政略結婚から始まる新婚生活
何不自由なく育ったワガママなお嬢様の香琳は、16歳の誕生日に突然、両親から結婚するよう告げられる。それは親が決めた政略結婚だったが、相手が香琳がずっと片思いしていた先輩の尚だと知り、彼女は夢見心地で受け入れる。簡素な式を挙げて新婚生活が始まるが、両親の勝手な理想を一方的に押し付けられ、ボロアパートでの新婚生活がスタートする。さらに、これまで優しかった尚の態度が一変。「香琳との結婚は、君の父親から経営学を学ぶための手段だ」と冷たく言い放ち、自分の顔だけが好きな香琳を拒絶する。住まいはオンボロで、お金も、そして夫の愛もない。どん底から始まった新婚生活だったが、香琳は尚を振り向かせようと奮闘する。
世間知らずの新妻×現実主義の野心家の夫
香琳は、身の回りのことをすべて使用人に任せて育ったため、世間の常識に疎い。当初は自己中心的な行動が目立っていたが、尚との生活を通じて自分の未熟さに気づき、問題解決のために自ら考え、行動するようになる。さらに、厳しい現実にも素直に向き合う柔軟さも身につけていく。一方、つねにポーカーフェイスで感情を表に出さない尚は、折山家の婿養子となり、自らの野望のためだけに結婚を選び、心の拠り所であったサッカーを辞める決意を固める。当初は生活力のない香琳に呆れていた尚だったが、彼女のひたむきな姿に心を少しずつ開き、やがて笑顔を見せるようになる。そして、自分のことだけを考えるのではなく、香琳と共に幸せになる方法を模索し始める。何もかもが正反対の二人は、不器用な同居生活を通じて少しずつ大人へと成長していく。
ワガママなお嬢様と中性的な友人の恋の行方
ワガママなお嬢様の香琳にとって唯一の友人は海老名五十鈴。五十鈴は中性的で美しい容姿を持ち、幼い頃はその外見から周囲にからかわれることが多かった。そんな彼を救ったのが、当時幼稚園児だった香琳で、彼にもっと「堂々と振る舞えばいい」とアドバイスをし、それ以来、五十鈴にとって香琳はあこがれの存在となる。当初、香琳と尚の結婚については知らなかった五十鈴は、ある出来事をきっかけにその事実を知ってしまう。それを機に、長年胸に秘めていた香琳への恋心が再燃し、尚の恋のライバルとなる。しかし、誰よりも香琳の幸せを願っているため、ライバルでありながらも一番の相談相手として彼女を支え続けている。
登場人物・キャラクター
折山 香琳 (おりやま かりん)
裕福な家庭に育ったお嬢様。年齢は16歳。親の決めた政略結婚により、先輩の尚と夫婦になる。実は、結婚前から尚に一目惚れしており、この結婚を心から喜んでいる。極度の世間知らずではあるが、素直な性格で、夫となった尚に振り向いてもらおうと一途に尽くす健気な一面を持っている。結婚当初は高いプライドから意地を張ることもあったが、尚と共に暮らす中で徐々に心を開き、自分の弱さを見せられるようになっていく。幼なじみの五十鈴からは「カーリー」と呼ばれている。
鶴木 尚 (つるぎ なお)
香琳の夫。香琳と同じ高校に通っている。年齢は18歳。学校ではサッカー部のエースとして活躍し、その完璧なルックスと爽やかな振る舞いから、多くのファンが存在する。しかし、その笑顔の裏には、目的のためには手段を選ばない冷徹な野心家という一面が潜んでいる。香琳との結婚も、自らの野望を実現するための手段と割り切っており、当初は彼女に心を開くつもりはなかった。しかし、香琳がひたむきに自分を思い続ける姿に心が揺さぶられ、次第に彼女を大切にしたいという気持ちが芽生え始める。折山家の婿養子であることは周囲には秘密にしており、結婚後も香琳からは「センパイ」と呼ばれている。
書誌情報
未成年だけどコドモじゃない 5巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2013-04-26発行、978-4091351791)
第2巻
(2013-07-26発行、978-4091353504)
第3巻
(2013-11-26発行、978-4091356291)
第4巻
(2014-06-26発行、978-4091360335)
第5巻
(2016-04-26発行、978-4091384256)







