 清四郎 (きくまさむね せいしろう)
有閑倶楽部メンバー。大病院菊正宗病院の御曹司であり、囲碁倶楽部やUFO研究会など複数の部に所属。文武両道で、生徒会長でもある。
白鹿 野梨子 (はくしか のりこ)
有閑倶楽部メンバー。父親が日本画の大家であり、母親が茶道の家元というお嬢様。文化部部長で、囲碁倶楽部にも所属している。文化人一家に生まれたこともあり教養が深い。文化部部長 、囲碁倶楽部所属。
松竹梅 魅録 (しょうちくばい みろく)
有閑倶楽部メンバー。警視総監の息子であり、母も旧華族の出身で倶楽部の中ではサブリーダー的な存在。ロック同好会に所属し、近隣では名の知れた不良生徒。生徒会副会長、ロック同好会所属。
黄桜 可憐 (きざくら かれん)
有閑倶楽部メンバー。宝石商を営む母との母子家庭。高校生とは思えない抜群のプロポーションと美貌が自慢で、有閑倶楽部ではお色気担当。生徒会経理、社交倶楽部所属。
美童 グランマニエ (びどう ぐらんまにえ)
有閑倶楽部メンバー。在日スウェーデン大使の息子で、女性と見まごう美しい容姿が自慢のプレイボーイ。生徒会書記、社交倶楽部所属。
剣菱 万作 (けんびし まんさく)
剣菱悠理の父親。剣菱財閥会長だが、言葉はなまっており様相は田舎者。意外にもケンブリッジ大学卒業の秀才。
剣菱 百合子 (けんびし ゆりこ)
剣菱悠理の母親。剣菱家のメイドだったが、剣菱万作に見初められ結婚。気が強いが、実はリボンやフリルが好きな少女趣味。
剣菱 豊作 (けんびしほうさく)
剣菱悠理の兄。個性の強烈な剣菱家の中で非常に影が薄く真面目で大人しい。
菊正宗 修平 (きくまさむね しゅうへい)
菊正宗清四郎の父親。菊正宗病院の院長で、心臓外科の権威。
白鹿 清洲 (はくしか せいしゅう)
白鹿野梨子の父親で日本画壇の巨匠。妻は20歳年下の美人。
松竹梅 時宗 (しょうちくばい ときむね)
松竹梅魅録の父親。「鬼時宗」と恐れられた警官で、現在は警視総監。正義感の強い熱血タイプ。
松竹梅 千秋 (しょうちくばい ちあき)
松竹梅魅録の母親。元華族の和貴泉家の令嬢。非常に若々しく、息子の松竹梅魅録にも「千秋さん」と呼ばせている。
男山 (おとこやま)
松竹梅家の飼い犬で、警察犬のコリー。松竹梅時宗に肥だめに落とされて以来、水恐怖症となった。
黄桜 燁子 (きざくら あきこ)
黄桜可憐の母親。夫を亡くしたシングルマザーで、ジュエリーアキを営む宝石商。美人で、亡くなった夫を今でも思っている。
杏樹 グランマニエ (あんじゅ ぐらんまにえ)
美童グランマニエの弟。金髪の美少年で、生意気なプレイボーイ。
レイニア・エール (れいにあえーる)
聖プレジデント学園の理事長。20年日本に住んでいるイギリス人。有閑倶楽部のメンバーと親しく、彼らの停学を取り消すなどかわいがっている。
雲海和尚 (うんかいおしょう)
菊正宗清四郎の拳法の師匠。非常に俗っぽく高齢だが未だに腕は衰えていない。剣菱悠理を指導したこともある。
花子 アクアヴィット (はなこ あくあゔぃっと)
美童グランマニエの祖母。スウェーデン在住の日本人。小柄の老女で、普段は大人しく和装をしているが、頭に血が上ると豹変する。
カサル・ガルシア
キール王国の第一王子。祖国にクーデターの動きがあったため、日本へ疎開した。有閑倶楽部のメンバーと過ごすうちに黄桜可憐と恋に落ちた。
オー・ド・ヴィー・ド・ミュスカ
モルト王国の王女。美童グランマニエとうり二つの美人。彼女が命を狙われた際、美童グランマニエと入れ替わるなど有閑倶楽部のメンバーに助けてもらった。
賀茂泉 守 (かもいずみ まもる)
聖プレジデント学園に通う学生。実家は瀬戸内海の島の網元。白鹿野梨子に憧れており、恋人のフリをしてもらい実家に連れていった。
モルダビア・パブロア
KGBのエージェント。女性だが屈強な肉体を持ち、サディスト。CIAからは「鋼鉄のモルダビア」と呼ばれ恐れられている。
五代 (ごだい)
剣菱家の執事。剣菱万作の親の代から使えている。個性的な剣菱家の人々に振り回されている。
菊正宗 和子 (きくまさむねかずこ)
菊正宗清四郎の姉で、医大生。強気で頭がよく、菊正宗清四郎が頭が上がらない数少ない人物の一人、。
茅台 (まおたい)
香港マフィアのボス。中国服を身にまとった巨漢で、有閑倶楽部のメンバーの宿敵。
大山 瑠璃子 (おおやま るりこ)
有閑倶楽部のメンバーが長野を訪れた際に知り合い美童グランマニエに一目惚れした。美人とはいいがたい容貌で、美童グランマニエには振られたが、諦めきれずに聖プレジデント学園に転入した。
ヴィヨン・グランマニエ
美童グランマニエの父親。スウェーデン大使で、息子によく似たイケメンで、プレイボーイ。
白雪 緑 (しらゆき みどり)
聖プレジデント学園に通う女子高生で、資産家のお嬢様。純情で世間知らずな性格の持ち主。父親の会社でお世話になっている政治家の男性に迫られ、無理矢理身体の関係をもたされたうえに妊娠してしまう。絶望した白雪緑が陸橋から投身自殺をしようとしたところを黄桜可憐が目撃し、失敗に終わる。その後は菊正宗清四郎の協力もあり、自殺ではなく人生を立て直す道を選択した。
ルシアン
海外の著名なロック歌手の女性で、剣菱悠理、松竹梅魅録が彼女の大ファン。日本公演の後に宿泊先のホテルで殺害され、その現場を悠理が発見する。
ブランビン
スウェーデンで古美術商を営む男性。普段は物腰が柔らかい穏やかな人物だが、古美術の事になると人が変わったように暴力的で凶暴な一面を見せる。花子アクアヴィットと親しくしていたが、彼女の家にあるチッペンデール製の家具を狙っての事だった。霊媒師を使ってチッペンデール製の家具を教会へと運びだし、途中ですり替えようとした。
鷹見 硝 (たかみ しょう)
世界的ファッションデザイナーとして有名な男性。デザイナーとして活動する際には「SHO」と名乗っている。美童グランマニエとは以前からの知り合いで大のお気に入り。恋愛対象は男性で、美童にほのかな恋心を寄せていた。
マルガリータ
外国人のファッションショーモデルの女性。鷹見硝のショーでもモデルとして参加していたが、最中に奈落へと落ちて死亡してしまう。美童グランマニエとは以前からの知り合いで、恋愛の駆け引きをしていた。死亡する前日にも美童と会い、コインロッカーの鍵を「魔法のキィ」と言って渡し、ショーが終わったあとに自分と引き換えに返してほしいとお願いしていた。
ラッシャーさやか
実力も人気も抜群の美人女子プロレスラー。剣菱万作、松竹梅時宗も大ファンで、万作は後援会長を務めていた。剣菱家に招かれて食事をしていた際、電話のため席を外したところを何者かに殺害されてしまった。
チチ
マイタイ王国の姫君。褐色の肌に美しく整った顔立ちをしており、国民思いで、強い信念の持ち主。初対面で美童グランマニエがアプローチを受けた。その後、松竹梅魅録と心が通じ合い、両想いになる。
出羽桜 陸 (でわざくら りく)
成金の資産家の男性で、テレビに「明るく健全な青少年運動」の発起人として登場している。娘が聖プレジデント学園に通っている事もあり、PTA会長も務めている。ただしそれらは政界に出馬するため、クリーンなイメージを付けたい思惑があっての事で、教育熱心な訳ではない。出羽桜陸がPTA会長になってから風紀が厳しくなっており、剣菱悠理らからは疎ましく思われている。 元華族の家柄と血縁関係を持ちたいがために、息子を浦霞緋沙子と無理矢理婚約させようとしている。
浦霞 緋沙子 (うらかすみ ひさこ)
聖プレジデント学園に通う女子高校生で、元華族の家柄。おしとやかな日本美人で、美童グランマニエからアプローチを受けている。出羽桜陸の息子と無理矢理婚約させられ、悪い輩と深夜にディスコに行くなど荒れていた。
桜川 きぬ (さくらがわ きぬ)
黄桜燁子が経営するジュエリーショップの入るビルの大家で、高齢の女性。趣味は日本人形収集で、周辺ではドケチとして知られている。燁子の経営するショップの20周年記念パーティーで美童グランマニエと偶然出会い、一目惚れする。美童に高価なプレゼントを贈るだけでなく、剣菱悠理、菊正宗清四郎、白鹿野梨子、松竹梅魅録、黄桜可憐らともなかよくなるが、突然の事故で死亡してしまう。
刈穂 裕也 (かりほ ゆうや)
金沢出身の20代の青年で、松竹梅魅録とは顔見知り。喧嘩っ早く素行は悪いが、信念を持ったしっかり者。整った顔立ちをしているため、女性からは好意を寄せられる事も多いが、遊びの恋しか経験がない。偶然白鹿野梨子と出会い、お互いに惹かれ合ったが、進展せずに終わってしまう。
ティコ
モンゴルの山奥に住むピキシー族の長の娘。剣菱万作が虎に襲われそうになった際に助け、以降万作と知り合いになった。大柄で筋肉質な身体つきに、決して美人とは言えない容姿をしているが、優しく一途な性格の持ち主。ただし茅台からはすごい美人だと褒められた。ピキシー族の決まりでキスをした異性と生涯を共にしなくてはならず、偶然キスしてしまった美童グランマニエを運命の相手だと追い回している。
クロワーゼ
タリスカ王国の女王で、剣菱万作の初恋の人。万作がケンブリッジ大学に留学していた際、周囲から孤立していた万作に話しかけてくれた心優しき人物。タリスカ王国では独立戦争が起こっており、経済危機が訪れている。
ピーター
レイニア・エールの甥で日本人とのハーフの男性。エールがイギリスに長期帰国するため、代わりに聖プレジデント学園の代理理事長を務める事になった。めがねをかけた少し垢抜けないルックスをしているが、内面は穏やかで心優しい人物。恋愛対象は男性で、高千穂哲郎に一目惚れした。恋心を利用され、哲郎に聖プレジデント学園の権利書を奪われてしまう。
高千穂 哲郎 (たかちほ てつお)
アメリカからの帰国子女の20代男性で、実家は「高千穂医院」という大病院を経営している一族。長身に整ったルックスをしており、大人の魅力と色気を兼ね備えた人物。日本に来てからは画廊の手伝いや産休補助教師などを務めている。聖プレジデント学園の美術教師が産休に入る事から、ルックスを気に入った黄桜可憐の後押しもあり、同学園に勤務し始めた。 実は哲郎の母から聖プレジデント学園の権利書を手に入れるために放たれた刺客で、ピーターの恋心を利用して計画を成功させる。しかし、ピーターに本気の恋心を抱いてしまい、最終的には剣菱悠理ら聖プレジデント学園側の味方についた。
哲郎の母 (てつおのはは)
高千穂哲郎の実母で恰幅のいい女性。息子の哲郎は美男子だが、剣菱悠理から血のつながりを疑われるほど似ていない。大病院「高千穂医院」を経営しており、富と名声とお金が大好きで、横柄な性格の持ち主。宝塚歌劇団の大ファンで、以前から悠理の事を気に入っていた。そのため悠理が高理穂医院に入院した際は特別待遇をしている。哲郎を利用して聖プレジデント学園を乗っ取る計画を立て、権利書を手に入れた。
桂花 (くいほあ)
イタリアで成功した中国人の女性で、剣菱百合子の友達。スタイル抜群のアジアンビューティーで一児の母。ただし顔はさまざまなところを整形している。高級スパ施設「フローレンス・ルイ」に通っており、百合子や黄桜可憐、白鹿野梨子にもいっしょに行かないかと誘った。
ドメイヌ・ドゥシュヴァリエ (どめいぬどぅしゅゔぁりえ)
高級スパ施設「フローレンス・ルイ」を経営する女性。世界中のセレブを最高の接客をするため、複数の国の言語を習得している。ミステリアスな美貌は常連達からいつになっても年を取る様子がないと称賛されており、「フローレンス・ルイの奇跡」と呼ばれ、あこがれを持たれている。
若泉 緑 (わかいずみ みどり)
黄桜燁子が営むジュエリーアキの顧客の女性。北海道で老舗温泉旅館の女将として働いている。おしとやかな美人女将として有名だが、実際は着飾る事が大好きな目立ちたがり屋な性格の持ち主。舞が憑りついているが、若泉緑自身は気づいていない。
舞 (まい)
若泉緑に憑りついている少女の霊。霊感のある剣菱悠理に対し、自分の遺体を見つけてほしいと依頼した。
プリスカ・バブロア (ぷりすかばぶろあ)
ロシアの有名バレエ団に所属する女性で主役を演じる実力の持ち主。小柄でかわいらしい顔立ちをしており、美童グランマニエがすぐに気に入った。モルダビア・パブロアは実姉。
雅央 (まさを)
男性同士の同性愛をテーマにした雑誌でモデルをしている青年で、見た目は剣菱悠理にそっくり。ただし黄桜可憐いわく、雅央の方が色気がある。実際に同性愛者でもあり、美少年クラブ「蘭丸」に所属しており、英明という男性の恋人もいた。自身の母親の高額な手術費用を得るため、若関弘に過去の関係を暴露すると脅し金銭を巻き上げる計画を立てたが、若関がヤクザを雇った事で逆に追い込まれてしまう。
英明 (ひであき)
雅央の恋人の男性で同性愛者。雅央の母親の病気の手術費用を得るため、若関弘に過去の関係を暴露すると脅して金銭を巻き上げる計画に加担したものの、ヤクザを雇った若関により追い込まれてしまう。
若関 弘 (わかぜき ひろし)
次回の都知事選に出馬予定の男性。整った見た目と爽やかなイメージから女性を中心に支持を受けている。同性愛者であり、美少年クラブ「蘭丸」に出入りをしていた。そこで出会った雅央と懇意になり何度か身体の関係を持っていたが、その時の様子を雅央により盗撮され、金銭を要求される事となった。自分に関する不祥事が世間に出そうになるとヤクザの力を借りてもみ消しており、今回も、雅央を消そうと計画を立てる。
志太泉 (しだいずみ)
静岡県伊豆市近郊で洋館の旅館「花の舞」を経営者で、物腰が柔らかく品のいい高齢の女性。夫にも先立たれ、故人で兄の柾臣が手入れをしていた庭のばら苑を守りながら働いている。すぐ近くでゴルフ場拡張のため、「花の舞」の土地を買いたいと申し出を受けているものの、柾臣との思い出深い土地を手放したくないと応じる気はない。
柾臣 (まさおみ)
志太泉の実兄。美青年だったが、50年以上前に死去している。生前はずっと身体が弱く、小説を読んだり、当時は親族が経営していた旅館「花の舞」の庭でばら苑の手入れをしてひっそりと暮らしていた。今も魂は「花の舞」にあり、霊感の強い剣菱悠理が来た事で霊力が強まり、波長の合った黄桜可憐と恋に落ちた。死後の世界に初めての恋愛相手の可憐を連れて行きたいと願い、可憐に対して自殺するように促す。
香取 ジルベルト (かとり じるべると)
日系4世のブラジル人の青年。父親はサンパウロで不動産と建設業を経営しており、家は非常に裕福。さらに整った顔立ちをしている事から、三吉野まきをはじめ女性からから好意を寄せられる機会も多いものの、現在彼女はいない。黄桜可憐と駅の階段でぶつかり、ケガを負わされてしまう。その件で可憐と親しくなり、アプローチを受ける事となった。
美吉野 まき (みよしの まき)
都内でブラジル料理店の店長として勤務する女性で、年齢は24歳。香取ジルベルトを恋人候補として目を付けており、アプローチを仕掛けている。突如ライバルとして表れた黄桜可憐に対しては敵対心を剥き出しにした。可憐やジルベルト、仲間を集めたブラジル料理パーティーで何者かによって毒殺されてしまう。
洋子 フェルナンデス (ようこ ふぇるなんです)
会社経営をしているふくよかな中年女性で、剣菱百合子の知り合い。夫がブラジル人のため、ブラジル料理が得意。香取ジルベルトに恋する黄桜可憐のために、快く料理を教えた。表向きはハンサムな年下夫と幸せに暮らしているように見えるが、実は夫の度重なる浮気に悩んでいる。
多満自慢、富久娘 (たまじまん、ふくむすめ)
『有閑倶楽部』に登場する猫。剣菱悠理がかわいがっている雑種の飼い猫。松竹梅家の飼い犬男山と仲がいい。
アケミ、サユリ
『有閑倶楽部』に登場するニワトリ。剣菱万作が飼っている。多満自慢&富久娘と仲が悪く、よくケンカしている。
真澄 (ますみ)
美童グランマニエの母親の知人が通院する病院で、長期療養中の10歳の美少女。美童の事をまるで王子様のようだと慕っており、将来は結婚すると約束した。美童も真澄が将来は美人になるとかわいがっていたところ、黄桜可憐が子供をからかうなと注意。美童との仲を邪魔されたと感じた真澄は以降、可憐に対して激しい敵対心を抱くようになった。 長期入院中のはずではあるが、美童の行く先々に成長した姿で現われる。
集団・組織
聖プレジデント学園 (せんとぷれじでんとがくえん)
『有閑倶楽部』に登場する学校。幼小中高大一貫制で名士名家の子弟のみが通う名門校。
場所
フローレンス・ルイ (ふろーれんするい)
スイスにある高級スパ施設で、ドメイヌ・ドゥシュヴァリエが経営している。真冬でも凍らない湖に浮かぶ島にあり、施設へは専用クルーザーで向かう。世界の上流階級の人々からは「奇跡のスパ」と呼ばれており、予約を取るために結婚を延期する者までいるほど。月に1回通うだけで身体のすべてが若返るといわれている。世界中のセレブを最高の接客をするため、最低3か国語以外を話せるスタッフが勤務する。