東京ゲンジ物語

東京ゲンジ物語

自らの周りで人の死を高頻度で経験する青年が、曖昧なまま抱えていた記憶の断片を探し始める。周囲に連続して起こる「殺人事件」と、既視感を伴って現れた謎の青年・冬夜に導かれ、記憶を取り戻すまでを幻想的に描くサスペンス。「マンガボックス」2014年第15号から2015年17号にかけて不定期に掲載された作品。

正式名称
東京ゲンジ物語
ふりがな
とうきょうげんじものがたり
原作者
天樹 征丸
漫画
ジャンル
推理・ミステリー
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
全3巻完結
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概要・あらすじ

幼い頃に友人の少女を亡くしてから、篝光は、時おり古びた玩具箱から転がり落ちていくビー玉のイメージを見るようになる。その際、同時に、光は「人が死ぬ」という子供の囁きのような声を耳元で聴き、そして実際に周囲の人が死ぬことを経験する。その繰り返しの日々の中、光は友人の間宮倫子に誘われ、バンドのライブ会場を訪れる。

そこでバンド「ギヨチーヌ」のボーカルの男性・冬夜を見た光は、いいようのない既視感を感じるのだった。その夜、倫子の死体が発見される。これを機に、光のまわりでは殺人事件が立て続けに発生するようになる。

登場人物・キャラクター

篝 光 (かがり ひかる)

定職に就かず、学校にも行っていない18歳の男性。家族は小学生の時に強盗に殺されているが、記憶は不確か。今は父親・篝夜彦の友人だったバーのマスターを後見人にして、1人で暮らしている。特徴のない、目立たない風貌だが、友達は多く、誘いに応じて出かけたり相談に乗ったりと、面倒見もいい。周囲からは「ゲンジ」の通称で呼ばれている。 これは小学生時代の友人だった御名都由菜が、アイドルグループ「光GENJI」をもじって付けたもの。由菜が亡くなった時期から1年間の記憶が、ところどころ曖昧だったり、父母のことをほとんど覚えていないが、学校のことや使っていた小物など、ささいなことはよく覚えている。幼い頃に習っていたピアノが今でも得意だったり、こと「記憶」に関して非常に不安定なところがある。 また、由菜の死後、自分の周囲で何かとよく人が死ぬことを気にかけている。人が死ぬ前兆として、「また人が死ぬよ」と囁く子供の声を聴き、玩具箱から転がり落ちるビー玉のイメージを幻視する。

泊 順一 (とまり じゅんいち)

17歳の小柄な男性。まるで女性のような外見をしている。中性的な服装を好み、髪型は襟足の長めなショートヘアで、前髪をヘアピンで留めている。周囲からは「ジュン」と愛称で呼ばれることが多い。篝光の1つ下の後輩で、小学生の頃からの付き合いがある。表面的な物事に左右されず、物の核心を見ようとする、偏見にとらわれない性格。光の周囲で人が死ぬことが多いと分かっていながらも、友人付き合いを続けている。

冬夜 (とうや)

細身で小柄な若い男性。黒髪のショートヘアで、前髪が目をおおうほどに長い。フランス語で断頭台を意味する、やたらとうるさい曲調のインディーズバンド「ギヨチーヌ」の元ボーカル。他のバンドメンバーが、ファンの間宮倫子を強姦して殺してしまったため、バンドが解散することになってしまう。篝光は当初、冬夜以外のメンバーの主張により冬夜を犯人と疑ったが、バンドメンバーの仕業である証拠を見せられ、冬夜のことを信用した。 その後、自分に任せて帰るようにと光に告げ、犯人たちに重傷を負わせた。これにより警察に追われているが、ネット上にも写真が出回るほどの有名人でありながら、未だに警察に身元を特定されていない。10年前、光と同じピアノ教室に通っていた。

間宮 倫子 (まみや りんこ)

露出の多い服装をした派手な女性。背中をおおうほどに長い明るい色の髪を持つ。篝光とは半年前に知り合い、友人となった。インディーズバンド「ギヨチーヌ」のボーカルを担当している冬夜に恋している。その装いからは意外だが、実は真面目なお嬢様学校出身。

菱木 百合 (ひしき ゆり)

篝光の友人の若い女性。通行人が目を奪われるほどに美しい顔立ちで、スタイルも完璧。ただし、幼い頃から左の頬に目立つ赤い痣(あざ)があり、顔の右半分のみを目立たせようという意識が強い。顔中に痣のある架空の双子の姉を妄想し、痣による苦悩を、「薔薇」と名付けたその架空の姉にすべて押し付け、自身は痣のない「百合」として明るく振る舞っている。 光は菱木百合のそんな姿に共感し、左頬の痣を無意識にないものと脳内処理して接していた。しかし、百合の中で押さえつけられていた「薔薇」が人格を持ち、悪意を爆発させて男性を殺すようになってしまったため、「姉が殺人を犯している」と光に相談を持ちかける。

御名都 由菜 (みなと ゆな)

小学5年生時の、篝光のクラスメイト。年の割に博識な美少女だが、意地悪で可愛げがない性格の持ち主。人の感情を汲み取ることができず、周囲の人を傷つけるような言動を繰り返していたが、光はそんな彼女と親しく、よく一緒に遊んでいた。小学校5年の時、首を切りつけられ、絶命した状態でマンホールの底から発見された。犯人は未だに捕まっていない。 光と同じピアノ教室に通っていた。

空蝉 マリア (うつせみ まりあ)

中年女性だが、自らは清凛女子に通う16歳の女子高校生と認識している。30年前、傘を借りたことがきっかけで泊順一の父親に恋し、当時金に困っていた彼のために、家の金を持ち出してまで貢いでいた。しかし厳格な父母に厳しく咎められ、感情を爆発させたマリアは母親を刺殺し、取り押さえようとした父親とともに2階から転落して、脳に損傷を負った。 それが原因で30年間昏睡状態だったため、過去の記憶の続きを生きている。ただし、順行性健忘症を患っているため、新たな記憶は続かない。回復後に訪れた思い出の店で、恋した人物にそっくりの順一に偶然出会い、想いを寄せるようになる。思い出の傘を常に持ち歩いている。

澪禅 都姫 (れいぜん みやび)

眼鏡をかけた若い男性。警視庁捜査二課の頭脳特殊犯係に所属していたが、現在は資料課に左遷されている。それでも主導権を握る捜査一課を差し置いて、被疑者に聞き取りをしたり、資料課に自分用の個室を増設したりと、傍若無人な振る舞いを見せる変人。父親は、現警視庁次長を務めている。

千秋 焚流 (ちあき たける)

警視庁捜査一課所属で、巡査部長の男性。陽気で口数が多く、常に軽口を叩いている。のちに澪禅都姫の相棒として資料課に左遷され、署内で「左遷千秋」と呼ばれるようになる。

篝 夜彦 (かがり よるひこ)

篝光の父親で、光が小学生の頃に亡くなった。強盗殺人の被害に遭ったといわれているが、犯人はまだ捕まっていない。記憶をコントロールする国家機密に関わる研究をしていた。それを軍事利用しようとする政府内の勢力に抵抗し、研究成果を息子である光の中に隠した。音楽が好きで、篝夜彦の死後にヒカルの後見人となったバーのマスターとは、音楽繋がりの友人関係にあった。

篝光の母 (かがりひかるのはは)

篝光の母親。光が小学生の頃に亡くなった。強盗殺人の被害に遭ったといわれているが、犯人はまだ捕まっていない。夫の篝夜彦とともに、記憶をコントロールする国家機密に関わる研究に従事していた。

ルリカ先生 (るりかせんせい)

冬夜と篝光が10年前にピアノを教わっていた中年の女性。ピアノ以外にチェロも弾きこなす。当時はよく薄紫のブラウスを着て、部屋にラベンダーの薫りを漂わせていた。

バーのマスター

篝光の後見人。光の父親である篝夜彦の友人だった。以前は店内にあるピアノを光に演奏してもらっていたこともあるが、今は光は滅多に演奏しなくなっている。そのため、普段は自身の選んだ曲を店で流している。店の名前は「Collaboration」といい、光の父親が名付けた。

クレジット

原作

書誌情報

東京ゲンジ物語 全3巻 講談社〈講談社コミックス〉 完結

第1巻

(2014年8月8日発行、 978-4063951561)

第2巻

(2014年12月9日発行、 978-4063952612)

第3巻

(2015年3月9日発行、 978-4063953374)

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