結婚×レンアイ。

結婚×レンアイ。

夫と死に別れた29歳のアラサー女性は、その後9年間生活をともにしてきた夫の異母弟と、ある日突然結婚することになった。現役の高校生である義弟と、アラサー女子の困惑に満ちた結婚生活を描く歳の差ラブコメディ。月刊WEBマガジン「Love Silky」Vol.26(2015年2月配信号)から隔月で連載の作品。

正式名称
結婚×レンアイ。
ふりがな
けっこん れんあい
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
白泉社レディース・コミックス(白泉社)
巻数
既刊9巻
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あらすじ

第1巻

法律事務所勤務の明智詩保は、職場で知り合った明智護と結婚した。だが幸せな日々もつかの間、夫の護が事故で急死し、新婚生活は3日で終了してしまう。その後、詩保は護の異母弟・明智誠と義姉弟として支え合い、生活を共にして来た。

それから9年の歳月が流れ、詩保が29歳に、誠が18歳になったある日、詩保は誠から突然結婚を迫られる。誠は自分の気持ちを伝え、夫を亡くした悲しみで抜け殻のようになり、ボロボロだった詩保を今まで支えて来た責任を取るタイミングであると強く迫る。加えて、結婚しなければ家を出て行くとも宣言。家事のすべてを誠に依存していた事もあり、厳しい条件を突き付けられた詩保は大混乱。一方の誠はモラルや世間体を考えて渋り続ける詩保を説き伏せ、半ば強引に婚姻届けを提出する。こうして二人は11歳差の夫婦として、結婚生活を始める事になった。そんなある日、詩保は親友の三峰百合から合コンに誘われ、断り切れずにしぶしぶ参加する。自分を取り巻く環境に色々と思うところのある詩保は、ついつい酒のペースが早くなり、すっかり泥酔状態となってしまう。そんな詩保に、会社の後輩・松本が本気だからと関係を迫るが、そこに合コンに参加している事を知らないはずの誠が姿を現す。

第2巻

義弟から夫になったとたん、明智誠から夫婦生活を求められるようになり、明智詩保は混乱していた。誠に対する愛情はあるものの、一線を越える事をなかなか受け入れられない詩保は、誠を拒絶し続けていた。何事も段階を踏む事にこだわっていた詩保の意を汲んで、誠はキスする事を最終目的に、遊園地での制服デートを決行する。年齢を忘れて遊園地を楽しんだ二人は、お決まりの観覧車で盛り上がりを見せ、キスをする流れとなる。しかし、窓に映った制服姿の自分に、急に我に返った詩保はキスを拒絶。気まずい空気のまま帰路に就いた二人は、偶然にも三峰百合松本に出くわし、動揺した詩保は、とっさに誠の手を引いて目の前のラブホテルへと逃げ込んでしまう。こうして成り行きから、詩保は誠との初夜を迎える覚悟を決める。しかし、誠が風呂に入っているあいだ、あまりの緊張に酒を飲み始めた詩保は、気づかぬうちに泥酔し、爆睡してしまう。結局何事も起こりようがないまま、翌朝ホテルをあとにした二人だったが、それ以来、誠は硬い表情を崩さない。一方の詩保は、自分がしでかした事の重大さを鑑み、誠と夫婦になるために向き合う事を決める。そして意を決して自分から誠に、「このあいだの続きをしよう」と持ちかける。しかし詩保の決意とは裏腹に、誠は静かに拒否の姿勢を見せる。

第3巻

明智誠が童貞かどうかの真相を探るため、誠の部屋に入った明智詩保は、元彼女の痕跡を探っていたところを、風呂上がりの誠に見つかってしまう。詩保が言いわけのセリフも思いつかないまま、立ち尽くしていると、スイッチが入ってしまった誠は、動揺する詩保を抱きしめ、下着を脱がしにかかる。そんな時、詩保から出た言葉は今日は火曜日だから、この続きは金曜日にしようというお誘いの言葉だった。とうとう決戦の日が3日後に決まったと、嬉しい反面、緊張する二人は、それぞれが期待に胸を膨らませつつ、落ち着かない日々を過ごす。そして、エッチな夢を見て朝目を覚ました詩保は、夢に見た相手が亡き夫・明智護だった事に端を発し、やはり誠と行為に及ぶ事はできないと誠に伝える。金曜日、誠が倒れたと学校から連絡が入り、詩保が慌てて迎えに行くと、誠は火曜日から3日間、眠っていなかった事を知る。すべてが自分のせいだと思い詰めた詩保は、自分が夢の中で護と「浮気」をした事を誠に明かす。それを聞いた誠は、詩保の口から、本命が自分である事を確認すると、帰宅後すぐに詩保との情事を開始。そのまま念願の瞬間を迎えると思われた。しかし誠は高熱を出し、結局願いは果たされないままとなってしまう。そして、二人の出会いから、誠が詩保との結婚を決断するまでの経緯、衝撃の過去が明らかになる。

第4巻

ようやく明智誠に自分の気持ちを伝え、キスを済ませた明智詩保は、金曜日を迎え、ベッドを共にするために勝負下着を購入して準備万端整えていた。しかし仕事からの帰り道、誠が女子高校生・浅見光に抱きつかれているところを目撃してしまう。二人の関係についてすぐに誤解は解けたものの、母親の妊娠・再婚を理由に帰宅を嫌がる浅見を放っておく事もできず、詩保は彼女を自宅に招く事にした。浅見は、詩保の知らない学校での誠の顔をよく知っていた。そのうえ、誠と詩保が結婚している事も知っているため、夫婦関係について遠慮のない発言も多い。詩保はそんな浅見を誠の元彼女であると思い込み、嫉妬に似たモヤモヤした気持ちを持ち始める。翌日、浅見の母親が娘を迎えにやって来たが、それを察した浅見は、母親から逃げるように詩保を連れて姿を消す。そして浅見は、詩保に母親の再婚話の愚痴をこぼしながらスイーツの食べ歩きを満喫する。誠と母親を挑発しつつ逃げ惑う浅見に付き合ううちに、詩保は、いつも自分が誠に振り回されっぱなしだからこそ、時には誠を振り回したいという衝動に駆られるようになる。

第5巻

明智詩保は、亡くなった元夫・明智護よりも明智誠への気持ちが強くなっている事を伝え、互いの思いを確認し合った。しかし、2年前に詩保とキス以上の事をした事があるという誠の発言に、激しく動揺した詩保は、詳細を確認する事もできないまま家出をしてしまう。誠は、最低な自分をさらけ出してもなお、詩保に自分を選んでほしいとの思いから、思い切って2年前の事を打ち明けた。だがその結果、詩保が家を出て行ってしまい、なぜ話してしまったのか後悔する一方で、前に進むには必要だったと自らを肯定しようとしながら、ふさぎ込む日々を送る。一方、詩保は三峰百合に助けを求め、彼女の家で厄介になる事になった。しかし、誠と離れて暮らす初めての時間を経験し、誠の存在の大きさを改めて再認識する。その後、偶然学校の友達といっしょにいる誠の姿を目撃。自分がいなくても普通通りの生活を送っている事にショックを受けたりと、詩保の方も次第に憔悴し始める。そんな中、詩保は会社帰りに偶然浅見光に会い、最近誠が学校を休んでいる事を耳にする。ある日、突然大切な人がいなくなるという経験をした事がある詩保は、胸騒ぎを覚え、誠の身に何かあったのではないかと自宅に戻る。するとそこには、床で倒れ込んでいる誠の姿があった。

登場人物・キャラクター

明智 詩保 (あけち しほ)

法律事務所に勤める女性で、年齢は29歳。9年前、職場で知り合った明智護と結婚したが、3日で死に別れた。それ以降、護の幼い弟の明智誠と、義姉弟として生活をともにしてきた。しかし、誠が18歳になった時に突然結婚を迫られ、困惑するうちに強引に婚姻届けを提出されてしまう。夫になった誠からは夫婦生活を求められるが、気持ちが付いていかず、拒絶を続けている。 酒は好きだが弱いため、酔うとすぐに記憶を失ってしまう。現在司法書士になるため勉強中。

明智 誠 (あけち まこと)

18歳の男子高校生で、明智護の異母弟。護の死後、明智詩保と生活をともにして9年になる。超名門高校に通っており、成績優秀で日々の素行も良く、女子生徒からも人気の美少年。進路の相談と偽って詩保に結婚を迫り、結婚が合法的に認められる年齢に達したことで、半ば強引に婚姻届けを提出し、事実上の夫婦となった。温和で優しく真面目な性格だが、Sっ気が強い。 食事の用意や掃除、洗濯などの家事はすべて自分が担当している。お笑い芸人になるという夢を持ってはいるが、堅実な進路として検事か裁判官になるべく大学の法学部への進学を希望している。表情が顔に出にくく、一見するとクールだが、実は内なる情熱をため込むタイプ。そのうえ、意外と形式にこだわるところがある。 怒ったりへこんだりすると、それを消化するため掃除や料理にのめり込む癖がある。

明智 護 (あけち まもる)

9年前まで法律事務所に勤めていた男性弁護士で、当時の年齢は29歳。明智誠の異母兄で、9年前に明智詩保と結婚後、3日で事故に遭い帰らぬ人となった。当時まだ小学生だった異母弟の誠を引き取り、仲良く暮らしていた温かく心優しい人物。高校時代は生徒会長を務めており、成績は首席で品行方正。それでいて学校に革命を起こした革命児としてその名を遺している。 出席番号が並んでいた赤井とは、悪友であり親友。

三峰 百合 (みつみね りりぃ)

明智詩保の中学・高校時代からの親友の女性。いつも冷ややかで辛口なコメントが多い。ことあるごとに詩保の相談に乗っているため、詩保と明智誠の関係は詳細に把握している。半年前に彼氏と別れて以降、次に付き合う人とは結婚を視野に入れようと考えてはいるものの、合コンに参加してもなかなかいい人に出会えないでいる。松本とは、詩保を通じで知り合ったが、ひょんなことから体だけの関係を持つことになる。 以降、詩保と誠の情報を、松本に流している。詩保や松本からは「ミツ」と呼ばれている。

松本 (まつもと)

法律事務所に勤める新人の男性弁護士。会社の先輩である明智志保に興味を持っており、夫を亡くした詩保を本気で狙っている。日常的にも何かと詩保の周囲にいることが多く、ちょっかいを出しているため、明智誠からは目を付けられている。主催者として合コンのセッティングをすることが多く、三峰百合に対しては、かつて既婚者を紹介してしまった負い目があり立場が弱い。 弁護士にしては軽薄な雰囲気だが、意外と真面目でお人好しなところがある。

赤井 (あかい)

明智誠の高校でクラス担任を務める男性教師。ノリが軽めで面白い先生として評判。かつて高校時代、明智護とはクラスメイトで、悪友であり親友だった。過去にデキ婚をしたが、現在は離婚しており独身。誠とは教師と生徒という関係を超えて、夫婦について語り合うことも少なくないが、基本的には誠が一枚上手なため、いつも言い負かされている。

邑木 (むらき)

商社に勤務する薄顔インテリ系のイケメン男性で、松本の友人。松本が主催する合コンに参加した際、三峰百合と知り合い、個人的に会う約束をするようになったが、実は既婚者。自分がデキ婚したことも、妻が妊娠中で臨月であることも隠して合コンに参加し、三峰との関係を楽しもうとしていた。その事実が発覚した際、三峰から殴られこっぴどく振られることになる。

所長 (しょちょう)

明智詩保や明智護、松本の上司にあたる、法律事務所の所長を務める男性。小柄でにこやかで温和な性格。夫を亡くして以降、浮いた話のない詩保を案じ、お見合いの話を持ってくるなど詩保の幸せを願っている。

浅見 光 (あさみ ひかり)

明智誠と同じ超名門高校に通う女子。誠のクラスメイト。明智詩保からは、誠の元彼女だと誤解されているが、単に小学校の時からの腐れ縁というだけ。かつて、共にお笑い芸人を目指すために誠とコンビを組んだ相方だった。物心つく前に父親を失い、キャリアウーマンの母親と二人暮らししていた。そんなあこがれすら抱いていた母親が、突然妊娠。しかも相手は死んだと聞かされていた父親だった事が判明し、できちゃった結婚を2度も繰り返したうえ、再婚した事が気に入らず、家を飛び出して学校にもいかないままになっていた。引っ込みがつかなくなって1週間が経った頃、路上で誠と遭遇して保護され、ひょんな事から誠と詩保の家に行く事になった。態度は悪いが根は優しく、誠のよき理解者。また、スキあらば詩保の体に触り、胸を揉もうとする。

書誌情報

結婚×レンアイ。 9巻 白泉社〈白泉社レディース・コミックス〉

第9巻

(2022-08-05発行、 978-4592155997)

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