来迎國/らいごうのくに

来迎國/らいごうのくに

アメリカ合衆国大統領は、「日本全土の消滅」という衝撃的な事実を公表。その頃日本では「四ツ手」と呼ばれる鬼のような怪物の大群に襲われ、滅亡の危機に晒(さら)されていた。ある妄想障害で、12年間地下室に監禁されていた青年、柴刺才とその仲間が、日本の奪還をかけて戦う姿を描いたサスペンス・サバイバル。小学館「裏サンデー」にて、2021年1月7日より配信を開始した作品。

正式名称
来迎國/らいごうのくに
ふりがな
らいごうのくに
原作者
鈴木 智
漫画
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

ある日、アメリカ合衆国大統領は、ホワイトハウスで全世界に向けて緊急声明を発する。それは、沖縄と北海道の一部を除く日本列島全体が消滅したという、衝撃的な事実だった。その少し前、東京にある柴刺家で悲鳴が上がる。家政婦である浮橋亜芽乃が声のした方へ行くと、住み込みの使用人の平邦達雄が、何者かに惨殺されていた。強盗だと考え、慌てて玄関へ向かう亜芽乃だったが、玄関にも強盗らしき人影があった。玄関を避け、亜芽乃が向かった先は、この家に隠された地下室の前だった。地下室には「四ツ手型妄想障害」で、9歳から12年間、誰にも姿を見せたことがない青年、柴刺才が監禁されている。「四ツ手型妄想障害」とは、4本の腕を持つ人型の幻覚(通称四ツ手)が襲ってくる妄想を持つ精神疾患である。扉を開けてくれと懇願する亜芽乃に、「俺とのケコーン」が条件だと才は答える。根は真面目で優しいという噂の才だが、インターネットの影響で、ネットスラングを多用する変人となっていた。「なんでも言うことを聞く」という亜芽乃に、才は扉を開ける方法を教えた。こうして初めて顔を合わせた二人のもとに、血まみれの剣を持った不審者がやってきた。それは、強盗などではなく鬼の顔と4本の手を持つ怪物であった。才はその怪物を「四ツ手」と呼び、怪物から剣を奪い取り、一刀両断に斬り捨てた。その頃、外の世界では、突如として日本中に現れた四ツ手の大群が、一方的に日本人たちを殺戮していた。

登場人物・キャラクター

柴刺 才 (しばさし さい)

銀髪が特徴の21歳の青年。8歳の頃から、4本の腕を持つ人型の幻覚(通称四ツ手)が襲ってくる妄想に悩まされ、9歳の時、自ら自宅の地下室に入る。以後12年間引きこもり生活を続け、使用人にさえ姿を見せたことがなかった。地下室で、妄想の四ツ手に殺され続けるという体験に抗(あらが)い、四ツ手と闘い続けたことから、達人なみの格闘術を会得している。また、引きこもり中の情報源がインターネットしかなかった影響か、ネットスラングを多用する変態的な性格になっている。

浮橋 亜芽乃 (うきはし あめの)

地下室に引きこもる柴刺才の世話をする家政婦。26歳で、ポニーテールが特徴。実は、防衛大臣直属の情報局特務防衛情報分析室の副室長。特異精神疾患、四ツ手型妄想障害の潜入捜査で柴刺家の家政婦を務めていた。才には「なめのん」の愛称で呼ばれる。

平邦 達雄 (ひらくに たつお)

78歳の老人。柴刺才が地下室に引きこもった当初から、住み込みで才の世話をする。年を取り、車椅子生活になってしまってからは、浮橋亜芽乃に才の世話を任せていた。才に厳しい教育を施していた反面、母親からを装い、欠かさず手紙を書き続ける優しさを持つ。柴刺家に突如現れた四ツ手により惨殺されてしまう。才には「マダタツ」の愛称で呼ばれる。

その他キーワード

四ツ手型妄想障害 (よつでがたもうそうしょうがい)

2011年前後から、日本を中心とし東アジア諸国に、突如として集団発生した新型の妄想障害。「4本の腕を持つ人型の幻覚(通称四ツ手)が現れる」「患者は、四ツ手に襲われ殺害されるという、強度の被害妄想を持っている」「従来の内服薬、投薬、心理療法の効果は一切ない」という、三つの共通特徴がある。妄想の誘発原因は不明。患者は昼夜の別なく妄想に襲われるため、心身衰弱や事故・暴力事件などを引き起こし、社会生活を送ることが困難な状況になる。把握されている症例は328例だが、ネット上の書き込みなどから、実際はかなりの規模の患者数がいると推測されている。発症から2年で60パーセントが発狂または廃人化、25パーセントが自殺または事故死を起こす。5年後の生存率は、わずか3パーセントである。

クレジット

原作

鈴木 智

SHARE
EC
Amazon
logo